八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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唐突に降りてきたので
あくまでもifの物語としてお楽しみください


番外編「あり得るかもしれない未来のお話~お父さん編~」

 

 

 

「やぁ、お待たせ」

「気にするな、俺も先程着いた所だ」

「いらっしゃい、オールマイト。何にしますか?」

「ああ、いつもので頼むよ」

 

 クリスマスを終え、世の中は年末へという時期、唐突にオールマイトから飲まないかと誘いがあった。こんな忙しい時期にと思っていたが、妻から意味深な顔で行ってきなさいと言われ、息子や娘達からも追い出される様に定時で上がらされ、仕方なくここにいる。

 

「じゃあ、取り敢えず乾杯」

「ふん」

 

 静かな店内に、ガラスの当たる音が響く。

 

「···細くなったな」

「当然さ、僕はもう70の老人だよ。雄英教師も退職してるし、時折講演会やアドバイザーとして呼ばれる位で、妻と悠々自適に暮らしているだけだしね」

「···俺も、人の事は言えんか」

「何かあったのかい?」

「流石に、俺も歳には勝てん。体力、筋力、熱への耐性、何より純粋な火力が落ちた。今の俺のプロミネンスは、調子が良い日で、ショートのジェットバーン並みだ」

「···引退するのかい?」

「少なくとも、俺をNo.1から引き摺り下ろす奴が現れるまでは現役だ。それに、燈矢や焦凍から61まではやれと言われるしな」

「何でそんな中途半端な」

「せめて、現役年数位はお前を越えろとの事だ」

「HAHAHA!!!それは、隠居生活はまだまだ先になりそうだね」

「···それで、俺に何の用だ。まさか、こんな世間話をする為に呼んだ訳ではないだろ」

 

 そう問うと、奴はグラスに残った酒を一気に呷り、静かに口を開いた。

 

 

「······雪花がね、お母さんになるんだ」

「なっ!·········そうか···そうか」

 

 雪花が、母親になるのか。

 

「これで、僕も名実共にお爺さんって訳だね」

「···ショートやデクの所も、先月クリエティとウラビティのヒーロー活動自粛を発表していたな」

「何とか間に合ったって言ってたから、話を合わせて狙ってたんだろうね」

 

 こっ恥ずかしそうな顔のダイナマイトを従えて、満面の笑みでピースしながら報告する雪花の姿が、ありありと目に浮かぶ。

 

「まぁ、なんだ。おめでとう、義弟よ」

「!···ありがとう、義兄さん」

 

 今日位は娘の顔を立てて、素直に祝ってやろう。

 

「それでさ~、祖父として何用意しておけばいいかな?オムツ?パジャマ?ベビーカー?ベビーベット?いっそのこと家ごとプレゼント···」

「何もするな」

「え?」

「何もせず、黙って金だけ払っていろ」

 

 えー、みたいな顔をするな、お前が雪花に対してやっていた事を思い出せ。

 

「焦凍が使っても余る程に新生児用のオムツを大量購入し、無駄に防犯装備過多で俺ですら押すのに苦労したベビーカーを作らせ、どの様に成長するか分からないのに七五三の衣装を買い揃え、俺に無断で屋敷の一角に子供部屋を建ててランドセル·勉強机·文房具各種を総揃い。これを全て0才の間に行ったのだぞ、貴様は」

「そ、そうだったっけ?」

「AFOを打倒、師の血縁者との出会い、我が子の誕生と貴様にとって嬉しい事が続いた興奮のままに暴走したのだろうが、また白米と梅干しだけの生活を送りたいのか!!」

「······冬花さんごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい、どうか愚かな私に味噌汁一口だけでも······ハッ!!!」

「だからこそ、貴様は何もせずに黙って言われた通りの物にだけ金を払え」

「···うん」

 

 




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