八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

100 / 244
第八十七話「決着!!さらば、那歩島。また会う日まで」

 

 

 

 

「うぐぐ、ぐあっ!!」

「くおおお、あっ!!」

「かっくん!!!」「緑谷!!!」

 

 弾き飛ばされた二人を、竜巻に取られる前に救出する。私達の力だけじゃ、足りないって言うの。でも、

 

「諦めるわけにはいかない」

「ああ、燃え尽きるまで、何度でも」

「体中が砕けたっていい」

「ヒーローは、最後はぜってぇ勝つんだ」

 

 

「ああそうだ、ヒーローとは、ピンチを覆す者だから」

「まだ、目は死んでいないようですね」

「立て、ひよっこ共」

 

 

「···お父さん、お母さん、叔父さん」

「俺も居るんだけどな」

「燈矢兄」

 

 そこに居たのは、いつもの見慣れたヒーロースーツと笑顔。世界で一番のヒーローが、そこに立っていた。

 

「さぁ、終わらせて、皆を助けよう。デク、ダイナマイト、ショート、ルミナイネン」

「「「「はい!!」」」」

 

 

 

「ルミナイネン、準備は良いですか?」

「いつでも、アイスメイカー」

「「グラキエス·ストーム·ハンマー!!!」」

 

「「「赫灼熱拳 プロミネンスバーン!!!」」」

「どうした荼毘!お前の炎はその程度か!!

 ショート!怯むな!!お前の隣に居るのは、最も偉大な男だという事を忘れるな!!

 火力を上げろ、もっと!!俺を超えてみせろ!!!」

「「うるせぇ!糞親父!!!」」

「······糞親父は言いすぎじゃないか?」

 

「行くぞ、デク。遅れるんじゃないぞ」

「はい、オールマイト!!」

「「DOUBLE DETROIT SMASH!!!」」

 

 上から逆回転する氷と雪の竜巻が襲い、炎がその身を削り、一撃で天候さえ変えうる拳が吹き飛ばす。

 破壊の権化として、恥じぬ威容を誇っていたそれは、跡形もなく消え去った。とても、呆気なく。

 

「かっくん!!いっけぇ!!!」

「吹き飛べぇえええ!!!!」

 

 そして、その破壊の権化を生み出した元凶に、苛烈なる爆花が襲う。

 

 

 こうして、那歩島ヴィラン襲撃事件は、終わった。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「コンプレスさん、これらお願いしま~す」

「全く、最近の若い子は、おっさん使い荒すぎだと思うんだけど」

「頼りになるという事ですよ、ミスター」

「報酬、ディナーだけじゃ足りなくなるかもよ?」

「あら、でしたらディナーの後も···」

 

 事件から三日。あれから私達は、島の復興のお手伝いをしている。

 先生や公安委員会から、プロジェクトの中止を打診されたけど、皆で話し合って、最初に決められた期間まで残る事にした。

 復興支援要員として、トムラ事務所のコンプレスさんが残って、色々と復興支援のやり方とかを教えてくれるてる。リューキュウは、救援に駆け付けた時にちょっと怪我をしたそうで、その療養の為に残っているそうな。

 誰も、本州に戻って病院に行けば、とは言わなかった。(ミルコが言いそうだったけど、トムラさんが口抑えて引き摺ってった。二人って、今まで接点あったっけ?)

 

「鋭児郎、そっち持って」

「おう、三奈」

 

 んで、今一番HOTな話題と言えば、三奈と切島君が付き合い始めた事だ。事件翌日、リカ婆の治療から三奈が帰ってきた時、

 

『怪我は大丈夫なのか?芦戸』

『もうバッチリ!ありがとね、切島。崩落から、私と常闇を守ってくれて』

『お、おう。···俺、皆を守れるヒーローになりたい。でも、一番守りたいって思ったのは、あの日お前が友達の為に、震えながらもヴィランの前に立ちはだかったお前だったんだ』

『え、う、うん』

『立ち竦んで見てるしか出来なかった俺は、あの日のお前がすげぇ格好よく見えて、俺の憧れになった』

『······』

『でも、怪我させちまって、アイツの攻撃、全部受け止めるって言っといて、』

『長い!!いったい、何が言いたいのさ!!』

『っ!えと、あの、その、俺と付き合って下さい!!』

『脈絡無さすぎんだろうが、クソ髪ぃ!!!!』

 

 とまぁ、かっくんのツッコミに珍しく皆が頷く、なんか良く分からんやり取りを私達の前で繰り広げて、言われた事を理解して真っ赤になった三奈が、切島君引っ張って奥に引っ込んで、十分後に交際宣言を正式に発表されましてな。

 彼の中で何が起こったのか分かんないけど、鉄哲君辺りなら察する事が出来たんだろうか。

 

 

「ただいま~」

「おかえり、八木さん」

「雪花ちゃん、シー!」

「ん?どしたの?透」

 

 休憩に事務所へ戻ってきたら、畳部屋を覗き込む様に見ている透と、それを苦笑しながら見ている尾白君が居た。ソロ~っと透の横まで移動して、透が見ているものを確認したら、ガチで度肝を抜かれた。

 

「······透、何かした?」

「何も」

「···写真は?」

「バッチリ」

「後で頂戴ね」

 

 私らの視線の先には、畳部屋でぐっすり眠る響香と上鳴君の姿があった。問題なのは、その寝方。壁を背に足を投げ出す様にして眠る上鳴君。上鳴君の足の間に座って、上鳴君の胸に頭と背中を預けて眠る響香。

 響香の手元に音楽プレイヤーがあり、それに繋がったイヤホンを片方ずつ着けている事から、二人で音楽聞いてる内に寝落ちしたんだろうけど、そもそも、あの姿勢で聞いてたという訳で···。まぁ、救助隊の人がやってくるまで、ずっと膝枕してたらしいし、この二人がくっつくのも、時間の問題かなぁ。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「ぷはぁ~、良い酒置いてんじゃねぇか、店長」

「ありがとうございます」

「たくっ、この店で暴れたら承知しねぇからね」

「あ゛あ゛!!だぁれがするか!!私は天下のミルコ様だぞ」

「どの口がほざきやがる」

「よ~し分かった。年上かつランク上位者に対する礼儀のなっていないクソガキを、私が直々に、お前の体に躾してやるよ。最近ご無沙汰だったしな」

「ふぐっ!!は、離せ!!何するつもりだ!!」

「三階が、トムラの自宅だから。二階で、秀一君がまだ働いてるから、余り激しくしないように。あ、これ鍵ね」

「あんがとよ、店長」

「マ、マスター!?!」

「この店の安全の為に、大人しく兎に食べられてきてね、トムラ」

「マスターーー!!!!!」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「二週間、あっという間だったね、デク君」

「お茶子さん。うん、もうこの島ともお別れだね」

「···活真君達に、お別れせんでよかったん?」

「···うん。言ってあげたい事は沢山あるけど、多分、伝わってると思うから」

「そっか···でも、あの子は言いたい事、あるみたいだよ」

 

「デク兄ちゃーーん!!」

 

 

 

 




はい、劇場版第二弾終了!!
相変わらず、戦闘シーンは苦手や。妄想を上手い事文章に起こせんのがもどかしい。

評価と感想をよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。