エリニュス-慈しみの神達へ-   作:ライト鯖

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喧嘩、偵察

 

 

レオは、久しぶりに夢を見た。

最近は見ていなかった悪夢を。

家族に責められるあの夢を。

 

「お兄ちゃん。とっても楽しそうだったね。私達を忘れて、お友達と楽しそう」

「お前が役に立たないばかりに、ソフィアはあんなものも食べれず死んだ」

「貴方がしなきゃいけないことは何?また忘れてしまったの?」

「お兄ちゃんは、本当、頼りないね...お兄ちゃん、私達のこと、忘れちゃったの?ダメだよ。あいつは友達なんかじゃないんだよ?思い出しなよ。あいつの言ってたことをさ」

「そうだ。してたじゃないか魔族に味方するかのような発言を」

 

復讐が、憎悪が、和らぎかねないことがある度に、レオは、夢を見続けてきた。

それは赦されないことなのだ、と。

まるで呪いのようにして。

レオの心を、縛り続けている。

 

 

「おい...おい..大丈夫か?」

 

レオが目を開けると、心配そうな顔をしたマルクが、彼を覗き込んでいた。

 

「...何だよ」

「何だよじゃないよ。すげえうなされてたんだぞ?」

 

部屋は薄暗くなっていた。

赤く光る夕焼けが、間もなく闇夜に塗り変わろうとしている様子が、窓からは見えた。

どうやら、レオは、かなり眠っていたらしい。

 

「悪かったな。仮眠の邪魔をしたか?」

 

ぶっきらぼうに、マルクと目を合わせずにレオは言う。

 

「目ならとっくに覚めてたさ。急病かと思うくらいにはうなされてたから...心配したんだよ」

 

マルクはそう、罰が悪そうにボソリと呟く。

マルクは、レオが魘されているところを見たのは初めてだった。

普段は、お互い訓練や任務でヘトヘトな状況で、互いの睡眠の様子など気にならないほど、泥のように眠ることが常で、今日のように、お互い体力に余裕のある状態での睡眠など殆ど無かったのだ。

 

「ほっといてくれ..」

 

何故、心配などするのか。ただの同室だろう俺達は。

レオは、無意識的に、心中の刺を溶かしかねないそれを、全霊で振り払っていた。

 

「...だが...」

 

尚も、まだ心配そうなマルクから、レオは目を逸らした。

沈黙。

昨日から続くその重苦しいモノを、再び打ち破ったのは、また、マルクの方だった。

 

「なあ、レオ...余計なことかもしれないけどさ...家族のこと、嫌いなのか?」

 

何を急に。

レオは、不快感よりも、突然のことに戸惑いが上回っていた。

 

「君の家族はさ、君と仲が悪かったのか?」

「違う。嫌いなわけないだろ。何だよ、急に」

 

言いにくそうな様子で、マルクは口をモゴモゴとさせたが、意を決したように、口を開いた。

 

「...ずっと...お前が魘されている間、言っていたんだ。『母さん...父さん...ソフィア..ごめんなさい...ごめん..』って」 

「...っ!それが、何だよ...」

 

レオは、かなり動揺していた。まさか、そこまで口に出ていたとは思わなかったのだ。

 

「君の家族は、君だけが生き残ったことを、責めるような人達なのか?」

「何が言いたい」

 

レオは、何とも言えない不快感、いや不安を感じていた。

 

「レオは、自分が赦せないだけなんじゃな..」

「お前に何が分かるんだ!魔族に、同情なんかするお前に!」

 

マルクの言葉を、最後まで言わせることはなかった。

 

「...っ。俺だって、家族を失った!」

 

マルクは一瞬怯んだが、直ぐにそう切り返した。

 

「皆、"人間"の山賊に殺された!人間のだ!でも、俺は、皆に生きてくれって言われたんだよ!」

 

マルクが、らしくもなく興奮した様に捲し立てた。

 

「なら魔族が、どれだけ残酷か!最低な連中か、マルク、お前は知らないだろう!!だからあんなこと言えるんだ!」

「そうだ!俺は魔族の酷さは知らん!だけど、人間の残酷さは知っている!お前も見ただろう!あの貴族を!」

 

マルクの脳裏には、今でも焼き付いている。

自分を守るために覆い被さった兄の身体の隙間から、兄が何度も切りつけられる様を、抵抗する父がめった刺しにされる様を。

母と、姉の悲鳴と嗚咽と、下卑た山賊の笑い声を。

彼は、野盗が去っていった後に、まだ息のあった母と姉に生きるように言い残された。

父と兄は既に動かなかったが、命懸けで自分を守ってくれた二人の意志など、疑うべくもない。

 

だから、行く当てもないなかで、マルクは生きるために、軍に入ることにしたのだ。

そしてそこで、魔導士の素質を見いだされ、魔導学校へ、通うことになったのだった。

 

彼は、人の醜さを知った。勿論、美しさも。そして、魔族からは被害を受けなかった。だから、彼は、魔族を憎む気持ちは、余りなかったのだ。

対して、レオにも勿論、あの日の記憶は焼き付いている。燃える両親を、宙を舞う、ソフィアを。

 

二人の間を別つのは、経験という不可視の断壁であった。

 

「魔族と山賊を同列に語るんじゃねえ!魔族はなあ!俺達全員を皆殺しにしようとしてんだぞ!山賊が国民を皆殺しにしようとしてるか?!根本的に違うんだよ!」

「そうじゃない!おれが言いたいのは..」

 

反論しようとするマルクの襟を掴み、呼気を荒げなながら、レオは、叫ぶように言った。

 

「お前は良いよな!お前は、最後の言葉を聞けたんだもんな!」

 

マルクは、何も言い返さなかった。

ただ、悲しそうな顔をするのみで。

 

「...お前の言う通りだよ。俺の家族は、優しい人達だった!優しくて、大好きな家族だったんだ!」

 

涙が溢れていたが、レオは構わず続けた。

 

「だけど..それは、平和な時の、日常での皆なんだよ...。俺は、それ以外の家族を知らない!」

 

だから、と徐々にレオの声は消え入りそうなほどに小さくなっていく。

 

「分からないんだよ。父さんや母さんが、炎の中で、何を想っていたのかも...ソフィアが...炎に堕ちるまでの間、俺の目を見て、何を感じていたのかも...」

「分からないんだ...」

 

既に、マルクの襟を手放していたレオは、そう呟きながら、うつむき、口を閉ざすのだった。

 

「......ごめんな。ずけずけと踏み込んでしまって」

 

マルクが、ポツリと謝罪する。

 

「...俺も言い過ぎた..すまん..」

 

レオは、そう言いこそしたが、マルクと目をあわせはしなかった。

 

レオにも人間の醜さには思い当たるところはあった。

正に、昨日目撃したもの。

ただ偉ぶるだけの貴族の存在。

しかし、それでも思えなかった。

思いたくなかった。

魔族も人間のように、グラデーションがあるなどとは。 

もし、そうなら、あの日のことは、ただ運が悪かっただけ、そういうことになってしまう。

そうでなくとも、燃える憎悪の炎に僅かな疑義も差し挟むことは出来なかったのだ。

 

そして、マルクに苛立って、言わなくて良いことまで言った自分に心中で悪態を付きながら、レオは立ち上がった。

 

「そろそろ時間だよな。行こう」

出来るだけ、何事もなかったように、レオはそう心掛けて言った。

 

「...ああ」

 

マルクは、レオの背後で寂しそうな目をするのみだった。

 

最悪な空気で二人は偵察にやってきていた。

だが、どんな状況でも、任務を疎かにするわけにはいかない、二人はこの点だけは一致していたようだ。

 

軍から共有された情報に基づけば、アルバ地区と、ムラゴシアのあるバレンス地区との境界辺りに、三つの魔族の部隊が哨戒しているとのことだったが、先日の侵入で、それが五つに増えていることを確認していた。

故に、慎重に隙を見つける必要がある。

 

二人は、魔族に探知されないよう、体外への魔力放出を一時的に抑え、ゆっくりと慎重に、地区を跨いで生い茂る林を進んでいく。

暫くは問題なく進めていたが、奥から、ガサガサという音と共に、小さな松明らしき光が近付いてきた。

 

二人は息を潜め、木々の間に身を隠し、魔族達に感づかれないようにし、魔族らをやり過ごす。

 

『しかし、いつ攻撃に出るんだろうな。もう2ヶ月だぜ?』

『さあな。上には何か考えがあるんだろ。それよりも任務に集中しろ』

『大丈夫だって。こっちにはベルアスナさんがいるんだぜ?』

『だからといって油断するなよ』

 

そんな会話をしながら、魔族達は、レオとマルクの近くを過ぎ去って行く。

 

「どうやら気付かれなかったようだな」

 

足音が去ってから暫くしてマルクが呟き、茂みから身を出した。レオもそれに続く。

 

軍が持ち帰った情報に依れば、第一の警戒ライン、幾つかの部隊が歩哨で警戒するエリアが終わり、第二の、地区の拠点となっている街、"アルバーニ"を囲むようにして作られた壁、その周りを一定間隔ごとに魔族が警戒しているエリアに間もなくさしかかる地点、にまで彼らはやって来ていた。

 

二人は、事前に軍の書類を読み込んでいたので、会話することなく、ひっそりと壁に近付いていった。

地形の関係で、他の場所よりも壁が相対的に低くなっている場所であり、他の魔族が肉眼では見辛い位置にある岩場を二人は狙っていた。

結局、一人は見張りを倒さざるを得ないため、強硬突入以外に道はないのだが、できる限り発見を遅らせるために、その場所を選んだのだ。

 

見張りが一人、ポツリと立つ、岩場に面した、木で作られた壁の前面にある茂みに到着すると、レオは、ふーっと息を吐いて、思考を集中させる。

 

魔術を発動する際に、技の名を口にすることは、絶対に必要というわけではない。

とはいっても、ただかっこつけているわけでもない。

例えばレオの"紅蓮・ジャベリン"。

この技はレオの術式である炎を、槍の形へと形成し、それを投げるという技だ。

槍の形を細かく想像して、その通りに炎を形成するには、強い集中がいる。

激しい戦闘中に、其方に意識が割かれることは、大きな隙になってしまう。

故に、"紅蓮・ジャベリン"という名を唱えると共に、何度も何度も炎の槍を形成する訓練を繰り返し、身体に定着させるのだ。

名を口ずさめば、殆ど無意識的に、対応する形で技を発動することが出来るようになるまで、脳に刻み込むために。

つまり、レオの場合、反復による定着で"紅蓮・ジャベリン"と唱えれば、自身の魔力形成に意識を割かれることなく、槍へと形を成させることが出来るようになっているのだ。

これが、技を発動する度に、名を詠唱する理由の一つである。

 

レオは、茂みの中でこっそりと、しかし素早く無詠唱で術式を発動する。

戦闘中は、技名を言った方が良い。 しかし、こうした音を立てない方が良い状況では、無詠唱、つまり頭で強く意識して、術式を発動した方が合理的なのだ。だが、素早く魔術を発動せねば、魔力で敵に感づかれる。

故に、強い集中によって、出きる限り素早く形成する必要があった。

 

槍状に形成した炎を握りしめ、レオは茂みから飛び出し、ほぼ同時に見張りに向け、投げつける。

見張りの魔族は、瞬間的に近くに現れた魔力に気が付いたようだったが、防御は間に合わず、身体を炎に貫かれてしまうのだった。

 

「よし」

 

二人は、見張りが倒れたのと同時に駆け出し、跳躍の瞬間だけ魔力で脚力を強化し、5メートルはある壁を飛び越える。

 

街の端に綺麗に壁が作られていたため、レオ達は、民家の屋根に着地する格好となった。

 

「静かだな..」

 

マルクが呟く。

街は、不気味な程に静かであった。

とても、人が住んでいたとは思えない程に。

 

「全ての住民が逃げれたわけじゃないはずなんだが..」

 

人っ子一人いない。その言葉を、レオは口にしなかった。

代わりに、嫌な想像をしてしまったのだ。

 

逃げ遅れた人は、殺された..?

 

「レオ。とにかく調べてみよう」

 

マルクに言われ、レオも頷く。

さすがに、任務中必要になってまで口を利かない程、二人は子供ではなかった。

 

二人は、出来るだけ静かに街路に降り立ち、付近の家々を見て回る。

 

「人の気配がない...」

 

幾つもの家屋を見て回ったが、二人共、人の気配を全く感じとることが出来なかった。

少なくとも、彼らが降り立った周辺には人が誰もいないことだけが分かっただけであった。

 

「...仕方がない。とりあえず奴等の本部を探そう。この街の何処かにあるはすだ」

「ああ..」

 

マルクの提案にレオも頷く。

まさか全ての建物を確認するわけにもいかないので、本来の目的を達成するべきだろうと彼らは判断したのだ。

しかし、本部や司令部のような重要な施設が、完全に眠りにつくことなどないはずであるが、全くその気配が感じられない。

 

どうしたものか。と、思案していると、彼らが侵入してきた壁の方角から、声が聞こえてきた。

 

「バレたか...?」

 

マルクが呟き、レオも壁の方に耳を集中させる。

 

『侵入者━━!!』

『誰が━━』

「バレたな」

 

レオの言葉と同時に、壁の方角から、炎の玉が打ちがあり、上空で弾けた。

光は周囲を明るく照らし、音は静寂を破り、街中に響く。

 

「警報か?」

「あっ!」

 

マルクの驚く声を聞き、振り向いたレオは、マルクが驚いた理由を直ぐに理解した。

先程まで暗闇に包まれていた街の一角から光が漏れだしていたからだ。

しかもそれは、突然建物に明かりがついた、という風ではなく、本来何もないはずの中空の一角から明かりが漏れだしていたのだ。

それが徐々に広がっていき、一定の広さになると、ベールが剥がれるようにして、明かりがついていないように見えていた家々が屋根や二階から消えていく。

その代わりに光が、壁が現れ、やがて、街の一角を呑み込んだ巨大な施設が出現したのだった。

 

「結界で隠していたのか..」

 

それらしき施設がなかったのではなく、存在しないかのように見せられていたのだ。

 

『既に侵入されているそうです!』

『逃げた後では?』

『歩哨らに伝達!』

『...いや、まだ街にいるぞ!...あそこだ!』

 

遠方から魔族の叫びがこだまする。

 

「見つかった!?」

 

索敵に長けた術式の者でもいるのか、屋根を利用して身を隠していたにも関わらず、二人の存在は直ぐにつまびらかになったようだ。

 

「逃げよう。本部の位置が分かっただけ収穫だ!」

「..ああ」

 

二人は、どうせバレているならと魔力を解放し、屋根を蹴って、跳躍するのだった。

 

眼下には慌ただしく魔族達が走り回っていた。

その陣容は多種多様であり、オーク、エルフ、獣人、中には竜人もいる。

 

「やっば..」

 

出来るだけ素早く退避する必要があると悟った二人は、更に速度を上げる。

 

『こっちだ!急げ!』

 

魔族達の慌てる声を聞きながら、二人は全力で壁へと向かう。

壁の近くまで戻った二人は、魔力をオフにし、ジグザグに屋根をつたいだす。

僅かでも撹乱するためだ。

そうして、二人は純粋な身体能力で家々を飛び移り、残りの距離を走っていた。

 

二人は、壁の前へとたどり着き、来たときと同じようにここだけは、一瞬魔力を使い、跳躍、壁を飛び越えるのだった。

 

即座に壁から離れ、林の中に身を潜める。

後は、魔族の占領地を出るだけであった。

得られた情報は余り多くはなかったが、本拠地に近付けただけでも大収穫だろう。

二人は、逸る気持ちを抑えながら、注意深く林を走り抜けていく。

 

しかし、突如二人は、殆ど本能と言うべき反応速度で、その足を止めた。

いや、止めざるを得なかった。

 

何かが、直ぐ近くにいる。

二人は、強力な魔力を感知したのだ。

恐らくそのままあと数秒も走って、目の前の茂みを抜けていれば、その何かと見えていただろう。

 

「おや?予想的中かな?」

 

声。しかも、ヒトの共通語が、二人の耳に聞こえてきた。

 

バレている!?

ジリ、と二人は僅かに後退した。

急に、反射的に足を止めたせいで、枝を踏んだ音などがしてしまっていたようだ。それで気が付かれてしまったのだろう。

 

ポトリ、とレオの顎から汗が滴り落ちる。

それと同時に、レオとマルクはそれぞれ左右に、飛び退いた。

 

氷塊。

バキバキバキ。と凄まじい音を立て、二人がいた場所に巨大な氷が襲い掛かっていた 

 

「外れちゃったか」

 

声が、氷の奥から徐々に近付いてくる。

  

「くっ...!」

 

逃げねば。

レオの脳は、そう警告を発していた。

しかし、どうにか体勢を立て直した二人が逃げ出す前に、声の主は、彼らの姿を捉えたようだった。

 

「二人か..。他にも仲間はいるのかい?」

 

声の主は、男。彼は、ヒトと殆ど変わらぬ姿をしていた。ただ一ヶ所、その特徴的な耳を除いて。

 

エルフ。

魔族の中で、最もヒトに近しい見た目の魔族。

北方の民族よりも更に薄い、透き通るような白い肌。

軍服らしき服のそのエルフはそれなりの地位にいるのだろう、首もとに、魔族の勲章がぶら下がっている。

軍帽からは、白い髪が覗き、軍帽の影になっていてもよく見える、美しい碧眼。

そして、耳。魔族の耳は、ヒトの丸みを帯びたモノとは違い、先端が尖っている。この耳こそが、魔族の証。

そんなレオ達の目の前に現れたエルフは━━

 

強い...。

エルフの身体から発せられている魔力は、レオが思わず逃げだしたくなるほどであった。

 

1級レベルはあるだろ...。

 

マルクも同じくである。

 

「君達は何者だい?」

 

エルフは余裕そうに笑い、彼らに問いかけた。

 

「そっちから名乗るのが礼儀だろう」

 

レオは、精一杯強がって見せた。勿論、無駄なことは分かった上で。

 

一瞬でも隙を作って、逃げる。

二人は、言葉を交わさずとも、また、同じことを考えていた。

 

「侵入者の君達がそれを言うか?まあいいよ」

 

エルフの余裕綽々といった調子は崩れない。

 

「私は、ベルアスナ・ア・マカナリオ。魔導連合軍少佐を勤めている。短い間だが、お見知りおきを」

 

軍帽をとり、わざとらしくお辞儀をして見せる。

 

隙。などは生まれなかった。

お辞儀をしている瞬間に逃げ出しても、数秒後には追い付かれていただろう。

 

もう少し、大きな隙を━━

 

「さて、では君達のことも聞かせてもらおうかな」

ニッコリとエルフ、ベルアスナは笑う。 

 

「ああ。今は名乗らなくても構わないよ。牢の中で、看守に名乗ってくれたまえ」

 

戦うしか、ない。

レオとマルクは同時に、そう覚悟を決めるのだった。

 

 

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