「さて、皆やるぞー!」
「「「おーー!!」」」
毎度の如く、八百万百宅···ではなく、八百万本邸に集った私達ヒーロー科A組B組女子+トガさん&メリ姉&発目さん&波動先輩。明日のバレンタインに備えて、皆でチョコ作り。流石に、この人数だと百宅では狭すぎるので、百の実家の大キッチンを使わせて頂けたのである。講師として、コックさん達にもついて貰えるとは、ありがたい事である。
「お茶子ちゃん、出久君にチョコ作っても良いですか?勿論、義理です」
「ヒミコちゃん、別に気にせんでええよ」
「ふふっ、一緒に作りましょ、ヒミコちゃん」
「はいです!お茶子ちゃん、梅雨ちゃん!」
「このコンロ、このベイビーを使えば更に高火力に」
「明ちゃん、止めなさい」
是非ともメリ姉には、発目さんが暴走しない様に見ておいて貰わないと。
「さて、私達も作り始めよっか、レイ子」
「···講師、チェンジお願いしたいんだけど」
「同じ生チョコ作りなんだから、一緒にした方が良いじゃん」
「それはそうだけど···」
「大丈夫、別に血を増ぜろとか言わないから」
「言われてもしないから!」
かっくんとお父さん用のは、既に作って冷蔵庫に安置してあるので、私が作るのは皆に配る用の義理チョコ。レイ子は当然、心操君への本命だよね。メッセージカードと可愛いラッピング用意してるし。
「まぁ、兎に角チョコを切り刻むよ。取り敢えず、レイ子は自分の分をやっちゃおう」
「分かった」
▼▼▼
「そう、そういう風にゆっくりと、チョコは焦らず溶かすの」
「う、うん」
「人肌程度まで冷えた溶かしたチョコを、卵液に混ぜ合わせたら、さっき振るったお粉を混ぜ合わせて」
「よいしょっ!よいしょっ!」
「はい、型に流し込んだら、後は焼くだけよ」
「トロロロロ~、トントン、オーブンに入れてスイッチオン!」
「じゃあ、焼けるのを待つ間に、ラッピングの準備をしてしまいましょうか」
「うん、火伊那ママ!!」
「···壊理ちゃん、そのママっていうのは···」
「えっと、ダメ···ですか?」
「っ!!···ふ、二人っきりの時だけよ、外とかじゃダメよ、私との約束」
「うん!約束!火伊那ママ!!」
「···ダメだ、レディナガン。私は壊理ちゃんのお母さんじゃない、私は壊理ちゃんのお母さんじゃない(小声)」
「(後は、渡す時に···)」
▼▼▼
「だああああ!!面倒くせぇーー!!!」
「ちょっと!邪魔するなら出ていきなさい、ルミ!!」
「お前がやるって言ったんだろ?なら、最後までやれ」
「うぐっ!龍子も萌も、そんな怒んなくてもいいだろ」
「あの人を逃したら、次いつチャンスが訪れるか分からないのよ」
「バレンタイン舐めんな、駄兎」
「まぁまぁ、義姉さんも龍子さんもその辺で。ルミさん、後ちょっとですから、一緒に頑張りましょう」
「······おう」
「たく、あんまルミを甘やかすなよ、冬美」
「そうよ、ホークスに贈る分、台無しにされても知らないわよ?」
「もう、お二人とも。ルミさんは、そんな事しませんよ」
「···私は、何すればいい」
「これらを、書いてある通りの量に計ってください」
「···分かった」
▼▼▼
「フッフッフッ、待っててね、朧さん」
「ねぇ、信乃おばさん。何で、流子さんは···あんな禍々しい雰囲気でチョコ作ってるの。何か、悪い魔女が毒リンゴ作ってるって方が、しっくりくるんだけど」
「見ないであげて、洸汰。多分、自分でも良く分からないテンションだと思うから」
「どうせ、渡す前にヘタレるのに」
「言ってやるな、知子。アイツに、やっと訪れた春なのだから」
「そう言えば、信乃おばさん」
「何?」
「信乃おばさんは、伊口兄ちゃんに作らないの?チョコ」
「······へっ?」
「あれ?信乃おばさんと伊口兄ちゃん、付き合ってるんじゃないの?」
「ななななななな何でそう思うのかなぁ?」
「知子さんと柔さん、それに母さんも言ってた。ぼつぼつ僕に、従妹が出来るかもって」
「······はぁ!!!」
▼▼▼
「ふふ、姉さんと一緒にチョコを作るなんて、何十年振りかしら」
「確か、燈矢がお腹に居る前年までだったかしら」
「私達も御一緒させて貰って、何かすみません」
「ありがとうございます」
「私が誘ったのだもの、気にしないで、香山さん、黒瀬さん」
「お二人は、どなたか本命の方はいらっしゃるの?」
「いえ、私は教職員に配る物を作るだけですので」
「じ、自分も···」
「あら、相澤先生にはあげないのかしら?」
「そうよ、今年は、相澤君に本命を渡してあげれば良いじゃない」
「えっ?!いえ、あの、僕は、その···」
「黒瀬さん、明日は全ての女の子が素直になる日よ。自分の心に、従ってみるのも良いんじゃないかしら?」
「轟さん···」
「ほら、これなんてどうかしら?」
「あら、良いじゃない、相澤君もきっと喜ぶわよ」
「八木先生、ミッドナイト先生···」
「ね、黒瀬さん」
「···はい、僕、頑張ってみます」
▼▼▼
「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ!!」
「···峰田、もう下校時間だぞ。何やってんだ?」
「あ、相澤先生!明日はバレンタインっすよ!!チョコをちゃんと入れれる様、綺麗にしとかないと!!」
「···そうか。だが、今言ったように、もう下校時間だ。さっさと帰れ」
「後ちょっと、ここのシミを···」
「帰れ」
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「テンタコル様へ。あの日は、ありがとう、ございました」
書き終えた手紙を、手作りしたチョコと一緒にラッピングする。
「···今度は、お名前教えてくれると良いな」
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