八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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「嫁うつし」

 

 

 

 

「携帯見て、何ニヤニヤしているんだ」

「ん?ああスマネェ。治崎も見るか?どうだ、可愛いだろ」

 

 託児所の説明会という事で、トムラ事務所に呼ばれた俺は、事務所の会議室で、子供を預ける予定の秀一やトムラ達と、責任者であるマグネを待っていた。

 隣に座る秀一が、携帯の画面を見て、顔をだらしなくしてるのが気になり問いかけてみると、俺にその画面を見せてきた。

 そこには、抱いている子供に優しく微笑むマンダレイの写真があった。

 

「···まぁ、そうだな」

「だろ?治崎は何かないのか?」

「······いや、俺は···あまり」

「勿体無いよ、治崎。子供の成長記録みたいなものだし、撮った方がいいよ。ほら、こんな風にさ。トムラ達も、色々撮ってるだろ?」

「···まぁな」

「当然」

「これ見て笑えよ」

 

 秀一の向こうから、白雲が携帯の画面をこちらに向ける。そこには、元気に笑う子供とピクシーボブ。トムラの方は、子供を胸の上に乗っけて眠るミルコの写真。コンプレスは、リューキュウと共に、赤子の頬に両方から口付けしている写真。荼毘に至っては、エンデヴァーがみるからにしょんぼりした顔で、大泣きしている子供を、苦笑しているバーニンに手渡している所を写した物だった。

 

「そういうのは、壊理や親父が残している」

「んな事言って、0じゃねぇんだろ?見せてみろよ」

「·········あっ!おい!!白雲!!」

 

 どうしようかと逡巡していると、勝手に俺の携帯が宙を浮かび、白雲の手元に。個性で出した雲で運びやがったな。

 

「ブッ!!意外だね、治崎がこういうのを壁紙にしてるなんて」

「何でパスワード分かってんだ貴様!!」

「そりゃ、いつも目の前で見てるからね」

「どれどれ?」

「どんな写真なんだ?」

「あ、お前ら勝手に見るんじゃねぇ!!」

「はいはい、少し大人しくしていようね~」

「HA·NA·SE!!!」

 

 他の奴らが、俺の携帯を覗き込む。取り返そうとするが、コンプレスに羽交い締めにされて阻止されてしまった。

 

「おいおい、ナガンばっかじゃねぇか」

「自分だけが知る奥さんの姿って所かな?」

「···お前、なんだかんだ、ベタ惚れなんだな」

「ち、違!たまたまだ!!」

「たまたまねぇ~。ナガン以外が写ってる写真、片手で数える位しか無いのに?」

「勝手に漁るんじゃねぇ!!!!」

「お~い、こっちにも見せて頂戴な」

「ああ、ごめんごめん、ミスター。これが、治崎が壁紙にしてる写真だよ」

 

 白雲が、俺を羽交い締めにしているコンプレスに、俺の携帯の画面を向ける。必然的に、俺にも向ける訳で。

 そこには、後ろで腕を組み、笑みを浮かべて見下ろし気味に目線を向ける、ヒーローコスチューム姿の火伊奈。産後、初めて袖を通したコスチュームを、ちゃんと着れた事を自慢気に報告してきた時に、思わず撮ってしまった写真だ。

 他にも、壊理からの誕生日プレゼントで貰った、可愛い兎のぬいぐるみキーホルダーを、目をキラキラさせて眺める火伊奈。酔い潰れて、机にだらしなく突っ伏す火伊奈。キッチンで、此方を振り向くエプロン姿の火伊奈。壊理にかと思いきや、自分のコレクション用にと、ビッグサイズなぬいぐるみを前に購入するか悩んでいる火伊奈etcetc。こんな、思わず撮ってしまった写真ばかり。

 別に、壊理や巡が一緒だと、俺はいつも写る側だから、俺の携帯では撮っていないってだけだからな。

 

「さてさて、動画の方はどうかな~?」

「あ!やめろ!!そっちはガチでやめろ!!」

「そう言われると、見たくなっちゃうよね~。おや?怪しげなフォルダを発見。中身は······」

「やめろーーー!!!!!」

「···中身はなんだ?マスター······治崎」

「お前、そんな趣味だったんだな」

「壊理ちゃんが弟を所望してたから、なんて言い訳しといてコレか~」

「殺せ!!今すぐ殺せ!!!」

「はいはい、どうどう。死んだら哀しまれるよ~」

「俺は死んだんだ!!!(社会的に)」

「アンタ達、煩いわよ。ほら、説明会始めるから、ちゃんと席に着きなさい」

 

 マグネ、もう少し早く来てほしかった。今なら、八つ当たりで上半身消し飛ばしやれる気しかしない。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「···なぁ、聞いたか?」

「何をだ」

「火伊奈さんの話」

「···どれの事を言っているのかしら」

「そう聞き返す時点で、分かってるって白状している様なものでしょ」

「まさか、あの治崎がねぇ。いや、あのペストマスク着けてる時点で、人とは違った感性してるとは思ってたけど」

「萌は無いの?この中でやっていそうなの、交際期間の長い貴女と荼毘位だと思うのだけど」

「そりゃ、十年も付き合ってれば何回かはあるけど」

「マスターさんも、面白がってしそうな気がする。どうなの?流子」

「え?ああ···その、一回だけ···ね」

「やっぱり」

「アレって、実際どうなの?」

「どうって···まぁ、ちょっと恥ずかしい···位?」

「···そうね、そんな位」

「大して変わんねぇだろ、する事は一緒じゃねぇか」

「ごめんなさい、遅くなってしまって···何?皆してその目は。凄く嫌な予感がして、今すぐ帰りたいのだけど」

「まぁまぁ、いいから座りなよ」

「ええ、早く座って」

「ほらほら、座る座る」

「待ってたの、座って頂戴」

「いいから座れ」

「······座ったわよ」

「「「治崎と、二回に一回ハ◯撮りしてたって本当?」」」

「はぁ?!?!!?!」

 

 

 

 




例のアニメ154話公式イラストのナガンを見て、突発的に書いてしまった。アレでもうすぐアラフォーとか、やべぇな。
え?オバホさんに生えた変な性癖?知らん、勝手に生えた。

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