八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第九十六話「八木雪花と乙女達のバレンタイン前日」

 

 

 

 

「さて、皆やるぞー!」

「「「おーー!!」」」

 

 毎度の如く、八百万百宅···ではなく、八百万本邸に集った私達ヒーロー科A組B組女子+トガさん&メリ姉&発目さん&波動先輩。明日のバレンタインに備えて、皆でチョコ作り。流石に、この人数だと百宅では狭すぎるので、百の実家の大キッチンを使わせて頂けたのである。講師として、コックさん達にもついて貰えるとは、ありがたい事である。

 

「お茶子ちゃん、出久君にチョコ作っても良いですか?勿論、義理です」

「ヒミコちゃん、別に気にせんでええよ」

「ふふっ、一緒に作りましょ、ヒミコちゃん」

「はいです!お茶子ちゃん、梅雨ちゃん!」

「このコンロ、このベイビーを使えば更に高火力に」

「明ちゃん、止めなさい」

 

 是非ともメリ姉には、発目さんが暴走しない様に見ておいて貰わないと。

 

「さて、私達も作り始めよっか、レイ子」

「···講師、チェンジお願いしたいんだけど」

「同じ生チョコ作りなんだから、一緒にした方が良いじゃん」

「それはそうだけど···」

「大丈夫、別に血を増ぜろとか言わないから」

「言われてもしないから!」

 

 かっくんとお父さん用のは、既に作って冷蔵庫に安置してあるので、私が作るのは皆に配る用の義理チョコ。レイ子は当然、心操君への本命だよね。メッセージカードと可愛いラッピング用意してるし。

 

「まぁ、兎に角チョコを切り刻むよ。取り敢えず、レイ子は自分の分をやっちゃおう」

「分かった」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「そう、そういう風にゆっくりと、チョコは焦らず溶かすの」

「う、うん」

「人肌程度まで冷えた溶かしたチョコを、卵液に混ぜ合わせたら、さっき振るったお粉を混ぜ合わせて」

「よいしょっ!よいしょっ!」

「はい、型に流し込んだら、後は焼くだけよ」

「トロロロロ~、トントン、オーブンに入れてスイッチオン!」

「じゃあ、焼けるのを待つ間に、ラッピングの準備をしてしまいましょうか」

「うん、火伊那ママ!!」

「···壊理ちゃん、そのママっていうのは···」

「えっと、ダメ···ですか?」

「っ!!···ふ、二人っきりの時だけよ、外とかじゃダメよ、私との約束」

「うん!約束!火伊那ママ!!」

「···ダメだ、レディナガン。私は壊理ちゃんのお母さんじゃない、私は壊理ちゃんのお母さんじゃない(小声)」

「(後は、渡す時に···)」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「だああああ!!面倒くせぇーー!!!」

「ちょっと!邪魔するなら出ていきなさい、ルミ!!」

「お前がやるって言ったんだろ?なら、最後までやれ」

「うぐっ!龍子も萌も、そんな怒んなくてもいいだろ」

「あの人を逃したら、次いつチャンスが訪れるか分からないのよ」

「バレンタイン舐めんな、駄兎」

「まぁまぁ、義姉さんも龍子さんもその辺で。ルミさん、後ちょっとですから、一緒に頑張りましょう」

「······おう」

「たく、あんまルミを甘やかすなよ、冬美」

「そうよ、ホークスに贈る分、台無しにされても知らないわよ?」

「もう、お二人とも。ルミさんは、そんな事しませんよ」

「···私は、何すればいい」

「これらを、書いてある通りの量に計ってください」

「···分かった」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「フッフッフッ、待っててね、朧さん」

 

 

「ねぇ、信乃おばさん。何で、流子さんは···あんな禍々しい雰囲気でチョコ作ってるの。何か、悪い魔女が毒リンゴ作ってるって方が、しっくりくるんだけど」

「見ないであげて、洸汰。多分、自分でも良く分からないテンションだと思うから」

「どうせ、渡す前にヘタレるのに」

「言ってやるな、知子。アイツに、やっと訪れた春なのだから」

「そう言えば、信乃おばさん」

「何?」

「信乃おばさんは、伊口兄ちゃんに作らないの?チョコ」

「······へっ?」

「あれ?信乃おばさんと伊口兄ちゃん、付き合ってるんじゃないの?」

「ななななななな何でそう思うのかなぁ?」

「知子さんと柔さん、それに母さんも言ってた。ぼつぼつ僕に、従妹が出来るかもって」

「······はぁ!!!」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「ふふ、姉さんと一緒にチョコを作るなんて、何十年振りかしら」

「確か、燈矢がお腹に居る前年までだったかしら」

「私達も御一緒させて貰って、何かすみません」

「ありがとうございます」

「私が誘ったのだもの、気にしないで、香山さん、黒瀬さん」

「お二人は、どなたか本命の方はいらっしゃるの?」

「いえ、私は教職員に配る物を作るだけですので」

「じ、自分も···」

「あら、相澤先生にはあげないのかしら?」

「そうよ、今年は、相澤君に本命を渡してあげれば良いじゃない」

「えっ?!いえ、あの、僕は、その···」

「黒瀬さん、明日は全ての女の子が素直になる日よ。自分の心に、従ってみるのも良いんじゃないかしら?」

「轟さん···」

「ほら、これなんてどうかしら?」

「あら、良いじゃない、相澤君もきっと喜ぶわよ」

「八木先生、ミッドナイト先生···」

「ね、黒瀬さん」

「···はい、僕、頑張ってみます」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ!!」

「···峰田、もう下校時間だぞ。何やってんだ?」

「あ、相澤先生!明日はバレンタインっすよ!!チョコをちゃんと入れれる様、綺麗にしとかないと!!」

「···そうか。だが、今言ったように、もう下校時間だ。さっさと帰れ」

「後ちょっと、ここのシミを···」

「帰れ」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「テンタコル様へ。あの日は、ありがとう、ございました」

 

 書き終えた手紙を、手作りしたチョコと一緒にラッピングする。

 

「···今度は、お名前教えてくれると良いな」

 

 

 

 




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