八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第百四話「八木雪花と卒業式とメリッサの行方」

 

 

 

 

「卒業生、入場」

 

 

 厳かな音楽と共に、中央に敷かれたレッドカーペットを歩く卒業生の先輩達。今日は、雄英高校の卒業式。ミリオ先輩や天喰先輩、波動先輩、そしてメリ姉。

 まぁ、メリ姉は厳密には雄英卒業生ではないけどね。アカデミーから証書が届いてるみたいで、受け取りを雄英でやるって形らしい。

 メリ姉やデイヴさんとも、これで暫くはお別れになっちゃうのかなぁ。そんな寂しい思いを抱きながら、証書を受け取る人達の背中を見守る。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「「天喰先輩!!ご卒業、おめでとうございます!!!」」

「や、やめてくれよ、切島君、鉄哲君」

 

「波動先輩、卒業おめでとうございます!」

「おめでとうございます、波動先輩。次からは、学校の先輩ではなく、ヒーローの先輩として、よろしくお願いします」

「麗日さん、梅雨ちゃん、ありがとう!!事務所で待ってるね!!」

 

「通形先輩、メリッサさん、卒業おめでとうございます。通形先輩は、ナイトアイの事務所に入られるんですか?」

「ありがとう、緑谷君。そうなんだよね、当分は、サーの事務所でヒーロー活動する予定なんだよね」

「メリ姉は、デイヴさんと島に帰っちゃうの?」

「それなんだけどね、私はここに残る事にしたわ」

「「え?!?」」

 

 予想外な言葉が、メリ姉の口から飛び出した。

 

「でも、お父さんは引退しちゃったし、I·アイランドも警備体制が刷新されて、帰還命令が出されたってデイヴさんが言ってたけど、メリ姉もだよね?」

「そうね、特別な理由が無ければ、I·アイランド所属の私は島に帰らないといけないわ」

「···特別な理由、ですか?」

「そう、特別な理由。二人は、島の住人が外で暮らすには、どうすればいいか知ってる?」

「私は全然。緑谷君、知ってる?」

「えと···確か、その人物の出身国で、その国直轄で一定の実績がある研究機関に転属する場合。某かの理由で、研究·開発が出来なくなった場合。後は···島外の人と結婚した······ば···あい···」

「「まさか!!」」

 

 二人して、バッとメリ姉とミリオ先輩の、左手薬指を見る。そこには、何もない。

 

「···え?違うの?」

「フフッ、まだそっちには無いわよ」

「さっきまで、僕らはまだ学生だったからね」

「···じゃ、じゃあ」

「二人が探してるのは、ここにあるわ」

 

 メリ姉が、首にかけていたネックレスを、私達に見えるように、服の下から出した。その先には、二つの銀色に輝く指輪。

 

「俺達、結婚するんだよね!」

「「ええーーー!!!」」

 

 優しく、メリ姉の肩を抱くミリオ先輩。え、いや、マジで?!

 

「で、でも、とても厳しい審査と、よっぽどの人達の推薦や、保証人が必要って書いてあった様な···」

「そこは、おじさま達が動いて下さったの。私の保証人は、オールマイト·アイスメイカー·根津校長に加えて、あのスターアンドストライプを筆頭に各国のNo.1ヒーローよ。お父さんのツテと言っても、正直、名前のリストを見た時は卒倒しかけたわ」

「俺も、サーが凄い協力してくれたお陰で、審査も突破出来たんだよね。本当に、頭が上がらないよ」

「っ~~~!!!!おめでとう、メリ姉!!!ミリオ先輩!!!」

「きゃっ!もう、最初に焚き付けたのは貴女じゃない」

「はは!まさか、こうなるとは、あの時は思ってもみなかったんだよね」

 

 感激の余り、二人に抱きつく私。

 

「式には絶対呼んでよね!!」

「ええ、勿論。私のブーケ、受け取って貰わなきゃいけないもの」

「任せといて、死に物狂いで掴むから!!」

「そ、そこまでしなくてもいいのよ」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「寂しくなるな、デイヴ」

「何、二度と会えなくなる訳じゃない。それに、子供はいつか、親から巣だって行くものさ」

「···そうだな」

 

 研究室の片付けをしていると、トシがやってきてそう言った。メリッサは、娘であり、家族であり、パートナーでもあった。本音を言えば、ずっと側で見守っていたい。

 しかし、彼女は自分の進みたい道を見つけ、共に歩みたい者と出会い、私の下を離れる決断をした。親として、応援してやらなくてどうする。まぁ、相手がミリオ君以外の録でもない男だったら、ソイツを殴って島に連れ帰っていただろうけど。

 

「俺の変わりに、メリッサを見守ってやってくれ、トシ」

「ああ、任せておけ」

「もし、メリッサが悲しむ様な事があったら、俺の変わりにぶん殴っておいてくれ」

「···ふっ、君が殴れるように、左頬は残しておくよ」

「いや、俺はその時ドロップキックだ」

「HAHAHA!!···元気でな、デイヴ」

「お前もな、トシ。次の再会が、棺の中とか止めてくれよ?」

「君が言うのかい?正直、メリッサが居なくなって、まともに生活出来るか心配なんだけど」

「···ちゃんと、メリッサが家政婦を雇ってるよ。島の上層部に掛け合って、私が規則正しい生活を送れるよう、とびっきりの人が派遣されるそうだ」

「流石、メリッサだ」

「ああ、自慢の娘だ」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「式はいつ?新居は?一緒に暮らすの?子供の予定は?!」

「気が早いわよ、雪花。住まいは今のままよ。同居人が、パパからミルに変わるけど」

「籍は入れるけど、式はまだ先。I·アイランドで行えるよう計画中なんだよね」

「まだ、島外の人間は入れないんでしたっけ」

「そうなの。やっぱり、パパとバージンロードを歩きたいもの。それに、ママにも直にミルの事を紹介したいわ」

「そっか···困った事があったらすぐ言ってね。何でも力になるから!!」

「僕も、協力出来る事があればなんでもします!!」

「ああ!その時は、よろしくお願いするんだよね!!」

「ふふっ、お願いね、二人とも」

 

 

 

 




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