八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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「憧れは越えていくもの」

 

 

 

 

「誰も君を救えない。君に必要なのは、あの男じゃない。この俺だよっ!」

「ああっ!!」

 

 花畑に倒れるジュリオさんにの姿を見せられながら、肩を力強く握られて悲鳴をあげるアンナさん。さっき、操られてジュリオさんをナイフで刺そうとするアンナさんを、変速まで使って止めた反動と、触れた事による拒否反応で体が動かない。

 

「ん?」

「え?」

 

 突如、ダークマイトに向かってミサイルが飛来した。個性で盾を作ったのが一瞬見えたけど、爆煙ですぐに見えなくなった。

 

「悪い、遅くなった。外に怪物落としてる奴見つけるのに手間取ってな」

「トムラさん!!」

 

 顔をあげると、そこにはコートを羽織ったトムラさんが、飛行形態になってるルミリオンの車の上に立っていた。

 

「···この程度の瓦礫で、どこかやられたのか?」

「ダークマイトの側にいる女性、あの人の個性による拒否反応で、体が動かないんです」

「回復には」

「もう、いけます。いえ、いきます」

「分かった。気張れよ、九代目」

「はい!!」

 

 トムラさんが瓦礫を崩壊させて、僕を立たせてくれた。さして、フルカウルを発動させてトムラさんと並び立つ。

 

「ふむ、無粋な客は誰かな?」

「後輩助けるついでに母校を守りに来た、ただのプロヒーローだよ、クソヴィラン」

「んん~、オールマイトの教え子に、次代の象徴たる私の力を教えてあげる予定なんだ。下がっていて貰えるかな?」

「お前が、今すぐ警察に自首するってんなら、そうしてやってもいいぜ」

「はぁ···では、君にも特別に見せてあげよう。この私の力を!!!」

「ああああああ!!!!」

「アンナさん!!!」

 

 アンナさんを胸に抱き、彼女に個性を使わせるダークマイト。アンナさんの金髪が、どんどんと黒に変わっていき、草原の花も禍々しく咲き誇る。

 

「さぁ、刮目して見よ!!これが次代の象徴だ!!!」

「···ごっこ遊びは、牢屋の中でしとけ」

 

 光の帯を体に纏わせ、無駄に筋肉を纏ったゴールデンエイジのコスチューム姿なオールマイトになるダークマイト。

 

「先ずは、小手調べだよっ!!!」

 

 ダークマイトがコインを弾き、金色の拳に変換して打ち出してきた。僕がSMASHで迎撃しようとしたら、トムラさんに手で制された。

 

「はぁ···何でトップ10を差し置いて、俺が先行させられたか分かってねぇな」

 

 トムラさんが、右手を前に出して錬金パンチを受け止める。そして、トムラさんの手が触れた場所から、金色の拳がブァッと塵になってしまった。これが、トムラさんの本気の崩壊。

 

「何を錬金しようが結局、物質である以上壊れるのは道理だろうが」

「···FUHAHAHAHA!楽しませてくれそうだねぇ!!」

 

 一瞬、イラッとした顔に見えたけど、すぐに余裕の笑みを浮かべ、錬金バリアを展開した。

 

「ハァッ!!」

 

 上空へ大きくジャンプし、振り下ろしてきた拳を右に飛んで躱す。エアフォースで反撃するも、錬金バリアで防がれる。

 

「デク。俺があの厄介な盾を剥がして隙を作る。SMASH のタイミングを見誤るなよ」

「はい!!」

 

 ダークマイトに向かって駆け出すトムラさん。今度は拳じゃなく、金色の矢が無数に飛来する。アレじゃ、崩壊させる前に、トムラさんの手が飛ぶ。トムラさんの個性を見切ったのかは分からないけど、攻撃のチョイスは抜群だ。

 

「そらそらそらそらそらそら!!!」

「温いんだよ!!」

 

 それでも、その全てを見切って、紙一重で躱し崩壊させていくトムラさん。

 

「何故だ!!何故止められない!!この、象徴を継ぐ私の力が」

「そりゃ、お前が器じゃ無いからだよ。オールマイトの顔で、テメェの面隠さねぇと笑えねぇお前のなぁ!!」

「くおおっ!!!か!顔が!!俺の顔がぁぁあ!!!!」

 

 ダークマイトの猛攻を全て踏破し、行く手を遮る壁を崩壊させ、トムラさんの右手がダークマイトの顔を掴んだ。

 トムラさんの手が触れた箇所から、ダークマイトの顔が崩れていき、その下にあった本当の顔が露になる。自信に満ちた笑顔とは真反対の、不安と焦燥にまみれたその顔が。

 

「デク!!!」

「変速、オーバードライブ」

 

 一気に、一速から五速へ。ダークマイトの懐に。

 

「DETROIT、TEXAS、WYOMING、CAROLINA、MISSOURI、KALIFORNIA、NEW HAMPSHIRE、OKLAHOMA、ST.LOUIS 」

 

 これが、貴方が、僕達が憧れた人の技です。でも、

 

『憧れになりたい奴が、憧れを越えたい奴に勝てるかよ、出久』

 

 僕達は、オールマイトの先を行きます。

 

 

「SMAAAAASH!!!! 」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

 何故だ。何故、俺は負けているのんだ。象徴を継ぐ、絶対的な力を手にした筈なのに。

 そう、力。力こそが、世界を支配する。もっと、もっと、もっと、誰もが平伏する圧倒的な力を。あの人の様に、誰もが憧れる圧倒的な力を。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「まだ···だ···」

「なっ!!アレ食らってまだ動けんのか!!」

「力を···俺にもっと力を寄越せーーー!!!!」

「あああああああああ!!!!!」

「お嬢様ーーー!!!!」

 

 全部完璧に入った筈なのに、倒れ伏した筈のダークマイトが、アンナさんの首を掴んで持ち上げ、彼女に個性を使わせた。

 

「駄目だ!!それ以上は!!!」

「FUFUFUFU!!!ああ漲る!!力がみなぎっ!!??な、何だ?!?!」

 

 アンナさんを中心に、世界が暗黒に染まる。美しかった薔薇が、禍々しく変容していく。

 アレが、ジュリオさんの言っていた。

 

「や、止め、ヤメロ!コレイジョウハァァアアアア!!!!」

 

 アンナさんを放り投げ、頭を抱えて苦しみだすダークマイト。彼の苦しみに呼応するように、地面が、いや、ここ自体が激しく振動を始めた。

 

「●●●●●ーーーー!!!!」

「くっ!!崩壊が間に合わっ!!!」

「トムっうわああああ!!!!」

 

 言葉にならない叫びと共に、僕らは錬金の濁流に飲み込まれた。

 

 

 

『オマエハオレノモノダーー!!!』

「かっくん!!!」

「雪花!!!」

 

 

「流石、怪獣王国JAPAN?」

「ふざけてる場合ですか、スター」

「デク君!!」

 

 

「いったいどうなっている!オールマイト!!」

『分からない!!しかし、アレを暴れさせてはならない、エンデヴァー!!』

「そんな分かりきった事を言うな!!」

 

 

『GHYAAAAAA』

 

 

 

 

 

 

「受け取って、下さい」

「···借りるだけだ」

 

 

 

 




ああーー!!!早くイチャコラする皆を書きたいーーー!!!
次回で絶対YourNext編は終わらせてやるーーー!!!


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