その一方で核心を突くカズマに草
いせかる三期は一期、二期より話が綺麗にまとまってたり、アニメ放送に合わせてキャラの言動がアップデートされる設定の上手さに感服しました。
いやー、危なかった。
まさかローズ先輩があそこまで思い詰めていたとは。
偶々日課の散歩中に見つけられたから良かったから良いものの、発見できなければ人知れず退場してたところだったな。
痴情の縺れって奴かな?
何故自殺しようとしたのか、原因は分からないけど、適当な事言ったら、なんか立ち直ったみたいだし、もう心配は要らないかな?
急に弟子にしてくれって言われた時は「えぇ……もっと早く言ってよ。ブシン祭もう佳境だし、ローズ先輩ブシン祭出てないし……今更遅いよぉ」的な事を思ったけれど、何か悪魔憑き発症しているみたいだったし、力を与えてやる陰の実力者的なムーブを演出して、治療した。
悪魔憑き発症していたって事は、またディアボロス教団案件なのかな?
王女様、悪魔憑き、婚約者を刺して逃亡……確か、お父さんに会いに行くって言った日に婚約者を刺したって話だし、もしかして痴情の縺れじゃなくて、実は婚約者はディアボロス教団の人間で、オリアナ国王であるお父さんが薬かアーティファクトかで傀儡にされて、ローズ先輩も傀儡にされそうだから、
「まさかね……」
そんな事を考えながら寮に帰ると、姉さんが立ってた。
「あら、やっと帰ってきたのね」
笑顔を浮かべる姉さん。
けれど、眉間には皺が、口元はヒクヒクと動いていた。
もしかしなくても、怒ってる?
「や、やあ、姉さん……何か用?」
「何か?何か用ですって?姉である私を待たせておいてよくも抜け抜けと……」
「えっと、……今日会う約束してたっけ?」
僕の記憶が確かなら、特に姉さんと会う約束はしてなかった筈だ。
「約束してなくても、いつでも姉を出迎える準備くらいしておくべきでしょう」
「え、えぇ……」
理不尽だ。
まあ、理不尽の権化と書いてクレア・カゲノーと読む様な人だ。今更かな?
「全く、この炎天下の中、いつまで姉を持たせるつもりよ」
空を見る。既に日は沈み街灯が街を照らしている。
この姉はいったい、いつから僕の帰りを待っていたのだろうか?
正直アポ無しで来て、炎天下の中でどれだけ姉が汗を流そうが、知るかってのが僕の感想だけど、悲しきかな。弟とは姉に逆らえない生き物である。
僕は炎天下の中、汗を流したクレア・カゲノー様のご機嫌を取るため、部屋にあげ、冷蔵庫擬きのアーティファクトから秘蔵のアイスクリームを献上した。
「これ、ミツゴシ商会の新商品じゃない。よく手に入ったわね」
「伝手があってね」
「ふーん」
姉さんは対して興味なさそうな態度で僕のアイスを食べた。
──っと、思ったら僕の口にスプーンが差し込まれる。
口の中に広がる冷たさと甘さ。
「美味しい?」
「うん、まあ、美味しいよ」
「そう、なら後はアンタが食べなさい」
そう言って半分程中身が残ったアイスクリームを僕に手渡す。
「別に全部食べても良いのに」
頼めばまた貰えるし。
「良いわ。私お腹空いてないから」
別にアイスくらい満腹でも入るだろうに。
とは言え、姉さんの好意を無碍にするのも……これ元々僕のアイスだし、好意も何もなかったわ。
僕は半溶けになったアイスをパクパクと食べた。
「もう少し味わって食べなさいよ」
僕はハーゲンダッツも大きなスプーンで食べる派だからね。
チマチマ食べるのは性に合わない。
「それで、僕に何か用があったの?」
アイスを食べ終えた僕がそう聞くと、姉さんは1枚の紙切れを僕に差し出した。
「なにこれ?」
「見て分からない?ブシン祭のチケットよ。それも特別席の」
普通は手に入らないわと、自慢げな笑みを浮かべる姉さん。
「わーすごいね。どうやって手に入れたの?」
「出場選手としての伝手よ」
「出場選手?姉さんブシン祭に出るの?」
「は?」
あ、なんか地雷踏んだぽい。
姉さんは視線を逸らさない様に僕の頬を掴んで、鋭い眼光で睨んできた。コワイ。
「アンタ、もしかして私がローズ王女の代わりに学園代表に選ばれた事を知らない?」
知りません──とは口が裂けても言える雰囲気じゃない。
「も、勿論シッテイルヨーサッキノアイスはソノタメのお祝い品ダッタンダシー」
僕がそう言うと姉さんはキョトンとした表情を浮かべて手を離した。
「あら、そうだったの。それは勿体ない事したわ」
後付けのこじつけだったけど、何とか姉さんは納得してくれた様だ。
「それあげるから、試合見て勉強しなさい。……まあ、貴方に必要ないかもだけど」
ふむふむ。どうやら姉さんは僕の実力を疑う……というよりも実力を隠している事に半ば確信を持っている様子だ。
そろそろ姉さんに正体を暴かれた際の展開でも考えておこうかな。
「良い?ちゃんと試合見に来なさいよ。そして私の雄姿をその目に焼き付けなさい」
姉さんはそう言い残すと、部屋を出て行った。
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週が明けてブシン祭本選が始まった。
僕の……もといオイボレーノ・クソジージの出番まで少し余裕があったのと、ちゃんとブシン祭を見に来たというアリバイ作りの為に、僕はマグロバーガーで昼食を買って、特別席のチケットの裏面に書かれていた座席案内表示を頼りに会場を歩いていた。
そして辿り着いた何やらゴージャスな扉。
チケットに記載された座席案内表示を確認する。
うん。どうやら入口はここで間違いない様だ。
なんてこった。
てっきり野球で言うところのバックネット裏とか、コ〇・コーラシートとか、そんな席かと思ったら、十何万とするスーパーボックスのVIP席とは。
ファストフード片手に入る場所じゃない。
これは駄目だ。
出入りするだけで目立つし、曲がりなりにもモブとして過ごしているシド・カゲノーには分不相応の席だ。
そう思い来た道を引き返そうとして──
「あら、貴方は確かクレアさんの弟さん……シド・カゲノー君でしたよね」
どことなくアレクシアの面影を感じる炎髪灼眼と言っても過言ではない程燃える様な赤い髪と目をした美女と遭遇した。
「ぼ、僕をご存じで……?」
「ええ、ゼノン・グリフィの一件ではご迷惑をお掛けいたしました。王国とカゲノー家との間では既に話は付いてますが、アイリス・ミドガル個人として謝罪させて頂きます」
そういってアイリスさん──この国の第一王女はほんの僅かだけだが、頭を下げた。
周りに視線がある為、僕に気を使ってか、傍から見れば会釈くらいのものだったけれど、それでも確かにこの国の第一王女様は下級貴族に過ぎない僕に頭を下げた。
アイリスさんの取り巻き的な人達は目を見開いて驚いたが、騒ぎにならない様に平静を装った。
「聞けば妹と交際しているそうですね」
「あ、はい……一応」
僕としてはさっさと別れる。なんなら付き合うつもりすらなかったんだけどな。なんでこうなったかなぁ。
「色々と聞きたい事がありますし、席に着きましょうか」
「あー、えっと……」
できればお断りしたい。
「そのチケット、クレアさんから貰ったのでしょう?」
「あ、姉をご存じで?」
「ええ、彼女は卒業後、私の騎士団に所属する予定です。そのチケットはクレアさんに頼まれて用意した私の隣の席のチケットです」
「…………」
「さ、席に行きましょう」
「…………はい」
チクショウ!逃げ道がない!!
僕は流れるままにアイリスさんの隣の席に着いた。
広々と手足を延ばせる広さに、何時間座っても疲れないであろうふかふかなソファー、隣の人を気にしなくて両肘を掛けられる大きな肘掛。
周りを見渡せば、大貴族や色々と勲章をぶら下げた騎士の皆々様、見覚えのある魔剣士学園の上位カースト勢もチラホラ。
皆、豪華なスーツやドレスを着ている。
ファストフードを片手に、よれよれの学生服に安っぽい剣を携えた人間は1人しか居ない──というか僕しか居ない。
場違いも甚だしい。
「ふふ、緊張されてますか?」
「ええ、まあ……」
正直緊張はしていない。豪勢な部屋や食事はガンマ達の接待で色々と経験済みだ。
とは言え、下級貴族の僕がこういった場所に慣れているというのも変な話だし、小刻みに震えて緊張しているフリをしておく。
「そうですか。アレクシアも来れれば良かったのですが、急に来たくないと言い出して……」
「そうですか、それは残念だなー」
僕は心にもない事を言って、コーヒーを啜る。
「因みに、アレクシアとはどこまでいったのですか?」
「ぶぅ、ゲホッゲホッ……」
「だ、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫、です……」
いきなりなんて事聞くんだこの姉は。
「現在、アレクシアには婚約者は居ません。ですので、現状交際する事自体に問題はないのですが、私に何かあればアレクシアが王位を継ぐ身ですので、その……できれば子供ができる事は……」
「だ、大丈夫ですよ。僕とアレクシア……様とはそこまで関係進んでませんし、今後もそこまでの関係になるつもりはありませんので……」
リンドブルムの一件では、ガチで襲ってやろうかと思ったけど。
アレクシアに手を出せば七陰メンバーがガチでアレクシア殺しかねないので、手を出す気は毛頭ない。
「そうですか、それなら良いのですが……シドさんの方には問題はなさそうですね。ならアレクシアの方に釘を刺すべきかしら。最近また際どい下着や怪しい薬を買ってたし」
小声で怖い事言わないでくれます?
性格は悪くても、見てくれは良いアレクシアだ。
彼女から誘われれば、僕の
そんな事を考えていると、試合が始まった。
「お、試合が始まりましたね。アイリス様は誰か注目選手は居ますか?」
「そうですね。……本選に出場する選手は皆注目していますが、敢えて挙げるとすれば、元ベガルタ七武剣のアンネローゼ・フシアナスですかね」
ベガルタ七武剣?王下七〇海的な存在が出て来たな。
「順当に勝ち進めば、2回戦で私と当たる事になりますね」
へぇ、確か僕の次の対戦相手はアンネローゼさんだったな。
って事は僕が勝ち進めば次に当たるのはアイリスさんか。
「確か、アイリス様は前大会の優勝者でしたよね?」
「ええ、二連覇を目指してます」
なるほど。
決勝で戦いたかったアンネローゼさんと序盤で当たって少し萎えていたけれど、次に当たるのがこの国の第一王女かつ前大会の覇者なら悪くない。
「アンネローゼさんと言えば、彼女の対戦相手のオイボレーノ・クソジージはどう見ます?」
「…………彼の試合はまだ見てませんので何とも、貴方達は彼の試合を見ましたか?」
そういって、アイリスさんはそれまで黙っていた取り巻きの人達に声を掛ける。
取り巻きの人達はそれまで会話に混ざれなかった鬱憤を晴らす様に語り出す。
「ええ、予選での戦いを見ました。齢90歳くらいの老人です」
「老人?」
「はい。膝も腰も曲がって、杖を突いてます。正直言って、何故彼が本選まで出場したのか分かりません」
「……ふむ。ですが試合には勝ったのですよね?対戦相手は?」
「…………私が把握している限りでは、ランサー、ゴルドー・キンメッキ、クイントン」
「なっ!?それは本当か!?」
「全員名の知れた実力者じゃないか!?」
お、良いね。僕が求めていた良い反応だ。
「……ゴルドー・キンメッキ、クイントンという方は存じませんが、ランサーに勝ったのであれば実力は本物の様ですね……」
ランサーって、そんなに評価高いの?
「オイボレーノ・クソジージ。聞いた事のない名ですね。誰か彼を知る者は?」
アイリスの問いに取り巻きの人達は顔を見合わせ、首を横に振った。
「オイボレーノ・クソジージ……一体何者なのでしょうか?」
『勝者──ツギーデ・マッケンジー』
『うぉぉぉぉぉぉ!!!』
おっと、そろそろ出番だな。
「ちょっとトイレ行って来ます」
僕はそういって視界を遮らない様に、腰を低くしながらVIPルームを退出した。
あー、息が詰まる思いだった。
僕は人気のない廊下に出ると紙袋からマグロバーガーを取り出しながら歩く。
「少し冷めちゃったな」
観戦しながらゆっくり食べるつもりだったけど、あんなVIPルームじゃハンバーガーなんてとても食べる勇気なかったし、かといって試合までの僅かな時間の間に全部食べると試合中横腹痛くなりそうだしなぁ。
どうした物かと考えていると、銀髪の髪を靡かせるエルフの姿が見えた。
「やあ、久し振りだね」
「うん。久し振りシド」
アルファによく似たエルフの少女──少女?
少女かは分からないけど、ベアトリクスと再会した。
「あれから、私によく似たエルフと会った?」
「いいや、会ってないよ」
アルファとは会ってないから嘘ではない。
「そう」
特に期待していなかったのか、彼女の顔に落胆の表情はない。
彼女の疑問に答えたお返し、と言う訳ではないけど、僕も彼女に質問する。
「ところで、それどうしたの?」
ベアトリクスの腕には僕と同じマグロバーガーの紙袋が握られていた。
「買った」
「買ったんだ」
「買い過ぎた」
「だろうね」
ほんの数個のマグロバーガーの袋が入っている僕の袋とは違い。
ベアトリクスが持つ袋からは入りきらなかったマグロバーガーが顔を覗かせている。
「マグロバーガー好きなの?」
「うん。好き」
「そっか、じゃあこれあげるよ」
「ありがとう」
そう言って僕はマグロバーガーの紙袋を差し出す。
買い過ぎたという彼女に更にマグロバーガーをプレゼントするのは我ながらどうかと思うけど、ベアトリクスは笑顔で受け取った。
「じゃあ、お礼にこれあげる」
「ありがとう」
僕はお礼として彼女が持つマグロバーガーの紙袋を受け取ると、別れた。
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あれ?流れで受け取っちゃったけど、これマグロバーガー増えてね?
ゾンビ×アイドル×エイリアンという絶対交わらない要素を2時間という尺に凝縮した上で、笑いあり、涙ありという神映画があるんですよ。
ゾンビランドサガゆめぎんがパラダイスって作品なんですけど。
一期のゾンビコメディ、二期のシリアスの良いとこ取りしたあっと言う間の2時間でした。
映画観終わった直後にその日の内に2週目しようと本気で考えました
※時間が無かったので、断念しましたけど。
監督と脚本家の頭どうなってんの?脱帽ですわ。
超お勧めです!
一期と二期見返してまた見に行きます。
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