仮面に涙を隠すのは間違っているだろうか──ダンまち×仮面ライダー──   作:シギュ

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 お久しぶりです。


教示

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ザッ、ザッ、ザッ、と黒灰色の石が敷かれた回廊を歩む。

 直線的に形が整えられているのは古代の神殿でも再利用したからだろうか。

 ──すぐ傍で行われている事すらその静謐さに覆い隠されてしまっている。

 

 

 半円門(アーチ)状に切り抜かれた回廊の終わりを通り過ぎるとそこは天井、壁、床、祭壇から長椅子まで全てが僅かに乳酪の色を帯びた白色の石で形作られた礼拝堂(チャペル)だった。

 切り抜かれた天井は高みから日の光を降ろし、冷たい石で囲まれた空間に日溜まりのような暖かさを錯覚させていた。

 ──ならばその中心で待ち受ける蜘蛛(クモ)人型(ヒトガタ)は司祭、或いは神官だろうか。

 

 

 

 

 『おお、新たなる同胞バッタコドク!立ち返ってくれたのですね!』

 

 『いや、助けに来たんだ。お前達の手からな』

 

 

 

 

 ローブを纏い、背後に黒服の戦闘員達を侍らせる蜘蛛の改造人類(コドク)の歓喜に対し、礼拝堂(チャペル)に立ち行って来た飛蝗(バッタ)改造人類(かいぞうじんるい)は冷たく応える。

 

 

 

 

 『……?何を言っているのですか、バッタコドク?誰を助けに来たと言うのですか?』

 

 『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。お前達の手が届かない所まで逃がすとそう言ってる』

 

 

 

 

 虫の羽音が混ざったように濁った声で疎通される互いの意志には、しかし決定的な断絶が有った。

 

 

 

 

 『……?()()()()()()?どの道行く宛てなど無いのです、我々の一助となって貰う事に何の問題も存在しないでしょう?』

 

 『()()()()()()()()()()()()()()()()()()?意思を奪い、身体を弄って、戦いに加えると、そう伝えたのか?』

 

 

 

 

 心底不思議そうな蜘蛛の改造人類(クモコドク)は──

 

 

 

 

 『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?』

 

 

 

 

 ──人の人生を独善的に使い潰す事に一切の躊躇が無い。

 

 

 

 

 『……決裂だな』

 

 

 

 

 ──そして飛蝗の改造人類(ルリという名の人間)にはそれを容れる事が出来ない。

 

 

 

 

 『まぁ良いでしょう。()()()()()()。脚の一本でも捥いだ後には貴方にも立ち返ってもらいましょう』

 

 

 

 

 斯くて振り上げられた手に倣い覆面の戦闘員達が金属棒を一斉に構え、

 

 

 

 

 『……分からないのか。私とお前達は相容れない……!』

 

 

 

 

 独りの戦士が駆け出す。

 

 

 

 

 ──戦いの日々はここから始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「──まぁ簡潔に言うなら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それは自分から組織に協力している証よ。分かり合えるものじゃないわ」

 

 

 

 

 昼下がり。

 とある館の一室で教示(レクチャー)が行われていた。

 

 

 

 

 「……えっと、それ以外に区別する方法は……」

 

 「無いわ。昔は二種類以上の特徴があるのは確実に強力だったけど、改造技術の底上げで今はどれも強さを引き上げられてる。……それでも戦いの心得があれば相応に強さを見抜く事は出来る筈よ」

 

 「……ではリリ達(非戦闘員)だけで出くわしてしまったら?」

 

 「逃げなさい。……いえ、ルーキー君以外は例え相手が一人でルーキー君以外全員揃っていようと逃げる事を優先なさい。()()()()()()()()()()()()()()()。ルーキー君も戦闘よりは他の戦力との合流、出来れば私()との合流を目標にしなさい」

 

 「は、はい」

 

 「……なぁ、それは『魔剣を持っていても』か?」

 

 

 

 

 教師は茶色(ブラウン)のコートを纏った端正な女。

 生徒達は人、人、人、人、人、()だ。

 

 

 

 

 「馬鹿なの?」

 

 「はぁ⁉︎」

 

 「……いや、そうね。確かに貴方は強力な魔剣を作れる。この前の事件でも氷や風の魔剣を使ったと聞いているわ。()()()()()()()。さっきも言ったけれど今のコドクは体内に生命活動の停止で起動する自爆装置を埋め込んでいる。氷漬けや吹き飛ばしならなんとかなるように見えるのかもしれない」

 

 「……()()()()()()()()?」

 

 

 

 

 磨かれた窓からは斜めに日差しが入り込む。

 言葉はするりするりと紡がれる。

 

 

 

 

 「そうよ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その種類は多岐に渡るわ。低温に弱い生物かもしれないし、気圧変化に弱い生物かもしれない。そしてその弱点で死んでしまえば装置が起動する。今のコドクは()()()()()()()()()()()()()()

 

 「そっ、それではルリ様達との合流を優先すべきというのも……」

 

 「ええ、()()()()()()()()()。今も昔も冒険者はさっくり『殺害』を選択肢に入れるから私達が居ない時に戦いになったら爆発に巻き込まれないよう注意しなさい」

 

 

 

 

 疑問を提起し、それに答え、理由と共に納得させる。

 女の物言いが時折端的かつ辛辣ではあるものの、話を一方的に聞かされるだけではなく、その反対に話が遮られ脱線し過ぎる事も無い。

 教示斯くあるべし、と涙を流す教師も居るだろう。

 

 

 

 

 「……なぁ、ルリ君。ボク以外の神はどのくらいコドクについて知っているんだい?」

 

 「止めなさい」

 

 「即答っ⁉︎」

 

 

 

 

 そしてその舌鋒は神相手であっても容赦は無い。

 

 

 

 

 「……最初に言っておくわ。コドクについて神だけじゃない、他の派閥に探りを入れるのは止めなさい。……少なくとも神ウラノス、神ガネーシャはコドクを容認していないわ。だけど神が一柱(ひとり)もコドクを認めていないとは私も思っていない。……当然眷族達もね」

 

 

 

 

 そう語る彼女の足元に在る立方体の箱型の魔導具(マジックアイテム)はこの教示が行われている部屋全体に光の膜を張っている。

 効果は『一定範囲内への音と魔法の遮断』、そして『神の眼の妨害』。

 かつて【賢者】と渾名された魔導士の逸品をわざわざ持ち出した女の行動は、神も人もそれだけでは信じるに値しないと口にするかのようだった。

 

 

 

 

 「戦力・技術・情報能力……、コドクが提供出来るものに価値を見出す者は必ず居る。……そしてそれが表沙汰になると不味い事の結果培われたものだと知っても手に入れようとする者も居るわ」

 

 「……口封じ、ですね」

 

 「そう、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。人身売買含む密貿易、洗脳、暗殺、破壊工作。表に居るファミリアならそんな事してる組織との繋がりが明るみになった時点で“おしまい”よ。裏のファミリアなら尚更ね。……開き直る可能性も無くは無いけど、邪魔者は減らすに限るでしょう?」

 

 「わ、分かったよルリ君」

 

 

 

 

 それは彼女が長年潜り抜けて来た『暗がり』と積み重ねて来た『経験』を悟らせるものでもあり、神相手でも話を受け入れさせる土壌であった。

 

 

 

 

 「()()()()()()()()()()()()()?神ミアハや神タケミカヅチ、神ヘファイストス相手でも話題に出すなと言っているのよ?」

 

 「なっ、君はボクの神友を疑うのかい⁉︎」

 

 「ルリ殿!」

 

 「他所者から見れば入り込む余地はあるように見えるのよ。……【医神の忠犬(ミーヤルハウンド)】、片腕失ってるそうね。多くの借金もあるとか」

 

 「……!」

 

 

 

 

 その上で敢えて聞き捨てならない言葉を吐く。

 例え密やかに神望を集める女神相手だとしても。

 例え或る男神を一心に慕う少女相手だとしても。

 

 

 

 

 「眷族の負い目か、神の親心。どちらも利用出来る材料よ。タケミカヅチのファミリアも金目当てにオラリオに来たという噂を聞いたわ。うっかり引き摺り込まれないとは言い切れる?」

 

 「……ヘファイストス様もですか?」

 

 「見た限りあの(ひと)には弱みは無いわ。武器を無節操にばら撒きもしない。……けど眷族はどうか分からない。あそこは鍛治最大派閥よ。全てを把握出来ている、という確証を私は持てない」

 

 

 

 

 鍛治と冒険で鍛えられた赤髪の鍛治師の固い声にも一切動じる事は無い。

 場数と力量が違い過ぎるというのも有るが──、──仮に場数も力量も劣っていても彼女は成すべきを成しているだろう。

 

 

 

 

 「そして貴神の口から神ヘファイストスへ漏れた時、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 「分、分かったよ、……肝に銘ずるよ」

 

 

 

 

 即ち懸念を伝え、それに対処するよう促す。

 ──()()()()()

 最終的にどうするかは伝えられた者次第だ。

 

 

 

 

 「……あの、ルリさん」

 

 「何かしら?ルーキー君」

 

 「……もしもヘスティア・ファミリアやフェルズさん以外の……、……コドクを知らない皆さんがコドクを知ってしまったら、望まないのに関わってしまったらどうすれば良いですか?」

 

 

 

 

 だからこそ彼女は悩みを聞き逃さない。

 

 

 

 

 「私達かフェルズに相談、ね。困っていたら助けてあげる、コドクと戦うにはそれが結局一番の手段よ」

 

 「……はい!」

 

 

 

 

 助けを惜しまない。

 それこそが彼ら(コドク)と人を別つ一線なのだと信じて──。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それじゃあ今日はこれで終わりね。何かあったら研究所かフェルズに言付けて」

 

 「……最後に一つ、良いでしょうか」

 

 「何?」

 

 

 

 

 魔導具の起動を止めようとした女に小人族(パルゥム)の少女が問い掛ける。

 

 

 

 

 「いつか訪れる決戦の日、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

 

 

 それは彼女達、人を守る『仮面ライダー』の存在意義に対する問い掛けとも言える言葉であった。

 

 

 

 

 

 「──戦うわよ、きっとコドクとは関係なくね」

 

 

 

 

 しかし女はその問いに囚われる事無く、風のように笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 束縛され、不自由に堕とされるのは物語の登場人物が被る受難の定番だ。

 

 愚王の牢獄に囚われる英雄、

 怪物の生贄として鎖に繋がれる姫君、

 邪悪な魔導士に捕まり手先にされる精霊達。

 

 

 ──であればこの聖堂に於ける独りの戦士はさしずめ『信仰を否定され磔にされる聖者』であろうか。

 

 

 

 

 『ぐうぅ……!』

 

 『流石は今の結社(コドク)の最高傑作、雑兵では歯が立ちませんか』

 

 

 

 

 必死にもがくが己が身を貼り付ける糸を振り解けない。

 ただの殴打で戦闘員は全て床に転がし行動不能としたが、最後の二人を倒したその直後の隙を狙った粘着質の糸に腕を捕らえられ……、……壁に拘束されてしまった。

 

 

 

 

 『しかし経験不足の様ですね、こうも容易く抑えられるとは。立ち返った後は戦闘訓練が必要ですね』

 

 

 

 

 引っ張っても千切れないならば断ち切って振り解きたい所だが、手の届く範囲どころかこの礼拝堂の全てを見ても刃物の一つも見当たらない。

 戦闘員が武器として振り回していた、刃どころか飾り一つ付いてない金属棒なら足の届く所に転がっているのだが……。

 

 

 

 

 『……!』

 

 『さて、麻酔を施した後は報告としましょう』

 

 

 

 

 ……ルリは一つの賭けを思い付いた。

 どれか一つでも思い付きから外れれば成功しない不確定な賭けだが……。

 ……活路を求め、()()()()()

 

 

 

 

 『⁉︎』

 

 

 

 

 背を向け、立ち去ろうとしていた所を足音に振り向いた蜘蛛の改造人類(クモコドク)の視線の先で、金属棒が梃子のように跳ね上がり──、──勢いよく倒れ込む。

 

 

 

 

 『真逆(まさか)⁈』

 

 

 

 

 跳び上がり、糸を出すより早く、火花が散り──、──吸気口が風を起こす。

 

 

 

 

 『っ、ああああああぁ!』

 

 

 

 

 風に吸い込まれ、冷えて消え失せる一瞬前に糸に辿り着いた火花は──、──火種(燃料)を得て身体を嘗める焔と化し、戒めから戦士を解き放つ。

 

 

 

 

 『なっ⁉︎』

 

 『コドクぅぅううう!』

 

 

 

 

 身を焼く炎をものともせずに踏み込み、クモコドクの腹へと叩き込まれた拳は──、

 

 

 

 

 『がはぁっ⁉︎』

 

 

 

 

 ──聖堂の端までその身体を吹き飛ばし、血反吐(体液)を吐かせた。

 

 

 

 

 『おおおおおぉ!』

 

 『ぐっ、うううぅぅ⁉︎』

 

 

 

 

 一息で駆け寄り繰り出される怒涛の乱打に防御姿勢を取るが──、──受け切れない。

 防御して尚その重さに身体が軋み、()()()()()()()()()()()()圧倒的な膂力(パワー)

 

 

 

 

 

 『らあっ‼︎』

 

 『ぐがはっ……‼︎』

 

 

 

 

 崩れ落ちた防御を抜いた天衝拳(アッパー)で高く、高く、打ち上げられる。

 切り抜かれた天井が間近に迫り──、──()()()()()

 

 

 

 

 『だあっ、!』

 

 『ぎっ……!』

 

 

 

 

 片足を天に突き上げ、片足だけで跳び上がる。

 クモコドクに足がめり込んでもその勢いは止まらず、天井に叩き付け、

 

 

 

 

 『……ああああああー!』

 

 『ああぁぁぁ……、……っ』

 

 

 

 

 ──天井を蹴り砕き、天高く伸び上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ふうううぅぅ……』

 

 『……………………』

 

 

 

 

 天井の向こうは、黒い岩肌を短い草が彩る山の斜面だった。

 独りの戦士はその力を吐き出す様に力強く着地し、クモコドクの身体は力無く地べたに投げ出される。

 

 

 

 

 

 『……………………、……行かなくちゃ」

 

 

 

 

 その姿が変わって──、──()()()()()

 独りの戦士は人型の飛煌(バッタ)から、ルリと言う名を持つヒューマンの少女へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何故、ですか……?」』

 

 「、」

 

 

 

 

 ()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 「人も、神も、世界の誰もが、望んでいる……」』

 

 

 

 

 暴力的に変形機構を壊されたが故か半身しか人へと戻らず、声にも僅かに羽音のような濁りが混ざっているが──、──聖性を帯びて見える程に美しい姿、美しい声をした、真っ直ぐな金髪の女性だった。

 

 

 

 

 「……かの絶望を、」』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……『黒竜』が、倒される事を……」』

 

 

 

 

 ……或るいは、涙を浮かべ、悲願を謳うその姿は『聖女』と呼ばれる資格を持っていたのかもしれない。

 

 

 

 

 「『陸の王者(ベヒーモス)』が、『海の覇王(リヴァイアサン)』が、倒されるその日を……」』

 

 

 

 

 ……だが、彼女を染めるのは最早独善でしかない。

 

 

 

 

 「……私は……を忘れない……、……ただ、……有る、の……」

 

 「……………………」

 

 

 

 

 声はうわ言に変わり──もしくは最初からうわ言だった──言葉は途切れ、掠れ、かつて絶望を抱いた誰かが動かなくなると共に、消えた。

 ……人間なら死んだだろうが、改造人類なら生きているかもしれない。

 ……だが組織(コドク)に連絡が有ったなら捕らえられ、望まぬ()()に使われようとする人々を助け出し、少しでも遠くに連れ出すまで最早一刻の猶予も無い。

 

 

 

 

 ……柔らかく、暖かく、生々しいもの()を蹴り潰した感触は未だ足に纏わり付いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……言ったでしょう。私と、貴方達は相容れない」

 

 

 

 

 だから一言だけ、投げ落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 独りの戦士は脇目も振らずに去って行く。

 空は青く澄み渡り、日は静かに光を落とす。

 草地には粒のように小さな花が咲いて、横たわる誰かを囲んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 






過去→現在→過去の順。

『現在』は十二巻と十三巻の間くらい。




:『秘密結社コドク』
…その源流は古代、魔法や精霊に頼れない環境に有った誰かが始めたモンスターの脅威に対抗する為の投薬や手術を行う手法に有ると言う。
 その後神時代初期までに大方針が決まり秘密結社として成立する。
 『『かの絶望』──『黒竜』を討つ為に如何なる手段も厭わない』とする秘密結社として。
 三十年程前には小方針も定まり、それに基づいた計画の元に二十年程前『黒』のコードネームを与えられた当時最高傑作の改造人類が完成する。
 それがバッタコドク、即ちルリである。

 ……方針の為にはあらゆる犯罪行為を厭わず、人を改造人類(コドク)とする改造手術が抱える問題故にその存在は『悪の秘密結社』である。

:ルリ
…初めての戦いたるあの日(クモコドクとの戦い)から二十年近く戦って来た戦士。
 ……数えきれない程、殴り、蹴り、仕留めて来た。
 十五年程前に一旦弱体化を挟んだものの、その戦闘技術は一級品。
 用心深い。
 そして、優しい人。

:ヘスティア・ファミリア
…『知っておくべきだ』となった為、総出でコドクについてのレクチャーを受ける。
 歴戦の戦士からすればルーキー君は驚嘆に値する速度で成長するが故に『ルーキー君』である。

:クモコドク
…蜘蛛の力を組み込まれたバッタコドク最初の敵となった改造人類。
 自らコドクに与した改造人類は思考能力や発声能力を残し元の姿に戻れる者が多く、彼女の素顔は金髪シスターな超美人のお姉さん。(ローブを纏い声も変わっており、コドクとしての体型からも女性だと判別するのは難しい)
 高い強度を持つ粘着質の糸を放出でき、格闘をこなせる身体能力も有ったが、糸が可燃性であった為に拘束を解かれ『(最高傑作)』の身体能力に蹂躙された。
 ……故郷を北から来た竜に滅ぼされ、コドクに傾倒した。
 ……故郷の孤児院で子供達の面倒を見ていた頃は、虫も殺せぬ優しい人だった。

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