加茂に生まれました。禪院よりマシかと思ってたら全然そんな訳なかった   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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縛りを乗り越え、評価値の呪いを振り切って。自分が書きたいものを書くんだよ。

マイブラザー(存記)に言われたので頑張りました。多分今まで以上にとっ散らかってるので容赦なく指摘してください()


ハイになるってそれただのドーピング。

何があったか。それを理解できていないのって私が悪いんだろうか、よくわからない。

 

緋月を使った時点で半分勝ったと考えてしまった、私の油断。そのすぐ後に呪霊の呪力が跳ね上がり、その次の瞬間にはこの有様って……流石にしっぺ返しの速度バグってないかなぁ…?

 

血がお腹から溢れ出す、というか全身から血が吹き出す。やったぁ赤血操術フル稼働だぁ……なんて、言いたいけどそもそもの呪力すら回んない。

 

「(判断、しくじったなぁ)」

 

いつかは死ぬかもしれない。何処かで覚悟はしていた、何処かで覚悟が出来ていなかった。

 

矛盾

 

死ぬ(生きたい)死んでしまう(いきていたい)

 

私のやりたいことはやり遂げた。もう死んでも後悔はない、そう思っていた筈なのに。

 

どうして、まだ私は生きようと足掻いているんだろう。

 

残り少ない呪力を振り絞って、出ちゃいけない所から出てる血だけを止める。力が入るんだ、立ち上がれる。ほんの少しのワンチャンスを握りしめるんだ。

 

「(ほんの少しの救いは、相変わらず殆ど動かないってとこと……()()()()()()()()()()()ってところかな)」

 

この領域はまだ完成していない。というより、領域の必中効果が付与されていない。閉じた領域ではあるんだけど必中を付与された本物の領域ではないということ。

 

ここに唯一の勝機がある……!

 

けど、その勝機を手繰り寄せるにはもう一つの奥の手を使わないといけない。緋月は呪力を凄まじく消費するけど少なくとも安全、だけどもう一つは控えめに言って呪力ドカ食い、安全性皆無。下手をせずとも命を縮める鬼札(ジョーカー)

 

だけどそれをせずに死ぬくらいなら。やり切って死んでやる!

 

「…………私が今からやろうとしてることはね?術式効果によって循環速度、血の集中する場所、脈拍とかを操作して身体能力だったり五感だったりを強化する《赫麟躍動》っていう技の発展系。血液の温度を術式で強制的に暴走させて、身体能力を爆発的に強化するーーーーーここまでならただのちょっと無理した赫麟躍動なんだけどね?」

 

ゆっくりと掌印を結ぶ。

 

「私は呪霊の血を取り込んだ上で制御できる、そしてその血には呪力が大量に残っている訳。…………さて問題だよ、そんな血を循環させたらどうなちゃうんだろうね?」

 

覚悟は決まってる。だから。

 

ほんの少しだけ、頑張れ、私の体。

 

“血の海 抜け殻 呪われた緋”

 

掌印と祝詞。一切の省略も無しに繰り出す150%のーーーーー。

 

    【緋麟暴走(セキリンボウソウ):滅】

 

◇◇◇◇

次の瞬間緋禰は呪霊の背後を取り、蹴りを叩き込む。勿論呪霊に刻み込まれた術式はそれを察知、叩き込まれた蹴りに等しい衝撃を緋禰に叩き込む……筈だった。

 

呪霊の領域は未だ未完成、必中効果が付与されておらず当たるまでに一瞬のラグ(起動→認識→発動)が生まれる。そしてその頃にはもう第二、第三の攻撃が仕掛けられているーーーー!

 

しかし。

 

「うっ…………ガハッ!!」

 

呪霊の血を取り込み、体内で循環させる。それは毒を全身に巡らせるのと大差ない。が、それを緋禰は血に残留する呪力の一部を正の呪力に変換、治癒に当てる事で戦闘時間を引き延ばしている。

 

だがそれはあくまで引き伸ばし、命を削ることに他ならないのだ。緋禰に残された戦闘時間は、良くて5分。短ければ……今この瞬間命の蝋燭の灯は掻き消え……死ぬ。

 

◇◇◇◇

からだがあつい。あたまがいたい。

 

「弱音は考えんなぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!」

 

弱音考えるくらいなら殴れ!一瞬でも速度を落としたらカウンターに当たってそのまま死ぬ!

 

後ろで衝撃音。いや……まさかとは思うよ?当たるまでが術式効果だったりしないよね?だとしたら後ろの衝撃音って……いやそんなことより。

 

「そんなもん考えるくらいなら!こいつ祓えば解決でしょうがぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!!」

 

集中しろ!血から意識を外すな!外せば最後、暴走が解除されてしまう!

 

「というか……!何十発殴れば良いのよ、アンタ……!!!」

 

もう五十発はぶん殴った。だと言うのに祓える気配がしないんだけど!!?体力バカってこと!!?

 

ええい考えるな私!殴ればいつかはどんな存在だって死ぬのよ!!

 

呪力を体内で血と一緒に循環させていくうちに感覚が鋭くなっていくのを肌で感じる、黒閃を狙って出せる術師は存在しない……?その常識を……ぶっ壊してやる。

 

「常識殺しいきまぁぁぁぁす!!」

 

この技使うとハイになるんだけど!!?

なんでも良い!喰らえ!これでただの打撃なら?1人でイキった私が惨めになるだけだよ!!

 

蹴りを叩き込む。黒く呪力が爆ぜる。攻撃を加えるたびに黒く呪力が光り輝く!……黒閃を決めると呪力の核心を掴めるっていうけど私の場合は…

 

「掴みまくれるよ今なら……!!」

 

呪力の循環がどんどんと加速していく。最も致命的なラインを飛び越えずにその3mmを反復横跳びしていく。

 

というかヤバい。さっきから視界が赤くなったり黒くなったりしてるし手足の感覚もない。あれ?今殴った?感覚しない。

 

「(もう駄目だ……!あと数十秒でも続けたら先に身が持たない……!)」

 

だったらどうする?答えは簡単。

 

「押し通す!!」

 

ちょっとずつ残してた血をかき集めろ、残した呪力を練り上げろ……!勝負は一撃、これで決めなきゃ私は死ぬ!!

 

圧縮しろ、限界ギリギリを。【緋麟暴走】が解けるそのほんの少し手前。

 

「今ぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

呪霊の目の前に接近!後ろには確実に私を殺そうとする私の攻撃……!ここで決めろ!この一撃で!

 

「【穿、血】!!!」

 

呪霊に穴が開く。私の真後ろで響いてた衝撃音が無くなる。ついでに私の呪力も無くなったし溜め込んでた呪霊の血ストックも無くなった。

 

「私こんなんばっか……」

 

薄れゆく意識。最後は、私の勝ちだっていうのがまぁ。良いんじゃないかな?




呪霊の正体は『呪いを呪う胎から生まれた呪い』です。
つまりこいつこの廃神社の超異質環境じゃないと生まれる事すらありませんでした。呪い呪われ、呪いを憎んだ呪いが更に呪って…そんな共食いの末に生まれた呪霊がコイツです。下手すると真人みたいな存在になりかねなかった。

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