加茂に生まれました。禪院よりマシかと思ってたら全然そんな訳なかった   作:トレセン暮らしのデュエリスト

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お久しぶりです。テストが終わって帰ってきました!

サブタイトルでお察しの方もいらっしゃるかもしれませんがここから暫く戦闘描写です。よーし、設定と戦闘力盛りに盛るぞー!!


緋獣 其の壱

私はお布団の中で考えた、なんであの特級呪霊に殺されかけたか。いやまぁぶっちゃければどう考えても私の油断なんだけどね!

それでももう一つ原因はある、何か?ちょっと考えればすぐわかった……私の使う技はどれもこれも二番煎じなんだ。緋月、穿血、緋麟暴走……どれもこれも既存の技だったりアレンジを加えたに過ぎない。私独自の解釈により生まれた技が何一つとしてないんだよね。

だからこそ私は欲しい。新しい、全く違う赤血操術の解釈とそれに付随する技を……!

 

「目標!新しい技を作る!!!!」

 

「兎にも角にも傷を治せバカ」

 

看病に来てくれた甚爾君に叱られた、看病は嬉しいんだけど湯呑みを投げないでください。私こんな感じで元気そうに見えるんだけど全治数ヶ月の重症者です。

 

え?湯呑み?回避できずに直撃したよ!!

 

◇◇◇◇

 

というわけで数ヶ月後だね、いやーー!案外短かった気がする!うん!

 

数ヶ月と書いて13ヶ月くらいだったような気もするけど気のせい!もうとっくに15歳な気もするけど!気のせい!

こっそり鍛錬してたら傷が開いて大量出血して呪血も呪力も回せず死にかけた結果数ヶ月が13ヶ月になったような気もするけど!

 

ちなみに3ヶ月くらい昏睡状態だった。

 

「さてさて〜〜私はどんだけ鈍ったのかなぁ〜?」

 

まず甚爾君直伝の体術の型を一通りやってみる、あぁやっぱり体力落ちてるね。ちょっとやるだけで息が切れるし鋭さもない。

ただ呪力操作は変化がない。寧ろ前より洗練されたような気がするんだけど……?死にかけたからかな?なんで反転術式使えないんだ(困惑)。

 

まぁ良いや、そんな事よりまず私の新技を考えるべきでしょ!まぁ、そんなふうに意気込んだは良いんだけど……

 

「なーーんにも思いつかないんだよねぇ……」

 

そう、本当に何も思いつかないのだ。「そもそも赤血操術はほとんど開拓されきってるのでは?」とすら思ってしまう。だって血を固めて刃物にしたり圧縮して打ち出したり全身の血の流れを早くして身体能力を上げたりとオールマイティが過ぎるのだ、正直言ってここから更に拡大解釈できる気がしない。

 

「うん、これもう私1人じゃどうにもならないわ!」

 

ならどうするか?決まってる、甚爾君(知恵袋)を頼ろう!

 

という訳で甚爾君宅である。加茂家からはちょっと離れたところだけどそこはまぁ次期当主(不服)パワーだ、ささっとお土産用意させて車に飛び乗って到着!非常識?多分大丈夫でしょ、多分。

 

呼び鈴鳴らしてドアを叩くと……。

 

「あら緋禰ちゃん!いらっしゃい!」

 

「こんにちは、伏黒さん。恵君元気にしてる?」

 

「もう、名字じゃなくて名前で呼んでっていつも言ってるのに!」

 

「いえいえ、あの人(甚爾君)を丸くしてくださったんですから、敬称くらいつけますよ?」

 

伏黒ママさんのお出迎え。相変わらずの良い人っぷり。これは甚爾君丸くなるのも余裕で納得……甚爾君はパチンコかな?まぁ帰ってきた時に私の相談は済ませてしまおう。

 

「そういえば緋禰ちゃん、今日はどうしたの?甚爾君に何か用事?」

 

「まぁそうですね。少々行き詰まってしまったところがあると言いますか、困り果てて甚爾君に相談してみようと思いまして」

 

「そうなの〜?ごめんなさいね、甚爾君今パチンコに行ってて帰ってくるのが……多分あと2時間くらいしないと帰って来ないんじゃないかな〜って」

 

「それくらいなら全然待ちますよ、伏黒さんとも暫くお話しできていなかったのでお話ししたいと思っていましたし……。あ、それよりもご病気、大丈夫ですか?」

 

「あら!私も緋禰ちゃんとお話ししたかったのよ!病気の方ももうすっかり治ったわよ!」

 

いやまぁ本当は治ったの甚爾君から聞いて知ってるんだけどね?

 

暫く他愛のない話と恵君を可愛がるのを続けていると不意に伏黒ママさんはこう言ってきた。

 

「ねぇ、緋禰ちゃん。緋禰ちゃんは大丈夫?」

 

「大丈夫……とは?」

 

「私は甚爾君や緋禰ちゃんがどういう仕事をしているのか、多少は聞かせてもらったからね。心配、なんだよ?」

 

――――――あぁ、この人はやっぱり良い人だ。甚爾君も良いお嫁さん見つけたね、私みたいな呪いに触れて、人の汚い部分を見続けてる人間にもこんなふうに接してくれてるんだもの。

 

だから私はにっこりと笑う。

 

「大丈夫ですよ。私も、勿論甚爾君も。なんにも、心配する必要なんて無いんです。だから安心してください」

 

「……そう?なら良かった!あ、この前甚爾君がね、急に『やる』って言って花束渡してきたのよ〜」

 

「えっ何ですかそれ、甚爾君そんなことできるようになったんですか」

 

心配事がなくなったからか、さらに明るく笑う伏黒ママさんを見ながら。改めて私は心配されることのこそばゆさと甚爾君良いお嫁さん見つけたなぁって気持ちをさらに強くしながら、齎された甚爾君情報に興味津々になるのだ。

 

◇◇◇◇

きっかり2時間経った後に甚爾君はムスーーっとした顔で帰ってきた。負けたのは一目瞭然なんだけど驚くべきなのは正確に甚爾君が帰ってくる時間を予想した今隣で恵君だっこして寝てる伏黒ママさんだと思う。

 

あ、甚爾君がこっち見た。

 

「…………何しにきやがったお前」

 

「いやーーー、ちょっと甚爾君の素晴らしいお嫁さんに会いたくなったのが理由の半分と、もう半分はねー、ちょっと(一年)前に話した新技がどーにも思い浮かばないんだよね、アイデアちょーだい?」

 

「それくらいのことならわざわざ俺の家に来なくても良いじゃねぇか。……なるほど、牽制か」

 

「おお、さっすが甚爾君。腐ったお家に居ただけあってそういうのは本当に敏感だね」

 

まぁそういうことだ。本当に技のアイデアだけなら私の方に甚爾君を呼び出せば良い話。そっちの方が確実だし。

 

だけど未来を知ってる(原作知識を持ってる)私からすれば、この家族は後々危険な目に遭う。恐らく恵君目当てのゴミ(禪院)の手が迫ってくる。だからこそ早い段階から私が目を光らせておく。私がこの家によく出入りしているという事実で持ってゴミがこの家にある程度手出ししにくくさせる。

 

その意図を正確に汲み取った甚爾君は一応の納得顔をしつつどっかと腰を下ろして……伏黒ママさんの頭を不器用に、そして優しく撫で始めた。

 

「うん、私それに関してはとやかく言うつもりないからね?真面目に相談付き合ってくれるよね?」

 

「当たり前だろ」

 

ヒモって呼ばれる理由がわかるよ全く……。

 

「んで、新技だっけか?正直言って十分な気はするんだがな……」

 

「いやー、私もそうは思うんだけどねー。二番煎じの技だとどーしても『それ以上』がないからねー。それならいっそ拡張性のある完全オリジナルの技も持っておいた方がいいかなぁって思ったんだよねー」

 

「……拡張?」

 

「うん、そこまでは何とか思いついたんだけどそこからがどーにも…やっぱ無理あるのかなぁ」

 

「いや、案外そうでもねぇぞ」

 

……………………えっまじ?

 

◇◇◇◇

加茂家鍛錬場にて。

 

「いやぁ……ああは言われましても……」

 

甚爾君が私に言ったことはシンプルにして普通に難易度が高いことだった。即ち。

 

“血で構築した体に呪血を混ぜれば式神っぽいのが出来るんじゃねぇか?”

 

である。

 

「いや、技って言ってるじゃん!誰も式神なんて言ってないじゃん!」

 

とはいえ理には叶っている、拡張性を私ではなく式神に委ねるというやり方は流石というべきなんだよね。ただ…これがなかなか難しい。第一、式神って言ったって血で作った人形みたいなのに思考なんて持たせられるわけがないんだよねぇ……。

 

「うーーん、これもダメかぁ」

 

動く気配すらしない真っ赤な式神もどきを術式で血に戻して吸収、これで何回目なんだか……。

どうしても動いてくれない。どーにかこーにか関節やら何やらの再現に成功した式神もどきも動かなければ意味がない。

 

「あ、そだ。これならいけるんじゃない?」

 

要は指向性だ、今まで呪血を雑多に突っ込んでたから動くことがないのかもしれない。そりゃ色んな負の感情を混ぜ込んでるんだからどれを自分の行動基準にすれば良いかわかんないよねぇ。

 

「んーーーー……呪血に残留した負の感情なんてそんなの意識したことないからなぁ……」

 

私が取り込んだ呪血に意識を向ける、うっわ。ドロドロの負の感情でいっばいだぁ……。取り敢えずそれっぽい似た感情の呪血を厳選して集めて抽出していく。おおなんかそれっぽくなってきた。

 

「おお……これは中々な……」

 

自分でやったから言うのも何だけどね、多分クソ強い。呪血めちゃくちゃに注ぎ込んだからね、たぶんそこらの特級呪霊よか呪力量あるでしょ。だと言うのに。

 

「まだ動かないのか……何が足りないんだろ?名前とか?」

 

正直ここまでやって動かないのであれば何かしらの儀式がないからなのかもしれない。式神術とかもあるにはあるけど結局は既存の式神を掌印やら札やらで呼び出してるだけにすぎない、私の今回やろうとしてることの参考にはなりにくそうだなぁ。

 

だったらもうやれることやるしかないでしょ、その中でも一番お手軽そうな名付けを私は実行することにした。

 

「うーーーん……真っ赤な……犬……というか狼……?自分で作ったのになんかこう……わかんないのが出来ちゃったなぁ……あ、これで良いじゃん。赤くて解らない“緋解(ひかい)”なんてどうかな?」

 

《GGGGGUGUGUGU……》

 

「へっ?」

 

名付けた瞬間元々多く感じた呪力量がその数倍にまで膨れ上がる。というか……あっ、これ私やったな?

 

どう考えても暴走……いや違うなこれ、未調伏なのかな?私が作った式神なのに調伏の儀……?術師本人より強い式神を持つな的な縛りなのかな……?

 

いや、そんなことよりもだ。

 

「いやこれやb」

 

目の前に真っ赤な爪が迫ってくる。次の瞬間には私の顔面は輪切りになること間違いなしのそれを私は全力でのけぞって回避した。

 

「あっぶなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」

 

《GUGUGU……GYAGYAGYAGYAGYAGYA!!!》

 

いやダメでしょ速すぎる!何今の!体狙われてたらそれで終わりだった!

 

まず間違いなく今のはラッキーだった、顔以外のどの箇所でも避けきれずに死んでいただろう。創った本人が言うのも何だけど化け物がすぎる……!

 

「しかも……!それ、赤血操術でしょ……!」

 

私が赤麟躍動や緋麟暴走を使う時のような状態、至る場所から高熱による蒸気が噴き出し周囲の温度が急上昇する現象が起こり出す……。えっ待って待ってなんかそれどころじゃ無い私の時ですらこんなに温度上がんないよ!?

 

「式神が一丁前に術式使うんじゃないよもう!」

 

私が創ったには創ったけどここまでの事なんてしてないよ!!?というか出来るわけないじゃん!! 

 

で、でも兎に角調伏の儀を終わらせなきゃどうにもならない!というかこの子判定的にはどうなるんだろ、大別的には式神なんだろうけど構成してる血はほぼ全て呪霊の血。………………まさか呪霊判定で私が死んでも残り続けるとかないよね?

 

《GUGYAGYAGYAGYAGYAGYA!!!!!!》

 

「意地でも調伏しなきゃいけないじゃーーーん!!」

 

自分でやったことくらい自分でケリをつけないと!!

 




そういえば私は呪霊の鳴き声とかを結構《》この鉤括弧を意識して使うんですが…緋解君の鉤括弧は…はは、頑張れ緋禰ちゃん。

そういえば緋解君はある一つの負の感情、ぶっちゃけると“殺意”が込められた呪血によって構築されています。つまり緋解君の行動原理は第一に「人を殺したい」「人を傷つけたい」などなどです。

そして緋解が暴れ出した理由を緋禰ちゃんは調伏の儀だと考えていますがそれは間違いです。じゃあ何で暴れてるかって?そりゃもう目の前にちょうど殺しがいのありそうなのがいれば誰だって殺したくなりますよね。

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