八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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累計200話記念「OFAの中の人達」

 

 

 

 

「キャー!!ルナちゃんかーわーいーいー!!!見せて、もっとその愛らしい顔を見せて!!!」

 

 ここは、OFAの謎空間。

 かつては、周囲を嵐にでも取り囲まれている様な浮き大地に、人数分の座り心地の悪そうな椅子が並んでいただけの殺風景な空間だった。

 それが今では、至る所にモニターが浮かんでいて、八代目や九代目の視界を通して、七代目の曾孫さんの映像が流れている。

 

「初代、ここも、大分七代目に侵食されてきましたね」

「フフ、そうだね」

「まぁ、AFOが打倒されて、俺らはもう未練とか無いっすからねぇ」

「数年前は、七代目の周りにだけ、八代目の娘が映るモニターがあっただけだった」

「八代目がAFO倒して、皆で燃え付き症候群なってた所に、七代目が大慌てでやって来た時には驚いたさ。八代目の嫁が危ないって。何事かと思いきや、八代目の性行為を見させられながら、多大な協力をしてくれた嫁さんに、全員でエネルギー送りまくったのは良い思い出さ」

「ただただ、気まずかっただけだ」

 

 一番大きいモニターにかじりついて、目をキラキラさせながら鑑賞している七代目の背中を見ながら、苦笑混じりに話す僕達。育った環境からか、性欲という物にとんと縁が無かった自分だけど、確かにアレは刺激が強すぎたね。途中から、ただ無心で七代目の指示に従っていただけだったし。

 

「アレの影響なのか、時折外の様子を見れる様になって、暇潰しにはなってるさ。でも、流石に九代目の坊主が、恋人ちゃんとシてる所は無しにして欲しいさ」

「仕方ない。七代目が、"あの俊典にそっくりな子だ。何しでかすか分からない"って、恋人の子を心配して監視しているからな」

「ルナちゃ~~ん♥♥♥♥」

 

 どこから用意したのか、曾孫さんの写真を貼った団扇を両手に持つ七代目。

 

「つっても、俺らいつまでこうしてるんすかね」

「さぁな。AFO打倒後、そこの八代目の様に、ただ陽炎の様に在るだけの存在になりそうだったのを、七代目に叩き起こされた様なものだからな」

「OFAの継承が途絶えるまで、だろうね」

「ま、本体はとっくのとうに死んでますし、俺達はあくまで、OFAの中に残ってる残留思念ですからね」

「九代目も、俺達の個性の使い方を教えるのが必要ない位、しっかり使いこなしてるさ。本当に、七代目みたいに、外の様子を楽しむしかやる事がないさ」

「あ!空彦!!私はまだ堪能しきってない!!ルナちゃんを早く俊典に渡せ!!!お前は散々抱っこしてるだろ!!!」

 

 曾孫さんが、八代目の視界から消えてしまい、画面に思い切り両手を叩き付けて叫ぶ七代目。しばらくすると、モニターに背を向けて、とある所へ歩いていく。

 そこは、九代目に用意された椅子。

 

「こうなったら、出久君の体を借りて直接」

「待つさ!!待つさ!!今はダメさ!!!」

「いやいや、今じゃなくてもダメでしょ!!じゃなくて、今九代目は彼女さんと遊園地デートの真っ最中だから!!!」

「落ち着け、七代目」

「いーやーだー!!この手でルナちゃんを抱くんだーー!!」

「うわ引き摺られる!!初代とかも手伝ってくださいよ!!」

「アハハ、僕、もやしだから」

「面倒だ」

「七代目が頑張ったって、九代目は恋人さんに夢中だから、意識を乗っ取るなんて無理だ。ほっといても大丈夫だ」

「そうは言ってもさ、うおっ!!」

 

 四代目、五代目、六代目が、ズンズンと進む七代目のマントを掴み、何とか歩みを止めようとしてるけど、ジリジリと引き摺られてる。この中で、彼女が一番覚醒してるから、その分力が出るんだろうね。

 え?八代目?八代目の中にあるのは、もう小指の先程になってしまった残滓だから。

 

「ル~ナ~ちゃ~ん!!!今!!!曾祖母ちゃんが行くからね~~~~!!!!!!」

「「「行ーくーなー!!!!!」」」

「「「アッハッハッハッ」」」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「っ!!!」

「デク君、どしたん?」

「い、いや、何でもないよ、お茶子さん。次、何のアトラクション行く?」

「ん~、さっきから私ばっか選んどるし、次はデク君が決めて」

「え!う~ん、そうだな~」

「何でもええよ」

「じゃあ···"子供を抱っこしたい"」

「······へ?」

「······アレ?今僕何言った!!?!?」

「······私ら、まだそういうんは早いと思うんよ。ま、まだ学生やし、こ、恋人やし、け、け、け、結婚とかしとらんし、ふ、ふ、ふ、夫婦ちゃうし」

「けけけけけっこ!!!ふふふふふ夫婦!!!!!」

「ああもう!デク君が変な事言うから!!罰として、お昼はデク君の奢りやからね!!」

「はいっ!!!」

 

 

 

「···お母さん、急にどうしたの?後ろから抱きしめてきて」

「···雪花、ごめんなさい。何だか無性に、したくなったの」

「···うん、まぁ、私も謎に、無性に子供抱っこしたい衝動が沸き上がってるけど」

「···OFAの影響かしら」

「···例の、七代目さんが何かやらかしてる?」

「···かもしれないわね」

 

 

 

「離せ!!儂ごと抱っこするんじゃねぇ!!!」

「す、すみません、師匠。な、何故か無性に!!」

「いいから降ろせ!!!」

「む、無理です!!さっきから頭の中で、お師匠様が形容しがたい形相で離すなと」

「はぁ?!志村!!オメェさんは大人しく天国で待ってろ馬鹿!!!!」

「おいコラ!!うちの娘挟んで何やってんだ!!!二度とうちの敷居跨がせねぇぞ!!!」

「···祖母さん」┐(´д`)┌ヤレヤレ

 

 

 

 




OFAの残留思念て、存在するのにAFO関係無いから、原作みたいにならない限り、現継承者が継承せずに亡くなるまで消えないんじゃないかと思う。
もしかしたら、成仏的な事になるかもだけど。


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