砂糖堕ちハナエちゃんのお話   作:砂糖堕ちハナエちゃんの人

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幕間 -最後の定期報告会-

――監視対象の通信回線、音声通話回線及びデータ通信回線の呼び出し信号を検出。通話方式:グループトーク・デジタル暗号秘匿通信。

 

――暗号解読完了、スクランブル解除。

 

――通話音声の記録を開始します。

 

 

 

『もしもし、ハナコちゃん?ホシノおじさんだよ~』

 

『もしもし、こんばんわ。ホシノさん、お久しぶりですね』

 

『ごめんね、ちょっとここ数日バタついててさ~。あっ、今日はヒナちゃん急用で居ないからハナコちゃんと二人でお話だよ』

 

『そうですか、わかりました』

 

『じゃぁ、定例報告会を始めるね~』

 

『わーパチパチパチ~~』

 

『拍手ありがとうね~。じゃあ何だかいつもよりご機嫌なハナコちゃんからトリニティ内部の状況報告よろしく♪』

 

『はい。シスターフッド、完全掌握しちゃいました♡』

 

『えっ!?本当に!?……あのシスターフッドを!?』

 

『ふふ、サクラコさんったら、私が"シスターフッドに正式に加入します"って言ったらもう舞い上がっちゃって♡ 真夜中の聖堂に呼び出したら本当にノコノコ一人で来ちゃって♡ シスター服着て署名記入済みの申込書見せたら発情期のネコみたいにだらしなく興奮して隙だらけだったのでプスッと1発キメてあげました♡』

 

『うっわっ……。ところでハナコちゃん……シスターフッドに本当に加入したの?完全掌握って、もしかしてサクラコちゃん入れ替わってハナコちゃんが直接指揮するの?』

 

『まさか。加入書類はサクラコさん以外には見せてませんし、今頃はトリニティ郊外のリサイクル工場でトイレットペーパーにでも生まれ変わってると思いますね。ああ、ご心配なく、シスターフッドに入らなくても外部から操る事は十分可能です♡ サクラコさんなら今ではすっかり私の言う事なんでも聞くお砂糖狂いの可愛いネコちゃんになってしまいましたから。うふふ♡』

 

『ハナコちゃんすごいよねぇ~。ティーパーティーに続いてシスターフッドまでオトしちゃうんだから……』

 

『これもホシノさんと砂漠の砂糖のお♡か♡げ♡です♪』

 

『これであと残ってるトリニティの主力組織は……救護騎士団?だっけ?そっちはどう?』

 

『はい、こちらは蒼森ミネさんが中々手強くて……警戒心が強く近づけないんです。ナギサさんやサクラコさんを使って揺すりかけてもお砂糖も全然受け入れてくれないですし……』

 

『あー、あの人。確かにガード堅そうだよね。おじさんも同じ盾使いだから何となくわかるよ』

 

『はい。なので正攻法は諦めて搦め手でイク事にしました♡ "将を射んと欲すればまず馬を射よ"です♡』

 

『……おじさん優しいから、今の"行く"のイントネーションがおかしかったのにはツッコミ入れないよ』

 

『ああんっ♡』

 

『はいはい。で……どうだったの?蒼森ミネ将軍の愛馬は?』

 

『はい、ミネさんが可愛がっている後輩の2年生鷲見セリナちゃんに目標を変えてみましたが……ダメでしたね。彼女もかなりガードが固く近づけませんでした。ミネさんから色々言われていたみたいで警戒心も高く中々隙を見せてくれないんです』

 

『なるほど、師匠にしっかり鍛えられた優秀な一番弟子って感じなんだねぇ~』

 

『うふふ……なので、セリナちゃんにも"将を射んと欲すればまず馬を射よ"作戦を適応させたんです♡』

 

『その子にまだ下が居ると?』

 

『ええ、セリナちゃんがとても可愛がっている1年生の朝顔ハナエちゃんと言う子です♡』

 

『へぇ~。で、その子には上手くいったの?』

 

『ええ、バッチリお砂糖キメてきましたわ♡』

 

『おおっ!やるねぇ~』

 

『ふふっ、まぁ、最初のきっかけは私じゃなくて彼女のお友達だったみたいですけどね。お友達の正義実現委員会の子から治療のお礼に貰ったお菓子で発症して苦しんでいたんで"助けて"あげたんです』

 

『ふぅ~ん、"助けてあげた"ねぇ……』

 

『うふふ、今の市場に流通してるお菓子に含まれてるサンドシュガーの濃度と純度だと快楽は僅か一瞬、残りは強烈な副作用と禁断症状で地獄ですからね。私のお砂糖で気持ち良くなって飛んで貰いました♡』

 

『へぇ~……えっ!?待って!?もしかしてそのまま食べさせたの?あの砂糖を……?』

 

『はい♡。やはり本物のお砂糖の味を知って欲しいじゃないですか♡角砂糖を口に入れて噛み砕いたあとのハナエちゃんの蕩けた表情と可愛い口が奏でる溢れんばかり媚声は、それはそれは素晴らしいハーモニーでした♡』

 

『……大丈夫?その子壊れてない?』

 

『うふふ……ハナエちゃんなら大丈夫でしたよ。最初は絶頂して失禁と潮吹きしながら倒れて暫く痙攣してましたけど、すぐに元通りになってその後も安定してお砂糖摂取しつつ表向きは普通の生活を送ってくれてます♡』

 

『うそ!?それだけ!?本当に……?』

 

『ええ。しかもそれだけでは無いんです。ハナエちゃん、もしかしたら砂漠の砂糖に適応する素晴らしい人材かもしれないんです。資料を今そちらに送りますのでご高覧ください。(カチカチ……ピポッ)』

 

『(ピポッ)あっ、資料来たよ。どれどれ……』

 

『トリニティでは生徒の学習進捗状況と理解度の確認の為、毎月学科全科目と実技体育の小テストが行われるんですが、私が入手した朝顔ハナエの学科と実技科目の小テストの砂糖摂取前と摂取後の推定時期の結果資料によると……』

 

『うん、見てるよ。へぇ~これは驚きだね~』

 

『はい、学科は平均20%成績アップ。実技体育の射撃訓練と個別演習に至っては46%成績アップ、校内合同演習でも学年別優秀賞を貰うなど目覚ましい活躍を見せるようになってるんです』

 

『ふむふむ……。で、こっちは守護騎士団内での様子の評価レポートかぁ~。おじさん、医療関係はよくわからないけど、それでも高評価されてるってのは何となく感じるね。えっと、何々……団長総評、"彼女の救護活動の技術力向上は目覚ましく、もはやこれ以上の補助監督の付き添いの必要は無い"かぁ』

 

『ハナエちゃんはもうすでにベテランクラスに匹敵する人材だと私は思います。そこでホシノさん、彼女を正式にウチにスカウトしませんか?医療部門専任担当者として』

 

『前、話していた案件だね~。うちも人増えたからねぇ~。しかもみんな色々心と身体に生傷絶えないし……』

 

『今、専任の医療担当が居なくて、基本放置か応急手当のみですから。このままではいずれ行き詰ります』

 

『そこでトリニティからミネちゃん、ゲヘナからセナちゃんとチナツちゃん呼ぶ計画なんだよね』

 

『はい、この当初の計画にハナエちゃんを加えたいと思います。私個人としては彼女に医療部門の長を任せたいと考えています』

 

『へぇ~、ハナコちゃん随分力入れてるね~。ミネちゃん達3年生の現医療部門トップ組じゃなくて1年生のハナエちゃんを推すなんて』

 

『ふふっ、それだけハナエちゃんは可愛くてとても見込みのある子なんです。今すぐにでも其方に連れて行ってホシノさんやヒナさんに紹介したいくらいですから』

 

『おっ、随分とハナエちゃんにお熱上げて入れ込んでるね~。おじさん、ハナコちゃんが浮気性なんてショックだな~(棒)。ミカちゃんやコハルちゃんが悲しむなぁ~(棒)しくしく…よよよ…(棒)』

 

『もうっ!揶揄わないでくださいよホシノさんったら。ハナエちゃんは別腹なんですっ。ミカさんもコハルちゃんもホシノさんも同じくらい大事におもってますからっ』

 

『ごめんごめん。ハナコちゃんの気持ちは良くわかったよ。ハナエちゃん、連れて来てくれたら正式な転校許可手続き取るよ。本人が望めば医療部門専任のトップ座も十分検討を約束する。彼女に負担が集中しないためにもミネちゃんやセリナちゃんに他の救護騎士団の子もみんな一緒に連れておいで』

 

『ホシノさんありがとうございます♪』

 

『いいよいいよ。ハナコちゃんとても頑張ってるからね。おじさんお願い聞いちゃうよ♪……っと時間が。おじさんの方も状況報告するね』

 

『はい、どうぞ。ホシノさんは今ミレニアムと百鬼夜行を攻略中なんですよね?』

 

『うん。百鬼夜行の方はシズコちゃん達に完全にお任せしてるけどね。ミレニアムは今ユウカちゃん経由でノアちゃんとセミナー、ハレちゃん経由でヴェリタスを揺さぶっていた所だったけど……』

 

『何か問題でも……?』

 

『それ以上進めなかったんだ。ノアちゃんもヴェリタスもビクともしない。ちょっと揺らいで行けるかなと思ったけど無理だった。あとC&Cは完全に駄目だった。あの娘達、砂糖受けつけずに跳ねのけちゃった。それでおじさんちょっとムキになっちゃってね。本腰入れて介入したら逆効果だったよ』

 

『そうだったんですか……』

 

『ヒナちゃんにも"どうしたの?いつものあなたらしくないわよ"って諫められたくらい頭に血が上っていたみたい。気が付けば手に入れたはずのユウカちゃんとゲーム開発部、あっちに取られちゃった。逃れたハレちゃんからの報告だとセミナーが治療と称して隔離してるみたい。C&Cの警備付きで』

 

『そこまで事態が急変してたんですね』

 

『ここ数日満足に連絡できなかったのはヒナちゃんと全力で火消ししてたんだ。でもあっちの方が一枚上手だった。今日ハレちゃんから連絡来てね、ミレニアム、自治区内の砂漠の砂糖の全面使用禁止と使用者の強制隔離収容を始めたんだってさ。ハレちゃん泣いてたよ、"このままじゃもうお砂糖が摂れなくなる、これならいっそのことミレニアム捨ててアビドスへ逃げたい、助けてホシノさん"ってね』

 

『……?ホシノさん、スマホか何か鳴ってません?後ろで音が聞こえるのですが?』

 

『?ハナコちゃんのじゃないの?……あっ、ごめんおじさんのだった。……シズコちゃんからだ!ごめん、ちょっと通話してくるから、待ってて』

 

『はい、構いませんよ。このまま通信繋げたままお待ちしますね』

 

『ホントごめんね、…………(ピッ)もしもし、シズコちゃん?どうしたの?そんな切羽詰まった声を上げて?…………っ!?それ本当?………うん、……うんうん、はぁぁぁ…(少し苛立ちを滲ませた溜息)ああっくそっ!………ああいや、違う。シズコちゃん達は悪くない、シズコちゃん達には原因は無いんだよ、シズコちゃん達は本当によくやってくれてるよ。おじさん感謝してるんだ、シズコちゃん達のおかげでミレニアム攻略に全力出せていたんだから。…………うん、……うんうん、とにかく落ち着いて、ね?おじさん達もこちらで対策練るから、……うんうん、じゃあまた早めに連絡するよ。それまでは何とか冷静に、平静を装って陰陽部の子に感づかれないようにね。(ピッ)……ふぅぅぅ』

 

『何かあったのですか?』

 

『…………百鬼夜行の陰陽部、ハナコちゃん達の学校で言うとティーパーティみたいな部なんだけど、そこがね、砂漠の砂糖の使用禁止と使用者の強制隔離収容を決めたらしい。シズコちゃんから連絡があった。幸い、彼女達が念入りに砂糖ばら撒いたおかげで今の百鬼夜行は砂糖中毒者多数で直ぐに動けないらしくて陰陽部が行動とるのは早くても明日以降だそうだけど……。ふぅ……動いたら一番厄介なユカリちゃん達百花繚乱を先に砂糖漬けにしてて正解だったよ。ナイスアシストだよシズコちゃん……』

 

『…………』

 

『ごめん、ハナコちゃん。これ全部おじさんのミスだよ。シズコちゃんは山海経が裏で何かしてるっていってたけど、たぶんミレニアムだよ。ヒマリちゃん達特異現象捜査部が砂漠の砂糖について随分嗅ぎまわっててかなり真相まで近づいてるって、セミナーやヴェリタスがそれに同調して水面下であちこちの学園自治区首脳部へ接触してる可能性があるってハレちゃんから報告あったし……』

 

『ホシノさん……』

 

『ああっ!もうっ!!……ヒナちゃんはゲヘナほぼ制圧完了してて、ハナコちゃんもトリニティの大部分を堕としててもう学園は陥落寸前。ふたりとも頑張って成果をあげてるのに……おじさんだけっ、私だけ何も成果上げられてないっ!!それどころか二人の足を引っ張ってるっっ!!』

 

『ホシノさん……』

 

『私が冷静さを失って挑発に乗っちゃって……事態を悪化させたっ!!みんながっ!!みんなが頑張ってくれたのに!!私がっ!!私がっ!!全部!全部!みんなの努力の成果を台無しにしてしまったっっ!!……ああっ、くそっ……悔しい……自分が惨めだ……(ガサガサッ…ゴソゴソ)(バリッバリッ、ガリッガリッ)…ふーっ、ふーっ、ふーっ……違う……黙れ……喋るな……先輩を汚すな……(暫く意味不明な言葉の囁きが荒い呼吸音とともに入る)』

 

『ホシノさん……あまりご自身を責めないでください。ホシノさんは一番頑張ってます、一番成果を上げてます。私も、ヒナさんも、きっとシズコさんもハレさんもそんな事これぽっちも思っていません。ホシノさんが居たから、ホシノさんが私達を導いてくださったから今があるんです。相手はキヴォトス一の叡智のミレニアムです、そんな相手に一部とはいえ食い込めるだけでも十分勝利です。そしてそれが出来たのはホシノさんの力です、私達では到底無理だったはずです。ホシノさんだからこそ出来たのです』

 

『ハナコちゃん……』

 

『ホシノさん、もう時間がありません。私が以前提案したトリニティ勧誘襲撃作戦、あれを実行に起こしましょう。トリニティだけではありません。時間を合わせて私達が掌握してる他のすべての学園自治区で同時多発させるんです。もちろんミレニアムでも。いくらミレニアムと言えど自分の足元を含め多くの学園自治区で一斉蜂起が起これば対処なんて出来ないはずです。その間に何もかも攫ってしまいましょう。必要なら私の方で陽動作戦も起こします。トリニティで事件が起きれば、他の自治区に飛び火しそうなレベルの大騒乱が起きれば皆そちらに集中するでしょう。その間に準備し決起するんです!』

 

『ハナコちゃん……ありがとう。わかった、作戦実行しよう。もう時間だ』

 

『はい、お任せください。決起予定日は明日か明後日で良いですか?準備期間あまりないですが』

 

『ありがとう大丈夫だよ。みんなには思いっ切り好きなだけ暴れて貰うだけだから準備期間は短くて構わないよ。出来るなら実行は明日にしよう。ゆっくりしていたらあっちに完全に封殺されてしまう。焦って行動するわけじゃないから大丈夫だよ。ヒナちゃん、ハレちゃん、シズコちゃんには私から連絡するよ、決行不能なら連絡入れる、決起可能なら連絡なし。これで行こう』

 

『はい、わかりました。では明日朝から陽動作戦を起こしますね。夕方頃に一旦終息させますので、それまでにホシノさんから連絡無ければ……』

 

『うん、夜に盛大に本番と行こうじゃないか。みんなでお祭り騒ぎで踊って狂って、アビドスへ行こうってね。おじさん玄関全開で皆をお迎えするから』

 

『はい、私もみんな連れて行きますので楽しみにしていてくださいね♡』

 

『ありがとうハナコちゃん。……この定期報告会もこれで最後だね。次は通話じゃなくて、ちゃんと面と向かってアビドスの地でお茶会かな?』

 

『はい♡次はアビドスでゆっくりお話ししましょう♡』

 

『それじゃあ、ハナコちゃん』

 

『はい、ホシノさん♡』

 

 

『『素敵なしゅうまつを!』』

 

 

 




2023/11/25 一部物語の辻褄が合わない個所と設定ミスがあったため加筆修正
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