「はい、皆お疲れさまでした~」
「「「「「「「相澤先生!!!!」」」」」」」
飯田君が盛大にババーンと〆てくれたのに、相澤先生がすんごい気の抜けた感じで私達の前に降りてきた。階段はボロボロだから、白雲さんの雲に乗って。何故か、13号先生が四つん這いになって凹んでいる。
「先生!!これはいったいどういう事でしょうか!!」
「今日のヒーロー基礎学は、救助訓練じゃなく"ヴィラン襲撃緊急対応訓練"だっただけだ。まぁ、合理的虚偽って奴だよ」
「「「「「「ええええええ???!?!」」」」」」
「じゃあ、あの人は!!?災害ゾーンで襲って来た人達は!!!?」
「今回、ヴィラン役をやって貰ったプロヒーローとそのサイドキック及び対ヴィラン訓練ヴィラン役派遣会社"ヴィラン連合"の皆様だ」
「崩壊ヒーロー"トムラ"だ。ま、ガキなりに良くやったんじゃねぇか?」
「崩壊ヒーロー"トムラ"!!若手ながら神野区にヒーロー事務所を構えて多数のサイドキックと共に、主に災害救助等で活躍するアングラヒーロー。余りメディアに出る事がないからそんな一般には知られてないけど、実際に助けられた人達がネットに情報を流した事でそっち界隈のヒーローファンに広まりだして裏期待の若手ヒーローランキングに名前が載る様になった人だ!」
「く、詳しいね、デク君」
急に早口で喋り始めた緑谷君の対応はお茶子に任せて、取り敢えずお父さんの発掘をしましょかね。
「峰田君に三奈、オールマイト先生発掘するの手伝って」
「「え?」」
▼▼▼
「まさか、転孤さんがヴィラン役だなんてね~。とっても似合ってましたよ」
「黙れ。冬花さんの依頼かつOFAの事がなきゃ受けてねぇよ」
「やっぱそれだよね~。で、どうだった?転孤さんから見た緑谷君の感想は」
お父さんを発掘し終え、USJ内は損壊が激しいということで外に出て、皆それぞれのゾーン毎に別れて、相対したトムラ事務所のサイドキックさん達から講評を受けている真っ最中。焦凍はお母さんが相手だったんだね、巻き添えの障子君可哀想に。
私は、お父さんが着替えて戻って来るまで崩壊ヒーロー"トムラ"こと志村転孤さんと駄弁り中。
「まぁ、最低限って所だ。取り敢えず、あのさぁ今から個性使うぞっていう意識を無くしてからだな」
「そこは仕方ない。個性に関しては、生後三ヶ月の赤ちゃんだからね~緑谷君は」
「どちらかというと、補助輪無しで自転車乗り始めたガキだろ」
「だから、感覚掴むまで転けて怪我しながらだよ」
トガさんから講評を受けている緑谷君を眺めていると、コンプレスさんから講評を受けていた筈のかっくんがやってきた。
「どしたの、かっくん?トイレ?」
「んな訳あるか。あんたんトコの社員に社長から話を聞けって言われたんだよ」
「ちっ、帰ったら書類倍にしてやる。お前、名前は?」
「爆豪勝己」
「爆豪、個性は掌からニトロの様な汗を分泌して爆破する個性だったな。お前に言える事は二つ、収束と言葉だ。お前の爆破、牽制や目眩まし目的ならいいんだが、攻撃って点だと無駄が多い。威力が逃げちまってる。大技使わなくても、普通の攻撃でダメージ出せる様に爆破をもっとピンポイントに出来る様になれ」
「···で、言葉ってのは」
「その口調だよ。直せなんて言わねぇよ、でも取り繕う位は出来る様になれ。じゃないと、仮免落ちるぞ」
「うん、落ちる。絶対落ちて補講プログラムからの再試験コースだよ」
「話に入ってくんじゃねぇ!」
「俺らは暴れるヴィラン倒すのが仕事じゃない、困ってる人を助けるのが仕事だ。お前、災害現場で救助を待ってる人に向かってどう声かける気だ?腕っぷしだけでなれる程、ヒーローは甘かないんだよ」
「経験者は語るねぇ」
「黙れ。もしそっち方面で悩んだら、ベストジーニストを頼れ。俺の名前出せば、無下にはされねぇよ。反射神経は悪くねえし状況判断も出来てる。こんな事で躓く暇、お前にはないんだよ」
「···ッス、ありがとうございました」
お父さんと話してる時みたいに素直!!って驚いてる間に、かっくんはグループに戻っていた。入れ替りで、いつものヒーロースーツに着替えたお父さんが戻ってきた。
「HAHAHA、待たせてすまないね。では、八木少女の講評をしようか」
「は~い、お願いしまーす」
▼▼▼
「うああああーー!ぼくのゆーえすじぇいがーーー!!!」
「はいはい、悲しかったわね。ほら、お水飲んで落ち着きなさいな」
居酒屋の個室に響き渡る13号の声。
目の前でボロボロになっていく我が子?を見て、最終的には膝をつく位までショックを受けていた彼女の為に、ミッドナイトとマイクが打ち上げと称して飲みに来てまだ30分。
ミッドナイトの制止も効かず、いつもの三倍の早さでアルコールを摂取していた13号は、既にぐでんぐでんに酔っぱらっていた。
「しかし、オールマイトの捕縛までやってしまうとは、今年の一年は末恐ろしいですね」
「手を抜かれた上で、取り敢えず生徒がしてきた事は受けるという縛りがあったからこそです。アレで調子に乗るようだったら、すぐに除籍処分にします」
「手厳シイナ。ダガ、入学シテ間モナイコノ時期二、アレホドノ連携ヲ実行出来タ事ハ評価スベキダロウ」
「そうだぜ、イレイザー。たまには飴やんのも必要だYO!!」
「つっても、オールマイト捕まえた瞬間の消太の顔は凄かったけどな。物凄い満面の笑み、幼児だったら泣いちゃいそうな」
「煩いぞ、白雲。というか、何でお前がここにいるんだ」
「私が誘ったのよ。折角だから、かつての三馬鹿揃い踏みしてる所見たかったのよ」
「俺は、コイツらに巻き込まれてただけの被害者ですよ」
「んな悲しい事言うなってブラザー」
「香山先輩の着替えを覗く為に頑張った、あの輝かしい青春の日々を語り明かそうじゃないか」
「せんぱ~い、ぼくをなぐさめてくださいよ~~」
「やめろ、山田。そんな青春は無い、白雲。抱きついてくるな、酒臭いぞ13号」
「いやです~、せんぱいがなまえでよんでくれるまではなしません~」
「······懐カシイナ」
「ええ、まったくです」
「あの、止めなくてよろしいので?」
翌日、痛む頭を抱えながら相澤先生に平身低頭する13号先生の姿があったとかなかったとか。
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