八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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「君はあの子にどんな耳を着ける?」

 

 

 

 

「···本当に、着けなきゃ駄目?」

「駄目」

「···うう、私のばか」

 

 

 クリスマスイブ。

 今年は、イブは恋人同士で、皆で集まってのパーティーはクリスマス当日にという事で、人使と二人だけの小さなパーティー。

 ちょっと豪華な夕飯食べて、プレゼント交換して、ケーキ食べて、さぁどうしようかという時、人使が何やら大きめの段ボールを抱えてきた。

 

「正直、中身知りたくはないけど、それ何?」

「俺の欲望」

「······何これ!!?!」

 

 段ボールの開けて、恐る恐る中を覗き込むと、そこに入っていたのは、メイド服だったりナース服だったりチャイナドレスだったりバニースーツだったりケモ耳セットといった、文字通りコスプレ衣裳の詰め合わせだった。

 

「この前、彼女持ちの男子何人かと、一緒にクリスマスプレゼント買いに行った時、こういうのの専門店見つけてさ、ノリで買った」

「···他に、誰が買ったの?」

「骨抜と緑谷と砂藤と上鳴」

「切奈はノリノリでやりそうだし、麗日と耳朗は自分らでどうにかするだろうけど唯逃げて!!」

「まぁ、他カップルの事は置いておいて」

「着ないからね!!!」

 

 バッと段ボールを閉じて、ヒュバっと段ボールから離れる。あ、あんなの着て、何やらされるか想像しただけでも、顔に熱が溜まる。

 

「そう言うと思って、はい」

「···ゲーム?」

 

 人使が用意したのは、桃太郎な電鉄。ルールは、目的地に到着した数だけ、人使は私に好きな様にコスプレさせて、私はその数だけ拒否できる。最終的な順位で勝った方は、その権利を五個貰える。

 普通なら、そんな勝負受けないの一択なんだけど、まぁクリスマスだし、私が勝てば良いだけだから何て思って、勝負を受けたのが運のつき。

 結果は、文字通り惨敗。私は、一度も目的地に到着出来なかった。ここにある全てでも足りない位、コスプレをしなくてはならない事が確定してしまった。途中から、どれから着てもらおうかな~なんて言う、人使のニヤニヤ顔がうらめしかった。

 そして始まった、私のコスプレファッションショー。あれ着てこれ着てそっち着けて、あんなポーズやこんなポーズをさせられた。最後には、人使が一番気に入った格好でエッチ。因みに、人使が一番気に入ったのは、巫女服に狐の耳と尻尾を着けた格好。ついでに言うなら、その巫女服は即廃棄処分となった、というかした。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

「···そんなイブだった」

「お疲れ、レイ子」

「ん」

「···二人は、したの?」

「ん?ああ、したよ。柔造の奴、バニーが一番食い付き良かったね。まぁ、網タイツかストッキングかで凄い悩んでたけど」

「ん」

「あ~、何だっけこれ···」

「ディアンドルでしょ、ドイツの。着けてるのは、馬耳?」

「ん」

「···砂藤君て、割りとマニアックね。いや、凄い似合ってるけど」

「このポーズさせる時点で、狙ってるよね」

「ん!!」ムフー

 

 何故、そこで誇らしげにするのよ、唯。携帯の画面に写る、腰に手を当てて、ちょっと前屈みになって胸の谷間を強調するポーズな唯を見ながら、私は唯にジト目を向ける。

 

「な~に見てんの?!お三方」

「げぇっ!!雪花!!」

「おいレイ子、私はどこぞの中国の美髯な将軍じゃないって。おっ!!めっちゃエロいじゃん、唯。どしたの?!」

「ん!!」

「ほほ~、砂藤君がね~。それに、レイ子も切奈もか~」

 

 正直、一番知られたくない人間に知られてしまった。何で、全部言っちゃうかな、唯は。

 

「うほほ~、切奈もエッチィ~。レイ子のは!!」

「無いから!!」

「(prrr)あ、心操君?「ちょっ!!」昨日レイ子にコスプレさせた?写真ある?うん、よろしく~。···あ、来た。ウヒョヒョ~、似合ってんじゃん狐巫女」

「人使ーー!!!!」

「まぁまぁ、私のコスプレも見せたげるから。ほれ、雪花ちゃんミニスカサンタバージョン」

「いや、別にどうでもいいから」

「およ?そうかい?じゃあ、こっちの八木雪花プレゼントバージョンなんてどう?」

「「「ブッ!!」」」

「な、な、な、な!!!」「うは~、大胆」「んっ!!」

 

 そこに写っていたのは、豪奢な箱の中に入る、リボンだけで大事な所を隠した素っ裸の雪花。なんつーもん見せびらかしとんじゃおどれは!!

 

「あ、言っとくけど、発目さんへの参考用だから。別に、かっくんにハイど~ぞした訳じゃないから」

「実際は?」

「···この直後に、かっくんが部屋入ってきて、まぁそのまま」

「結局してるじゃん!!」

「違うもん!これクリスマス前だもん!!折角準備してたのに本番で出来なくなったんだもん!!!」

「もんじゃなくて、あんた···」

「ん」フルフル

「ちょっ!そんな呆れた顔しないで~~」

「ちょっ!やめて、縋りつかないで!こら!どさくさに紛れて胸揉むな!!」

 

 嘘の涙浮かべて、へばりついてくる雪花の顎をグイーっと押しながら、コスプレなんぞ二度とやるもんかと誓う私であった。

 まぁ後日、衣装箪笥の奥に、色んなバリエーションのコスプレ用巫女服を発見して、絶叫する未来が待っているのだけど。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「え?お茶子さんにどんなコスプレしてもらったか?えっと···一番良かったのは、これかな」

「···たぬ耳割烹着······いや、確かに似合ってるけど、もっと他にねぇのか?」

「ん~、後はこういうのとか?」

「ナースか、つかやっぱたぬ耳なのな。······のおおおああああ!!!!」

「「「どうした!!心操!!?」」」

「お、おま!え?!お前!?!ええっ?!?!!」

「あ、見つけちゃった?お茶子さんが、一人じゃ恥ずかしいって言って、僕もするならって」

「···ガチか」

 

 そこにあるのは、ポーズを決める緑谷出久と麗日お茶子のツーショット。その二人の格好は、只今絶賛産休中の元No.4ヒーロー"ミルコ"のヒーローコスチュームだった。そう、二人ともである。

 照れながらも、満更ではなさそうな緑谷の様子に、心底恐れおののく心操人使君であった。まぁ、心操の悲鳴で駆けつけた他男子も、その写真を見て同じ様に絶叫するのだけども。

 

 

 




え?何が書きたかったかって?当然、ミルココスの緑谷君に決まってるでしょ。アレをオチに持ってくるが為に書いたと言っても過言ではない。
勿論、緑谷君のポーズは例のアレと同じである。
原作者様、いつも、クオリティ高くネタになるイラストを供給して下さり、誠にありがとうございます。

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