八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第八十九話「八木雪花と年末とヒューマライズ」

 

 

 

 

「HA~HAHA!私が、年越し蕎麦を持って来た!!」

「よ、待ってました!」

「では、今年一年お疲れ様でした」

「「「いただきます」」」

 

 今年も後数時間。

 轟家と合同でって話もあったけど、今年から気兼ね無く、お父さんと一緒に年越しを祝える様になったのだからと、私とお父さんとお母さんの三人だけで年越しである。

 

「今年のカウントダウンは、エッジショットにシンリンカムイとマウントレディなんだね」

「来年から、チームを組んで活動するらしいから、その宣伝も含めての起用よ」

「という建前で、依頼を押し付けた、とも言う」

「あら、人聞きの悪い。前途ある若者達に、道を譲っただけですよっ!」

「いたたた!!足踏まないで!!!ちょっ、雪花も真似しなくていいから!!」

 

 お父さんを挟んでソファに座り、年末カウントダウン特番見る私達。毎年、テレビ越しに見てた姿が隣にあるのは、何か不思議な感じ。

 

「あ、メリ姉とミリオ先輩だ」

「え?どこ?」

「あそこ」

「デイヴさんと、ミリオ君の御両親も居るわね」

「本当だ。あれ?恋人偽装だったよね?普通に、恋人同士に見えるんだけど」

「分かんない。メリ姉もミリオ先輩も、肝心な所ではぐらかすんだもん」

「まぁ、どっちでもいいじゃないですか。雪花、変に引っ掻き回さないのよ」

「む、お母さん、何か知ってるの?」

「ふふっ、どうかしらね」

 

 何ですか、その意味深な笑みは。まぁでも、お母さんが何かしら噛んでるなら、悪い事にはならんでしょうて。

 

「今年も、色んな事がありましたね」

「ああ、本当にね」

「お父さんの引退宣言に、全て持ってかれた気はするけどね」

 

 至る所で、"ありがとう、オールマイト"と題した番組とか、キャンペーンとかやってて、世間はオールマイト一色と言っても過言ではない。

 

「来年は、しっかりお父さんしてよね、オールマイト」

「その前に、しっかり夫をこなして貰わないと、オールマイト」

「HAHAHAHA!!任せたまえ!!!」

「うひゃっ!」「きゃっ!もう、貴方ったら」

 

 大きくて、固くて、とても優しい腕に、抱き締め抱え上げられ、お母さんと一緒にくるくる振り回される。

 今まで、お疲れ様でした、お父さん。

 

 

『私は、フレクト·ターン。宗教団体ヒューマライズの教主にして、人類を救済する者である』

 

 

「「「!!!」」」

 

 唐突に、それは流れた。

 

『人類は今、甚大な危機に瀕している。それは、何故か。かつて、我々の祖先に宿った超常の力"個性"。それが、人の手を越えた領域へと進んでいるからである。

 個性黎明期において、個性婚という物が問題視されたのを覚えておいででしょうか。個性と個性を掛け合わせ、より強い個性へと。人を実験動物かの様に扱う忌むべき所業。そうして産み出された子らが大人となり、意図せずして、より強力な個性を持った子を産む。昨今、そうした強力な個性を持って産まれたが故に、制御出来ず、発現と共に大きな被害をもたらす個性事故が散見しております。

 このままでは遠からず、人類は"個性"によって滅亡するでしょう。それを止める為に、我々ヒューマライズは活動して参りました。そして、今、オールマイトという古き象徴が去るこの時を持って、新たな世界へ旅立つ号砲とする。

 我らはヒューマライズ、人類を救済するノアの方舟である!!』

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

「親父!」

「治崎、壊理を連れて逃げろ」

「しかし!」

「あいつらの狙いは壊理だ。いいか、絶対に守り通せ」

「さっさと行ってください、若頭」

「早く行ってくれた方が、こっちもやりやすいので」

「へっ、喧嘩だ喧嘩ぁあ!!」

「お爺ちゃん···また、会えるよね」

「···安心しろ、壊理。お前の花嫁姿を見るまで、じいじはどこにも行かねぇよ。今は、治崎と一緒に、ちょっと離れててくれな」

「···うん、約束。破ったら、針千本」

「おう、約束だ。行け、治崎!!」

「くっ!すぐ戻ります!それまで、絶対に死なないで下さいよ!!」

「へっ、お前の親父を信頼しろ。伊達に、ヤクザの頭張ってねぇよ!!」

 

「居たぞ!!フレクト様の理想の為に、我らが償いを!!」

 

 

   ▼▼▼

 

 

「お気を付けて、皆を、世界を、よろしくお願いします」

「無事に戻ってこいよ。この子の名前、私一人じゃ決められないからさ」

「お雑煮もおせちも、しっかり準備して待ってるから」

「大した力は無いけど、母さんや姉ちゃん達は、俺が守るから。親父達は、さっさとヴィランを倒してきてくれよ」

 

「ああ、任せろ。行くぞ、ホークス·荼毘·ショート·クリエティ。ヒーローの時間だ」

「「「おう!!」」」「はい!」

 

 

   ▼▼▼

 

 

「ああ!たく、人が盛り上がってる時に、変な水差しやがって。さっさとあの青い面蹴っ飛ばして、続きするぞ!!」

「遅いよ、お二人さん。リューキュウ航空は、時間厳守でお願いしてるんだけど」

『水を差されたのは、貴女だけじゃないのよ、ミルコ。ほら、愚痴る前に早く』

「お茶子ちゃん達と初詣に行く予定だったのです。早く終わらせて、初詣行くのです!」

「ちゃちゃっと、お騒がせなヴィランを捕まえようぜ。いや、ぶっ殺してやる!」

「気合入れていきましょう、所長。オールマイトが居なくてもって所を、世界に示さないと」

「ああ、行くぞ。この世界を、壊させはしない」

 

 

   ▼▼▼

 

 

「はい、分かりました。すぐに向かいます」

「デク君、準備出来たよ」

「···出久、お茶子ちゃん」

「母さん、行ってくるね。かっちゃんのお父さんが迎えに来るから、一緒に避難所に」

「···ちゃんと、二人で帰って来てね。お餅もおせちも、私一人じゃ食べきれないから」

「「はい!」」

 

 

   ▼▼▼

 

 

「煩わしい挨拶は抜きにさせて頂きます、事は一刻を争うので。先程の、犯行声明は皆さん御覧になられているでしょう。そして、その直後に起こった、オセオンの一部都市での同時多発個性暴発事件も。

 只今より、国連の権限において、全加盟国共同の特別対策組織発足を宣言します。各国のヒーローを、直ちに召集してください。ああ、それと、とある元ヒーローから伝言です。

 

「平和を頼む」

 

 と」

 

 

   ▼▼▼

 

 

「早く、早く、早く、これを届けなければ。世界が終わってしまう前に、何としても、ヒーローに!」

 

 

 

 




はい、という訳で本作の最終章、WHM編スタートです。要らんフラグ建てた気もするけど、頑張っていきます。

評価と感想をよろしくお願いします。
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