八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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劇場版四作目、早くとも上映終了までは書かん方が良いよなぁ。正直、劇場版ラスボスとして、ダークマイトさん好きすぎるんですわ。



「OFA」

 

 

 

 

「やぁ、緑谷少年」

「お久しぶりです、オールマイト」

「おいおい、緑谷少年。私はもう、八木俊典というただの一般人だよ」

「それを言うなら、僕こそ、もう三十路なんですから、少年って歳じゃないですよ」

「ああ···そうだね。取り敢えず、ビールでいいかい?」

「はい」

 

 とある高級料亭の一室。

 こういう所に来れる位には、稼げる様になったとはいえ、根っからの小市民としては、こういった所はいまだに慣れない。

 

「さて、相談事があると聞いてはいるが、一先ず、君の活躍と再会を祝して、乾杯」

「乾杯」

 

 グラスをカチンと合わせて、オールマイトが注いでくれたビールを喉へ流し込む。酒豪なお茶子さんに付き合わされて、色んなお酒を飲んできたけど、今まで飲んできた中でトップ3に入る位美味しい。他のランクイン?二十歳の記念にオールマイトがくれた、お茶子さんが恐れ多くて飲めへんと目を回す位高いお酒と、結婚祝いにオールマイトがくれた、これまた最高級なお酒かな。

 

「こうして、落ち着いて会うのは、二年前、お師匠が亡くなって以来かな」

「···グラントリノのお葬式から、もうそんなに立つんですね」

「本当にね」

 

 二年前、くしくもその日は、七代目OFA継承者にしてオールマイトの師匠、トムラさんのお祖母さん、志村菜奈さんの命日だった。

 前日、共に墓参りに行く約束をしていたトムラさんが、自宅のベッドで安らかに眠られているグラントリノを発見した。その遺骨は、本人の希望通り、七代目のお墓の横に建てられたお墓に納められている。

 

「ああ、そういえば、今季No.1おめでとう」

「ありがとうございます。まぁでも、次はNo.1から引きずり下ろされてるかもですけど」

「ルミリオンを筆頭に、ダイナマイト、ショート、ルミナイネン、下にもNo.1候補はゴロゴロ居る。中々、不動のNo.1とはいかないね」

「簡単に明け渡す気はありませんけどね」

「その意気だ、デク」

 

 そうして、料理やお酒を楽しみつつ、互いの近況を語り合った。互いに話題は尽きないけれども、御膳が下げられたのを機に、一度会話が止まる。

 

「···そろそろ、本題に入ろうか?」

「···はい。一昨日、お茶子さんが士郎を連れて、個性の診断に行ってきました」

「···結果は?」

「僕と同じ、無個性でした」

「そうか···継がせるのかい?」

「···悩んでいます」

 

 お茶子さんから、その報告を受けた時、真っ先に思い付いたのは、僕がオールマイトから受け継いだ力、OFAを息子に受け継がせる事。

 でも、僕がヒーローを目指していた時とは違い、今はヒーローを目指す以外にも、様々な道がある。本心ではないとは言え、"大丈夫だよ、父さん。無個性だからって何も出来ない訳じゃない。例えヒーローは無理でも、なりたい自分になってみせるから"、と泣き跡を残した笑顔で言った息子に、この力を渡す事が、本当に息子の幸せに繋がるのか、お茶子さんと話し合っても、答えは出なかった。

 

「ヴィラン犯罪も減って、僕達みたいなヒーローの需要は、ハッキリ言って下がっています。息子は息子なりに、現実を受け入れて前を向こうとしている。そんな息子に、この力は不要なのかも···」

「···正直、君に出会う前の私は、OFAを私の代で終わらせるつもりだったんだ。因縁のあったAFOは既に無く、先代達の悲願は叶った。故に、もう終わらせようと。だが、私は君に出会い、託したいと思った。あの日あの時、誰よりもヒーローだった無個性の君に。君が、ヒーローとして活躍する姿を見たくて、ね」

 

 あの日の光景は、今でも鮮明に覚えている。

 

「先ずは、君がどうしたいかだ。その上で、士郎君と本音で話し合いなさい」

「···」

「君と士郎君が、どんな結論に達したとしても、私···いや、私を含めた歴代継承者全員が、それを尊重するよ」

「···はい!!」

 

 オールマイトの後ろに、九人の人の姿が見える。皆、笑顔で頷いている。

 

「あっ!もし継承させるってなったら、時期は慎重にね。しっかり体を鍛えてからじゃないと、パーンてなっちゃうから」

「あ、はい」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「アドバイス、貰えた?」

「うん、貰えた。明日って、お茶子さんも休みだったよね」

「うん、そやね」

「三人で、行きたい所があるんだ」

「行きたい所?」

「うん、僕がオールマイトから、OFAを受け継いだ場所。僕が、ヒーローになる為の本当の一歩を踏み出した場所に」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「あ、緑谷少年?ちょっと依頼したい事があってね。

 ほら、OFAを士郎君に受け継がせるって言ったじゃない?という事は、緑谷少年は個性を失って無個性になるって事だよね。ヒーローも引退するつもりなんだろ?

 今さ、デイヴがメリッサと面白い物を研究·開発しててね。その名も、"アーマード·システム"。元々、OFAを無くして無個性になった僕が、無茶して飛び出しても大丈夫な様にって研究してたらしいんだけど、だったら君に使って貰おうかと思って。

 まぁ、実際はテスターなんだけどね。これが完成すれば、色んな人達の手助けになる世紀の大発明間違いなし!!

 どうかな?引き受けてくれないかな?」

 

 

 

 




取り敢えず、本作でのOFAはこんな感じで。
因みに、本作の劇場版四作目で、トムラが一時的に10代目になるという脳内エピの設定を持ってきたので、"オールマイトの後ろに、九人の人の姿が見える。"の部分は、全盛期オールマイトとトムラ含めた継承者全員が見えている、という感じです。

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