八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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「活真君と真幌ちゃん、ついでにヂョキヂョキ」

 

 

 

 

 桜舞う四月。

 今年も、ここ雄英高校に新たなヒーロー候補生達が、その一歩を踏み出す日が訪れた。島乃活真も、胸を踊らせながら雄英高校の校門を潜った一人だった。

 

 

 

 

「姉さん!!」

「活真!!入学おめでとう!!」

 

 入学式を終え、これから共に切磋琢磨していくクラスメート達との交流も程々に、自分より一年早く入学した姉の下へ向かった僕。

 待ち合わせ場所で、すっかり身長を追い越してしまった姉さんから、祝福の抱擁を受ける。そこには、見覚えのある三人の先輩が居た。

 

「君が、島乃さんの弟君か。俺、同じヒーロー科二年A組の出水洸汰。困った事があれば、相談に乗るから」

「私は、筒美壊理です。真幌ちゃんから、君の事は良く聞いてるよ。よろしくね、活真君」

「真幌と違って、素直な良い子そうだな。照元光輝(テルモト コウキ)だ、よろしく」

「活真はいずれ、最高のヒーローになるんだから当然よ!!アンタなんて、足元にも及ばないんだからね!!」

「ね、姉さん!!あ、あの、ヒーロー科一年B組島乃活真です。去年の体育祭での活躍見ました、先輩達みたいになれるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。後、姉がいつもお世話になってます」

「ちょっ!!お世話になんてなってないわよ!!私がお世話してるの!!」

「···本当に、礼儀正しいんだね」

「···正直、真幌ちゃんの身内贔屓とか思ってた」

「姉がこんなだと、反面教師でしっかりしなきゃってなったんだろ。良かったな、弟が真っ当に育って」

「うっさい、光輝!!!毎回毎回、アンタは一言多いのよ!!」

 

 幼い頃、出久兄ちゃ···デクさんに噛み付いた時みたいに、ガルルルと照元先輩に噛みつく姉さん。

 

「おお、怖い怖い。活真君、怖いお姉さんから俺を助けてくれよ」

「はーさーみー!!!活真に触るなーー!!!アンタのひねくれが移ったらどうするのよーーー!!!」

「アッハッハッハッ!!」

「フフ」

「ね、姉さん、落ち着いて。出水先輩も筒美先輩も、笑ってないで止めてくださいよ」

 

 こうして、僕がデクさんみたいな、最高のヒーローになる物語がスタートしたのだった。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「スマーッシュ!!」

「おっと、そんな見え見えのテレフォンパンチ、そこら辺のチンピラでも避けられるよ」

「は、はい!!」

「個性で自分を強化出来ても、その力に振り回されてちゃ駄目だぜ。ほら、もう一回」

「お願いします!!」

 

 出水と光輝を相手に、戦闘訓練をしている活真。

 活真の個性、細胞活性。特定の型の細胞を活性させて、治癒を促進したり、ドーピングみたいな効果を発揮させる個性。昔は、他人にしか作用させられなかったけど、特訓して自分にも作用させられる様になった。

 下手な増強系よりも動ける素地は出来たけど、やっぱり、まだまだ動きが単調。活真は私と違って素直で優しいから、相手を惑わす動きが苦手なのよね。

 

「凄いね、活真君。洸汰君と照元君相手に、アレだけ食らい付けるなんて」

「個性のお陰で、スタミナもあるから。それに、あの日から活真、すっごい努力してきたんだもん」

「そっか、置いて行かれない様に頑張らないとね。姉さんは弱いから、サイドキックには要らないって言われたら大変だもんね」

「うぐっ!わ、分かってるわよ、壊理」

 

 正直、私は皆と違って、ヒーローになるモチベが明らかに低い。私が雄英に入った理由は、弟が心配だから。泣き虫で弱虫な弟が心配だから。

 ヒーローに助けて貰ったあの日から、僕は出久兄ちゃんみたいなヒーローになるって宣言したあの日から、私は、ヒーローになった弟を側で見守る為に、ヒーローになるって決めた。

 もし、弟がヒーローを諦めるって言ったら、私もさっさとヒーローを目指すのを止める、そんな程度。

 心操先生からも良く言われてる、

 

『大切な人の為に頑張る、それ自体は悪い事じゃない。でも、もう一本、お前自身の芯を見つけろ。そうすれば、お前は立派なヒーローになれる』

 

 て。

 

「うわあっ!!」

「っ!活真!!」

 

 吹き飛ばされて、地面に転がり倒れ伏す活真。思わず、駆け寄ろうとしたけど、壊理に腕を取られて行けなかった。

 

「行っちゃ駄目だよ、真幌ちゃん」

「で、でも、」

「真幌ちゃんは、今の活真君を見てあげないと。それに、そろそろ弟離れ、しないとね」

 

 そう言って、優しく微笑む壊理。ゆっくりと、活真の方に視線を戻すと、そこには、細胞活性をさせている時に出る、緑色の光を微かに纏わせながら、懸命に歯を食いしばって立ち上がろうとする活真。

 

「立つんだ、活真君!Plus Ultraだよ!!するんだUltra!!」

「そうやって這いつくばってる間に、ヴィランは誰かを傷付けるぞ!!立て、活真!!」

「うおおおおお!!!僕が皆を!守るんだーー!!!」

 

 初めてかもしれない、活真の背中が、お父さんみたいに大きく見えたのは。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「痛たたたたた!!」

「ほら、動かないの。もう、無茶しすぎよ」

「えへへへ。これも、立派なヒーローになる為だから」

 

 先輩達との訓練を終えて、擦りむいて怪我してる所を消毒してくれてる姉さん。やっぱり、出水先輩も照元先輩も、僕なんかじゃ足元にも及ばない位強かったなぁ。

 

「ねぇ、活真」

「何?姉さん」

「お姉ちゃんも、頑張るから。アンタに置いてかれない様、頑張るから。だから、あんまり心配させないでね」

「···うん、分かったよ、お姉ちゃん」

「よし、これで終わり。じゃあ、帰るわよ」

「うん。あ、そうだ、姉さん」

「ん?何?」

「ずっと気になってたんだけど、何で出水先輩は名字で、照元先輩は名前呼びなの?もしかして、姉さんて紙坐先輩の事が···」

「はぁっ!!?!!?んな訳ないでしょ!!え、壊理に遠慮してるだけよ!!それだけ!!深い意味は無いわよ!!!」

「本当かなぁ」

「誰が、あんなデリカシーの無い奴!!ま、まぁ、お父さん程じゃないけど、見た目は悪 くないし、強いし、頼りになるし、なんだかんだ優しい所もあるけど···。絶対、ありえないから!!」

「ふ~ん」

「ああもう!活真の癖に生意気ーー!!!」

 

 

「だそうですよ、照元君」

「だってさ、光輝」

「···他人をからかう前に、先ずは自分達の事をどうにかしろ」

 

 

 

 




真幌ちゃんと活真君、雄英生にしちゃいました。
真幌ちゃんは、幻影を囮にしたトリッキーな戦闘スタイル。葉隠さんも突破出来た入試なら、真幌ちゃんでもイケルイケル。活真君の、個性を自分に作用させるは独自設定っす。極めれば、NARUTOの白毫の術を再現出来るかも?

 紙坐鋏(シザ ハサミ)➡️照元光輝に修正
・原作で出てきたヂョキヂョキ君です。単行本発売まで待てんかったので、勝手に名前つけた。もし、本名が明かされたら、シレッと直しとく。
 本作では、虐待と育児放棄で、あの家からヴィラン連合が責任者やってる保護施設に保護された設定。
 彼とのカップリングを思い付いた為、真幌ちゃんは同級生になったと言っても過言ではない。


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