八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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「洸汰君危機一髪···?二発目」

 

 

 

 

 今日は、雄英体育祭。

 去年は惜しくも、鋏君に負けて優勝出来なかったから、今年こそはと思って望んだ二年目の体育祭。

 二回戦も突破し、決勝戦に上がることが決まった。父さんや母さん、信乃おばさんや秀一兄ちゃんに心操に(パチン)心操先生達、治崎さんにもエールを貰って、絶対優勝して、壊理ちゃんに告白するんだと決意を固めたお昼休憩。

 トーナメントも発表されて、順当に行けば、決勝で再び鋏君と当たる。絶対に勝つ。

 と、その前に、惜しくも二回戦を突破出来なかった壊理ちゃんに誘われた、決勝前のレクリエーションに参加しなくちゃ。種目は、ペアで参加出来て、かつ体力の消耗が少ない二人三脚借り物競走。二人三脚でトラックを回って、お題の紙を拾って、その紙に書いてあるモノを持ってくる。それを二回クリアすればゴールってルールみたい。

 何故か、トラックの周りに様々なコスプレ衣裳と簡易更衣室が並んでるのが気になるけど、まぁやれば分かる。

 

「よーい、スタート!!」

「「1、2、1、2、1、2、1、2」」

 

 スタートの合図と共に、壊理ちゃんと声を合わせて走り出す。ずっと、一緒に訓練とかしてきたから、お互いの呼吸を合わせるのなんて、わざわざ声を出す必要は無いけども、壊理ちゃんの体の感触とか匂いで、心が乱されるのを防止する為に、声を出して雑念を払っているんだ。

 そして、お題の紙が入った大きい箱の前に到着した。その中から、壊理ちゃんが一枚取ると、そこには、

 

「···ウェディングドレス(着用)、お姫様抱っこでゴールに」

「コスプレ衣裳と更衣室はその為か!!?つか、二人三脚は?!?」

「と、とにかく、お題をこなさなきゃ、洸汰君」

「う、うん」

 

 周りも、「えー!」とか「きゃー!」とか「嘘だろー!!」と、何か阿鼻叫喚な感じだけど、急いでウェディングドレスらしきものを探す。

 いや、探してたのは僕だけで、壊理ちゃんの目は一点に集中してたけども。もう、これ見よがしに鎮座している、ザ·ウェディングドレスにまっしぐら。一人で着れる?と思ったけど、ちゃんと、着付け担当の人も待機してらっしゃる。

 

「お願いします!!」

「ハイ!お任せ下さい!!」

 

 そんなに気合い入れる事?と思いながら、ドレスと共に更衣室に入っていく壊理ちゃん。

 チャイナドレスだったり、ミニスカ猫耳メイドだったりを着てゴールに走る男子達や、クリエティのヒーローコスチュームを着てゴールに向かうスレンダー系の女子とかという、なんともおいたわしい光景を見ながら待つ事しばし、更衣室のカーテンがジャッと開き、中から花嫁が現れた。

 

「···綺麗だ」

「ありがとう、洸汰君。皆さんも、ありがとうございました」

「「「いえいえ。どうぞ、お幸せに」」」

「はい!洸汰君、行こ」

「は、はい!!」

 

 純白のドレスを纏った、とても綺麗で美しくて眩い壊理ちゃんをお姫様抱っこし、着付けしてくれた人達に見送られながらゴールへ走る。観客席から、「ヒューヒュー」とか「羨ましいぞコンチクショー!!」とか「まだ嫁にはやらんぞー!!」ていう声援(?)が聞こえてくる。

 因みに、このウェディングドレス、謎技術で殆ど重さが無いみたいで、僕の腕に掛かる過重は、ほぼ壊理ちゃんの体重のみです。幾ら鍛えてるとはいえ、流石にね。

 

「はい、OKでーす。じゃあ、二つ目どうぞ」

「えと、服はこのまま?」

「はい。あ、移動は全てお姫様抱っこで」

 

 そうして、どちらかと言うと、怨嗟のアレが割合を増した視線とか声援を受け、顔とか首筋にかかる壊理ちゃんの吐息にどぎまぎしながら、二枚目の紙を拾う。そこには、

 

「······」

「何て書いてあるの?洸汰君」

「······ガーターベルト

「え?」

「······ガーターベルト」

 

 ふざけんな!!アホか!!全国放送されてんだぞ!!誰だ、こんなの混ぜた奴!!!

 

「ウフッ」ウインクバチコーン

 

 ミッドナイト先生ーー!!!!そのお歳でその格好は、そろそろアレだと思いますよーーーー!!!!

 

「洸汰君」

「はっ!と、とにかく、早く探さないと」

「···探さなくても、あるよ」

「え?どこ?!」

「ここ」

 

 そう行って、恥ずかしそうにスカートの裾をちょっと上げる壊理ちゃん。えと、それって、そういう事?

 

「······ちょっと待ってね。確認ね。壊理ちゃんは、今ガーターベルトをしている」

「うん」

「それを持って行けと」

「うん」

「外すの?」

「多分、手に持った状態じゃないとOKじゃないと思う」

「外せる?」

「自分じゃ無理。スカート、たくしあげないと駄目だから」

「つまり···」

「洸汰君、外して」

「ええっ!!!」

「スカートの中に潜り込めば、周りからは見えないから」

「そうだけど!そうだけども!!」

「大丈夫、(洸汰君になら)見られても大丈夫なの履いてるから」

 

 この後の事を、一言だけ言うなら、とても純白でした。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

『斎日壊理ちゃん!!僕は!!壊理ちゃんが大好きです!!!僕と!!お付き合いして下さい!!!!』

『はい、末長くよろしくお願いします』

「「「Fooooo!!!!!!!」」」

 

 流されたのは、僕が壊理に告白した雄英体育祭の表彰式の映像。壊理ちゃんをお姫様抱っこしてる所だったり、スカートの中に潜り込む所だったり、フラフラになりながらガーターベルトを手に這い出てくる所だったりも、ダイジェスト的に流しやがって。

 

「「「洸汰!!壊理!!末長くお幸せにーーー!!!」」」

「皆、ありがとう」

「お前ら!後で覚えとけよ!!!」

 

 まぁ、あの日着たモノと似たデザインのウェディングドレスに身を包み、楽しそうに笑う奥さんの顔に免じて、許してやるけどね。

 だが、ガータートスだけは許さん!!!!!!

 

 

 

 




因みに、表彰式での大告白を見させられた観客は一様に、
「え?アレでまだお付き合いしてなかったの?!?」
と思ったそうだ。
あ、ミッナイ先生は、ちゃんと旦那やその親友達に、無事折檻されました。


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