「「「おやおやおや~」」」
「な、なんやの?三人して」
ヒーローコスチュームに着替える私達。
もうすぐ卒業·プロデビューを迎えるに当たって、被服控除が使える学生の内に、ヒーローコスチュームの改良をしてしまおうと色々やっている。
まぁ、今さら大々的に変える人は居ないから、やっても細かい所(女子は、胸回りがキツかったり、お尻回りがキツかったりで、そこら辺の手直しが殆ど)なんだけどね。
んで、こちらに背を向けて着替えるお茶子が、何やら首元のパーツを撫でているのが目に入って、気になって三奈と透と覗き込んでみると、まぁなんとも顔がニヤける光景が目に飛び込んで来たじゃありませんの、奥さん。
「ねぇねぇねぇ!それってさ、緑谷君とおんなじだよねぇえ!!」
元々、酔い止めツボ押し機能のあるピンクのネックパーツがあったと思うけど、今そこにあるのは、お茶子の彼氏である緑谷君のヒーローコスチュームに着いてるマスク、その下半分に見える様なデザインになっていたのである。
「あ!本当だ!ソックリ!!」
「お揃い!?お揃い?!?」
「しかも、よく見たら少々使い古した感のある」
「「「さぁ、説明してもらおうか!!!」」」
「はうっ!!?!?」
三人でお茶子にトーテムポール壁ドンして迫る。
助けを求めて周囲に目配せするお茶子だけど、皆空気を呼んで助け船は出さない。こうやって、恋バナやらなんやらで騒げるのも、後ちょっとだもんね。
「まずは、その首の奴、緑谷君が使ってた奴だよね?」
「···う、うん、デク君の」
「何で、それにしたの?」
「···デ、デク君が······」
「緑谷君が?!!」
「···お揃いの何かが欲しいって言ったから」
私らの質問に、頬を赤くして、顔を反らしながら答えるお茶子。もう、私らのイジリに馴れきって、こんな恥ずかしそうな反応してくれなくなってたから、もうテンション上がっちゃうわ~。
「どんな風に?!?」
「······」
「吐くまで逃がさないよぉ~」
「······コスチューム、爆豪君とデザイナー一緒やから、似とるとこあるんよ。デク君、それに気付いて、"僕もお茶子さんとお揃いの何かが、欲しいな"って言っとって」
「ふんふん、それで?」
「この前、デク君、インターン中にマスクの上半分割れたんよ。治すにしても、それ破棄になるからって、ならそれをデザインし直して着けようって」
「へ~、それの結果がこれなんだ」
「緑谷の、お茶子は僕のモノって主張がヒシヒシと伝わってくるよ」
「一年の時のクリスマス、プレゼント交換で当てた緑谷君のプレゼントも、ちゃんと着けてるもんね」
「ピンクの部分、緑に塗らないの?」
「塗らへんよ!!!」
かっくんとか焦凍みたいに、分かりやすく目立つ感じで所有権示してはいないけど、緑谷君の隠れてるけどオーラバリバリな主張も良いなぁ。
まぁ、良いなぁってだけで、かっくんが緑谷君みたいな事してきたら、大丈夫?ってなるけどね。もう、こう強引にガッとしてくんないと満足出来ない体にされちゃってるからな~。
「緑谷は、お茶子の何かを着けてたりしないの?」
「え?ああ、そっちは無いかなぁ。ほら、デク君のって色々アイテムとか着けとるし、デク君側がいじるのは、ちょっと難しいんよね」
「でもさ~、緑谷君の一番最初のコスチューム、まさしくオールマイトをリスペクトしましたって感じだったよね?なら、何とかしそうな気もするけど」
「実際、どうだったの?」
「·········ピンクの差し色入れるとか言っとったんやけど、私と引子さんとで、それはダメって説得した」
「え~、何で~?」
「···············だって、恥ずかしいやん」
「「「今さら、そこ恥ずかしがるの?」」」
「恥ずかしいもんは恥ずかしいんよ!!もう全部話したやろ!私、先行くから!!」
そう言って、更衣室から出ていったお茶子。さて、緑谷君とセットでどうイジッてやろうかしら。
▼▼▼
「緑谷、お前羨ましいな」
「えっ?突然どうしたの?轟君」
「麗日、お揃いにしたろ」
「あ、やっぱそうだよな」
「首の奴、何か見覚えあると思ったら、確かにそうだ」
「良いよなぁ、お前ら。俺なんて、ジャケットの背中、一緒の柄にしようぜって言っても、響香に普通に拒否られたんだぜ」
「いや、お揃いにする余地があるだけ良いだろ。俺なんて、どう唯とお揃いにすりゃいいんだって話だ」
「色合わせるより、緑谷と麗日みたいに、何か分かりやすいアイテムとかが良いよな」
「そうだよなぁ」
「ハッ!くだらねぇ。コスチュームにどうこうした所で、ヒーロー活動になんの意味もねぇだろうが」
「そう言うなって、爆豪。モチベ上がって、パフォーマンス上がるかもじゃん?」
「ケッ!んなもんで左右される程、俺はんなクソメンタルしてねぇんだよ、雑魚どもが」
「···かっちゃん」
「んだよ、デク」
「かっちゃん、お茶子さんとお揃いだって理解してる?」
「作ってんのが一緒のとこってだけだろうが。ブランド一緒と変わんねぇだろうが」
「僕がどれだけ、その黒い丸を引きちぎってやりたいと思ってるか知ってる?」
「し、知るかボケェ!!」
この日以降、緑谷君の前でコスチュームの一部を、心なしか隠すかっくんの姿が見られたとかなんとか。
単行本最終巻か何かで、大人お茶子のヒロコスについて語られる事願ってます。
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