「どうした!!そんな体たらくで、ヒーローやれると思ってんのか!!」
「こんなことも出来ないんなら、帰ってママのオッパイでも吸ってろ!!」
「貴様は、男に腰振るだけの娼婦か?!違うと言うなら、それを証明してみろ!!」
「「「サーイエッサー」」」
響き渡る怒号。返されるは、自棄糞気味のサーイエッサー。私達は今、スターアンドストライプのチームの入隊志願許可試験という名の障害物シャトルランマラソンを行っている。
米軍開発の、重力操作チョーカーを着けて、自身に掛かる重力が倍になった状態で、ロープ登ったり、網潜ったり、池渡ったり、扉持ち上げたり、色んな障害物を突破しながら、最後の一人になるまで走り続ける。規定時間内に一周出来なければ失格となり、スター考案のスター·ザ·ブートキャンプを、マラソン参加者が居なくなるまでやってもらうとの事。最後まで残った一人には、優勝賞品として、スターとオールマイトとのスリーショット写真(サイン付き)の撮影が用意されている。
欲しいけど、個性使わず自分の足で、自分の腕でってなると、難しいかな~。
▼▼▼
「流石、マスターの教え子達ですね。いつもだったら、この時点で半数は脱落してるのに」
「いやいや、彼ら自身の努力の賜物だよ、キャシー。僕がしてあげられた事なんて、殆どない」
「···貴方という背中があったから、成長出来たんですよ。かつて、貴方に救われ、貴方みたいになりたいと願い目指した、私の様に」
「···キャシー」
「さて、マスター。一つ、面白いレクリエーションを思い付いたんだけど、聞く?」
「フッ、聞こうじゃないか」
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「頑張れー!!デク君!!」
「人使!!負けるな!!」
ラスト一周。残っているのは、緑谷君と心操君の二人。
ただ、緑谷君の方は、スターとオールマイトとのスリーショットが欲しいという気力で走ってる。自前の体力で走ってる心操君の方が、まだ体が動いてる。
「よっしゃーー!!勝ったぞ!緑谷ーー!!!」
最後、扉上げで追いつきかけたけど、心操君が逃げきってゴール。私らも、個性伸ばすのも大事だけど、基礎的な体力をもっともっと鍛えないとね。
「良く頑張った、チルドレン達。まさか、ここまで続くとは思ってなかったよ。本当なら、この後はパトロールがてら、それ着けたまま島を一周して貰おうと思ってたんだけど、気が変わった。あんた達には、私と戦ってもらうよ」
「「「ええーーー!!!」」」
という訳で、急遽スターアンドストライプvs雄英高校ヒーロー科というマッチが開催決定した。流石に、体力ゼロなので、クールダウンしてお昼食べて、疲労回復の為に酸素カプセルまで使わせて貰った上で、いざと。
かっくんは、当然一人でやりたそうにしてたけど、スターに対してタイマン何て、自殺行為以外の何物でもないのよね~。
「ねぇ、デク君、スターアンドストライプの個性について、何か知っとることある?」
「···ゴメン、お茶子さん。僕も、スターの個性は知らないんだ。肉体強化を持っているのは、確かだと思うんだけど···」
「アメリカは、情報規制が厳重だからねぇ~」
「その口ぶり、雪花···テメェ、スターの個性知ってんな?」
「···一応ね。お父さんが、レベルを上げて物理で殴れの極致だとすると、スターは、レベル上げて個性で殴るの極致って感じ」
「具体的に言えや」
「スターの個性は"新秩序"。名前を呼んで触れたモノに、ルールを付与する個性。それが何であれ、どんなルールであれ、絶対遵守の馬鹿げたチート個性。私らのいる空間を、一瞬で真空状態に出来たりするよ」
「そんなのと、どう戦えってのよ」
「化け物には化け物、チートにはチートだよ、一佳」
「よーし、準備は出来たようだね」
「「「はい、よろしくお願いします!!!」」」
「ルールは簡単。そっちが全滅すれは、私の勝ち。私を戦闘不能か降参させればそちらの勝ちだ。この演習場の外周には、バリアが張ってあるから、私をヴィランだと思って、遠慮せずに全力で個性を使って良いからね。じゃあ、マスター、合図を」
「では、これより、スターアンドストライプvs雄英高校ヒーロー科戦闘訓練、開始!!!」
振り下ろされたオールマイトの右腕を合図に、一斉に動き出すヒーロー科と、それをファイティングポーズで待ち構えるスターアンドストライプ。
「皆、ぶっ放せーー!!」
私の雪玉、百の弾丸、鱗君の芽鱗、レイ子と唯の巨大礫、ポニーの角。物理遠距離組の攻撃が、スターに向かって殺到する。
「コンクリートは、壊れない!」
畳返しの様に地面のコンクリートを捲り上げ、それを盾にしたスター。傷一つ付かないとか、どこまで固くなってんのさ。
「お返しだよ!!」
「危な!当たったら即死だっての!!骨抜君!!」
「足止め行くよ」
「縛りあげるぞ!心操、塩崎」
骨抜君が地面を柔らかくして、スターの足を沈めて固めると同時に、瀬呂君がテープ、心操君が捕縛布、塩崎さんが茨で雁字搦めのグルグル巻きにしていく。
「そのまま冬眠させる、冷炎白刃!!」
その上から、焦凍が氷付けにする。これで、決まってくれたらとても楽なんだけど。
「良い冷たさだったよ、今の時期にピッタリだったね」
んな事はなく、氷は塵になって跡形もなく、縛っていたテープ等は力なく地面に落ち、埃をはたきながら悠々と歩を進めてくるスター。
「さぁ、次はどうしてくるんだい?」
「んにゃろめぇ~、その余裕面ぶん殴ってやる」
「俺達も行くぞ、八木君に続けー!!」
胸を張り、右手をクイックイッとするスターに向かって、雪拳を展開して突撃する。飯田君の号令で、近接組も同じく突撃する。
「スターが個性を使う暇なく攻め立てるよ!!」
「緑谷君!レシプロエクステンド!!」
「うん、飯田君!発勁、SMASH!!」
私を追い越し、左右から挟み込む形で蹴りを放つ緑谷君と飯田君。
「良い威力!!でも、まだ足りないよ!!」
「うわっ!」「うおっ!」
手を広げ、小揺るぎもせず受け止めるスター。そのまま、私達に向かって二人を放り投げてくる。
「なら、コイツはどう?スノウインパクト!!」
「フンッ!!」
二人を避け、スターのどてっ腹に向かって雪拳を振り抜く。それを、仁王立ちして、あえて腹で受けるスター。人の腹殴って、私の雪拳に皹入るとかどういう事さ。
「尾空旋武!!」
「豪大拳!!」
入れ替りで、足払いを仕掛ける尾白君と、それに合わせる様に上半身を横殴りする一佳。しかし、その攻撃も普通に受け止められる。最早、根を張った大樹の様だ。
「廻原、宍田、庄田、一点集中だ!シュガーラッシュ!!」
「ガオンレイジ!!」
「ツインインパクト!!」
「螺旋拳」
「スターナックル!!」
「「「ぐわぁーー!!」」」
四人の攻撃が、パンチ一つで蹴散らされる。
「深淵闇駆·夜宴!!」
「切り刻んじまうぜぇ!!」
「甘い、スターストンプ!!」
「ぐおっ!!」「ふぐあっ!!」
懐に飛び込んだ常闇君と鎌切君の一撃を、華麗にジャンプして避け、そのまま背中を踏み潰す。
「踏陰ちゃん、ケロォ!!」
「フッ、スタースイング!!」
「けろろろろ!げろっ!!!」
伸ばした舌を捕まれ、思いっきりブン回されて地面に叩きつれられる梅雨ちゃん。
「雪花さん!準備OKですわ!!」
「溶接バッチリだ!!」
「行くぜ、鉄哲!!」
「全力でこいや、上鳴!!」
「超電磁鉄哲さん砲、ファイヤですわ!!」
百がパーツを作り、泡瀬君が組み上げ、上鳴君の電気で、レールに乗った鉄哲君を撃ち出す。二年ヒーロー科の合体攻撃。それが今、火を噴く。
「どおりゃーーーー!!!」
「ぐうぅぅぅ!!!」
超スピードで発射された鉄哲君。さしものスターも、レールガンのスピードには反応が間に合わず、その胸部に鉄哲君がぶっ刺さる。地面を削りながら、演習場の端まで押されていくスター。
「やったのか?」
土埃が舞う中、地面を削る音が消えた。峰田君、その台詞はあかん。どう考えても、やってないフラグを立つやろがい。
案の定、金属を殴る音と共に、鉄哲君が土埃を切り裂いて吹っ飛んできた。そして、その先には、唇の端からちょっと血を垂らした、凶悪な笑みを浮かべて右腕を振り抜いている、スターの姿があった。
「かっくん!!」
「まだだ!!」
「ちっ!効いてない訳じゃない!ダメージが回復しきる前に、もう一度、」
「もう一度、なんだい?」
目を離したつもりはない。最大限警戒していた。なのに何で、さっきまで演習場の端に居たスターアンドストライプが、前衛の最後列に居る私の背後に居るの?何で、前衛の皆が倒れてるの?
何で、スターの拳がお腹に突き刺さっているの?
「あの子で何か狙っているのが分かったなら、先ずはそこを潰さないとね」
「···かっくんを···守れ!!!」
「この、スターアンドストライプを止められるものなら、止めてみな!!」
私を放り投げ、後衛に向かって、地面を滑る様に突撃していくスター。
「裂怒がっ!!」
「ほ~、地面に足を接着して、飛ばされるのを防いでるのか」
「こ、ここは、絶対遠さねぇ」
「いや、通らせて貰うよ」
峰田君のモギモギを足の裏にくっ付けて、スターの一撃をその場で食い止めた切島君。その腕にも、モギモギがくっ付けてあり、スターの腕にしがみついて、跳ね退けられないようにしている。
しかし、それを嘲笑うかのように、くっ付いている地面ごと、切島君を引っこ抜いた。焦凍や三奈、響香が攻撃しようとするけど、切島君を盾にするもんだから、躊躇してしまっている。
「エアーケイジ!!」
「温い!!」
円場君の空気の囲いも、切島君を叩きつける事で易々と破壊される始末。
「もう一度、縛り上げろ!!」
「私は、縛られない」
「集光屈折ハイチーズ!!」
「鳥達よ、かの者に群がるのです!!」
「柔造!!」
「準備出来てるよ!!」
「障子!!奥底まで沈めるよ!!」
「ああ!うおおお!!!」
「瀬呂、切島を頼むぜ!!」
瀬呂君達が、再びスターを拘束しようとするけど、スターに触れた瞬間、その全てが力なく地面に落ちた。すかさず、透の閃光と口田君の鳥によるフォローが入り、障子君と切奈がスターに覆い被さって、骨抜君が柔らかくした地面に体ごと沈める。その際、障子君にくっついてた峰田君が、切島君とスターをくっ付けてたモギモギを外し、瀬呂君が切島君を回収した。
「凡戸!!」
「ゴメン、切奈、障子君、切島君」
腕まで沈んだ所で、骨抜君が地面を戻して、その上から凡戸君がボンドをぶっかけてより固める。
「泡瀬さん、お願いしますわ!!」
「溶接!!」
ついでに、百が出した鉄の棒達を、泡瀬君がスターと地面に溶接して、より拘束を強めた。
「呼吸は駄目ノコよ。毒キノコが一杯ノコ」
「キヒヒ。このまま絞め落とさせて貰うよ、アメリカNo.1」
最後に、小森さんがスターの体に茸を生やしまくり、マントの影から手を伸ばして首を圧迫していく。
「···ふっ、このアメリカNo.1ヒーロー、スターアンドストライプも嘗められたもんだね。この程度で、私が止められると思うな!!」
「くおおお!!」
「きゃあ!!」
「ノコーー!!」
「があああ!!」
地面がひび割れ、回転しながら上空へと跳んでいくスター。回転の勢いで、障子君達が吹き飛ばされていく。パワーだけで、あんな簡単に抜け出すとか。
「さぁ、君達の切り札とやらを拝ませて貰おうか。空気は、私の足の裏で固まる」
空中で何かを蹴り、物凄いスピードでかっくんに向かって落下していくスター。
「ちっ、麗日!俺を浮かせろ!!」
「う、うん!はい!!」
「ハウザーインパクト·クラスター!!!」
落下してくるスターに向かって、錐揉み回転しながら飛翔していくかっくん。初速を、お茶子に無重力にして貰って稼いだから、威力はMAX。あれが通じなかったら、後は。
二人が衝突し、物凄い衝撃波が私達を襲う。そして、
「ふぅ···切り札というだけはあるね。まさか、私の腕が折られるとは思わなかったよ」
「···く、くそが······」
左手でかっくんの顔を鷲掴みにして、地面に叩きつけたスターアンドストライプ。その右腕は、スーツが弾け飛び、紫色に変色していた。
「でも、私に勝つには、まだまだ修行が足りないね。さて、立ってる子はいないみたいだから、模擬戦はこれで終わりかしら」
「······アホか」
「漸く、気を抜いてくれましたね、スター」
「っ!!」
周囲を見渡し、画風が元に戻ったスター。その肩に、ポンと手を乗せる一人の人物。透明だった体が色を取り戻し、宣言する。
「スターアンドストライプは、個性を使えない。スターアンドストライプは、弱体化する。さ、さぁ、どうです?ま、まだ戦いますか?」
透のスーツの予備を腰に巻いて、顔をしかめ、鼻血を出しながら問う、物間君。
「···いつからだい?」
「さ、最初からですよ。貴女が、しょ、勝利を確信して、ゆ、油断するのを待って、いたんですよ」
「フッ、HAHAHA!!まさか、私がこうも出し抜かれるとは」
「で、では」
「ああ、私の敗けだ」
▼▼▼
「だ~はっはっはっ!!!見たかい、拳藤!!僕が!この僕が!!スターアンドストライプに敗北を認めさせた!!つまり!この僕が所属するB組は!A組よりも凄いという証明である!!!」
「はいはい、分かったから大人しくしてなさい」
「これからは、僕達B組の時代という訳だ!!さぁ、この事を世界に喧伝しようじゃないか!!だーはっはっはっ!!!」
「もう、よく人の膝の上で高笑い出来るわね。ほら、スターの個性をコピーして、体ボロボロ何だから、大人しく寝てなさい!」
「かぺっ!」
「···お疲れ、寧人」
全員を一回出す事と、最後の物拳書ければええわい、と思って書いたとは、口が裂けても言えない。
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