戦姫絶唱シンフォギア 333回、転生した男   作:黒色晩餐

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第28話〜紫煙くゆらせ、姿変え、呪詛に蝕まれし騎士は新たな器に収まる〜

二人同時に相手をし、体力が先に無くなってしまい気絶する様に寝ている二人を起こさないようにテレポートジェムを割り、二人の部屋へと転移すればベッドへと一人ずつお姫様抱っこでゆっくり運び込めば再度テレポートジェムを割り、自宅へと戻るのだった。

 そして、自宅に戻れば上半身裸のまま真っ直ぐキッチンに行けば換気扇を回し、タバコに火を点けて一服するのだった。

 

「ふぅ………で、フルボトルをどうやってあんなに早く完成させれたのか理由を聞かせてくれんだよな?」

 

「はい。マスターが使った陣をコピーし、私達でも使用出来るように解析した後、使用しました。

マスターが工房から出て約1年は経過しています」

 

タバコの煙をゆっくり吐き出し一服しながら誰も居ないリビングの方を向けばそこに居る”誰か”へ声をかけると……誰も居ない空間にヒビが入り、砂粒くらい細かい粒子になりながら崩れ、粒子が消滅すると…そこには工房に居るはずのグラが小さいアタッシュケースを持って立っていた。

 

「まーた、勝手にやりやがって…次から使うな。解析した、つってもな…星座の位置やらその日の太陽の位置や月の位置や満ち欠けとか色々な要素を組み合わせて使っているから詳しい発動条件を知っている俺以外が使った場合、下手すれば時空がねじ曲がってこの星……いや、この世界が崩壊すんだからな?」

 

「……かしこまりました、マスター…他の者達にもその事を周知させておきます。

私の用件はこれを渡すのを忘れていましたので奥様方が寝ている間に渡しに来ただけですので……」

 

見惚れそうなくらい綺麗なお辞儀を自然にするグラが翔真からの質問に答えると、翔真は大きな溜め息と共に使用するのは危険だからと今後使用するのを禁止だと命令するのであった。

 その命令を聞き入れ、小さくお辞儀をしてからリビングに設置してあるテーブルに小さなアタッシュケースを置き、ロックを解除し蓋を開けると…中には[ガードバインディング]に首無し騎士が描かれた黒い『ワンダーライドブック』が入っていた。

 

「で?これは?」

 

「フェルドゥの因子を使用した『ワンダーライドブック』…『ラスティングベイン』です。他のアイテムも鋭意製作中ですが少々問題が……」

 

「フェルドゥの…そうか……お前は未だにあの時の苦しみから逃れ続けられずにいるのか………それで、問題ってのは?」

 

アタッシュケースの中に入っていた『ワンダーライドブック』の名前を聞けばタバコの火を消し、携帯灰皿の中に捨てればテーブルへ近付き『ラスティングベイン』を手に取ると苦虫を潰した様な表情へと変わっていく。

 だが、グラが申し訳無さそうな表情をしながら少々問題があると口にすれば持っていた『ラスティングベイン』を『異空間収納』にしまい問いかける。

 

「アイテムを作る際、想定以上に賢者の石の消費量が激しく……それに加え、素材も大量に使用しなければならなく…これから先、新しいアイテムを作るとなると工房内の在庫では足りません。ですので……」

 

「賢者の石なら後で作っといてやる。素材が足りないってなら製作中のを作り終えたら一時中断。それ以降は素材集めに専念するんだ。

あと、深海や人が入れない程に地中深くの鉱脈ならまだ掘られていないだろ……それに、生物から生成する素材も生きたまま捕まえて繁殖させれば問題無い」

 

どうやら想定以上の量を使わなければ完成させるのが難しいらしく、半月も使って回収した素材や集めてあった素材だけでは足りないらしい。

 それならば、製作中のアイテムだけは完成させて残りは後回しにしてそれ以降は、素材集めに集中するようにと命令するのであった。

 

「わかりました。では…現在製作中のアイテムを完成後、賢者の石から稼働用と予備のエネルギーを補給を終え次第、工房のメンテナンスと警備担当の2体を残して他の5体で素材の採集と捕獲へ向います」

 

「了解した。残りエネルギーが少なくなったら作業は即中断し、補給しに工房へ戻れ。予備のエネルギーがあるからと油断すれば最悪、エネルギー切れで機能停止するんだからな」

 

「はい、マスター。それでは…失礼致します」

 

翔真からの命令を了承したグラが軽く一礼してから命令内容を復唱し、その内容も問題無いのか軽く頷いた翔真が追加の命令を出す。

 それに対しても了承した後、両手でスカートの裾をつまみ、軽くスカートを持ち上げると同時に流れるような動作で片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばしたまま挨拶をするとグラの足元の影から真っ黒な液体が湧き出し、直径1m程まで広がるとその中から無数の手が噴き出してグラを包み込めば真っ黒な液体の中へと引きずり込んでいくのだった。

 

「……相変わらず移動のやり方がホラーだなぁ…もう少し改良させないと響達にはお披露目出来んな…」

 

グラが移動したのを確認し終われば新しいタバコに火を点けゆっくりと吸いながらこの先、どうするかを考え始めていた。

 そしてタバコを吸い終われば後始末をしてからシャワーを浴び、新しい服に着替え、朝食を作り、一人で食べつつ朝のニュースを見ていた。

 

「今日は響達と遊びに行かなきゃならんしな…バレないようにちょっと変装しますか」

 

昨晩のベッドの中で響と未来から明日、デートしようと誘われいきなりではあったのだが2人からの頼み事だからと安易に了承したのがマズかった。

 家デートじゃなくて外でのデートなのだ。しかも奏や翼も居るらしい。

 

「女性4人の中で1人だけ男だと目立つからな………目立たないようにするか」

 

朝食を食べ終え、後片付けも全て済ませれば『肉体変化』で骨格を少し女性寄りに変えたり、声帯も変化させれば女性っぽくなったのを確認していた。

 更には髪色も深い藍色に変化させ、瞳の色を赤くすればそれに合わせた服を鏡の前で選びながら着替え、最後に伊達メガネをかけつつ両耳にはピアスを付けるのだった。

 

【挿絵表示】

 

「よし、これなら大丈夫そうかしら。この姿になるのも久々ね」

 

その姿は完全に女性だった。胸は控えめではあるも雰囲気は完全に女性だ。

 そこから更に目立ちにくくする為につば付きニット帽を深く被りマスクも付けてから時間に間に合うよう残りの準備を終えてから自宅を出て、待ち合わせ場所へと車を使って向かうのだった。

 

「ちょっと早く来すぎたみたいだな…」

 

待ち合わせ場所から近い駐車場を利用し待ち合わせ場所へと歩いて向かうも、早く来すぎた為か見知った顔が誰一人としてその場所で待っていなかった。

 向かっている道中、近くにオープンカフェを見つけたので彼女達が来るまでそこで待つ事にすれば店内に入り、コーヒーとハニートーストのセットを頼めば空いている席に座り、頼んだものが来るのを待ちながら携帯を弄っていた。

 

「ありがとうございます」

 

少しして、ハニートーストと一緒にコーヒーが運ばれてくればニッコリと笑みを浮かべつつ、女性定員へお礼を言うと顔を赤くし店内へと戻っていった。その際、他の店員となにやら話をしていたが気にしたら負けだろう。

 

ゆったりとしながらハニートーストを食べつつコーヒーを飲んでいるだけなのに道行く人は視線を奪われ、一瞬だけだが立ち止まる。

 立ち止まった大勢の中で数組がカフェの中へと入り、自分と同じ物を頼んだり他のメニューを頼んだりしていて店員は少し忙しそうにしていた。

 

「ごちそうさま。美味しかったわ」

 

ハニートーストを食べ終え、コーヒーを味わいながら携帯を見ているとそろそろ待ち合わせの時間が近付いたので飲み干し、会計を済ませれば最後に一言だけ伝え微笑むと店内に居た女性客や店員の黄色い悲鳴が上がるも気にせず店から出て行く。

 

「少し、注目が集まりすぎたみたいだね…」

 

店から出ても視線が集まるので歩きながら『異空間収納』から1枚の付箋を取り出し、それをビリッと破けば付箋に青い炎が点き、一瞬で燃え上がると集まっていた視線が無くなる。

 まるで翔真を認識出来なくなってしまったかの様な状態になってはいるも、人の波は翔真を見事に避けていた。

 

「おや…翼に奏は丁度、来たみたいだね…おーい、待たせちゃったかしら?」

 

「ん?アンタ誰なんだ?人違いじゃないか?」

 

待ち合わせ場所に近付けば翼と奏の2人が歩いているのを見かけ、小走りで近付けば奏が反応して声がした方へと振り向くも顔見知りでない長身の女性が近付いて来たので人違いでは無いかと言う。

 

「人違いでは無いさ。流石に女性4人に対して1人だけ男だと目立つだろ?変装さ変装」

 

「なっ!?ま、まさか翔真か?」

 

まだ翔真だと気付いていない奏なのでネタバラシも兼ねて声を戻し、何時もの声で喋れば2人とも驚いた顔をしていた。

 

「そうそう。どう?驚いたかい?」

 

「驚くどころじゃねぇよ…アンタ、全くの別人じゃないか」

 

「そう見えるように変装したからね…道化ならこのくらいの変装は朝飯前なのさ」

 

「貴方、変装と言うには変わり過ぎなのよ」

「翼の言う通りだ。アンタのは変装の域を超えてんだよ」

 

まるでイタズラが成功した子供のような笑みを浮かべながら言う翔真。そんな翔真に呆れたような溜め息を吐く翼と奏だった。

 

「響と未来の2人はまだ来ていないみたいだね……遅れて来たら多分、響が原因かな」

 

「ああ、多分そうだろうな」

 

「ええ、そうね。あの子も少しは落ち着いて欲しいわ」

「とか話している間に、来たみたいだね」

 

待ち合わせの時間になっても来ない響と未来の2人。談笑しながら待っていれば走ってこちらへと向っている2人を視界の端に捉えた翔真がその方へと振り向く。

 

「ハア…ハア…遅れてすみません!」

 

「遅いわよ!」

 

「申し訳ありません。お察しの事とは思いますが響の何時もの寝坊が原因でしてっ…」

 

呼吸が乱れるくらい走ってきたであろう2人が息を整えながら遅れてきた事に対して謝罪し、呼吸を整えてから顔を正面に向けると1人は気合の入った服装。もう1人はラフな格好だが見苦しく無く、ある程度に纏まりのある服装だった。

 その中でも目を引くのは一瞬、誰かと分からなかったが喋る時の声で2人は直ぐに気付いた。

 

「昨日、俺が沢山可愛がったせいかな?」

 

「って、アンタが原因かよっ!しかもアタシ抜きで…」

 

「か、奏?何を言っているの?」

 

「えっ!?しょ、翔兄!?」

 

「翔m…今日は翔奈(かな)さんの姿なんですね。久々に見ました」

 

「奏は後日、可愛がってあげるから。

んっん……ええ、そうよ。今日は翔奈の姿だから響も翔奈姉って呼ぶのよ?」

 

ニコニコしながら言う翔真に響と未来は顔を赤くし、視線を逸しながら恥ずかしそうにしていると翔真の隣で自分だけ除け者にされた事に対して嫉妬し、頬を膨らませる奏は翔真の左腕を引っ張っていた。

 

そんな奏の姿を見て驚く翼と、過去に見た姿よりも綺麗になっている翔真の姿に響は驚きを隠せずにいて、未来は直ぐに立ち直し普段通りに対応していた。

 嫉妬する奏の頭を優しく撫でながらも後日、相手をする事を約束しつつ声を変えればボロが出やすい響に釘を刺すのであった。

 

「嘘だったら承知しないからな、翔奈」

 

「わかっているわよ」

 

「はいっ!翔奈姉!」

 

「それじゃあ、皆で楽しい楽しいデートをしましょうか」

 

奏と約束をするも、嘘をついたら承知しないと言われると苦笑いを浮かべつつ、額へと軽くキスをしてその先を言わせないように黙らせる。

 響は元気に返事をしながらも奏とは反対側に行き、右腕に抱き付けば嬉しそうに笑顔を浮かべていた。

 

そんな状態で目立たない。なんて事は無く注目が集まってくる。そうなってくると、奏や翼の顔バレが発生する事を危惧した翔真がデートを楽しもうと言えば全員で最初の目的地へと歩いていくのだった。




一先ずは此処で一区切り。
次回は5人でのデート回になります

オリジナルライダーでの戦闘&暴走

  • 両方有り
  • 戦闘のみ有り
  • 暴走のみ有り
  • 両方無し
  • 戦闘のみ無し
  • 暴走のみ無し
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