戦姫絶唱シンフォギア 333回、転生した男   作:黒色晩餐

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さーせん、地球の裏側とか深海とか宇宙まで逃げたりしたんですけど翔真に捕まって簀巻きとなった作者です。
流石にね?逃走先で待ち伏せてクロノスのポーズは無いよ!?初見殺しも良いところだよ!!
この後、多分次話までは墓場に埋まってることでしょう。では翔真さん、スタッフから渡された紙の通りに読んでくださいっ

チッ……面倒くさい…えーっと、なになに?
三人に黙って消えた翔真。前世の姿に変わってとある隠れ家に!あ?おい、作者!あれは隠れ家じゃなくて自宅兼工房だ!間違うんじゃねぇ!昔住んでいた村の教会の方が隠れ家だ、ドアホ!
ん゛ん゛っ!では、本編をお楽しみください。
もしかしたら、私が置き去りにしてしまったあの子と再会をするかも……しれませんね?


第14話〜過去は静かに忍び寄る。神父は微笑み、過去は怒り狂う〜

ヨーロッパのとある山間部にて、一人の神父が突如として現れた。

 

「たしか…ここだったね。数百年ぶりだけど劣化防止は機能しているみたいだな……まぁ、あの子は居ないだろう」

 

場所に検討が付いているのか何も無い岩壁に近付き、一定のリズムで叩いてから手のひらで岩壁を押すと…木製の扉が出現しそれを開ければ扉の向こうへと入っていくと、扉は勝手に閉まり、木製の扉は消えていくのであった。

 

「久しぶりに来たせいか防犯システムが発動していますね…仕方ありません。地道に行きましょう」

 

木製の扉の先は下手をすれば何十年、何百年と歩き続けなければいけないと感じる程に果てしなく長く、薄暗い廊下だった。

 そんな廊下をしばらく歩いていると視界の先にT字路が急に出現するが翔真は真っ直ぐに、壁へと向かって歩くもぶつかる事はなく壁を通り抜けるのであった。

 そこからはしばらく真っ直ぐ歩いたり、螺旋階段を下ったり登ったりを繰り返しているとようやく、自宅兼工房に到着した。

 

「久しぶり、我が家……相変わらず大量の素材と希少鉱石の山々ですねぇ…これだけあれば新しい錬金術用の素材を探す道具も簡単に作れますね」

 

数百年前から使われてない筈の自宅兼工房は何故か、ホコリは一つもなく、綺麗に掃除されていた……この時点で気付き思い出すべきだったのだ。数百年も放置していれば幾ら劣化防止の機能があったとしてもホコリは積もっている筈だと。

 そして、この自宅兼工房に自由に入れる人物が自分以外にもう一人、居ると言う事にもだ。

 

「さてと、先ずは素材を全て回収するとしましょ「貴様、どうやって此処に侵入した!ここはオレとお父さんの家だぞ!」おや、その声は………久しぶりですね、愛しの愛娘こと、『キャリー』?」

 

『異空間収納』へと素材を入れようとした矢先、後ろから懐かしくもあるがこの世界での唯一の心残りでもあり義理の娘として数年共に暮らしていた少女、『キャロル・マールス・ディーンハイム』が怒りの表情を露わにしていた。

 そんな少女の声を聞いた翔真はクルリと振り返り、昔と変わらない微笑みを向けると少女は固まった。

 何故なら、自分を守る為に魔女狩りの騎士達とたった一人で血だらけとなりながら戦い、最後は全身に複数の剣が突き刺さった状態で魔女狩りの騎士達を一人残らず道連れにし、その命を終えたはずなのだから。

 

「貴様ッ……その姿で!その声で!その顔で!あの人がオレを守るために名付けてくれた名で!オレを呼ぶなっ!」

 

「おやおや…数百年ぶりの再会だと言うのに随分と言葉遣いが乱暴になりましたね…私はとても!悲しいですよキャリー……君をそんな娘に育てた覚えはありませんよ?」

 

あの日、2度目の絶望を味わったキャロルにとって実の父親と同等の存在となっていた養父の死を目の当たりにしたのだ。

 そんな養父が今、目の前で生きた姿を晒し自分を守るために付けてくれた名を呼ばれると心が酷く掻き回された。今にも抱き締めたい、大声で泣きながらお帰りと言いたい……でも、彼は死んだ。冷たくなった体を土に埋め墓を建てた記憶は今でも鮮明に思い出せるのだから。

 

「貴様のような男に育てられた覚えはない!オレのパパとお父さんは死んだ!オレの想い出を冒涜した報いを受けてもらうぞ!」

 

「こんな所で戦えば部屋の中がめちゃくちゃになってしまいますよキャリー?…いや、キャロルと呼んだほうがいいですかね?

…仕方ありません………世界は、反転する。現し世から隠り世へと…光は影に、生者は死者に、盤上をひっくり返せ」

 

話しを聞くつもりの無いキャロルはこの場から目の前の男を排除する気満々らしく、このままこの部屋をめちゃくちゃにされるのは勘弁して欲しいのか翔真は床を3回、足で叩くと室内全てに陣が出現した。

 そして、その陣全体に罅が入り鏡が割れるように砕け散ると室内は上下左右の無い真っ黒な空間へと変わっていったのだ。

 

「これはっ…お父さんが使っていた錬金術!貴様はどれだけお父さんを冒涜する気だ!」

 

「はぁ……頭に血が上ったままで話し合いは不可能ですね…キャロル、今の貴女とはゆっくりお話が出来ないようですから時間が経って、頭を冷やしてからまた会いましょう。

では、私の錬金術に使う素材とかは全て持っていきますからね……ちゃんと好き嫌いせず、バランスよく食事を取るんですよ?」

 

真っ黒な空間はつい最近使った『神々の箱庭』のプロトタイプであり未完成品だがそれで充分だった。

 長時間、この空間を維持できない代わりに出入りは発動した者しか出来ず、他の者は時間切れまで中に閉じ込められた状態となるからだ。

 

「ふざっ!けるな!!貴様が化けているその人は!その人だけは誰にも冒涜させない!貴様はオレの逆鱗に触れたんだ!」

 

「……それではさようなら、キャロル。私はそろそろ次の場所へ行かなければいけません。

また、今度お会いしましょう……君が自身の命題を完遂しようとするその時に…」

 

翔真の背後に扉が出現すればその中へ吸い込まれ、扉が消滅すればキャロルは真っ黒な空間に一人だけ取り残された。

 

「必ず…必ず見つけてやるぞ!お父さんの姿に化け、お父さんを愚弄した愚か者を!」

 

真っ黒な空間で叫ぶその声は、本当の父親と同じくらい大好きだった養父の姿で養父の研究と研究素材を奪って行った盗人への憎しみと怒りに満ちていたのだった。

 その頃、当の本人はと言うと……

 

「あの子も来ていたとは……ですが、あの言葉遣いは駄目です。

今度、会った時もあのままなら叱らなければいけませんね」

 

棚等に収納されていた錬金素材や道具を『異空間収納』へと全て回収していた。

 

「あれぇ?マスターがいませんねぇ〜。その代わりに、マスターがお父さんと言っている人物の姿をした男が居ると……マスターになにかしましたぁ?」

 

回収も終えて帰ろうとした矢先、翔真が入ってきたのであろう別の入口からガリィが部屋に入ってくると、先に来ていたキャロルを迎えに来たらしい。

 室内を見渡していれば以前来た際、部屋の一角にあるキャロルの個室に飾ってあった写真の男が居たので警戒しつつも話しかけてみるのであった。

 

「君は……誰だい?君が言っているマスターと言うのがわからないのだが?」

 

「あ、そうでしたぁ〜。あたし、ガリィ・トゥーマーンのマスターの名前はキャロル・マールス・ディーンハイムなんですけどぉ、どこに居るか知りませんかぁ?」

 

「おや、キャロルが作った子か…初めまして、私はウィン・トルトロス・ハーヴェル。数年間だけですがあの子の父親代わりをしていた不良神父な錬金術師です。

キャロルなら、私が盗人防止用に作っておいた隔離空間に居るよ。あと一時間もすれば解除されるから心配ないさ」

 

「へぇー…アナタがマスターのもう一人の父親ですかぁー

でも、マスターからは死んだって聞いていますけどねぇ?姿を借りたニセモノ、ですか?」

 

「本物なんだけどね…物凄く怒ったキャロルが話を聞かなくて……なんなら、私の想い出を吸ってみるかい?

ただ、量が凄まじいからほんの少しだけにするんですよ?」

 

「えぇー?いいんですかぁー?ガリィ、うっれしぃー☆

じゃあほんの少しだけ、貰いますねぇ」

 

視界の先に居る不審人物がキャロルの養父の名前を出すと、あからさまに不信感を露わにしながらも自分から想い出を吸い出していいと言ってきた。

 ニセモノならばこのまま想い出を全て搾取てしまえばいいのだと思考し、近づけば口を重ね想い出を搾取した瞬間、並の人間ではあり得ない量の想い出が、333回の転生を行った魂が今まで過ごしてきた4万年近い想い出の一片が濁流のように流れ込んで来た。

 

「ん゛っ!?げほっ!?げほっ!!なんなんですかアナタ!?その想い出の量、本来ならあり得ない……でも想い出の断片からわかりましたがアナタは本当にマスターの父親………でも、正体は化け物ですかぁ?」

 

ドンッと翔真を突き飛ばし咳き込むガリィはギロリと翔真を睨み付け警戒度を上げるも、キャロルのもう一人の父親だとわかっても危険だと判断し距離をとった。

 

「いや、化け物では無い…私は転生者。様々な世界に転生し、その世界にとって重要な人物を死から守ったり、助けたりする役割の……ただの人間さ」

 

「それにしてもぉ、あたしは納得できませんねぇ……アナタは何故、マスターを助けたのですかぁ?マスターがアナタの言う重要な人物だったのですかぁ?だから、マスターを守って死んだと?」

 

「残念ながらキャロルは違う……あの子に会うよりもかなり前に出会ったとある奴隷の母親から生まれた少女を助けた後、姿を変えて不良神父として生きていた頃に出会ったのさ」

 

「ならぁ、気まぐれでマスターと一緒に過ごしていたと言うことですかぁ?」

 

本人の口から転生者と言う言葉を聞けば搾取した想い出の断片から納得してしまいそうになるが、納得できないと言ったガリィはその役割を全うする為にキャロルと出会ったのか?と、問いかけたが翔真はそれを即座に否定した。

 

「違うよ。私は一人の人間として、神父として、父親として、錬金術師として、あの子を育てた…この気持ちに嘘偽りは無い。

あと、あの子にこう言っていただけると嬉しいですね。『私はどれだけ時が経とうがキャリー、君のもう一人の父親であり、師だ。信じられないと言うならば信じなくても良いが昔、私が保管していたワインをぶどうジュースと間違えて飲んで、酔っ払って倒れてしまった事は今でも楽しい思い出だよ。』って伝えておいてくれませんか?」

 

「そのくらい、アナタが直接マスターに伝えればぁ?あたしを手紙代わりに使わないでくださいよぉー」

 

「残念ながらそろそろ時間なのでね……私は数十か所ある隠れ家に行って素材とかを全て回収して来なければいけないのさ。

まぁ、そういう事ですから後はよろしくお願いしますよ、ガリィ」

 

そして翔真は彼女と過ごした日々は嘘偽りの無い日々だと伝えつつ、ガリィに自分からキャロルへと宛てた、二人しか知らない伝言を頼むも自分で伝えろと拒否をされた。

 だが翔真は時間が無いと言い強制的に伝言を押し付けると同時にいつの間にかに持っていたテレポートジェムを割るとその姿を消すのであった。

 

「はぁ…あたしに言うだけ言ってさよならです、か……あたしがマスターに伝えないって可能性は考えていないんですかねぇ

まぁ、怒り狂ってるマスターがあたしの口から伝言を聞いたマスターがどんな顔をするかも見てみたいですし、伝えはしますけどねぇ〜。ガリィってば、やっさしぃ〜☆」

 

翔真が消えた後、残されたガリィは溜め息を吐きながらもキャロルをからかう為のネタが一つ手に入った事で上機嫌になり、キャロルが閉じ込められた空間から出て来るまでの一時間、暇なのか室内を軽く掃除して暇潰しをしていくのであった。




今回はこの私、伊吹翔……いえ、ウィン・トルトロス・ハーヴェルが後書きを担当いたします。

あぁキャリー…私は悲しいです。あれだけ言葉遣いには注意しなさいと言っていたのに…あんな乱暴な言葉遣いをするだなんて…
それにしてもこの時点でガリィが動いているとは思わなかったですね

このまま私を捕まえに来るかどうかはさておき、残りの隠れ家に行って保管しっ放しの素材やらを回収しに行きませんと…
あまり不在にし過ぎて響達のヤンデレ化や依存化が進みますと動けなくなりそうですし……それでも少なくても全て回収するのに1週間はかかりますから、しばらく響達とは会えませんね。

それではまた次回、お会いしましょう

翔真の悪役ムーブ、感想は?

  • よし、もっとやれ
  • やり過ぎてビッキーと393に怒られろ
  • それよりイチャラブを見せろ
  • ヒロインを守って曇らせてしまえ
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