加茂に生まれました。禪院よりマシかと思ってたら全然そんな訳なかった   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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感想、高評価よろしくお願いします。(投稿頻度を加速させるモチベとなります)

サブタイが…長い…っ…!!


緋呪戴臨:黒く煌めく緋、黒く引き摺り込む蒼、黒き爪は主人を引き裂く。

死の一歩手前――――それどころか、もう片脚を踏み込んだ状況。

 

全身を穿ち抜かれ、鮮血を噴き上げる五条悟。だが、だが。

 

五条悟はやはり五条悟だった。

 

「うっ…………おおおおおおおおおおお!!」

 

裂帛の気合いを込めた雄叫びを吠え上げ全力の蹴りを炸裂させる。先程まで全力で回し続けていた呪力を完全に解除し、単純な格闘技術のみで攻撃を仕掛ける。

 

 

五条悟の対応は完璧な正解である。呑呪緋溟海は呪力全てに鋭敏に反応しその動きを止め……やがて対象の体全てが崩壊する。ある意味でシンプル、故にこそ強烈。そもそも動きを止めた時点で先ほどの様に全身を穿血で穿たれる事や刈祓による斬撃などもあり得るのだ、なおこれらは領域自体に付与されたものであり、トリガーは緋禰にある。呪力を消費する事なくただ念じるだけで行使される完全ノーモーションの攻撃は控えめに言ってゆっくり崩壊した方がまだ幾分かマシとも言える。

更に呪力を解けば呪術師であれば必中にならず、ゆっくりと崩壊を続けるという意味では必殺でもない。故にこそ押し合いに強く、内と外の両方からの干渉にも強い。なんならこの領域内において『呪力制限を自分も対象にする』という縛りにより持続時間も飛躍的に向上している。これら全てを統合した結果――――

 

「クッソ……!全力放出だぞ、壊れろよ……!」

 

五条悟の最大出力で放たれた蒼を持ってしても揺らぐことのない長時間展開可能な領域が生まれた。

 

この領域内での絶対的な正解、それは純粋な格闘である。

 

しかしこの格闘において致命的なのは――――

 

「(……っ、冗談だろこいつ。腕を自分から()()()()()まで殴ってくるのかよ!?)」

 

現在の緋禰の状態において怪我というリスクはさしたる問題ではない。痛覚があるのかどうか疑わしい挙動で腕を異常な方向に捻じ曲げながらゲラゲラと笑い殴り続ける。

 

格闘センスは五条悟の方が上でも、こと実践経験と訓練だけは緋禰が圧倒的にそれらの上を行く。恐れを捨て去った緋いヒトガタは己の身体の全てを無視して拳を、蹴りを叩き込んでいく――――!

 

「(赤いのはもう動けそうにねぇ、というか俺もこのままだとヤバそうだ、この分だと落花の情も使えねぇ、だから早めに領域を解除させねぇと……!)」

 

だが有効打がない。捌けはするしなんなら反撃を入れることも可能。だがしかし決め手にかける…………もどかしい戦闘。落花の情を発動すればカウンター出来る可能性があるがそれも仮に領域に付与された行動制限の定義に触れれば動けなくなり穿血、刈祓、もしくは拳打によって為す術なく削り殺される。

 

「(どうする……!?)」

 

あと一欠片、あと一欠片でも何かきっかけが欲しい。そしてそのきっかけは――――――

 

「GU"U"U"U"U"………OOOOOOOO!!」

 

緋き獣が花開かせる。

 

◇◇◇◇

――――――――腹が立つ。自らは主人を護る為に居るというのに。主人の身の内に巣食うナニカから護れず、挙げ句の果てには心底主人が嫌っていた男が戦っている、だと?

 

今の自分はどうだ?動くことすらできず、ただ崩壊を待つ身――――主人のために動くことの出来ぬ塵芥、だと?

 

緋く燃え上がる感情、怒り。緋解は初めて怒りという感情を発露させ、それを自らに向けた。

「何故お前は動けない、何故お前は戦えない」

それは緋解に与えられた56の術式のうちの一つを呼び起こす引き金(トリガー)となる。

 

本来動きの全てに呪力が介在する為基本的に呑呪緋溟海に呑み込まれたが最後何も出来ない緋解だが――――呑呪緋溟海自体にはある欠点が存在する。それ即ち呪力が介在しない行動には一切の制限を課さないというもの。更に、呪力の介在する動きを制限するだけであって、呪力の巡りそのものを止めるわけではないという事。今緋解が呼び起こした術式は結界術に近いものであり、それ故に自由度が高い。緋解は身体に膜を張るような形でその術式を行使、自身を行動可能にした上でその更なる真価を発揮する。

 

術式の名は『区“解”線(く“かい”せん)術式』。元の持ち主(呪霊)であればそれは平面を区切る……境界線を作るという形でセーフティエリアを作り出す程度の出力であったそれは緋解の呪力出力によって更なる昇華を果たす。即ち三次元、立体的に境界線を区切るという世界を区切る(断ち切り分かつ)術式にまで昇華した。そしてそれは――――――

 

《「は"ぁぁぁぁぁぁあ!!!!?」》

 

「何だそりゃ!!?」

 

領域を区切り、領域効果が適用されることのないセーフティルームを作り出した。

 

そしてこの術式の効果は世界を区切る、つまりは領域の押し合いすら発生しない。強制的に自らの土俵に引き摺り込むという点では領域に通じるものがあり――――

 

そしてそれはきっかけとなった。

 

◇◇◇◇

「何か知らんがよくやった……!!」

 

全速力で線引きされた安全地帯(セーフティルーム)に退避する五条悟、そしてそれを緋禰が許すはずもなく。

 

《「死ね"ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」》

 

だが一歩五条悟の方が早い。安全地帯に足を踏み入れた瞬間無限を展開し――――

 

「蒼!!!」

 

《「がぁぁぁぁぁぁぁぁあ"っ!!!!?」》

 

蒼く輝く挽肉製造機に緋禰を叩き込んだ。しかし緋禰は意に介さない、呪血駿脚を用い即座に脱出を試みる。

 

その緋禰を逃すことなく穿血(緋い閃光)が緋禰の肩を、腕を、顔面を貫く。

 

《「がぁぁぁぁぁぁあい"っっ!!!」》

 

「G"UOOOOOOOOOOO!!!!」

 

主人を返せと緋い守護狼が吠え猛る。

 

そして。

 

「こっちも、忘れてんじゃ、ねぇよ!!!」

 

蒼く煌めく呪力が漆黒に染め上がる。

 

黒閃。

 

「もう、いっぱぁぁあつっ!!」

 

続け様に放たれる蹴り、纏った呪力は予定調和の如く黒く染め上がり緋禰の肋骨から胸骨を完全に粉砕した。

 

《「ぐっ…ぁ"ぁぁぁぁぁあ"ぁぁあ!!?」》

 

痛覚など無きに等しい動きをし続けていた緋禰が今、苦悶の表情を持って体勢を大きく崩す。

 

そしてその一瞬を緋解と五条悟は見逃さなかった。

 

ほぼ同時に放たれた拳と爪、ほぼ同時に炸裂した双方の呪力は黒く、何処までも黒く染め上がる――――――!!

 

 

 

黒閃を続けて3度放った五条悟、渾身の爪撃を放った緋解。双方自らの潜在能力を完全に引き出した。

 

しかしそれは相対する緋禰にも適用された。

 

《「いだ、がっだ」》

 

「「――――――――!!!?」」

 

瞬く間に両者の間に立つ緋禰、狙われたのは緋解であった。

 

「GU!?GU,GUUUUU………!!?」

 

《「おし、おき。」》

 

ぐっ、と力が込められた握り拳。振り抜かれたそれは当たり前かの様に黒く染まり緋解を殴り飛ばした。

 

「――――――――バケモンが」

 

五条悟は唐突に理解する。「これはあまりにも危険だ」と。先程までの「止めよう」から「殺す」へと思考がシフトする。

 

バキバキと領域が崩れ、緋と()の2色で構築された世界が元の風景へと戻っていく。

 

 

「…………第二ラウンドだ…………!」

 

《「な"にぃっでんの"?あんだころ"じてふぁいなるらぅんどでしょぉぉぉ"おおおおっ!!」》

 

 

 




インフレする黒閃、暴走状態なんだから何やっても良いよねと言わんばかりの緋禰ちゃんの自傷技。へへへ、ここからどうやって風呂敷畳めば良いんだ。

緋解の術式、全部考えはしたけど今回の術式まだ控えめな方なんだよなぁ…。

えっ?立体的に世界を区切った時障害物はどうなるのか?
そりゃ文字通り区切られますよ。お手本要らず、デフォルトで世界斬っぽい事ができます。(区“解”線術式はあくまで世界を区切る境界線を作るだけ、領域とかの対策にはこの上ないほど強力。ただし別次元だとかそういうのではなく、あくまで境界と言う名の壁を生み出す。実体を伴った物質だと余裕ですり抜ける。)

要は「領域展開したで」「あっ、ごめん。こことそっちにいるお前の領域別扱いで頼むわ」「えっ」

えっ?でも本文の描写的にやれないことはないだろって?
解釈次第で可能です。緋解が「この術式タテヨコナナメに区切るのか」って考えてるか「この術式タテヨコナナメに境界線を作る形で世界を切り分けるのか」で結果が変わります。

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