八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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「八木雪花は爛れている?」

 

 

 

 

「······」

 

 その日は、朝から変な雰囲気だった。具体的には、私を見る目が、いつも以上に粘っこいというか、欲望にまみれているというかそんな感じ。

 見られるのは、まぁ有名税的なもんで慣れてるし、こっちに危害が無ければ気にしないんだけども、今日のは余りにもアレだったので、足早に学校へ向かった。

 学校に着いてからも、男子の視線の奥がいつもよりおかしい。女子も、何だが軽蔑混じりに見てくる人がチラホラ。え?私何かやっちゃった?

 そんな事に頭を悩ませながら、教室の扉を開けると、

 

「「「雪花さん/ちゃん!!!」」」

「うおっ!!どしたの皆」

「どしたのじゃありませんわ!!!これはどういう事ですの?!?説明して下さいまし!!!」

「はっ?······なんじゃこりゃあああああ!!!!!」

 

 百が私に突き出してきたのは、携帯の画面。そこには、とあるSNSの書き込みが映し出されていた。そのタイトルには、"俺、オール○イトの娘とヤッたけど質問ある?"と書かれていた。その下には、写真が数枚と動画がいくつか。ラブなホテルをバックにした自撮りだったり、そのホテルの一室に居る写真だったり、A○のサンプル映像みたいに切り抜かれた、アレな最中の映像だったり。

 人物には、一応目の部分にモザイク掛けてあるけど、どう見ても、写っているのは自分だ。顔も声も紛れもなく自分だ。

 

「···雪花ちゃんじゃ、ないよね?」

「違うよね!!?」

「何か悩み事があるなら、話を聞くわよ」

「いやいや、違うから。確かに、ここに映ってるのは私っぽいけど、こんなチャラ男見た事も会った事も無いって。つか、こんなかっくんの足元にも及ばない粗末なブツと粗末なテクで今更私が満足するかっての!そんな腑抜けた突きで喘ぐかっての!!かっくんに勝つ為に研鑽して磨きまくった私の腰使いはこんな甘っちょろくないっての!!!あの絶倫と一年以上付き合ってる私の経験値舐めんな!!!!!」

「「「······」」」

「···雪花さん、ぶっちゃけ過ぎですわ」

 

 あ、やっちった。遠巻きに見ていた男子諸君が、気まず気に顔を赤くしてる。峰田君何か、最早どう形容していいか分からん顔だ。今日、かっくんがインターンで居なくて良かった。

 

「来ていたか、八木」

「あ、相澤先生、おはようございます」

「挨拶はいい。その様子だと、事態は把握しているようだな。事情聴取をするから校長室にこい」

「私じゃありませんから!!」

「んなのは分かっている。今後の対応を協議する為にも、お前のアリバイやら何やらを把握しておく必要があるんだよ。八木主任もオールマイトも海外出張で居ない今、下手な事は出来んだろうが」

「···はぁい、先生。じゃあ、皆ちょっくら行ってくるね」

 

 全く、いったいどこのどいつが、んな傍迷惑の事を仕出かしたのさ。見つけたら、只じゃおかないんだから。

 

 

 

「···爆豪、落ち着け」

「ぁあん!!落ち着いとるわ!!半分野郎!!!」

「雪花が、あんな事をする訳ないだろ」

「んな分かりきった事ほざいてんじゃねぇよ!!」

「ショート、ダイナマイト、いつまで無駄話をしているつもりだ。パトロールに出るぞ」

「···親父、爆豪をパトロールに出して大丈夫か?」

「···もしもの時は、俺が止める」

「大丈夫に決まっとろうが!!!」

 

 

 

「うん、確認が取れたよ。件の二人がホテルに滞在している時間に、雪花ちゃんがインターンの関係で他県に居たという証拠が」

「ありがとうなのさ、塚内警部」

「警察としては、今後どういう対応を?」

「現在は、未成年淫行と児ポの容疑者として調査している所だ。あれだけハッキリ写ってくれてるから、容疑者を特定するのは楽だったしね。そこに、名誉毀損を上乗せ出来るけど?」

「じゃあ、ガツンと上乗せしといて下さい。道端で変なオッサンに声かけられても迷惑ですし」

「マスコミには」

「今の所、よっぽど切羽詰まったゴシップ雑誌とか、アンチヒーロー的な所以外は、ニュースとして取り上げる所は無いよ。ヒーロー公安委員会も、上から圧力を掛けてるみたいだし、ただでさえオールマイト関係のネガティブな話題は、扱いに気を付けないと会社ごと吹っ飛ぶからね」

「ネットでの広がりを抑えれば、鎮火は可能か」

「そっちは、公安のラブラバ君が対処に動いているみたいだから、三日位でどうにかなると思う」

「それで、僕らはどういう対応をすればいいかな?塚内警部」

「根津校長には、我々警察、ヒーロー協会、ヒーロー公安委員会と合同で記者会見に。女性ヒーローのこれ関係での問題は昔からあったからね。ここらで一回バシッとやっとこうかという話になったんだ」

「生徒を守る為なら、僕は幾らでも協力するのさ」

「我々教員は、こういった事例もあるという危険性を、改めて周知すると共に、馬鹿が出てこないようしっかり釘を刺します」

「うん、お願いするよ。雪花ちゃんは、何かこうして欲しいって事はあるかい?」

「いえ、先生や塚内さん達に任せます。あ、もしアレで私を脅したり、性的な誘いをしてくる輩が居たら、その場で現行犯逮捕で良いですか?」

「ああ、全然構わないよ。ただし、過剰防衛にならないようにね」

「···それは、私よりも彼氏の方が心配ですね。逆に、かっくんが逮捕されそう」

「···爆豪の事は、お前が頼りだ。頼むから、アイツを犯罪者にしないようにしてくれ」

「···頑張ります」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「うん、大丈夫。先生とか塚内さん達が迅速に動いてくれたから。犯人も捕まったし、画像とかも全部抹消してあるって。もしまたネットに流れても、直ぐに消えて、アップした人にダメージが行く様にしてあるってさ。うん、お父さん達もお仕事頑張ってね、うん、お土産楽しみにしてる。······はぁ」

「たく、迷惑な野郎共だ」

「だねぇ」

 

 慌てた様子で電話を掛けてきたお父さんに、落ち着かせて事の顛末を説明し、名残惜しそうなお父さんを無視して電話を切り、横に座るかっくんの膝に、ポスンと頭を乗っける。

 犯人達は、半日もせずにあっさり捕まった。

 話によると、自業自得で会社をクビになった借金持ちの男性が、かつてお父さん達に潰されたヴィラン組織の残党に、借金の帳消しと引き換えに、同じ境遇の"変身"個性持ちの女性と共謀して行ったんだそうな。

 そのヴィラン残党も捕まったし、取り敢えず一件落着と相成りました。

 

「かっくんが、犯人殺す前に捕まってくれて良かった」

「テメェも、半分野郎やエンデヴァーみたいな事言ってんじゃねぇよ」

「だって、かっくんは私の事になると、目の色変わるじゃん。かっくんの独占欲は嫌いじゃないけどさ」

「···チッ」

「···ねぇ、アレが私じゃないって、いつ気付いた?」

「最初からに決まっとるわ。誰が、あんな偽者に騙されんだよ」

「そっか、皆半信半疑位だったのに、かっくんは最初からか。でも、少しは興奮したんじゃないの?」

「欠片も反応しねぇわ!!あんなん萎えるだけだわ!!」

「本当かなぁ」

「いいぜ、俺が偽者だって確信した理由を教えてやるよ。実演してなぁ!!」

「ちょっ!!待って!!せめてシャワー浴びてから!!うにゃーーーー!!!」

 

 

 

 

「うっへっへっへっ、例え偽者だとしても、これが八木の裸だぜ、円場」

「···ゴクッ、俺、まだ最後まで見れてないんだ、峰田」

「後で、データコピーしてやるよ。じゃあ、再生するぜ」

「ああ!!」

 

 翌日、真っ白になってダ○ンプを踊る峰田君と円場君の姿があったとかなかったとか。

 

 

 

 




あの世界、ヒーローのコスプレ物AVは絶対あると思う。ただ、下手な女優使うと、その女性ヒーローの過激ファンで大変な事になりそうだけど。
後、ミッドナイト先生は、嬉々としてコスプレ女優に指導とかしそう。

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