俺と邪神のクラシック五冠道   作:カニ漁船

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結構すんなり書けたのでこちらを投稿。


カミノライザン事件

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カミノライザン事件
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カミノライザン事件とは、1971年1月20日に発生した失踪事件である。

 

 

事件の概要


 

栗東トレーニングセンターで競走馬「カミノライザン」の馬房に無断で立ち入ろうとした事件。この件に関しては立ち入る直前にカミノライザンの担当厩務員である刈谷英二が被害者らを発見したことで未遂に終わったものの、この事件はここからが本番。その数日後にカミノライザンの馬房に立ち入ろうとした新聞記者3名が不可解な失踪を遂げる。

 

新聞記者3名の行方、警察の対応も含めて行方不明事件の中でもかなり闇の深い事件として扱われており、事件から50年以上経過している現在においては、見つかる可能性は0である。

 


 

 

 

事件の経緯

 


 

とある新聞会社(現在は倒産している)に勤める篠原、荻久保、荒田の3名はカミノライザンへの写真を撮ることを決める。しかし、この頃のカミノライザンは取材が極めて難しく(理由は後述)、まともに取り合ってもらえない、もしくは断られるだろうと判断した3名は会社に独断で動くことを決意。別の人物に取材するという名目で栗東トレセンの警備の目をかいくぐり、カミノライザンの馬房へと足を運んだ。

 

厩務員が席を外している時間を狙い、カミノライザンの馬房に到着した篠原達。ここで写真を撮って誰にも見つからないように退散する予定だったが誤算が生じる。カミノライザンは馬房の奥へと引っ込んでいたため写真が撮れなかったのだ。さらに篠原らを警戒していたのかカミノライザンは馬房の奥から出てくることはなかった。痺れを切らした3名は無理矢理カミノライザンの馬房へ入ろうとする。その時カミノライザンが大きく鳴き、異常を察知した担当厩務員が戻ってきたことで篠原達は退散を余儀なくされる。

 

サラブレッドはとても繊細で臆病な生き物であり、このようなことが起こってしまうと馬がパニックを起こす可能性があり、最悪の事態になるかもしれない。競馬に携わるものとしては絶対に許してはならないし、してはいけないことである

 

篠原達が退散した後、猛田厩舎主導の下容疑者を割り出すことに成功する。これにより篠原達の犯行は明るみになり、彼らが所属している新聞会社には抗議の電話が殺到した。余談だが、この事件以降マスコミに対する風当たりはかなり強くなった。

 

この一件が原因で3名が勤めていた新聞会社は倒産。マスコミ業界の信用を失墜させる事件となった……ここで終われば、まだ幸せだったのかもしれない

 

 


 

 

 

本当の事件

 


 

1月27日。篠原達はいつも通り出勤し仕事を終わらせ3人で飲みに行った。これは3人と同じ会社に所属していたというA(匿名)の証言により明らかとなっている。他にも同様の証言があったため、信憑性は高いだろう。

 

最初篠原の妻は旦那の帰りが遅いことを訝しむも、またいつものように飲みに行ってるだろうと特に気にしていなかった。しかし朝になっても帰ってきた形跡がなく、丸一日が経過しても自宅に戻らなかったことで同じく旦那が帰ってこなかった荻久保と荒田の妻とともに警察へ駆け込む(以下、行方不明者の関係者は篠原家族らと記述)。警察は事情聴取し、捜索を開始することになった。

 

最初足取りを掴むのは簡単だと思われたこの事件はかなり難航する。27日の朝に出社したのは確定であり、会社にも姿が見えていたとの証言が複数あったことから間違いない。問題は、退社後の足取りがまるで掴めなかったということだ。

 

警察はまず、3人が飲みに行ったという店へと聞き込みに行く。3人はいつも同じところで飲んでいたらしく、特定は容易だった。店主に話を聞くと、確かに3人は自分の店に来たと証言。捜査が進行した。

 

だが、そこからの足取りが一切不明である。「タクシーに乗って帰った」、「千鳥足で歩いていた」、「川に飛び込んでいた」等信憑性に欠ける証言が多く、完全に手詰まりになったのである。警察は何らかの事件に巻き込まれたとして捜査を強化した。

 

そして篠原達の失踪から一ヶ月後、警察の捜査は突如として打ち切られる。捜査本部は即座に解体され、行方は誰にも分からないまま、真相は闇の中に葬られようとしていた。

 

しかし、篠原の妻を筆頭に、関係者らは必死に事件性を訴え続けた。警察は「家出ではないか」、「家庭内で不和があったのではないか」、「なにか自殺に繋がるようなことがあったのではないか」と一貫して事件性を否定。そもそも遺体はおろか遺骨すら見つかってないのに自殺というのは無理がある。なにより、篠原夫妻の仲は近所でも評判になるほど良く、とても喧嘩をするような夫婦ではなかったと近所の人達は口を揃えていた。

 

篠原家族らの必死の訴えによってようやく重い腰を上げた警察は捜査本部を再結成。地道な聞き込み作業の末に、ついに有力な証言を得た。

 

飲み屋で飲んだ後、どうやら3人はタクシーに乗って帰路についたらしい。その時乗車したというタクシーを運転していたドライバーに詳しく尋ねると、「ここでいい、と言われたから途中で降ろした」と証言。彼が指し示した場所は……とても人が住んでいるとは思えない山奥である

 

関係者は訝しむが、警察は現場を捜査。しかし、有力となるような手掛かりはなかった。

 

それから1年ほど捜査は続けられたものの、警察はこれ以上の進展は見られないものとして捜査を再度打ち切り。篠原家族らの必死の訴えも空しく、真相は今度こそ闇に葬られることとなった。

 


 

 

 

不可解な点

 


 

この失踪にはいくつもの不可解な点がある。

 

・何故飲み屋で飲んだ後の足取りが不明なのか?

→飲み屋があったのは飲み屋街であり、また退店した時刻もそこまで遅くないということから人はまだ多かったはずである。にもかかわらず、その後の足取りを誰も見ていないというのはおかしい。

 

・何故捜査は突然打ち切られたのか?

→なんらかの事件に巻き込まれたのではないか?と主張していた警察だが、その捜査は1ヶ月で打ち切り。その後手のひらを返すように事件性はないと主張した。

 

・何故警察は捜査を続けなかったのか?

→捜査本部が解体されても、数名は捜査を続けるものだと思われていたが誰1人として捜査をしていなかった。篠原の妻達が必死に訴えるも警察はまともに取り合わなかったとされている。

 

・何故彼らは誰もいないような山奥に行ったのか?

→足取りが不明な中出てきた証言だが、ドライバーが指し示したのは人も住んでいないような山奥。篠原達がそのようなところに行く理由など当然なく、どうしてこの山に行ったのか不明。

 

・警察の捜査が杜撰ではないか?

→上記に代表されるように、明らかにおかしいと思われる証言を有力な情報として現場に赴くなど警察の捜査に不可解な点がある。まるでアピールするかのようだ。

 

ざっと上げたがこれだけの不明な点がある。この謎はいまだに明らかになっていない

 


 

 

 

その後の事件

 


 

上で記述した通り、警察は捜査本部を解体した後篠原家族らの必死の訴えにより捜査本部を再設置。しかしその捜査も1年後にはまた解体され、捜査が続けられることはなかった。その後も訴え続けるものの、取り合うことはなく7年の歳月が流れる。有力な情報もなく、生死も不明であることから失踪宣告となった。

 

事件名の由来はカミノライザンの写真を撮ろうとした記者3名が失踪したことから。本来ならば馬房に無断で立ち入った一件が「カミノライザン事件」とされていたのだが、この一連の不可解な失踪と合わせて「カミノライザン事件」と呼ばれるようになる。

 

そもそも何故許可を得ずにカミノライザンの馬房に立ち入ろうとしたのか。それは、この時のカミノライザンの取材は間違いなく断られたからだ。

 

前年に世界初となるクラシック五冠(詳しくはカミノライザンの記事にて)の偉業を成し遂げた本馬の人気は衰えることを知らず、同業他社からの取材依頼が殺到していたのだ。加えてカミノライザンは放牧から帰って来たばかりで、次のレースに向けて忙しい時期。そんな状況で取材の話を持ち込んでも間違いなく断られる。篠原達はそう思ったのだろう。これが無断で立ち入った動機となった。その結果として勤めていた会社は倒産、自分達は失踪なのだから因果応報と言えなくもない。

 

一応、捜査線上で犯人と思われる人物がいなかったわけではない。以下に容疑者として疑われた人物達を上げていく。

 

 


 

 

 

容疑にかけられた人物

 


 

①馬主の保茂元春

 

まず真っ先に疑われたのはカミノライザンの馬主である保茂元春だ。保茂元春はカミノライザンの馬主であり、普段の行動からカミノライザンのことをとても気に入っているのが分かっている。また保茂自身もカミノライザンを友達と言っており、とても大切にしていたことは周知の事実だった。そのため、犯行動機は十分にあり、失踪に関わっていることは確実だろうと思い至った警察は任意同行を求める。保茂はすんなりと受けた。

 

その後事情聴取が進められる。保茂は勿論自身の潔白を主張した。捜査が進められていくうちに、保茂は完全な白であることが発覚

 

確かに犯行動機は十分だったが、決定的な証拠は出てこず。なにより保茂自身足取りが急に消えて驚いているような言葉があった。加えて、失踪した日の保茂には完全なアリバイがあり、その日保茂と一緒にいた人物達の証言により、保茂に対する嫌疑は全て晴れた。

 

②飲み屋の店主

 

次に疑われたのは飲み屋の店主だった。飲み屋の店主はカミノライザンの熱狂的なファンだったらしく、そのカミノライザンに危害を加えたとしてこちらも犯行動機は十分とされる。任意同行をすることになった。

 

ただ、こちらもアリバイがあり、その日は忙しく店を空ける暇すらなかったとの証言がある。飲み屋のスタッフによる、「店主はずっと忙しそうに料理を作っていた」という証言が複数あったことからアリバイは証明され、こちらも嫌疑が晴れた。

 

③タクシーの運転手

 

明らかにおかしい証言であるにもかかわらず、警察は彼の証言を信じ現場へと足を運んだ。この事からタクシー運転手にも疑惑の目が向けられることになる。

 

しかもこのタクシー運転手、本当に篠原達を乗せていたのか怪しいところがある。そう思った篠原家族らはタクシー会社に問い合わせる。実名は警察の捜査に居合わせていたため知っていた。そこで告げられたのは、驚くべき事実である

 

なんと、このタクシー運転手の名前はタクシー会社の従業員の名前一覧に載っていなかったのだ。退職者リストにも名前はなく、他のタクシー運転手に聞いても誰も知らないという驚愕の事実が明らかになる。一気に容疑者へと浮上したこの運転手の足取りを篠原家族らは追う。

 

しかし、どこを探してもこのタクシー運転手が見つかることはなく。その足取りを追うことはできなかった。

 

④警察関係者

 

一気に疑惑が深まったタクシー運転手だが、警察ならば知っているのではないか?と思った篠原家族らは警察へと嘆願。しかし「個人の情報を教えることはできない」として口を割らなかった。警察に対する嫌疑も深まり、もしかしたら警察も一枚噛んでいるのではないか?と思うようになる。

 

考えてみれば疑わしい部分はたくさんある。事件性を主張したかと思えば事件性はないと手のひらを返し、必死に訴えても頑なに捜査を続けようとはせず、ようやく再開された捜査も杜撰極まりないものだった。警察関係者にも犯人がいると睨む。

 

だが……どうしようもない。警察が関与していることを裏付ける証拠もない、あくまで篠原家族らによる心証だけの話であり、下手すれば自分達が名誉棄損で訴えられかねないことである。限りなくクロに近いものの、それを証明する手立てはなかった。

 

また、完全な憶測にはなるがカミノライザンの過激派ファンによる犯行との声も上がっている。カミノライザンの人気、また当時の天皇陛下が言及するほどの馬であったことから正義感に駆られた犯人達が犯行に及んだという可能性もなくはない。だが、これはあくまで憶測であり真実ではない点には留意してもらいたい。また、罪を裁くのは司法の役割であり、一個人が他人を断罪するなど赦されないことである。この事をどうか覚えていて欲しい。

 


 

 

 

最後に

 


 

この行方不明事件は警察が関与しているかもしれないという闇が深い事件であり、その後の篠原ら3人の行方は分かっていない。50年以上が経過した現在でも彼らの遺骨はおろか遺留品すら見つかっていないという現状である。

・大勢の目があったはずなのにもかかわらず誰一人として動向を知らない

・突然手のひらを返した警察の主張

・その後の警察の杜撰な対応

・タクシー運転手を名乗る正体不明の男

この事件は数ある行方不明事件の中でも特に闇の深い一件として全国に報道された。また、この事件はミステリー映画としても放映される。詳しくは→【闇に葬られたジャーナリスト】。すでに当時の関係者もほとんどが亡くなっており、残されたのは息子と娘達である。

 

果たしてこの新聞記者3名はどこへ消えてしまったのだろうか?真相は永遠に分からないままである……

 


 

 

 

 




次は産駒ですかね?また時間かかりそうなので気長にお待ちいただけると幸いです。
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