八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第九十二話「八木雪花と強襲と悪意の遺産」

 

 

 

 

「ガンヘッド·マーシャルアーツ!!ヒミコちゃん、爆弾を!!」

「お茶子ちゃんの個性、借りるのです!梅雨ちゃん!!」

「ケェロォーー!!」

 

 ヒミコちゃんが、私に変身して爆弾を浮かし、梅雨ちゃんが舌で掴んで投げる。個性で圧縮して無力化している、Mr.コンプレスの所に。

 

「これで、三つ目!後、幾つ設置してるのかねぇ!!」

『分からないわ、でも、残さず見つけるしかないわ!』

「もう!貴方達も死んじゃうのに、何で爆弾守るの?不思議過ぎ!!」

 

 デク君、私も、皆も、最後まで諦めへんからね。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「近いぞ!」

 

 爆弾起動まで30分を切った。地図が示す場所は、この岩山を越えた先に。

 

「多分、奴らも激しい抵抗をしてくるだろうね。兎に角、制御装置のある所に緑谷君を送り届ける。私達は、道を切り開いて足止めする」

「ちっ、今回ばかりはテメェに譲ってやる。ミスんじゃねぇぞ」

「任せたからな、緑谷」

「うん、絶対に成功させる」

 

 作戦の確認は終わった、後はやるべき事をやるだけ。もうすぐ、岩山を抜けて入り口が見えて···、

 

「(ゾクッ)皆、後任せた!!!」

「雪花?!」「八木さん?!」

 

 背筋を貫く極大の嫌な予感。自身のヒーロー的勘に従って、その身を雨降る空へ投げ出す。そして、飛行機に手を伸ばす、最初の門番をその視界に捉えた。

 

「グオオオ!!!」

 

 それは、文字通り巨人であった。

 

「マウントレディの親戚ですか?!名前ガリバーとかじゃないよね!大雪拳!!」

 

 巨人の手と同程度の雪拳を作って、その顔面に振り下ろす。

 

 

 

「ギガントマキア。かつて、裏社会を支配していた人物が作り上げた改造ヴィラン。まぁ、未完成らしいがな。暴れるしか脳の無い病魔なら、せめて、我らの大願成就に役立って果てよ」

 

 

 

「グガアア!!」

「ぬぐっ!!見た目通りの頑丈さ!!」

 

 額にクリーンヒットした感じはあるのに、微動だにしないとか、どんな質量してるのよ。

 

「オ、オ、オ、」

「オ?」

「オールマイトォオオ!!!」

「はあっ??!私が、筋骨粒々な画風違いの超イケメンマッチョに見えるってか?!」

「オールマイトォォオオオ!!!!」

 

 何を勘違いしてるか知らないけど、完全に私をロックオンしてくれてるなら有難い。あの飛行機じゃ、あんた振り切って突入は厳しいからね。

 

「オールマイトォォオオオ!!!」

「くっ!危ないじゃないのさ!!オラォ!!」

 

 轟音を上げて振るわれる腕を、何とかギリギリ避ける。一発でも食らったら、蚊の様にプチッとされそう。地を這うように、下から大雪拳を奴の顎に向かって振り上げる。

 

「ゴッ!グオオオ!!」

「くっ、少しはよろめけデカブツ」

 

 普通の人間相手なら、命刈り取る威力で殴ってるってのに、頑丈さもタフさも見た目通り。脳震盪からの気絶狙いでやってんのに、コイツ、ちゃんと脳ミソ詰まってる?

 

「まぁでも、殴り続けてれば、いつかはぶっ倒れるでしょう。それを信じるしかない」

「グガォォオオオ!!」

 

 攻撃を避ける度に、振り抜かれる腕によって発生する突風に、雨粒が飛ばされ、さながら散弾の如く私の体を打つ。コイツ、攻撃がどんどん鋭くなってる。

 

「グガオ!ガアア!!」

「ちっ!」

 

 隙も少なくなって、反撃に移るタイミングが減ってるし、どうにか一撃ズカンといかないと、このままじゃじり貧になる。

 

「問題は、そのズガンを、どうやって、いれるかなんだけどっ!」

「オールマイトォォオオオ!!」

「どっせいっ!!」

 

 避けながら、雪拳を握り合わせて脳天へ振り下ろす。衝撃で雪拳が砕ける位の勢いなら、少しは、

 

「オールマイトッ!!」

「ヤバ!フグッ!!!」

 

 掴まれた!一つも怯まないとか、ふざけんじゃないっての!!

 

「ゲハッ!!」

「グオオオ!オールマイトォォオオオ!!」

「···それはちょっと、しゃれになんないかなぁ···」

 

 ヴィランに握られたまま、山の岩肌に叩き押し付けられ、全身から嫌な音が響く。痛みと衝撃で霞む視界が、大きく振りかぶられた手を写す。

 

「···ゴメン、かっくん」

 

 

 

「ッ!···雪花?」

「「キィハハハハハ!!!」」

「···ホンモンのイカれになりやがったか。雪花、くたばってたら承知しねぇからな」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「月墜蹴(ルナフォール)!!まだか、クソガキ!!」

「···これか、崩壊!!」

 

 丸ごと崩壊させて、中の煙を漏らす訳にはいかない。爆弾の起爆に繋がる回路だけを崩壊させる。

 

「所長、申し訳ないけど追加よ!」

「あの男をやれ!!世界の救済を!!」

「「「世界の救済を!!」」」

「チッ、次から次へと」

「モードレット!」

「分かってらぁあ!クラレント·ブラッドアーサー!!」

「円卓よ!トムラを守るのです!!」

「運搬要員なら俺に任せろよ、"サッドマンズパレード"」

 

 さっさと解決しろや、九代目。祖母さんが託した男が託した人間だろうが、デク。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「諦め、我らの救済を受け入れよ、重病者よ。貴様の仲間も、最早風前の灯火」

「かっちゃん、轟君、八木さん···」

 

 僕を先に行かせる為に、ヴィランと戦っている三人の姿が映し出される。皆ボロボロだ。僕も、ヴィランの反射の個性とレーザーでボロボロなのは変わらないか。

 

「···でも、だからって、皆諦めてない。だから、僕だって諦めない!!トリガーボムは、絶対に止める!!」

「哀れ、これだから重病者は。ならば、仲間と共に死ぬがいい」

 

 それに、かっちゃんも轟君も八木さんも、あんなヴィラン達に負ける筈ないから。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 憎き相手の色をした奴。AFOを倒した仇敵。

 そいつを葬る為に振り下ろした拳が、直前で止まった。

 

「···ゴメン、かっくん。ヴィランと一緒に寝ちゃうけど、姫始めの時は容赦してよね」

 

 これは、雪。

 

「これ、お母さんの技でさ。まだまだ、足元にも及ばない出来なんだけどさ」

 

 体が、動かせない。

 

「要領は、島でキメラ相手に焦凍がやった事と一緒でさ。対象の体内に個性を作用させるの」

 

 視界が、白に染まる。

 

「さぁ、かっくん達が爆弾解除するまで、一緒に大人しくしててね。必殺·雪姫の居城(アレンデールキャッスル)」

 

 おーる、ふぉー、わん···。

 

 

 

「おいおい、城が生えてきやがった。どうする?お客さん?」

「···いや、気にしないで行ってくれ。あれは、味方の物だ」

「OK、世界の終わりまで後五分だ。頼むぜ、ヒーロー」

「ああ」

 

 雪花、緑谷少年達と、必ず迎えに行くから。

 

 

 

 




本当に今更だけど、最終決戦の癖に他キャラ出す余裕がない。というか、壊理ちゃん襲撃の下りを入れれん。後で閑話で差し込む。
取り敢えず、WHMは次で終わらす。

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