戦姫絶唱シンフォギア 333回、転生した男   作:黒色晩餐

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第30話〜命を賭して唱え!その魂を燃やせ!握る拳には嫉妬の炎を灯せ!〜

 

 あのデートから幾日か日付が変わった頃…翼や奏にとっては因縁のある、あの惨劇が起きた場所に1人の男がギターを持ってライブ衣装に身を包み、派手に花火が噴き出すステージの下から勢い良く飛び出して登場する。

 

「お前達!今日は楽しんでいきやがれー!!」

 

 翔真の姿を見た観客達は会場の外にまで聞こえるくらいの歓声を上げ、観客達は白色のサイリウムを振っていた。

 

「今日、俺が歌うのはcover曲と新曲の2つだ!coverは何時もの曲、Crow Song!それと新曲は……Wish in the dark!お前達が待ちに待った久々の新曲、テンションぶち上げて聴きやがれ!!」

 

 軽くマイクパフォーマンスが終わらせた直後、バンッ!と赤色の噴き上げ花火が上がると同時に翔真がギターを弾き始め、それに続くようにベースを弾く音やドラムを叩く音が聞こえ始める。

 

「背後にはシャッターの壁♪指先は鉄の匂い♪

進め♪弾け♪どのみち混むでしょ♪

find a way ここから♪found out 見つける♪rockを奏でろ♪

遠くを見据えろ♪息継ぎさえできない街の中♪」

 

 曲が半分終える頃には会場内のボルテージは最高潮となっているのか様々な色のサイリウムが振られて幻想的な光景の中、ギターソロでの演奏になると更に歓声が上がる。

 

「いつまでだってここに居るよ♪通り過ぎていく人の中♪

闇に閉ざされたステージで♪今希望の詩歌うよ♪

あなただって疲れてるでしょ♪その背中にも届けたいよ♪

こんな暗闇の中からの♪希望照らす光の歌を♪その歌を♪」

 

 そんな状態を維持したままで曲が終われば大歓声が巻き上がるが突然、会場内の電気が全て落ち真っ暗となる……

 そして、新曲のイントロと共に赤色と緑色のライトがステージの一部を照らすと同時に、ステージ上に発生したスモークが一面を覆い隠していた。

 スモークが晴れると中心を境に左側は白色、右側は黒色の衣装に身を包む翔真が立っていた。

 

「Deep inside誰の為♪Deep inside何の為♪チカラ求めて彷徨う♪

闇の中で疼く衝動響く鼓動♪Endless, endless♪

何度悔いて戒めても♪空は今日も♪Answerless, answerless♪」

 

 何度か噴き出したスモークがステージ上を覆い隠し、ライトが後ろから照らされると翔真の影が見える中、着替える動作が無いはずなのに晴れる度に翔真の衣装が変わっていく。

 最高潮まで上がっていた筈のボルテージは更に上昇し、まるで次の出演者へ明け渡す為の前座として歌うかのように会場内のボルテージをその状態のまま維持していく。

 

「鼓膜揺らす鳴りやまないいらつく音♪Endless, endless♪

何もかもを拒んだまま♪慰めさえ♪Needless, needless♪

So I just fight out♪絡みつく声は消えないナイトメア♪

二度と時が戻らないなら♪痛みを捨てるだけだ♪

Ah... 白昼夢のように♪悲しみさえも曖昧になってく♪」

 

 そして、新曲が歌い終わる直前に赤に着色されたスモークが噴き出しステージを一瞬だけ覆い隠すのだが直ぐに霧散し、そこには最初のステージ衣装姿の翔真が立っており、観客達のボルテージは最高潮を維持したまま歓声を上げていた。

 

「お前達!次は俺も親しくしている2人だ!そのテンションのまま、ラストまで目一杯!楽しんでいけよ!!」

 

 今回のフェスの中でも最高潮だと言わんばかりの歓声の中、翔真の言葉に観客達がざわつき始めるもまた、ステージ上で翔真の姿を隠すように花火が数秒程度、噴き出す。

 花火で見えなかったステージ上が見えるようになると、その場に居た筈の翔真の姿は無く、次の出演者であるツヴァイウィングの2人を象徴する曲のイントロが流れていた。

 

「いやー、久々にテンション上がったわ〜」

 

「お疲れさま。相変わらず観客達をノせるのが上手いわね?」

 

「まあ、ね?これから世界って大空へその翼を羽ばたかせる両翼へ、俺なりの手向けってやつさ」

 

「あら、随分とキザったらしい事を言う上に貴方にしては珍しく、贔屓にしているじゃないの」

 

「夢を追い掛ける為に頑張るその姿はさ、見てて楽しいんでね?」

 

「そう言うなら、貴方も頑張るべきじゃないのかしら?」

 

「俺だって頑張ったじゃん。今日のフェスに間に合うように新曲だって作ったんだし」

 

 用意された個室の控え室に戻ると椅子に座ればマネージャーから渡されたタオルで滝のように流れ出す汗を拭き、何時ものように軽口を叩きながら雑談をしていた。

 

「それだってギリギリだったでしょ?今回の新曲の宣伝の為にもしばらくは忙しくなるわよ」

 

「しょうがないだろ…曲が降りてこなかったんだから。最近、人気が出たのもあって響や未来と遊びに行ってないからさぁ〜?スランプ気味になってきちゃったなぁ〜?」

 

「…新曲の宣伝が終わったら、しばらくは休んでいいわよ。

貴方ってばカバー曲以外は他人が作詞作曲したのを全く歌わないの、どうにかならないのかしら?」

 

「はい、言質取った〜。ライブやフェス以外、最低半年はテレビやラジオには出ないからな。

んな事を言ったてさ、他人が新しく作った曲ってさぁ、な〜んか歯の隙間に食べ物が引っ掛かってると言うか、微妙に歯車が噛み合っていないと言うか、そんな感じでしっくり来ないんだから仕方無いだろ?」

 

「最低半年ね?いいわ。その間も新曲は作るのよ?

それでも完璧に歌うのがプロでしょ?」

 

「わかってるって……でもよ、過去に2曲だけ他人が作った曲さ、リリースしたけどファンからは俺っぽくない曲だって不評で全く、売れなかったのを同じ事務所の数人が企画で歌ってみたで2曲とも投稿したらバズって、CD出したら爆売れしたじゃん」

 

「うぐっ…それを言われると何も言えないわ……しかもその後からあの子達の人気も出てるし…」

 

「あの時、俺がリリースして売れなかった曲を歌ってバズると幸せになるって都市伝説にもなったのが懐かしいよな〜、っと」

 

「どんな事が幸せなのかなんて一人一人、違うって言うのにね……もう行くのかしら?」

 

「百人居れば百通りの幸せがあるとも言うしな。そうだな、もう行くよ。収録日と時間はメールで送っておいてくれれば良いからさ、んじゃあね〜」

 

 滝のように流れ出していた汗が引き始めると、髪に纏った汗やメイクを拭い終われば部屋に置いてあったスポーツドリンクを一気に飲み干し、衣装を脱ぐと私服へと着替えていく。

 その間もマネージャーと話しながら今後の方針を決めれば、ライブやフェスが終わった後の集まりには参加しないのが翔真の通常運転らしく、着替え終わって話を切り上げると控え室から出ていくのであった。

 

「さてと、響達を手伝いに行きますか…間に合えばの話だけど」

 

 会場から出れば停めてあったバイクに跨るとフルフェイスヘルメットを被り、エンジンをかけて走り出しては会場からある程度の距離まで離れてからバイクを停め、バイクから降りると腰に『バグルドライバーⅡ』を装着する。

 

ガッチャーン

「終わってなきゃ良いけどな〜」

仮面ライダークロニクル

 『仮面ライダークロニクルガシャット』の[プレイングスターター]を押しガシャットを起動させ、赤いAボタンを押して待機状態となる。

 その際にギリシャ数字で書かれた時計を模したエフェクトが頭上に現れ終わると同時に、[ガシャットスロット]内にガシャットを装填する。

ガシャット!

 [ハイフラッシュモニター]に緑色で人の形が投影されると同時に、ゲームのプレイ音のような待機音が鳴り響く。

「変身!」

 そして[バグルアップトリガー]を押すと、モニターのエフェクトが頭上に投影される。

バグルアップ!

 更には頭上に現れたエフェクトが『バグルドライバーⅡ』の前に1~12の順に、まるで時計の文字盤のように丸く並んで投影される。

天を掴めライダー!

刻めクロニクル!

今こそ時は、

極まれりィィィィ!!

 頭上に出現したモニターのエフェクトが雷光を発しながら一気に下へと落ちると同時に、背後に時計のエフェクトが現れ、その場には黒と緑を基調とした『仮面ライダークロノス』へと変身を完了する。

 

「そんじゃあ、時間停止させてから向かいますかね」

 

 そして、『バグルドライバーⅡ』のAボタン、Bボタンを同時に押すと…

ポーズ

 ポーズの音声と共に『仮面ライダークロノス』に変身した翔真以外の時が停止するのであった。

 

「確か…響達が戦っている場所は……向こうだな」

 

 バイクに再度跨ると時が停止していた筈のバイクが動き出し、エンジンを吹かしては目的地へとバイクを走らせていくのであった。

 

「おっと……追加で出現したノイズに囲まれて若干ピンチって所かな?」

 

 目的地に到着すれば強襲型と要塞型の2体の大型ノイズが大量の小型ノイズと共に響とクリスを攻撃し、2人がその猛攻によって押され始めていた時にどうやら、タイミング良く時間停止をしていたらしい。

 強襲型で小型ノイズを増やしながら要塞型による中〜遠距離攻撃で近距離での攻撃を得意とする響を狙い、中〜遠距離を得意とするクリスは大量の小型ノイズによる物量攻撃によりその場に留まらせる。

 共闘出来ないようお互いの距離を離し、体力を削っていたのだろう心無しか2人とも疲労の色が見え始めている。

 

「しゃあない。少し数を減らしてやりますか」

 

 停止した時の中で大量のノイズが行く手を阻むので『バグスターバックルⅡ』から『ガシャコンバグヴァイザーⅡ』を外し、[EXPグリップナックル]Aボタン側のジョイントにグリップを装着し右手で握ると先ずは[ビームガンモード]で周囲の小型ノイズを響やクリスに群がらない様、ある程度の数を撃ち抜いていく。

 その次はBボタン側のジョイントにグリップを装着しなおし、[チェーンソーモード]にすれば伸長した[チェーンソーエリミネーターⅡ]で強襲型ノイズへ向かう為の道を切り開くように、次々と小型ノイズを切り裂き突き進んでいく。

 

「これで、お前はゲームオーバーだ」

 

 強襲型ノイズの前まで一直線に突き進み、『ガシャコンバグヴァイザーⅡ』を『バグスターバックルⅡ』に戻すと、ドライバーのBボタンを2度押して必殺技を発動する。

 

キメワザ!

 

クリティカルクルセイド

 

「食らい、やがれ!!」

 

 強襲型ノイズの液晶ディスプレイのように輝く部位の高さまでジャンプすると足元に巨大な時計を投影させ、針の回転を模した反時計周りの回し蹴りを繰り出す。

 

終焉の一撃!

 

 必殺技を見事にキメてから地面に着地すれば強襲型ノイズに背を向けるとAボタン、Bボタンを同時に押す。

 

リ・スタート

 

 停止した時間が動き始め、攻撃を食らった小型ノイズと必殺技を食らった強襲型ノイズが爆発すると…一斉に炭化し、崩壊していく。

 

「ええっ?!な、何が起こってるの?!」

 

「またあのコスプレ野郎っ?!あたしに恩を売るつもりか!!」

 

 終わりの見えない戦いに疲弊していた響とクリスだったが突然爆発し、炭化していく一部のノイズに驚く中、響は何がどうなっているのか理解出来ずに慌てる。

 そんな響を尻目に、この光景を見た事があるクリスは数は減りはしたが、残った群れによる物量作戦で襲ってくる小型ノイズをガトリングによって蜂の巣にしていく。

 

「おやおや、まだ苦戦するようなら手伝ってやろうか?」

 

「んなの!余計なお世話だコスプレ野郎!こんくらい、あたしだけで問題ねぇ!!」

 

 ズダダダダダダダダダダダッ!!!と、近付いてくるノイズをガトリングの弾幕によって蜂の巣にしていけば流れ弾が響の方にまで飛んでいく。

 

「えっ?!ま、待って!クリスちゃん!落ち着っ?!」

 

ポーズ

 

「本当、世話がやけるな…」

 

 感情的になっているクリスからの流れ弾を避けていれば戦闘により空いた地面の穴に片足を引っ掛けて躓いてしまった瞬間、ポーズの音声と共にまた時間が停止する。

 

「残りの後始末は俺からのサービスだ」

 

 そう呟けば全てのノイズに必殺技を繰り出し、最後に要塞型ノイズにも強襲型ノイズと同じ方法で必殺技を食らわせ、着地するとAボタン、Bボタンを同時に押す。

 

リ・スタート

 

「リセットもセーブも無いお前達は、消去(デリート)だ」

 

 そう呟くように一言を残すと時が進み始めれば残りのノイズがまた爆発し、一気に炭化していく。

 そこから更なる増援が無いと判断し、翔真は変身を解除しベルトを外すのだった。

 

「っ?!わざわざ、あたしに自分の正体を晒してなんのつもりだ、コスプレ野郎!」

 

「なんのつもりか、ねぇ?お前の願いを叶えるため、協力すると言ったじゃないか。

 だから信用を得る為にわざわざ、変身前の姿を見せてやったのにさ…まあ、先ずはこの場から逃げる事を優先しないと、ね?」

 

 いきなり自身の姿を晒す翔真へと警戒心を剥き出しにしガトリングの方向を翔真へと向け理由を聞き出そうとするクリスに対し、『バグルドライバーⅡ』を収納し新たに、『トランスチームガン』と『コブラフルボトル』を取り出せばフルボトルをゆっくり上下に振り、蓋を正面に合わせ、『トランスチームガン』に装填しながら姿を晒した理由を答える翔真。

 

「はぁ!?何言っ…ヒッ?!」

 

 翔真の言葉にまた誤魔化されないように警戒レベルを更に上げようとした瞬間、クリスの背筋に物凄く強い悪寒が走り、反射的に響の方へ頭だけ動かすと小さい悲鳴を上げる。

 

「ねぇ、翔兄?願いを叶えるために協力するって何?なんで、クリスちゃんと私ニナイショで仲良クしテルノ?私、ナニモキイテナイヨ?

ネェ、クリスちゃン?翔兄とハ、どンな関係ナノ?」

 

 最初は直立不動のまま両腕をだらんと垂らし、徐々に全身をユラリ、ユラリとゆっくり揺らし始める響の視線は真っ直ぐに翔真の方を向きながらも、その瞳からはフッとハイライトが消え、その身に纏う雰囲気は普段が眩い程の光ならば今は全てを飲み込むくらいの闇だった。

 最初は翔真がターゲットだったようだが途中からクリスへとターゲットが変わると、ハイライトが消えた瞳を見開いたままギギギッ…と、ゆっくり頭を傾けクリスの方を見ながら関係を問いただそうとしていた。

 

「お、おいっ!コスプレ野郎!あいつをな、な、なんとかしやがれ!」

 

「そうは言ってもね……逃げるが吉なんだよなっ!」

 

 シレッと『ブラッドスターク』へと変身し終えていた翔真だが、このままだと響に捕まりめちゃくちゃにされるだろう。

 それならばと、逃走する事を選択肢に入れてしまえば『トランスチームガン』を使用し、周囲を煙幕で覆ってしまえばクリスに近付く。

 

「ほれ、行くぞ。じゃあな、響?詳しい話は後日しような〜」

 

「はぁ?!何処に行くつも゛っ!?」

 

 クリスに近付いた翔真は煙幕で姿が見えない響へ別れの挨拶をすると同時にクリスを抱き寄せ、『テレポートジェム』を足元で割るとその場から別の場所へとテレポートするのだった。

 

「……逃さない…逃さない、逃さない、逃さない、逃さない、逃さない、逃さない、逃さない逃さない逃さない逃さない逃さない逃さない逃さない逃さない逃さないニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイ…………ゼッタイニガサナイ………翔兄、戻ッタらカクゴシテテヨ」

 

 翔真とクリスが『テレポートジェム』でテレポートしてその場から姿を消し、すぐに煙幕が晴れると周囲を見渡す響だが2人の姿が無く、逃げたのだと理解すればハイライトが消えた虚ろな瞳のまま顔を上に向け、虚空を見つめながらニィィィィと口角を上げ、自分だけしか聞こえないくらい小さな声で呟いていた。

 





さて、今回も響は独占欲やら嫉妬心を制御する為のブレーキが壊れている様子で……ああ、成長して大人になったらどうなる事やら…
Anotherの方は、もしかしたら……こっちの響以上にブレーキが壊れていたりして?

オリジナルライダーでの戦闘&暴走

  • 両方有り
  • 戦闘のみ有り
  • 暴走のみ有り
  • 両方無し
  • 戦闘のみ無し
  • 暴走のみ無し
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