戦姫絶唱シンフォギア 333回、転生した男   作:黒色晩餐

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えー、皆様、約2ヶ月ぶりの投稿となります。
作者のヤル気ゲージが最近の株価並に乱高下した結果、最後にはしばらくマイナス続きで_(:3」∠)_になって古のモンハンでアマツやアルバ狩りばかりやってました

そろそろ無印編終了に向けての準備運動を始めながら今後、彼にとって悩みの種となりそうなのを色々とばら撒きつつ、響の依存度を上昇させたり、未来や奏のお怒りゲージも上昇させたりさせていければいいな、と考えています。

それと、今回は流血系の要素有りなので苦手な方は注意しながらお読みください



第31話〜小窓は開かれ、見るは分岐する世界。望む未来は希望か絶望か〜

 

 咄嗟の判断により『テレポートジェム』による逃走は叶い、翔真が選んだ逃走先は自宅であった…自宅ではあるのだが…息苦しく感じる程に室内の空気が淀んでいた。

 

「おい、コスプレ野郎…此処は何処なんだ……気味が悪………お、おい!本当に此処は何処なんだっ!なんで外が赤いんだっ!」

 

 クリスは訳も分からず連れて来られた空気が淀む室内を見回しながらも、全身に纏わり付く嫌な気配…その正体に気付く。

 室内を見渡していたが外の方を見ると、本来なら街並みや空が見えるはずの窓から見える景色は空も建物も無く、辺り一面、視界に入る外の景色が全てが血のような赤一色となっていた。

 

「ああ、ここか?俺達が元々居た場所とは少しズレた空間軸さ」

 

 どうやこの場所がどんな所なのか知っているらしい翔真は普段通りに喋りながら変身を解除してから冷蔵庫を開け、水が入ったペットボトルを取り出しそれを一気に飲み干していく。

 

「少しズレた空間軸だぁ?何デタラメな事を言ってやがる!んなのあり得ねぇだろうが!」

 

「あり得るから外の景色が違うんだよ。しゃあない、説明してやるから少し待ってろ…」

 

「チッ…いったい全体何がどうなってんだよ…」

 

「えーっと…確か、ここに仕舞っていたはずなんだが………お、あったあった。雪音クリス、今からお前にも分かりやすいように軽く説明をしてやる」

 

 翔真の説明に納得していないクリスの発言を聞けば飲み干し終えたペットボトルをゴミ箱に捨て、隣の部屋へと行けば何かを探し始める。

 少ししてから目的の物である会議等で使われる様な脚付きのホワイトボードを押し、部屋から出てくればどうやらクリスにこの場所の仕組みを教えるとの事らしい。

 

「はぁ?!あたしがいったい何時、教えてくれなんて言った!」

 

「先ず、注意事項だがこの室内から外には出るなよ?ガラスを割ったり、扉を開けて外へ出ようものなら帰って来れなくなるからな」

 

「って!あたしの話を聞け!いきなりな、んなこと言われて納得する訳がないだろっ!」

 

「だから、その理由を説明すんだろうが。話しなら後で聞いてやる」

 

 クリスを無視し、注意事項を話し始める翔真であったがそれに納得できないクリスが噛み付いてくる。

 

「ちっ…それならさっさと説明しろ……アタシはフィーネを問い詰めに行かなきゃなんないんだ」

 

「それじゃあ、軽く説明するとだな…先ず、俺達が元々居た場所がXYの2軸全てが0点とするとだな、俺達が今居る場所が2軸全てが+1ずつズレた地点に居るんだ」

 

 翔真がホワイトボードへ2本の線が交差する様に描くと、交わっている場所に黒い点を記し、その後で更に別の方向に黒い点を記しながら説明していく。

 

「だから、それが何だって言うんだよ」

 

「もっと空間軸をズラした場所に移動すれば、理論上は分岐した別の世界線へ行く事も可能なんだよね……例えば、お前の両親が死ななかった世界線へもな?」

 

「っ!!?そ、それがっ!それが嘘じゃないって証拠はあんのかよ…」

 

 翔真の説明を話半分で聞くクリスであったがとある言葉に反応を示す。

 理論上とは言っていたが、死んでしまった両親が生きている世界線へ渡る事も可能だと言うその言葉にだ。

 

「残念ながら、世界線を渡るにはエネルギーが足りなさ過ぎるんだなこれが…デュランダルの無尽蔵とも言えるエネルギーが有れば、余裕でエネルギー不足の問題は解決できんだよ」

 

「な、ならっ!デュランダルさえあればパパやママが死んでいない世界線へ行けるってのか!」

 

 だが、翔真は無理だと言う。根本的に世界線を渡るには膨大なエネルギーが必要だからだと。それを賄うにはデュランダルが必要だと言うのだ。

 クリスは一縷(いちる)の希望に縋りつく。例え、それがほぼ不可能と言える程に小さな希望であり、悪魔からの囁きであってもだ。幼い頃に一生会えなくなってしまった両親にもう一度、もう一度、会えるなら……

 

「エネルギーさえ足りれば行けるんだが、お前がその世界線で両親と一緒に生きていく事は不可能だからな?まあ…その世界線のお前と鉢合わせしない限りなら、話すくらいは可能だろうがな」

 

「それでもいい……一度だけでいいから…別の世界のパパとママでもいいから会わせてくれ」

 

 もし、世界線を渡る事が出来てもその世界線で両親と一緒に暮らす事は出来無い。そう言われてしまうがクリスもそんな事など重々承知している。

 もう一度だけ生きている二人に会い、あの日からずっと伝えたかった言葉を伝えられるなら…例え違う世界線の両親であったとしても彼女は会いたいのだ。

 

「ああ、いいぜ……その代わり、俺と契約をしろ雪音クリス。それが条件だ」

 

「わかった…アンタの言っている事が本当なら、契約してやるよ。世界線を渡れるってのが事実って言うんだったら、契約でも何でも結んでやるから今すぐにこの場で証明しろ」

 

「ふむ……世界線を渡れるってのを今すぐに証明しろ、か…エネルギーが足りねぇし無理矢理に渡れば戻って来れなくなるか、最悪は空間軸の狭間に閉じ込められてお陀仏になるかだしな……なら、仮契約はどうだ?」

 

「はぁ?仮契約だぁ?今ここで証明出来ないなら、アタシはアンタと契約も仮契約もしないからなっ!」

 

 そんなクリスの望みを叶えるついでに、契約と言う名の楔を打ち込んでしまおうかと思うもクリスだって馬鹿ではない。

 簡単にその手を取り、契約してしまえばどうなるかなんてわからない。もしかしたら目の前の男が言っている事は嘘であり、契約によって自分を罠にかけるのが目的かもしれないと警戒していた。

 

「仕方無い………アレを使うと不足分を強制徴収されるから面倒なんだが…小さな窓くらいは開いてやる。だからそこから覗いて確認しろ」

 

「はぁ?!さっきはデュランダルが無いと無理だって言ってたじゃねぇか!」

 

「小さな窓くらいは開けられる裏ワザがあんだよ…ただ、今回は触媒が無いからそれなりのリスクを負うだけさ」

 

「お、おい…ちょっと待てよ……そのリスクはアンタが背負うのか?」

 

 証明しろとクリスから言われてしまえば証明せざる負えなくなり、とある方法を使うのは気が引けるらしくやる気の無いため息を吐きながら翔真の足元に陣が勝手に描かれ始める。

 クリスは翔真の足元で勝手に描かれ始めている陣に気付いておらず、しかもデュランダルを使わずにやるならばリスクがあると聞くと嫌な予感がすると、翔真の足元に直径で3m程のサイズで描かれた陣に気づく頃には既に遅かった。

 

「まあ、な?ちょっとばかし、言葉を聞き取れなくなるが我慢しろよ」

 

「ちょっ?!待てっ!話しを聞けっ!!」

 

「髢九¢縲∝ササ縺帙?∝「?阜縺ョ髢?繧医?る哩縺倥?∝キ。繧後?∝「?阜邱壹h縲る幕縺阪??哩縺倥?∝ササ繧翫?∝キ。繧翫??ァ?¢縲∝●縺セ繧翫?∝?蟯舌@繧阪?ゆク也阜縺ッ辟。謨ー縺ォ蛻?イ舌☆繧九?ら・悶?驕薙?∬セソ繧翫?∬ヲ九∴縺ャ蜈医?髣??荳ュ縲よ?縺瑚ヲ九k縺ッ驕輔≧譛ェ譚・縲よ?縺梧アゅa繧九?驕輔≧荳也阜縲りセソ繧狗・悶?驕薙r驕。繧翫?∫エー縺咲ウク繧呈焔郢ー繧雁ッ?○縲?哩縺倥k髢?縲∽サ翫?蝣エ縺ォ縺ヲ髢九%縺?◇縲ゅ&縺ゅ?∝渚霆「縺励?∵オ∬サ「縺励?∝「?阜邱壹r謐サ縺俶峇縺呈尠譏ァ縺ォ縺帙h縲………………時間にして30秒…覗き見するナら問題無いだロ…」

 

「30秒って………?!パパ!?ママ!?アタシはここだっ!ここにっ?!」

 

 翔真を止めようとするクリスだったが詠唱が始まってしまうと強制的に近寄れなくなってしまった。

 そして、詠唱が終わるとクリスの後ろに小窓が出現し窓が勝手に開くと、その先から聞き覚えがある両親の声が聞こえたクリスはハッとし、小窓の方を向くと精一杯の大声で自分の方を向かせようとする。

 だが、こちら側からの声は聞こえず、両親に気付いて貰うために小窓から手を出そうとしても何か壁のようなモノに阻まれていた。

 

「ほラ、繋がっタだろ?こレが現状デの精一杯ナン…ダ…ヨ…」

 

 時間が経過すれば小窓は崩壊し、それに伴って対価が支払われ始めれば顔の右半分と両腕の肉が消滅すると骨だけとなり始める。

 身体に残った肉の体積が少なくなり、露出する骨の見える範囲が広がっていけば削れた内臓からは大量の血が流れ出し、片脚の肉も削れたのか支えが無くなればドチャッと音を立てて血溜まりの中に崩れ落ちてしまう。

 

「わかった…アンタと契約してやっ?!お、おいっ!どうなってやがるっ!おいっ!コスプレ野郎!」

 

「コレが、代償ダ……徴収ニ対ジて再生が追いヅがナ゛イ゛ん゛ダ…」

 

 クリスは崩壊した小窓があった場所をしばらく見ていたが、翔真の方から水溜りの上に何かが落ちる音が聞こえたので振り向くと、血溜まりの中に倒れる半分近くが白骨化した翔真の姿があり、突然起こった異常な光景を見て正常な判断が出来ず咄嗟に近寄ろうとするも、陣の内側に入れない様にしているのか壁に阻まれていた。

 ドンッ!ドンッ!とその壁を叩き割ろうとするが全くビクともせず、血は陣の中で貯まり続け翔真の身体は徐々に白骨化していく。

 

「代償がそんな事になるだなんて聞いてないぞ馬鹿野郎っ!どうすりゃあ止まるんだよっ!」

 

「………無理ダ。コレ゛ハ求めタ行為に対スル゛対価。差し出スもノ゛が無イならバ強制的に徴収さレ゛ルのハ当然だ…ソれ゛ニ……もウ、支払イは…終わった」

 

 顔の左半分、脳、心臓、右肺を残した状態で白骨化が止まれば出血は止まらない状態のまま、逆再生をするかの様に肉体が再生していく。

 始めは消滅した内臓や眼球から始まり、それを覆うように筋肉、血管、神経、最後は皮膚や髪が再生すれば血溜まりの中からゆっくりと立ち上がる。

 

「お、おい、アンタ……本当に大丈夫なのかよ」

 

「オ゛ェ゛ッ゛…オ゛ウ゛ェ゛ッ゛ッ゛………ゲホッ…着替えなきゃいけないって事以外は問題無い…」

 

 透明な壁越しに心配する様な表情をするクリスを尻目に、衣服含めた全身が血塗れになる翔真は再生時、肺に溜まってしまった血を吐き出していた。

 陣の中はくるぶしが浸かる程の血が溜まっており何かに利用するつもりらしく、足先で血溜まりの底に書かれた陣に術式を書き足していた。

 

「さてと、血の一滴さえも余す事なく全て使うのが俺の流儀なんで………凝固せよ、収束せよ、圧縮せよ、形成するは無垢なる石。無限の器と成れ!」

 

「おいっ!今度は何をやるつもっ?!」

 

 追加の術式が陣に描かれると詠唱を始めれば水面が揺らぎ出し、詠唱が終わると同時にピカッ!と目を開けられないくらい強い光が血溜まりの中から発せられる。

 眩い光が収まれば見えない壁は消え、足元の血溜まりは大量かつ無色透明で様々な形をした石に変わっていた。

 

「ふぅ…このくらいなら足りるかねぇ」

 

「クソッ!何かやるなら一言くらい言いやがれ!何も見えなくなっちまっただろ!」

 

 足元にある大量の無色透明な石を『異空間収納』内へと収納していると、先程の強い光をモロに浴びた事で一時的に視力を失っているのか違う方向を向いて翔真へと文句を言うクリスが居た。

 

「あー……すまんすまん。しばらくは見えないだろうからゆっくりしていろ。その間に飯でも作っといてやるから」

 

「その言い方、謝る気なんかねぇだろ。しかも、何も見えないアタシにどうやってゆっくりしろってんだよ」

 

 言葉の中に全くと言って良い程に誠意の籠もっていない謝罪をする翔真に対し、視界を潰されたクリスは怒りを露わにさせる。

 

「仕方ねぇな…暴れんなよ!っと」

 

「は?何言っ?!てめぇ、何しやがる!下ろせっ!下ろしやがれ!」

 

 そんな時、クリスの身体に突如として浮遊感が襲った。そう、今の彼女は翔真に抱き抱えられいわゆるお姫様抱っこ状態になっているのだ。

 何も知らされていない状態でいきなりお姫様抱っこされると、沸騰しそうなくらい顔を赤くしながらめちゃくちゃに暴れる暴れる。

 そして、シダバタと暴れるクリスの拳や肘や膝が何度も翔真の顔面にヒットする。

 

「痛っ!痛いっ!暴れんな阿呆!このまま落ちたら怪我すんのはお前だぞ!」

 

「っせえ!良いからさっさと下ろせセクハラ野郎!」

 

「そんなに下ろして欲しいなら、下ろしてやるよっ!」

 

 クリスからの攻撃が何度も顔面にヒットしている筈だが怯むこと無くソファへと連れて行けば、ソファの方にポイッと投げ捨てる。

 

「んなっ?!……ってぇーな!投げ捨てる事は無いだろうが!」

 

「セクハラ野郎と言い、下ろせと言って暴れるからそうなんだよ。視力が回復するまでじっとしてろ」

 

「チッ……回復したら覚えてやがれ」

 

 いきなりソファの方へと投げ捨てられたクリスはどうやら着地を失敗し落ちたらしい。

 ソファ側の方からドスンと鈍い音がしたがそんな事など我関せずな翔真はキッチンへと向かう。

 

「メシ、ご飯系なら何食いたいのか要望あんなら言え」

 

「……オムライス…フワとろなやつ…」

 

「はいはい、オムライスね。確か、材料は……」

 

 一応ご機嫌取りくらいはするのか冷蔵庫の中身を漁りながら、彼女へ何を食べたいのかを問いかける。

 クリスは視界不良の中、ソファに座り直し少し考えてからその問いかけに答え、追加で消えそうなくらい小さな声で卵の焼け具合までも指定していた。

 

________________

 

「ほら、出来たぞ。オムライス」

 

「ん…サンキュー………うっっま!セクハラ野郎が作ったにしちゃ美味いな!」

 

 それからしばらくして、皿に盛り付けられたオムライスをソファ側のテーブルの上に置くと、視力も復活し腹も減っていたらしいクリスはスプーンを独特な持ち方をするとがっつく様に食べ始める。

 その隣で翔真は大き目の土鍋で作ったお粥を食べ始めていた。

 

「一言多いが、お口に合ったんなら良かったよ」

 

「…つか、なんでお前はお粥なんか食ってんだよ」

 

「色々と失った状態から無理矢理回復させたんでね……内臓全般が弱ってんだよ。食べるか?色々な薬効成分溶け込ませた薬膳粥だからめちゃクソ苦いぞ」

 

「それ食ってんのはさっきのアレが原因なんだよな?……って!苦いの知ってんなら食わそうとするなっ!」

 

 翔真がお粥を食べていると口周りにケチャップやご飯粒をつけたクリスが何故、お粥を食べているのかと問いかける。

 その問いかけに答える翔真であったが、かなり苦い事を伝えてから食べるかと聞かれたクリスは、ほんの少しでも心配した自分が馬鹿らしくなっていた。

 

「いや?最近、少なくても七、八回はアレと同じくらいの状態になってるせいで身体の方に予想以上のダメージが蓄積してんのさ」

 

「さっきのアレみたいなのを七、八回!?あんなの繰り返してくたばらないとかどんな化物なんだよアンタ!」

 

「そりゃあ、裏ワザを使っているからな。あ、この事は響達には内緒な?これ以上、隠し事してんのがバレたらどうなるかな分からんし………最悪、お前にも矛先が向くかもな?」

 

「あ、アタシを脅してんのか?そう言えば素直に言う事を聞くと思ったら大間違いだからな!」

 

「脅してなんかないさ。忠告だよ、忠告。今回の事を喋ったりしたら……それを聞いた響から何されても俺は助けてはやれねぇよってだけだ」

 

「……って!やっぱり脅しじゃねぇか!」

 

「だから違うって。本気で怒った響はな、普段の未来より怖いんだよ。さっきの響の危険度を10にするなら普段怒った時の未来は20だがな……本気で怒った響は100で本気で怒った未来は300だ。いいな?絶対に此処で起きた事や話した事は死んでも話すな」

 

 まあまあ危ない事を口走っている翔真だがクリスに関しては先程の光景やら、色々と見たり聞いたりした事で一時的に色々な感覚が麻痺しているのだろう。

 所々でツッコミはするのだが、一般人であれば理解不可能かつ非常識な場面を見ても恐怖したり、発狂したり、逃げようとはしていなかった。

 

「そ、そんなに怖いのかよ…つかアンタ、本気で怒らせた所を見たことがあるような口振りだな」

 

「昔に、な?いやー……あの時は怖かった怖かった。二人の後ろに阿修羅と閻魔と魔王が見えたからね〜」

 

「いったい全体、何をすればそんなに怒らせんだよ」

 

「居眠り運転していた暴走トラックに轢かれそうになった二人を突き飛ばして助けた時、代わりに吹っ飛ばされて死にかけた時かなぁ……まあ、轢かれる瞬間に吹っ飛ばされる方向に飛んで威力を削減しつつ、吹っ飛ばされた後も地面にぶち当たる時に身体を回転させたり、何やかんやして威力を全身に分散させたけど、吹っ飛ばされた先の車にぶち当たって頭を打って1週間気絶してたのが不味かったんだよな……骨折とかはして無かったんだけど、どうやらそれが原因で死にかけたって判断させたみたいでね」

 

「いやいやいや!!それで死にかけた程度で済ませてんじゃねぇよ!つか、そんだけの大事故で骨折無しの時点で普通じゃねぇだろうが!」

 

「頑丈な身体が取り柄なんでね。んじゃあ、俺は食い終わったから用事済ませに出るから。お前も元の場所に戻りたいなら、そこのテーブルに置いてある鍵を握ったまま玄関のドアを開ければ最後に居た場所から少しズレた位置に出られるから好きな時に出ろよ」

 

 過去の事を思い出しているのか何処か遠い場所を見ながら乾いた笑いを浮かべ、サラッとトンデモな技術を披露していた事や気絶していた以外の大怪我をしていないと口にしていた。

 それに対して引きつった表情を浮かべるクリスだったが食事を先に終わらせた翔真が立ち上がると土鍋を持ってキッチンに行き、水に漬けてから先にこの部屋から出る事と部屋からの出る方法をクリスに伝え、先程まで食事をしていたテーブルの上に指を指せば知らぬ間に黒く溝の無い一般に普及された形の鍵が置かれていた。

 

「頑丈だからって普通なら有り得ないんだよ!は、はあ?!こんな所にアタシを置いていくつもりか!」

 

「食い終わった食器はシンクに置いて水に漬けとけよ。あと、シャワーとか浴びたり湯船に入りたいなら向こうが風呂場だから好きに使え。洗面所には洗濯機もあるし自動運転だから服を放り込んでスイッチだけ入れれば勝手に判断して動くし、乾燥もする。一時的に着る代わりの服は響達用に用意した服が洗面所の壁側の棚に畳んで置いてあるからそれでも着てろ」

 

「おいっ!アタシの話しを聞け!アタシを無視して何勝手に話しを進めてんだっ!」

 

「と、言うわけで……俺はとある契約の代償を支払う為に狩りへ行くから。寝室のベッドも勝手に使って寝るなりなんなりしていいからな」

 

「はあっ!?ちょっ!待て!待ちやっ!!………あの野郎っ!今度会ったら一発ぶん殴ってやる!」

 

 クリスから制止しようとしてくる声になど耳を傾けず、この部屋に置いてある家電の使い方や服の置き場所を一方的に教えれば、居間に設置してある本棚から一冊のボロボロな本を手に取り、中心辺りを開けば本と共にその姿が一瞬で消えるのだった。

 そんな光景を目にしただけでなく、一方的な相手の行動に怒り心頭なクリスは持っていたスプーンを先程まで翔真が居た場所へ八つ当たりするかの様に投げつけるも、すぐ冷静になったのか慌てて取りに行き、シンクで軽く水洗いしてから残りのオムライスを完食するのであった。

 





思った以上に長くなったので今回はここで区切って終わりとなります。

次回は今回以上に流血マシマシになるかと思います。

オリジナルライダーでの戦闘&暴走

  • 両方有り
  • 戦闘のみ有り
  • 暴走のみ有り
  • 両方無し
  • 戦闘のみ無し
  • 暴走のみ無し
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