「···とうとう、明日なんだね」
「はい。ナイトアイの未来視で確定しました。明日で、全てが決まります」
「···君が奴と接触。周囲の被害を抑える為、上空に作った君の氷城に閉じ込める。そこに、僕やエンデヴァー達が突入し戦闘を。そういう流れだったね」
「ええ、そうです」
「···まさか、お師匠のした事が、奴に利用されてしまっていたなんて。しかも、その孫が奴の器にされようとしている。何としても、奴をここで止めなければ」
「···はい」
「···震えているね。怖いかい?」
「···怖くない訳、ないじゃないですか。もしかたら、明日死んでしまうかもしれない。自分だけならまだ良いです、義兄さんや俊典さんが犠牲になってしまったらと思うと、怖くて怖くてたまりません」
「···冬花君。大丈夫だ、私がいる。何たって、私は平和の象徴なのだからね。それに、君が隣に居てくれるだけで、私は奴に負ける気がしない」
「っ!!も、もう、何言ってるんですか···ちゃんと、五体満足で生きて帰るんですからね。約束ですよ」
「ああ、約束する。さぁ、明日に備えて休もう。万全の状態で臨まないと、ね」
「···俊典さん、ワガママ言って良いですか?」
「何だい?」
「抱き締めてください。今日は、貴方の腕の中で眠らせてください」
「···構わないけど、その言い回し、凄い不吉じゃない?」
「···自分で言って気付きました」
「初めまして、AFO。この日を、25年待っていました」
「おや、君はそんな前から、僕の事を知っていたのかい?いったい、どこで知りえたのやら、ちょっと興味があるね」
「さぁ、知った所でどうしようもありませんよ。何故なら、今日が貴方の命日だからです!!」
「では、君をいたぶって、個性を奪ってから、ゆっくり聞かせて貰おうかな」
▼▼▼
「それで?決戦はどんなだったの?」
「二時間の映画になる位の大激戦。皆ボロボロになったわ特に、待機を命じていたのに、勝手に参戦してきて目を損傷して個性が弱まったサーナイトアイが一番重傷だったわね」
「AFOは、殺したの?」
「···ええ。ヒーローの矜持を曲げてでも、AFOを生かしておく訳にはいかなかった。細胞の一欠片さえ残さず、消滅させるしかなかった。だから、私がこの手で塵にしたわ」
「···そっか。で、そっからどんな感じで、私が仕込まれたの?」
「仕込まれたって言い方は止めなさい。せめて、宿ったと言いなさい、雪花。お腹の子の教育に悪いわよ」
「私と勝己の子供だよ?その程度じゃ変わらないって」
「全く···そうね、あの日は、」
▼▼▼
「では、AFO打倒を祝して、乾杯」
「乾杯。しかし、良かったのかい?皆を呼ばなくて」
「誘ったのだけど、断られたわ。だから、二人きりで祝勝会」
「そ、そうなのか」
何か、変に慌てている俊典さんを横目に、金にものを言わせて取り寄せた最高級食材で作った料理をツマミに、これまた最高級のお酒で喉を潤す。
あの決戦から三日。傷は、近くで待機して貰っていたリカバリーガールのお陰で、すっかり完治。この人も、原作の様な大怪我をする事なく、無事でいる。いやぁ、病室で健康そのものな俊典さんを見て、皆の前で年甲斐もなく大泣きして抱きついたのは、自分的に黒歴史として消去したい記憶。
「···君は、これからどうするんだい?」
「?どうするとは?」
「私と君は、AFOを打ち倒すという目的で、今まで行動を共にしてきた」
「そうですね」
「その目的は、めでたく達成された」
「はい。まぁ、まだ色々と後始末が残っていますけど」
「それで、まぁ、その、次の事とか、どう考えてるのかなって。君も、良い年齢だし、いつまでもお世話して貰う訳にもいかないし。いや、迷惑って訳じゃないよ、助かってるし、嬉しいし、なんならこのまま、と思わなくもないけど、け、結婚とか、考えてるのかなぁって」
「へっ??!」
目の前の人物から、予想だにしない言葉が出てきた。いや、今後もヒーローとしてのパートナーとして、よろしく的な事を言うのかなぁと思っていたのに。
別に、プロポーズをされた訳でもないのに、顔が一気に火照った。
「け、けっこん、ですか。そ、れは、まぁ、わたしもおんなですか、ら、あ、あこがれなくはないですが」
「そ、そうだよね···」
もじもじしだす、俊典さん。私も、変にテンパってて、奇妙な空気が流れる。
「えと、どんな人がタイプ?」
「タイプ、ですか?」
「ほ、ほら、これでもNo.1ヒーローだから、顔は広いからさ。もしかしたら、好みにピッタリな人とか紹介出来るかもしれないし」
「···紹介、ですか」
バタバタと、取り繕う感じで言う俊典さんの言葉に、スンと顔から熱が消えていく感じがした。私は、このヒーロー馬鹿に何を期待していたのか。
私は、用意していた中で最も度数の高いお酒を開け、瓶ごとラッパ飲みする。最後の一滴まで飲み干し、空瓶をテーブルに叩きつけ、テーブルを潜り、向かい側にいる俊典さんの所へ行って、向い合わせになる様膝の上に座る。
「ふ、冬花さん!!?!」
「私の理想の男性は、ヒーローです」
「ヒ、ヒーロー」
「筋骨粒々で、凄く強くて、助けを求める人が居ればかっ跳んで行っちゃう様なヒーロー」
「···」
「睡眠も食事もほっぽり投げて、1日24時間、1年365日、兎に角ヒーロー活動しちゃう様なヒーロー。私が、生活の面倒を見てあげなくちゃって思うヒーロー。一人だけ画風が違くて、前髪がピンっとV字に立ってる様なヒーロー。世間じゃ、"平和の象徴"何て呼ばれてる、偉大なヒーロー」
「っ!!」
「ねぇ、俊典さん。そんなヒーロー、私に紹介してくださる?」
「そ、それは···」
「私、その人以外と結婚する気はありませんし、その人との子供しか欲しくはありませんよ。さぁ、紹介してくださいな」
「いや、でも、」
「···選べ、八木俊典。自分からプロポーズして私を孕ませるか、私に襲われてデキ婚するか、さぁ!!」
「さぁ!!って···」
「後10秒で決めませんと、実力行使に移ります。私が確実に孕むまで搾り取りますから、例え弾が尽きたとしても」
「ええっ!!!」
「10···9···8···」
「私と結婚してください!!!」
「はい、不束者ですが、末長くよろしくお願いします」
「え?!ちょっ!!何で服脱がそうとするの??!?」
「···言いましたよね?プロポーズして孕ませるか、私を孕ましてデキ婚するか、と。さぁ、子作りしましょう、ア·ナ·タ♥️」
「キャーーー!!!」
▼▼▼
「···お父さんが、別にお母さんの事何とも思ってなかったらどうしたの?」
「あの人が、私を女として意識しているって確信していたもの。そんな事は想定していなかったに決まっているでしょう」
「さいですか。それで、私が宿るまで搾り取ったと」
「···いえ、あの人の性欲が大噴火して、貴女を宿すまで貪られた、と言った方が正解ね」
「あ、フーン(´<_` )。···あれ?私、焦凍より先に産まれてるんだよね?転孤さん、春半ば位にお母さんに保護されたって聞いたけど、産まれるの早すぎない??」
「···当然よ、貴女、妊娠七ヶ月目で産まれてきたんだもの。ちゃんと、十月十日経った子と同じ位成長して。推測の域を出ないけど、姉さんと"家の子と同い年に産まれてくれたら良いのに"何て話してたのを、OFAの謎パワーがアレコレして叶えてくれた···んだと思うの」
「···マジですか」
「マジよ」
年表渡すから、誰かちゃんとしたのを書いてーー!!
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