ONE PIECE 新時代の希望RTA(DLC有)   作:トウカ

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Part.1/5

 公式で氏んだいい方が世界認定されてるワンピ界の希望と化すRTA、はーじまーるよー!

 

 *注意書き*

 ・本動画はUP主が20××年の○月△日に生配信したものを編集したものとなっております

 ・無編集版を閲覧されたい方は概要欄にURLが載っていますのでそこから飛んでください

 

 一ヶ月前に大型アップデートが入り、立ち回りが変わった皆大好きワンピースの大人気ゲームをやっていきます。

 本RTAで狙っていくトロフィーは新時代シリーズの一つ、『新時代の希望』です。

 新時代って良い響きですよね。フレッシュな感じがして。

 因みに私が一番好きなタイトルは「この時代の名を〝白ひげ〟と呼ぶ」です*1

 全然フレッシュじゃないって? うるせェ!

 

 計測開始は初めから選択時点、計測終了はトロフィーを入手した時点です。

 他のレギュレーションの詳細は動画の概要欄を参照ください。

 追加コンテンツは「天才の証」「FILM Zパック」の二種類です。

 では早速ホモくんのキャラクリを始めてイキましょう。

 

 はい、よーいスタート(棒読み)。

 

 名前は入力速度を考慮してランダム。

 性別は「男性」。当たり前だよなぁ? ランダムを選んだら超低確率でニューカマーになる可能性があるので注意しましょう。

 年齢は色々試行錯誤したんですが「20」になりました。

 種族は「人間」にします。他の種族を選んだ場合、能力補正のメリットよりも会話が増えるデメリットの方が大きいです。強いて言うなら足長族なら許容範囲ですが……。

 

 容姿は「通常体型」を選びランダム。なんでもありのランダムにしてしまうと、もしも奇形体型のイワンコフタイプを引いてしまった場合に初対面のキャラから特別台詞が追加され逐一ロスを食らう可能性がありますので、きっちり方向性は決めておきましょう。

 出身は「東の海」一択。偉大なる航路か新世界だとランダム性が強まり、スタート地点での落差が激しくなりますので私は好みません。ガープが定期的に巡回してくれる東の海が一番安心ですね。

 

 ステータスのポインヨ振り分けは各々に1ずつ、残りはINTに全ツッパ。

 悪魔の実は「なし」です。あんなの飾りです。泳げない人にはそれがわからんのですよ。

 さてラストは本題のスキルガチャです。皆さん、ガチャ好きですか? 私は中毒症状が出るくらいには愛しています。さあやっていきましょう、お祈りの時間だ。

 記念すべき一発目、どうだ?

 

天才(水泳) 病弱 隠密】

 

 はい振り直しです。

 

天才(戦闘) 激情家】

 

 うわ、珍しい……。これで進める他チャートもありますが、残念振り直しです。

 

天才(人誑し) 天才(作曲) カリスマ】

 

 まさかの二枚抜き!? 通常なら喜んでプレイしてますね。

 ではお目当ての才能が来なかったので計測をやり直して初めからです。私が許容できるスキルガチャのロスは3回まで。

 というわけで皆さんお待ちかね、倍速タイムです。

 

( 走者吟味中 … 倍速中 … )

 

 毎回確定で何かしらの天才が来てくれるの、本当に心安らぐ。

 ワンピにおいて天才の称号はマジのガチですからね。

 新世界のレベルを知るアーロンやシキ直々にスカウトを受けたナミ、500年先の未来を見ているベガパンク、動物系の実で覚醒するまでに至るロブ・ルッチ、などなど。

 天才と呼ばれるキャラはあからさまに少ない傾向にあります。

 某忍者漫画と違って天才を安売りしてないんですよ、某忍者漫画と違ってね。

 「天才の証」は購入して損のない公式チート、さあ今すぐポチりましょう(ダイマ)。

 

 そして本チャートで狙っている技能はズバリ、研究or医学or科学or生物です。

 ……。

 ええ、そうです。大規模な調整によって名声を稼ぐ手段が広がりましたからね、もう悪人をモグラ叩きする作業を繰り返すだけの古臭い旧時代は終わったのです。

 これからは人々を豊かにすることもきちんと名声に勘定される新時代がはじまるよ!! やったねたえちゃん!

 

 というわけで、今回のチャートは「市民の皆様に好かれる海兵におれはなる!!(※前線に出るとは言ってない)」です。

 お目当ての技能が中々出ないことですし、この間に本RTAで狙うトロフィーの獲得条件について説明しておきましょう。

 

 新時代の希望を取得するには、

 1.ルフィ或いはエースの年代と同時期に活動すること

 2.海軍に所属すること

 3.上述の時期に名声を500以上稼ぐこと

 4.悪名を10以下に抑えること

 以上四つの条件が必要になります。

 

 新時代の○○シリーズの特徴として、エースの旗揚げ~ルフィの二年後リスタートという限定期間で頭角を表す、というリアルタイムアタック要素があります。

 リアルタイムアタック……? RTA……? なんだこりゃあ!? おれ達向けのお遊びだぜギャハハハハ!!

 今回の場合は海兵になる時期を調整する必要がありますので、エースと同い年にしました。

 19歳でも何十回か試したのですが、持ち時間的に幸運が続けばギリギリ間に合うか? ぐらいなのでちょいとリスキー。なので安全牌の20歳です。

 

( 倍速停止 )

 

 1年の期間でだいぶ違うんですよね……。

 おや、146回目にしてやーっと目当ての技能が引けたようです。振り直し3回……まあいいでしょう。

 

天才(万能) 無気力】

 

 あ? おん? ……ひょっ? ……。…………。オフッ! (才能に)溺れる! 溺れる!

 一瞬脳味噌が目の前の現実を理解できませんでしたが、最高の結果が出ました。

 0.0001%の奇跡に小躍りしながらゲームスタートです。

 

 ではスキップのできない仕様のOP(ワンピースの略ではない)の隙に、技能スキル天才について少し補足します。

 まず、このスキルがあるだけでその分野に関わるステの初期数値と、該当ステの今後の伸びる倍率が異なります。

 例えば人誑しの天才だった場合は原作キャラやNPCの好感度がとても上昇しやすくなり、容易くハーレム王も築けることでしょう。

 

 そして重要なのは、この天才というスキルはある程度細分化されており、互換性が存在している点です。

 二回目で戦闘の天才が出ましたが、これは文字通り戦闘関連の完全上位互換です。下位互換には剣術、体術、蹴術などがあり、戦闘の天才はこれらの才能が一纏めになっています。

 普段なら涎が止まらない才能ですね。

 逆に三回目で出ていた作曲の天才には、音楽の天才という完全上位互換の才能が存在します。

 

 そして、今回何故か引けた万能の天才は本ゲームで入手できる最上位互換スキルであり、ネットにあがった動画で存在を確認できたのもこの動画が恐らく始めてかと思われます。

 文字通りこのホモくんは万能の天才ですからね、このRTA勝ったなガハハ!

 

 お気づきになりましたか(孔明感)。

 天才出現率は1%、そこから更に細分化された数多の天才が0.006%です。

 ガチャと違いピックアップは存在しない為、純粋に0.006%のすり抜けを願わねばなりません。

 DLC有のレギュで「天才の証」を使う前提ならばともかく、DLC無のレギュで目当ての天才が来るまで始められま10なんざやってられませんね。

 ましてや0.0001%の天才なんて当てにせず、普通にチャートを工夫した方がいい。

 

 ……はい、ようやくOPが終わります。

 なお過去の生配信の私はこの間オリチャーを考えてます、必死の形相を見たい人はURLからどうぞ。有志の方の切り抜きもあるよ(露骨な誘導)。

 

「ピエーロ、7歳の誕生

 

 両親チェックポイント。両親は母親のみ。

 両親チェックポイント2、誕生日プレゼントがある、愛情確認。

 誕プレは色々な選択肢がありますが、今回は勉強の本を選択。ゲーム開始直後の誕プレは確定でステを上昇させるかスキルを入手することが出来るので、これでINTを上げます。

 

 両親或いは片親がいる場合、親のタイプは3種類に分かれます。

 ノーマルタイプ、放任タイプ、毒タイプとありますが今回の母親は放任タイプのようです。やったぜ。

 家庭環境、ヨシ!

 島の治安民度、ヨ……ハルモニア王国ですか*2。まあヨシ!

 

「好きなように

 

 無事自由行動が出来るようになった所で、図書館に通い詰めます。読む本がなくなったと言われるまでですね。

 ホモくんの自宅はこ↑こ↓、図書館はこ↑こ↓なので最短ルートはこうなります*3。このステならば一年ほどあれば達成できます。

 ん? ホモ……? 編集して気付きましたがホモくんの名前ってピエーロだったんですね。もしかしてエロくんって呼んだ方が良かった? 今までごめんな(ホモは素直)。

 治安民度が最悪な土地にスポーンした時は図書館は存在しないので、大人しく無法者どもをシバキまわして時間の経過を待ちましょう。

 ということで、倍速を再開します。

 

( 少年行動中 … 倍速中 … )

 

 今回は東の海の春島ハルモニア、コビーの出身地とされる本作オリジナルの島でしたので続行しましたが、もしココヤシ村やゴア王国という遅延ネタを引いていたら即リセです(0敗)。

 シロップ村なら続行、シモツキ村やフーシャ村ならむしろ旨いイベントがあるので有り難いまであります。

 まあ欲を言えば原作キャラとの関係が一切無い土地で生まれたかったものですが、これくらいは仕方ありません。

 

 自分を鍛える方向ならば治安民度が低い島の方が基本的にお得なのですが、アップデートで入った調整によってそれ一辺倒ではなくなりました。序盤の過ごし方にバリエーションが増えたのは喜ばしいですね。

 アップデート前は(RTA的な意味で)意味のないコマンドばっかりでしたからね。

 こんな役に立たないコマンドあってもさ、恥ずかしくないのかよ?

 

【これで最後の一冊が

 

 はい、図書館を網羅しました。エロくんが何度もクリを出すものだから半年で終わりましたね。この時点で上げられるだけのINTは上げましたので、今後はランニングを繰り返してHPを増強していきます。

 ハルモニアのランニングルートは以下の通り*4。海辺と夕方に現れる干潟は必ず通りましょう、エロくんのLUXが高いため掘り出し物が見つかる可能性が高いです。

 

【???を拾っ

【???はピカピ

 

 今のINTならば初見アイテムを鑑定屋に回さずとも問題ありません、4つの海に生息するものは判別余裕です。逆に判明しなかった時は新世界か偉大なる航路から流れ着いた貴重なアイテムである可能性大なので取っておきましょう。

 当分の回復アイテムはハルモニア特産ピカピカジャガイモを加工して代用します。低コストのいも餅がマスト、それなりにHP回復するじゃがバターも幾つか作っておくと安定します。

 

 海軍学校には14歳から入隊可能ですので、はやく優秀な教官の下で特訓をする為に7年の月日を加速させます。こんな辺鄙な島で余計なコマンドをカチャらせる暇があったらさっさとボタン連打して時間を進めましょう。

 定期便に乗って他の島へ遊びに行くこともしません。エロくんには必要がないのでカットだ、カットしろ!

 

( 少年行動中 … 3倍速中 … )

 

 では本格的な倍速に入ったところで本RTAのチャートを説明していきます。

 細かい点はその場その場で補足を入れますが、基本的なポインヨは6つ。

 

 キャラクリでは研究医学科学生物いずれかの天才をとり、ステのポインヨも殆どINTに突っ込む

 →ゼファーとのマンツーマンで卒業までに基礎ステ100前後INT60まで上げておく(3敗)

 →→ローグタウンでエースと接触するまでに名声50稼ぎ(0敗)因縁システムを発動する(9敗)

 →→→エニエス・ロビー襲撃を目安に再生医療を完成させる(14敗)

 →→→→頂上戦争までに名声100間に合わせる(0敗)

 →→→→→頂上戦争でエース撃破(1敗)

 

 大まかですが以上になります。

 20歳でエース旗揚げから3年間、を19歳でエース旗揚げ1年後から2年間、へと縮められないかと努力はしたのですが、再生医療の完成に中々漕ぎ着けられず諦めました。

 今回の天才(万能)ならば19歳余裕、18歳でももしかしたらいけるかもしれません。しかし如何せん再現性に乏しすぎる為、記録更新は難しいでしょう。

 ただでさえ多種多様にある天才スキルから4つ厳選する行為すら大変なのに、そこから更に出現率が低いものを一点狙うとか頭がおかしくなっちゃいますよ。

 

 今のうちに断言しますが、これは追い風参考記録に近しいものなので再現性はほぼありません。

 

 本来のチャートであればこの7年間でステをあげる特訓やイベントが入る筈でした、けれど画面上のエロくんはランニングマンと化しています。

 それは何故か? パーフェクトエロくんは現時点やれることが既に無いからです。

 練りに練った7年分のチャートがパーですよ、パー。

 アップデート前での戦闘関連の才能を使ったチャートの経験がなければ操作が覚束なかったかもしれない程には、事前に想定していたチャートとズレこんでいます。

 

 健全な脳味噌と思考があるのなら、このゲームでRTAはしてはいけない(戒め)。

 ランダム性と自由性のマリアージュにより頭が破裂しそうになったRTA走者とのお約束だゾ!

 普通に遊べ、普通に。

 

 さて、ハルモニアには海賊も滅多に来ないのでつまらない今日も平和ですね。

 そろそろエロくんも14歳を迎えるので、母親に切り出して……なんで倍速が止まるんですか?

 

「うええぇん……

【見知らぬ子供が泣

 

 順調に進められていると思ったらイベントが発生してしまいました。

 見捨てることもできますが、残念ながら相手は未来の海軍キャラなので話を聞いてあげましょう。

 話の内容は親から貰った眼鏡をなくしてしまった、というものです。エロくんが取れる行動コマンドは幾つかありますが、今回はDEXとINTが基準値に達している状態で素材も揃っていますからね。

 

「あ、ありがとう

 

 代わりの眼鏡を作って渡します。

 エロくんのLUX的に見つかるまで探すこともできますが、迅速に発見とは限らないのでロスです。確実な手段を取りましょう。

 最後にケチがついたものの、6年間は何事もなかったことを考えるとラッキーな方です。

 はい、ロスもありましたが漸くエロくんが14歳になりました。

 おまたせ! 海兵しかなかったけどいいかな?

 

「そう……あなたの人生よ

 

 放任タイプなのでご覧の通り簡単に許可がおります。

 ノーマルタイプはステが一定の基準を満たしているかどうかで賛成反対が決まりますので、それまでは海兵志望を言い出さないようにしましょう。まあ普通の親から見れば仮に贅肉だるだるのモヤシ野郎が立派な海兵になるとか言い出しても心配でしかないでしょうね。

 毒タイプは無視して出奔一択。場合によっては頃した方が手っ取り早いです。

 

 故郷に別れを告げたところで今回はここまで、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぼくが生まれ育った場所はとても長閑で牧歌的だ。

 オートマタ島の周囲にある特殊な海流により、道筋を知らなければ本島まで辿り着けないハルモニア王国はこの大海賊時代にあっても平穏の日々が保たれていたが、それでもニュース・クーによって毎日届けられる新聞には冷たく苦しいニュースが途絶えることなく、ぼくの心を痛ませた。

 

「いつか……! 大きなったら海軍に入って、世界中にいる悪い奴を取りしまるんだ!」

 

――世界のどこかで泣いている誰かに手を差し伸べ、平和と笑顔を。

 

「海兵はみんな強いから、ぼくも強くなりたい……どうすればいいんだろう?」

 

 ハルモニアのような平和、ハルモニアに住む人のような笑顔。

 ぼくが身近に知る光景を世界の当たり前にしたかった。

 檻の中を悪い奴でいっぱいにすれば、世界は平和になるのだと信じていた。

 

 

「ハァ? 海兵? お前がァ~?」

 

「毎日家に引きこもってるモヤシが海兵になんかなれるわけねェだろ!」

 

「こいつといてもつまんねェよ、あっち行こうぜ」

 

 

 本を読むのが好きだった。正義が悪を打ち砕く物語はページを捲るだけで楽しかった。

 世界経済新聞に掲載される絵物語はぼくの胸を膨らませた。

 そうやって文字ばかり目で追っていたら、みんなからありえないと一笑されるようなぼくになってしまっていた。

 

「そ……そうかな……? えへへ……」

 

 静まり返った公園で、誰も聞いてなんかいないのに、なにかを誤魔化すように独り言を零す。

 

「そうなのかな……? た、たしかにっ……体力なんてないし、お腹ぷにぷにだもんね……!」

 

 同年代の子たちの言葉を反芻し、納得して歩き始めた。目的はない、ただ歩く。

 

「えへ、えへへっ、えへへへへ……!! ギャッ!!」

 

 笑い続けて、歩き続けて、いつのまにか海岸にたどり着いた。

 そこでぼくはなにかを踏ん付け、大きく転んでしまう。

 滲みぼやけた視界では分からなかったがどうやら尖った石に引っかかってしまったらしい。

 

「えへへへ、痛い、すごく痛いぞ……なんてドジなんだぼくは、これじゃやっぱり海兵になんてなれないぞ、えへへへへ……!!」

 

 もう笑いが止まらなかった。地面にぼたぼたと落ちる雫を袖で拭い、むりやり顔をあげる。

 赤と金をかき交ぜたような西空が見えた。時刻は夕暮れ、もう帰宅する時間だ。

 このままではリビングが真っ暗闇になってしまう。そんな状態では蝋燭をつけるのも一苦労で、それに今のぼくは膝や腕に怪我を負っている。

 尚更はやく家に帰らないといけないのに、夕ご飯だって作らないといけないのに、ぼくの両足は一歩だって動いちゃくれなかった。

 

「えへへ、へ、へへ、えへへへへへ……え……? あ、あれ……?」

 

 鉛のような足だったとしても、それでも帰らなくちゃいけなくて。

 今度こそ帰宅しようと最後にもう一度だけ雫を拭って、大事なことに気がついた。

 なにもない。

 目元にあるべき感触も重さも何もかもが無くなっている。

 喉から笛のような音が鳴り、周辺を見渡す。

 

「ない……!!? ない、ない、どこにもない……!! うそだ、うそだこんなの……!!」

 

 両手を地面につき、頭を擦りつけるようにして探しても見つからない。

 西から射す茜色の光がやけに眩しくて、嗚咽が漏れた。

 どこにもない。

 

「ウ゛ッ……!!! うぇ……うぇぇえ……!! うぇぇぇえええん……!!!」

 

 目の前にはきらきらと茜色に反射する海ではなく、砂と泥の蓄積地帯。

 時刻は夕暮れ、この近辺の海岸は干潮になる時間だった。

 きっとぼくの眼鏡は海まで吹っ飛んでしまい、引いていく波に連れ去られてしまったのだろう。

 

「うええぇん……!! お父さん……お母さん……!!!」

 

 

 

 

 

「おい、お前。そこのお前だ。何してんだ、びいびいと喧しい」

 

 

 

 燃えるような夕暮れを見る度に思い出す。

 

 

 

――だ、だって……!! お父さんとお母さんが買ってくれた眼鏡、なくしちゃって……!!

 

――眼鏡ェ? 目が悪いのか……なら新しく作ってもらえば良いだろ

 

――ぢがう゛ゥ~~~~!!! あの眼鏡がい゛い゛ィ~~~~……!!!

――さいごにくれたのにィ゛……!! お゛どう゛ざん゛お゛があ゛ざァ~~~ん゛!!!

 

――! ……喧しいな、いつまで泣いてんだ!

――おれはなくなったものに縋る人間が大っ嫌いなんだよ!! 腹が立つ!!

――〝前進〟は命あるものの特権だ!! 前に進まないなら死んでるも同然なんだよ!!!

 

 

 

 彼と出会ったあの日を。

 

 

 

――検査結果は取れたが……これは遠視だな。なら必要なものは……。

 

――あれ……? 紙がいっぱいあるけどなんて書いてるんだろ?

 

――あァ? 思いついた物を書き殴っただけの落書きだよ。虫眼鏡あるから見たきゃ勝手に見てろ

 

――う、うん……わっ、崩しちゃった……!

――……! …………!! …………!!! す、すっごーい!!!

――ねえねえ、ねえねえピエーロくん! ここに書いてあるものって全部作れるの!!?

 

――まァ理論上はな

 

――わァ~~~……この無人調理器システムなんてまるで夢みたいだ!! ワクワクするね!!

 

 

 

 彼と過ごした数日間を。

 

 

 

――ピエーロくんは将来科学者になりたいの? 海軍の天才科学者みたいなすごい科学者に

 

――シハハハハ、誰だそれは。アイデアが湯水みたく溢れ出るだけで興味があるわけじゃねェよ

――だが海軍は合ってる。ついさっき、1つの指向性を発見したばかりだ

 

 

 

「コビー、おれは海兵になってみようと思う」

 

 

 

 聖人ではない、偉大なる発明家でもない。

 レグルス・D・ピエーロという一人の人間に、ぼくは憧れたのだから。

 

 

 

*1
573話表紙ドン!

*2
地図ぺたり

*3
地図に青字で線が足される

*4
地図に赤字で線が足される




最近のワンピが面白すぎてつい書いちゃった。プロットはあるけど早漏だからエタっても許してクレメンス
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