戦姫絶唱シンフォギア 333回、転生した男   作:黒色晩餐

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今回はバトルついでにヤンデレ加速装置&トラウマ付きでの話となります
流血やらグロいのやら多くなるので気を付けてお読みください


第16話〜小さき錬金術師は奇跡を否定する。神父は奇跡を肯定し、少女にとっての悲劇を演出する〜

お互いに睨み合っている中で最初に動き出したのは翔真だった。

 

「これから見せるは楽園を目指し、夢敗れ、散った男が求めた力とその姿である!

刮目せよ!奇跡を否定する錬金術師よ!奇跡を!そして貴様にとっての悲劇を!その曇りきった(まなこ)にお見せしよう!」

 

狂気的な笑みを浮かべると手に持っていた『エデンドライバー』を腰へ装着し、レバーを押してベルトを起動させれば待機音が鳴り響く。

【エデンドライバー!】

更に右手で持った状態で『エデンゼツメライズキー』を取り出し、横に振り払う様に腕を動かすと同時にゼツメライズキーの[ライズスターター]を押し、キーを展開させた。

【エデン!】

キーが起動した事により青白い女性の骨格の様なロストモデルが出現し、赤く吹き上がる血のようなナノマシンの列を伴って翔真の周囲を飛び回る中…

「変身」

目の前に吹き上がった血のようなナノマシンの柱を切り裂くように左斜め上へ腕を振り上げてから『エデンゼツメライズキー』を[ライズスロット]に装填した。

【プログライズ!アーク!】

そして、キーから発生した血管がドライバーのリアクター内部に満たされ、オーソライザーからはみ出た後、翔真の全身へと張り巡らされていく。

【Imagine…Ideal…Illusion…】

翔真を背後から優しく抱き締めたロストモデルが憑依するように一体化する事でアンダースーツを装着、同時に周囲に霧散したナノマシンが凝固したアーマーが装着され変身が完了する。

【EDEN the KAMEN RIDER!】

【The creator who  

charges forward

 believing in paradise.】

 

「ウィン・トルトロス・ハーヴェル改め、我が名は仮面ライダーエデン

本日の出演者は我が娘、キャロル・マールス・ディーンハイムとその娘が作り出したオートスコアラー、ガリィ・トゥーマーンである!」

 

「ふざけるな!貴様が!偽物である貴様が!その顔で喋るな!!」

 

まるでこれからショーを始めるのような口上と身振りにキャロルの怒りも最高潮にまで高まる。

 怒りのまま錬金術を使い発生させた水球に礫を混ぜ、その状態で空気の膜を作り上げ、その膜に小さな隙間を作り出しそこから勢い良く礫混じりの水をウォーターカッターの要領で射出していく。

 

「ほう?3つの属性をかけ合わせた攻撃か……だが、その程度か?」

 

「なっ!?効いてないのか!」

 

射出された礫混じりの水は左腕を切り飛ばし、腹と右肺に大きな穴を開ける。

 腕は吹き飛び切り口から血が吹き出すが痛がる様子もなく、吹き飛んだ腕をナノマシンが引き寄せ、元の場所にくっ付け、大きな穴が開いた腹と肺も再生し、アーマーも再生すると両腕を広げれば血のようなナノマシンが翔真とキャロルを囲うように、複数の柱を形成する。

 

「いったい何を…何をするつもりだ!」

 

「今から見せるは過去の記録…とある人物の最後の人生と最後の戦いを彩り、とある少女の心に大きな傷を残した記録…さぁ、聞け!見よ!」

 

複数の柱の表面が共鳴するかのように揺れると同時に何処からともなく、ピアノとパイプオルガンの演奏が聞こえ始めると周囲の景色が変わっていく……変わった後の景色は対峙する二人にとっては見知った景色だった。

 満月の月明かりが照らす周囲の草木には血が飛び散り、松明の火が引火したのか草木は燃え、地面には甲冑を身に纏った騎士が血を流しながら倒れ、その中には首が無かったり、腕が切り落とされたり、上半身と下半身が離れていた状態だった。

 

「この景色は……なぜだ!貴様がなんでこの景色を知っている!オレの…オレのお父さんが死んだあの日の景色を!」

 

「だからぁ、言っているだろ?私はウィン・トルトロス・ハーヴェルだと……あの日、君を守って死んだお父さんだよ?」

 

どうやら前世の翔真が死んだ場所らしく怒りが最高潮にまで昇っていたキャロルの顔が青ざめ、狼狽え服も昔のに変わっている状態となり、エデンの姿ではなく神父の服を着て返り血まみれとなった前世の姿の翔真は平然としていた。

 

「嘘だっ!嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!そんな筈ない!お父さんは…お父さんはパパと同じく死んだんだ!」

 

「嘘じゃ無いよ…私は此処に居る。キャリー、私は君の前に存在し、現実に存在し、この場に居るんだ」

 

信じない、信じられないと言わんばかりに頭を抱えるキャロルは過去の記憶がフラッシュバックし涙を流しながらしゃがみ込んでしまった。

 そんなキャロルに一歩ずつ歩き、あと数歩近付けば抱き締められる所まで近付くがグサリと、後ろから何者かがあの時代の騎士が使っていた剣で翔真を突き刺した。

 

「えっ?……あ、嫌…お父さん…お父さん!お父さん!お父さん!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「お…っと……キャリー、大丈夫。大丈夫だからね」

 

ポタッ、ポタッと貫通した剣の先から血が滴り落ち、その血が地面に落ち、小さな血溜まりを作り始めるとキャロルの視界に入りゆっくり顔を上げたキャロルは目の前の光景で絶望に染まりきっていた。

 更に追い打ちをかけるように翔真の後ろから剣が何本も突き刺さり、最後にこの騎士団の隊長であろう甲冑の男がとどめを刺す為にキャロルの目の前で男の首を切り落とすのであった。

 

「違う…これは……これは偽物の記憶だ…きっとそうだ…お父さんが…ウィンが負けるわけない。ウィンは最強なんだ……こんな錬金術も使えない様な奴らになんか負けるわけ…」

 

切り落とされた首はキャロルの前に転がり落ち、それを抱き締めたキャロルは涙を流し続けながら何度も繰り返し呟いていた。

 

______________

複数の柱の表面が共鳴するかのように揺れると同時に何処からともなく、ピアノとパイプオルガンの演奏が聞こえ始めてからキャロルは棒立ちとなり、涙を流しながら動かなくなっていた。

 

「ねぇねぇ、マスターのお父さま?なんでマスターは動かなくなっちゃったんですかぁ?」

 

そんな状態のキャロルを見たガリィはバラバラにされ、動けない状態で翔真へと話しかけた。

 

「それはね…とても、とても怖い夢を見ているからさ……とびきりの、トラウマ確定で、しばらくは心が折れてしまうかのような悪夢をね?

さてと、そろそろ悪夢から覚める時間だよキャロル…」

 

仮面ライダーエデンに変身した姿のままとなっている翔真がガリィからの質問に答え、そして演奏の曲調が変わり演奏する楽器が増えれば翔真が歌い始める。

 

空高く 天仰ぐ 今宵、星 揃う時 祈り得て 時を経て 眠りより 醒める神 やがて皆 例外な 存在を 識るだろう そして尚 真の名を 取り戻す 容赦なく 痴れ者が 統べる地は 今一度 彼の領土

 

「ワァ…なんか予想の斜め上以上にやっばい人ですねぇ♪マスターのお父さま☆

こんな人と敵対するとか、ガリィちゃん考えたくもありませーん☆」

 

歌い始めると柱の表面が波打ち、柱の中から血のようなナノマシンで形作られた『禍々しい甲冑を身に着けた騎士、ハイエルフ、鬼人、龍人、グリー○ァス将軍の様な4本腕の機械人形、ムカデの蟲人、狼の獣人、始祖の吸血鬼』の合計8体が出てくる。

 更には柱の外側に血のようなナノマシンの池が出現するとその中から、首までだが山のように大きなドラゴンの頭が出てきたのであった。

 

狂乱と 恐慌と 凶変の 共演を 痴れ者が 統べる地は 今一度 彼の領土 夜空から 星降れば 終焉には あと僅か 戦々兢々たる凶 喧々囂々たる轟 巨海より 虚空より 場所問わず 這い寄る

歌が終われば柱と池から出現した者達の形と柱が崩れ、液状となれば翔真に集まりアーマーに吸収され変身が解除され、ベルトを収納してから少ししてキャロルが目を覚ました。

 

「お父…さん?本当にお父さん?」

 

「そうだって、何度も言っているじゃないかキャリー……ただいま」

 

目を覚ましたキャロルがゆっくりと翔真を見れば流した涙を拭う事なく走り出し、翔真へと飛び付き力いっぱいに抱き締めるのであった。

 

「お父さんっ!あぁっ…本当にお父さんだ。冷たくなったお父さんじゃない…温かい…お父さんの匂い…本物だ………」

 

「そうですよ、キャリーのお父さんですよ……沢山の時間を一人で待たせちゃってすみませんね」

 

「ううん、大丈夫だよお父さん。私ね…今まで待っていた分、沢山お話しをしたい事が出来たんだよ。

だから…コレからはずっとイッショダヨネ?お父さんは私が守るカラ……私とウィンとの子供も、沢山ツクロウネ?」

 

ギュゥゥゥゥゥゥっと響と比べたら弱いが力いっぱいに抱き締めてくるキャロルは神父の服に顔を押し付け匂いを嗅ぎ、体温を感じていた。

 その途中で顔を上げ、翔真の顔を見て笑顔を向けるがうっすらと開かれた目のハイライトは消え去っていた。

 

「そっか…沢山お話しをしたい事が出来たか………今は…無理かな?お父さんね、まだやらなきゃならない事があるんだ……だから、もうしばらく離れ離れだけど我慢出来るかい?」

 

「え…一緒に居てくれないの?まだ、私に待てって言うの?もう…もう、我慢なんかしたくない……我慢するのはイヤッ!」

 

もうしばらく離れ離れになると聞いたキャロルはこのまま離れてしまえばもう会えなくなると思ったのか、子供のようにワガママを言い始める。

 

「じゃあ、約束をしよう……今、キャリーが手掛けている研究が完成する時、必ず私から会いに来ます。

だから、キャリーも頑張ってその研究を完成させてくれますね?」

 

「約…束?私の研究……必ず会いに来てくれる?約束して、必ず守ってくれる?」

 

「もちろんですよ。だから、今はさようならです。

ほら、いってきますの挨拶をしてくれますよね、キャリー?」

 

ワガママを言い始めたキャロルに必ず会いに行く約束をすれば目を腫らしたキャロルは翔真から名残惜しそうにだがゆっくりと離れる。

 

「うん…必ず会いに来て……私、頑張るから…頑張って研究を完成させるから、いってらっしゃいお父さん」

 

「頑張っても良いですが、無理をしては駄目ですからね。いってきます、キャリー」

 

昔のように、何時もの挨拶として両頬にキスをしてからギュッと抱き締め離れ、いってらっしゃいと言ったキャロルに同じように両頬にキスをしてギュッと抱き締めてから離れた翔真がいってきますと言って離れる。

 そして、崖際まで離れた翔真はテレポートジェムを割ると笑顔を作り、手を振りながらその姿を消すのであった。

 

「マスター、乙女になっている所、悪いんですけどぉ……バラバラの体を直してくれませんかぁ?このままバラバラだと一切動けなくてガリィ、困っちゃいま〜す☆」

 

「……いいだろう。お父さんとの約束を守るためにもガリィ、お前をそのままには出来ないからな。

直すのはオレ達の拠点に戻ってからだ」

 

翔真が消えた後で空気を一切読まないガリィがキャロルにバラバラにされた体を直して欲しいと言うと、普段のキャロルに戻ればガリィの近くまで行くとテレポートジェムを割り、拠点へと戻るのであった。




さぁ、これにてキャロル達との邂逅は終了となります。

なぜ、キャロルが悪夢を見させられたのか…音や光や身振り手振りによる催眠状態により、過去のトラウマよりもエグい内容で再体験させた感じです。
それによって一時的に昔の性格に戻った感じとなります。

もうちょいエグい感じにしても良かったんですが、流石に作者の良心が……

曲の著作権番号を検索しても分からなかったので、誰か知っている人が居たら教えて下さいっ

ではでは、また次回お会いしましょう

翔真の悪役ムーブ、感想は?

  • よし、もっとやれ
  • やり過ぎてビッキーと393に怒られろ
  • それよりイチャラブを見せろ
  • ヒロインを守って曇らせてしまえ
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