スケット団の幽霊担当   作:ギンティア

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まず謝罪をします
主人公の名前を最初ら辺に神谷と書いていましたが、正しくは雨森です。ややこしくしてしまい申し訳ありませんでした


焼却炉の幽霊

 

「……ん?何だか騒がしいな」

 

放課後になった教室でいつもならもう少し静かなのだが、今日はみんなざわついていた。

 

「なぁ何でみんな騒がしくしてんだ?」

 

「多分これのせいだと思うよ。ほら、この記事」

 

杉原に聞いてみると、ある新聞の1面を見せてきた。

 

「焼却炉の幽霊?」

 

 

焼却炉の幽霊……この学園に伝わる七不思議の1つ。10年前、とある男子生徒が受験ノイローゼになり飛び降り自殺をした。だが、それで死にきれなかったため焼却炉で身を焼こうと向かったがその途中で力尽き亡くなった。その日以降、焼却炉の前で両足を揃えて浮く男子生徒が目撃されるようになった。

 

なるほどね、所謂地縛霊か。どこの学校でもたまに居るけど、ここにも居たのか。そうか、今日は水曜で誰がゴミ捨てに焼却炉に行くかって話してたみたいだな。何か悪さするような悪霊になってないなら現状は様子見だが……ゴミ捨てついでに一応見に行くか。

 

「ゴミ出しならオレが行ってこようか?」

 

「本当か!サンキュー!」

 

 

新聞の場所になってる焼却炉の入り口に来たけど……まぁ何かがいた形跡はあるけど、別に悪霊になってるような気配は感じられない。

 

「あら?ゼロくんじゃない。こんなところで何をしているの?」

 

「ん?あぁ結城……ってボッスンたちも居るのか」

 

声を掛けてきたのはオカルト研究部の結城澪呼だった。その後ろにはスケット団が揃っていた。

 

「オレはクラスのゴミ出しのついでに焼却炉で霊が出るってんで様子見に来たんだ」

 

「あの記事を見たのね」

 

例の新聞記事の発信源は結城からだったか。まぁオカルトを追いかけてるんだからそういうこともあるか。

 

「記事はさっき見せてもらった。クラスでも噂になってたな」

 

「そう、記事を見てくれたのね。でも丁度良かった。その事でここに来たの」

 

「結城はその霊を実際見たんだよな?」

 

「そうよ……あれは先週の火曜だったわ」

 

結城によると学園の七不思議『焼却炉の幽霊』をカメラで撮ろうと焼却炉に来ると、幽霊が現れカメラのシャッターを驚きながら押した。とのことだった。

 

「そしてその写真を新聞部に持っていって出来たのがこの記事よ。この写真が動かぬ証拠よ。どう?まだ反論できる?」

 

そう言いながら結城はスイッチに対抗心全開な雰囲気で対面していた。

 

なるほど、スケット団が一緒に居たのはそういうことだったか。

 

[くだらん論争だが、仮に!それを否定する証拠があれば信じてもらえるのか?]

 

「ふふ、面白いわね。でもスケット団に出来るのかしら?」

 

スイッチも対抗意識がスゴいな。まぁ居るっちゃ居るんだよな。2人の戦いだろうからそれに水を差すようなことはしないが。

 

「あれ?俺らもやるかんじ?」

 

「絶対にやらんで!!」

 

「あ、そういう感じ?」

 

「ではスケット団に依頼するわ。学園の七不思議『焼却炉の幽霊』を解決してちょうだい」

 

「いや、やらねぇって」

 

[引き受けた!]

 

「おいぃぃぃぃ!!何でひとりで決めちゃうの!?リーダーは俺だぞ!?ついでに主人公だぞ!?」

 

「せやせや!横暴や!」

 

[あーあー聞こえなーい]

 

まぁオレはオレで調べるか。騒がれるようになって変化してないか気になるし。

 

[安心しろ、調査は俺が行う。情報収集は俺の得意分野なんでな]

 

「調べるのは良いけど程々にな。変なことが起きたらすぐに連絡しろよ」

 

[忠告感謝する]

 

本当に分かったのかねぇ……さて、オレも調査し始めるか。ちなみにボッスンとヒメコはスイッチを尾行しに行った。何やってんだか……

 

 

オレが調べるのはその男子生徒についてだが、闇雲に聞いていっても時間の無駄だろう。なんせ10年前の生徒のことなんだ、知ってるやつは誰か居るか?当時からの先生探して聞くか?

 

「うーむ……どうしたものか」

 

「何をそんな所で唸っている。通行の邪魔だ」

 

「ん?あぁ椿か、悪いな。考え事してたわ」

 

話し掛けてきたのは生徒会執行部副会長の椿佐助だった。風紀のこととか厳しくて会長とは正反対な奴だ。

 

……そうだ!生徒のことを聞くのに適してる所あるじゃねぇか!

 

「なぁ椿。突然で悪いけど生徒会って結構前の生徒の情報って置いてないか?」

 

「な、何なんだ藪から棒に……」

 

「実は今、焼却炉の幽霊について調べてんのよ」

 

「学園の七不思議のことか。新聞で貼り出されていたな」

 

「知ってるなら話が早い。その噂になってる10年前に亡くなった生徒の情報を保存してないか?してるんだったら見せてもらいたいんだ」

 

「ふむ、確かに10年程前ならば生徒会で残っているかもしれん」

 

「そうか!じゃあ……」

 

「だが、個人情報をそうそう見せるわけにはいかんな」

 

まぁ椿はそう言うだろうとは思っていた。実際言ってることは正しい。

 

「この調査以外に使わないから見せてくれないか?この通りだ」

 

「しつこい奴だ。許可は……」

 

「よぉ、何やってんだお前ら」

 

「会長!」

 

椿の後ろから声をかけたのは、これまた生徒会執行部の会長、安形惣司郎だった。今日は生徒会役員のエンカ率高いな。

 

「珍しい組み合わせだな」

 

「いえ、実はですね……」

 

椿はさっきのやり取りを安形さんに説明した。

 

「ふーん、なるほどねぇ……えぇっと雨森だったか」

 

「はい、2-Cの雨森 零士です」

 

「その生徒のこと調べてどうすんだ?」

 

この人には何だか考えてることを見透かされてそうな気がする。確かスイッチ情報から聞いた話だと、この人はめちゃくちゃ頭が良く回転も速いらしい。

 

「焼却炉にその幽霊が居ないのであればそれに越したことはありません。しかし、もし居るのであれば危険な存在となる可能性もあります。そうなる前にその生徒の幽霊が成仏可能なら成仏してもらいます」

 

「ほぉ……椿、こいつにその資料見せてやれ」

 

「会長!?」

 

「良いんですか?」

 

「学外に持ち出したり、悪用するんなら許可しねぇけど、そう言うことなら構わねぇよ。な?椿」

 

「会長がそう仰るなら……」

 

「ありがとうございます!」

 

椿は渋々といった感じだけど、安形会長が許可したことで許可してくれた。

 

「かっかっか!まぁ精々頑張れ」

 

安形会長は笑いながら立ち去っていった。何を考えているのか掴めない人だが、今回は感謝しかない。

 

 

それから生徒会室に移動して、椿に待っているように言われた。

 

「これがその生徒と事件当初の資料だ。会長が許可したから仕方なくだからな」

 

「本当にありがたい。見終わったらすぐ返しに来る」

 

「あぁそうしてくれ……おい雨森」

 

「何だ?」

 

「貴様はいつまであの世の者に関わるつもりだ」

 

「ん?そうだなぁ……オレがその人たちが見えなくなったらだろうな」

 

「……そうか」

 

椿は椿なりに心配してくれているんだろう。言葉が尖っているからそこが丸くなればと思うが、それも椿らしさか。

 

 

資料を受け取り外で見るのは流石に不用心だと思い部室に戻ってきたが、3人はまだ戻ってきていなかった。

 

これから集中するからちょうど良かった。さて、見させていただきましょうかね。

 

星田 悟、当時高校3年生の男子生徒。成績は上の中と悪くなく、人間関係も良くて特に問題のある生徒ではなかった。将来、弁護士を目指していたが、受験ノイローゼとなってしまい夢を叶えることもなくこの世を去ってしまった……と。

 

んで、事件の方は……発見者は星田さんの担任で、すぐに救急車を呼ぶも手遅れだった。警察の調べによると、飛び降り自殺で他殺ではない。

星田さんの関係者からの話で受験ノイローゼと判明、原因は他者からの過剰なプレッシャーか?そこまでは書いてないな。まぁ受験ノイローゼの原因と言えばそれが多いか。

 

資料を見た限りでは悪霊化するような人格ではなさそうだが、問題は今どうなっているかだ。時間が経つと何かしらの変化があってもおかしくない。

 

資料に載ってるのはこれくらいだが、10年前の記録としてら十分だ。見終わったことだし返しに行くか。

 

 

「失礼します。2-Cの雨森です。さっき借りた資料を返しに来ました」

 

「どうぞ~」

 

生徒会の部屋からゆったりとした声が返ってきた。中に入ると部屋に居たのは生徒会の会計、丹生 美森のみだった。

 

「こんにちは~椿は居ないみたいだな」

 

「椿君なら校内を見回りに行きました」

 

「まったく熱心なことで」

 

「『より良い学園作りの為に』って張り切ってましたわ」

 

「椿らしいな」

 

熱が入るのは構わんが、暴走しなけりゃ良いけどな。

 

「借りてた資料なんだけど……」

 

「それでしたら私が元の場所に戻しておきますね」

 

「助かるよ」

 

男子生徒と事件の資料を丹生に頼んで、生徒会室を後にして部室へと戻った。

 

 

「ふぅ……と、お?」

 

部室に入るとボッスンが集中モードに入っていた。この状態ってことは何かしらの人為的な情報を掴んだってことだ。

 

「ぶはぁ!!ゴホッ!ゲッホッ!」

 

「だ、大丈夫か?」

 

「スイッチ、すぐ調べてくれ。幽霊の正体が分かったぜ」

 

「幽霊の正体?」

 

「お、ゼロも帰ってきたか。成果はどうだった?」

 

「まぁ大体のことは分かった」

 

「そうか。そうだ、この写真見てくれ」

 

ボッスンは1枚の写真を見せてきた。これは焼却炉の幽霊の新聞になる前の写真か……なるほどね、ボッスンの言っていたことの意味が分かった。

 

「どう思う?」

 

「まぁ……これはオレみたいな奴が見たらある意味ダメだろうな」

 

「やっぱりそうか」

 

「何や何や!あんたらだけで理解し合ってズルいわ!」

 

「後で教えてやるから。とりあえず、明日だ」

 

「あいよ」

 

こうして、各々が明日に向けて準備するために解散した。焼却炉の様子を確認すると気配が少し強くなっているようだった。

 

これはあの人に報告しとく必要があるな。

 

 

翌日、今日の授業も終わり放課後となった。

 

「んじゃあ、連絡事項はねぇからホームルームも終わりだ。さっさと帰りやがれ、本来出るはずじゃなかったのによ」

 

「ガラ悪いな。ストレスでも溜まってんのか」

 

まぁ良いや。下手に絡んでもめんどくさいだけだ。

 

「じゃあ作戦通りにな」

 

「おう。そうだ、ボッスンはこれ持っておけ」

 

「御守り?何でまた」

 

「作戦成功祈願だ。ボスが持ってた方が運気も上がるだろ」

 

「へぇ願掛けには上出来だ」

 

この御守りは知り合いに報告した時にこのお守りを持っていくようにと渡してくれた物だ。

ボッスンは御守りをポケットに入れて作戦の準備に入った。

 

 

特に準備に時間がかからなかったから焼却炉の様子を見に来た。

 

「気配が昨日より強くなってるな」

 

1日の間にここまで状態が変わるものなのか。そうか、都市伝説として騒がれたことで今まで埋もれていた存在が表面に出てきたのか。人の念ってのは時々とんでもない力を生むし、念には念を入れておくか。

 

「……よしっこれで準備は整った。あとは状況によってって感じだな」

 

そろそろ予定時間になるからスタンバイするか。

あそこに居るのは結城か、スイッチと一緒だけど言い争ってないのは珍しいな。

 

「おっす結城」

 

「あら、ゼロくんも張り込みに来たのね」

 

「まぁそんなもんだ」

 

[現れたぞ]

 

「え?」

 

「来たか」

 

スイッチの言葉で焼却炉の方に目を向けると、そこには黒い学ラン姿の男子生徒が立っており、両足を揃えて浮き始めた。

 

「出たぁぁぁ!!!」

 

耳元でやられると耳痛てぇな……こんなデカイ声出せたのか。そんなことより焼却炉の所に何かウロウロ浮遊してるやつが居るな。

 

「そんなバカな……」

 

そう呟いたのはヒメコが連れてきた新聞部の島田貴子だった。彼女は『学園の七不思議』のコーナーを担当していて、記事にしたのも彼女だ。

 

「何が『バカな』なんだ?自分で書いた記事を信じてなかったのか?」

 

焼却炉の幽霊が話始めたことに島田たちは驚いていたが、振り返った顔を見て今度はポカンとした顔となった。

 

それもそのはず、今焼却炉の幽霊として浮いていたのはボッスンだったからだ。

 

「幽霊の正体はお前だ。島田貴子」

 

ボッスンのその一言に結城は驚き、どういうわけか質問した。

 

「へへっこれは簡単な手品のトリック。準備が必要だけど誰にでも出来る手品だ。片方のズボンを切ってそこから足を出せるようになってる。それを後ろから見たら浮いてるように見えるってヤツなんだ。この準備をスイッチが一晩でしてくれました!」

 

「スゴいな!お前!」

 

本当に簡単なトリックだ。まぁこの学園内では男子生徒の制服が無いと成り立たないがな。

 

「ちょ……ちょっと待ってよ。そんなの知らないわ。第一トリックを知ってたからって偽物だなんて……」

 

「いやトリックより写真の矛盾に気づいたんだ」

 

「写真?」

 

「あぁ、新聞の写真は焼却炉の門が開いている。ここが開いてるのは月水金のみ。つまりこれは火曜日に撮った結城さんの写真じゃねぇってことだ」

 

記事になっている写真を取り出して見せた。ボッスンの言う矛盾点もそうだが、この写真からはこのハッキリと写ってる者からは何も気配を感じなかった。つまり生きている者ということになる。

昨日杉原に記事を見せてもらった時に気付くべきだったな。

 

「え!?じゃあ私の写真は使われなかったの?」

 

「そうだ。そん時にえらく動揺して写真撮ったせいでブレが激しくて使い物にならなかったんだろう」

 

「貴子……アナタ……」

 

「…………ごめんね…レイコ……!」

 

島田は結城に謝罪した後こんなことを行った理由を話し出した。

 

自分の記事が話題にならないことに悔しい思いをしていた。そんな時、結城が七不思議に興味を持っていることを知って、さっきボッスンがやったことと同じことを火曜にやって写真を結城に撮らせた。そして話が大きくなってその気になってしまった……と。

 

「レイコの純粋な心を踏みにじった……友達なのに……記事のことに熱くなりすぎて何も見えなくなってた……レイコ……本当にごめんなさい!」

 

島田は涙ぐみながら結城に謝罪した。

 

「許さないっ……と言いたいところだけど、悪意があったわけではなさそうだし、水に流しましょう」

 

「レイコ……ありがとう!」

 

「おいおいおい、結城さんいい人じゃん。全然怖くねーじゃん」

 

「アタシやったらドツキ回すけどな」

 

「おめーは怖すぎるんだよ!」

 

「まぁ……熱心さ故に暴走してしまうのは私も同じようだしね。スイッチ君、今回は負けを認めるわ。アナタの情報力、そしてチームワークにね。だけど、必ず認めて見せるわ。引きずり込んであげる、オカルトの世界に!」

 

[望むところだ。キミが非科学的な物を持ってきたら、オレはそれを否定する情報を集めて、提示するまで]

 

「やっぱ、こいつら仲良いんじゃ……?」

 

「もう放っとこうや」

 

2人の因縁はまだまだ続きそうだ……科学とオカルトの勝負に決着があるのかは知らないが。

 

 

「……!」

 

良い感じに終わろうとしていたが、来たときに感じた気配がものすごく強くなった。どうやらそのまま終わらせてくれないみたいだ。

 

「……ボッスン、ちと掃除してから戻るわ」

 

「ん?あぁ分かった。これも返しとく」

 

「おう、サンキュー」

 

「おっし、お前ら戻るぞ」

 

「ゼロはどないすんの?」

 

「残って掃除するだってよ。今回何もやってねぇから一人でやるらしい」

 

「そうかぁ。ほな、先行っとるで~」

 

ボッスンが上手くみんなを連れていってくれた。この勘の良さは助かる。さて、行くか。

 

そうして焼却炉の入り口に向かった。

 

 

あの写真に写っていたのは偽物だったけど、ここには気配が残っていた。それはいつもここを通っていたからだったんだ。

 

「こんにちは、あなたは星田さんですか?オレは雨森という者です」

 

焼却炉の近くに浮いている学ラン姿の男子……星田さんに話しかけた。

 

『ぼくを知ってるのか。君たちはここで何をしてたの?』

 

「この学園にとある都市伝説があって、それの真偽のためにやってました」

 

『そうだったんだ。君、あの男の子に御守り持たせてたね』

 

「これですね。念のために持たせていたんです」

 

『ぼくと同じ格好で入れるかなと思って入ろうとしても出来なかったからね』

 

やっぱり持たせて良かった。下手すりゃ取り憑かれてたな。でも、雰囲気は穏やかだ。10年経って負の念が消えたのか?

 

「その言い方だと、自分がどんな存在かって分かってるみたいですね」

 

『……まぁね』

 

でも成仏出来ない。多分、負の念が消えてないんだろう。

 

「星田さんのことを調べさせてもらいました。受験がきっかけだったみたいですね」

 

『そうだったね。あの時は……頑張ってたんだ。でも駄目だった……頑張ったのに!』

 

雰囲気が変わった……負の念が表に出てきたな。

 

『親から!先生から!頑張れって言われて、頑張ったんだ!駄目だったけどそれでも頑張れって!あれ以上何を頑張れば良かったんだ!』

 

やっぱり周囲からの過剰なプレッシャーが原因だったか。それが星田さんを自殺に追い込んだ。星田さんはとても真面目で素直な人だったのだろう。それと同時にストレスを吐き出せない性格だった。だから周囲からの期待とストレスに押し潰された。

 

「あなたは他者からの期待に応えようとしすぎたんです。だがもうその必要はありません」

 

『……どういうこと?』

 

「恐らくこのままだとあなたはいつか悪霊となる。そうなる前にあなたには成仏してもらいます」

 

『……そっか。うん、その方が良い。ここの生徒に迷惑はかけられない』

 

やっぱりこの人は良い人だ。他の霊だと自分が祓われることに抵抗を示すことが多い。

 

「それでは儀式を始めます」

 

『よろしく頼むよ』

 

「彷徨える魂よ。貴方の場所はここに在らず。安らかに眠り、あるべき場所へ還りたまへ」

 

『……ありがとう。やっと眠りに就ける』

 

お祓いの言葉を言い終え星田さんは焼却炉の縛りから解かれ天へ昇って行った。

 

恐らくこれで焼却炉で今の生徒を見ることはなくなるだろう。

 

こうして、学園の七不思議『焼却炉の幽霊』は消滅した。

 

 

「む?」

 

「おう、椿。資料の件ありがとうな。あれのお陰で無事に解決できた」

 

「ふん、あれは会長の許可があったからだ。次は無いと思え」

 

「分かったよ。会長にもよろしく言っといてくれ」

 

椿と会長には本当に感謝しかない。あれが無かったら対話をするのが困難だっただろう。

 

 

『上手くいったか』

 

電話の相手は今日のことを話したバイト先の心霊相談士の神原 祷さん。中学の頃から色々世話になっている人だ。

 

「はい、相談に乗っていただいた上に御守りもありがとうございました」

 

『準備にやり過ぎることはないからな。またそう言う関係のがあったらいつでも相談するようにな』

 

「はい、ありがとうございます」

 

心霊のことを1人でやることには限界がある。もしものことを考えて必ず相談して行わないと取り返しのつかないことになる。

特にオレはまだ未熟者。油断や慢心なんてしよう物なら命がいくつあっても足りやしない。

 

「ただいま~」

 

「お、掃除終わったんか。えらい時間かかっとったな」

 

「まぁな、ボッスンとスイッチは?」

 

「2人は新聞部に事情話に行ったわ。アタシはお留守番や」

 

「そうか」

 

今は心強い仲間がいる。オレにはボッスンみたいな推理力や集中力、ヒメコみたいな運動神経、スイッチみたいな情報網や知識がある訳じゃない、ならオレは今回のような心霊関係を全力で遂行しよう。

 




読んでいただきありがとうございました
良ければ感想等いただけると嬉しく思います
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