八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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「洸汰君危機一髪······?」

 

 

 

 

「ふぅ、こんなもんかな」

「洸汰君、終わった?」

「え、あ、う、うん。後は、水で流せば終わり」

「じゃあ、私は脱衣所の掃除を始めておくね」

「う、うん、お願い、壊理ちゃん」

 

 俺の名前は出水洸汰。ヒーローを目指す中学三年生。

 俺は今、叔母が所属するヒーローチームが経営する合宿場に居る。それは何故か。プッシーキャッツの皆に鍛えて貰う為だ。まぁ、鍛えて貰う対価として、今度雄英高校のヒーロー科が林間合宿に来るから、準備の手伝いをさせられてるんだけどね。

 幼馴染みで同じくヒーローを目指す、斎日壊理ちゃんも一緒。夢は、二代目リカバリーガールなんだって。

 俺達は今、施設にある露天風呂の掃除を任され、掃除をしている真っ最中。昔から、可愛いかったけど、もうすっかり、体も女性的な丸みを帯びてきたというか、凹凸がしっかりしてきたというか。体操服の袖や裾を限界まで捲り上げて、さらけ出された二の腕とか太股とか、意識しないという訳にはいかなかった。

 顔が赤くなっている事を悟られない為に、さっと顔を背けたけど、気付かれてないよな?そんな不安にかられながら、指先から水を噴射して泡を流していく。

 

「何かあったら、治崎さんとか筒美さんとかが恐いもんなぁ。本当に、何事もなく終わります様に」

 

 ···フラグに、ならないよね?

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「あの、洸汰君、大丈夫?」

「だ、大丈夫。壊理ちゃんは?」

「洸汰君が庇ってくれたから」

 

 即落ち二コマかよ。

 俺と壊理ちゃんは、倉庫の整理をしていた。ボロくなって使えそうに無い物とかの選別や、新しく買った物の搬入とかを。

 で、壊理ちゃんが脚立使って、上の物を取ろうとした時に、運悪く足を滑らせてさ。それは、近くに居たから普通に受け止めれたんだけど、壊理ちゃんが足滑らした拍子に脚立も蹴っ飛ばしちゃって、ぶつかったりなんだりして、俺達の上に物が降ってきた訳で、慌てて覆い被さるようにして壊理ちゃんを守ったんだけども、物の見事に埋まって身動き取れなくなってしまったのだ。

 体勢としては、壊理ちゃんが床に仰向けになってる上に、俺が四つん這いになってる感じ。幸い、降ってきた物は良い具合に噛み合って、俺達の居る空間だけぽっかりと空いている感じだから、潰れるのを頑張って耐える必要が無い事が救い。我ーズブートキャンプの筋肉痛が、まだとれてないから。でも、ちゃんと突っ張れないから結構キツイ。

 

「携帯、持ってる?俺、部屋に置いてきたから」

「ごめんなさい、私も置いてきちゃった」

「そっか。じゃあ、どうにか自力で脱出するか、プッシーキャッツが気付いてくれるのを待つしかないか」

「私、出れるかどうか見てくる」

「えっ?」

 

 壊理ちゃんが、ズリズリと上に向かって移動し始めた。いや、脱出する為には行動あるのみだけど、今はマズイ。何故って?分かるだろ、向かい合ってるんだぞ?顔と顔が同位置で同方向向いてんだぞ?そっから、頭方面にずれてみろ。そうだよ、俺の顔の真正面に、お母さんとマンダレイ叔母さんとかがしてる様な下着を着けた、確かにそれと分かる膨らみがあるんだよ!!ちょっと顔を横に振れば、鼻先が当たっちゃう位にあるんだよ!!柔軟剤の臭いなのか壊理ちゃんの匂いなのか分からない香りが鼻を抜けてもうクラクラしてんだよ!!!

 

「やっぱり、ダメみたい。私の力じゃ動かせそうにない」

「そ、そう。じゃ、じゃあ戻った方がいいよ」

「うん。······あっ!」

「ど、どうかした?!?」

「な、なんでもない!!ちょっと、服が捲れそうになっただけだから」

「そ、そうなんだ···」

 

 見ちゃった。おへそ見ちゃった。ダメだ、耐えろ俺の俺!!今ここでStand upしたら、確実に壊理ちゃんにバレる!!そうしたら、絶対に治崎さん達にバレる!!!殺される!!!

 思い浮かべろ、虎さんのムキムキ筋肉を!!あの筋肉で締め上げられる感触を!!!よ~し、いいぞ、そのまま大人しくしいろよ。

 

「洸汰君、いいよ」

「へっ??」

「腕、しんどいよね。私に、のしかかっていいから」

「そ、それは!!」

「だって、私が不注意でこんな事になっちゃったんだから。それに、もし上の物のバランスが崩れた時、洸汰君に力が残ってなかったら、二人とも潰されちゃうから。だから、それまで私の上で休憩してて、洸汰君」

「壊理ちゃん······」

 

 そう言って、ニコッと笑う壊理ちゃん。本当に良いのか?いや、確かに壊理ちゃんの言うことにも一理ある。もしもの時に、俺がへばってたらアレだし、何より本人からの了承もある、今ここで腕の力を抜いた所で俺は悪くない。そうだ、俺は悪くねぇーー!!!

 

「じゃ、じゃあ、ちょっとだけ···休憩を」

「うん、いいよ、きて」

 

 壊理ちゃんが、ソッと俺の頭を優しく包み込むように腕を伸ばし、自身の胸へと誘った。俺は、その誘いに導かれる様に、腕の力を抜い、

 

ドドドドドドドドズバン!!!

「洸汰お兄ちゃんを誘惑する女狐はここですか!!!」

「壊理姉ちゃん大丈夫?!?襲われてない!!!」

「「て、なんじゃこりゃーー!!!」」

「はっ!!その声は伝に巡君か?!誰か呼んできてくれ!!埋まって動けないんだ!!壊理ちゃんも一緒だ!!」

「なっ!!!今すぐ助けてあげるのです!!"メーデーメーデーお母さん!!!"」

 

「はぁ、これで大丈夫そうだな」

「······ちょっと、残念だったね、洸汰君」

「へっ?!?!」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「あの、治崎さん···」

「何だ、小僧」

「あの、壊理ちゃんと付き合いたいって言ったら、どうします?」

「······もし、本気で壊理と一緒になりたいなら、せめて雄英体育祭で一位を取れ。それ位の力が無ければ、あの娘は託せない」

「は、はい!!!」

「一位を取ったからといって、許すわけではないからな。おい、待て小僧!!!」

 

 

 この二年後、雄英体育祭で金メダルを首に掛けた出水洸汰による、大公開告白が行われるのだが、それはまたのお話。

 

 

 

 




ふと、100%な苺のラブコメを思いだしたので突発的に。私は東が推しでした。

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