八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

222 / 244
「君を救うって歌うから」

 

 

 

 

「大気は、私の千倍の大きさで固まる!!」

『GUIAAAAA!!!!』

 

 スターの形に固まった大気と、怪獣と化したダークマイトががっぷり四つに組み合う。

 

「くうううう!!何てパワーだい!!!」

「援護します!!グラキエス·ギカント!!」

 

 怪獣の驚異的なパワーに、ジリジリと押されるスター。それを援護する為、八木冬花の形をした氷の巨人が、怪獣にタックルを決めて足を止めさせる。

 

「本部!!周囲の避難状況は!!?」

『救助した一般人及び周辺地域の避難完了報告はまだだ!!戦闘はせず、可能な限り抑え込んでくれ!!』

「だそうですよ!!スター!!」

「了解だよ!!アイスメイカー!!!」

 

 

「ウルシ鎖牢!!今だ!Mt.レディ!!」

「キャニオンカノン!!!」

 

 勢いをつけたドロップキックが怪獣にぶちかまされる。ビルを薙ぎ倒し、道路を陥没させながら倒れ動かなくなる怪獣。

 

「よしっ!!」

「気を抜くな!!まだだ!!」

「うげっ!!何体いんのよ!!」

 

 視線の先には、地響きをあげて道路を侵攻してくる怪獣の群れ。スターとアイスメイカーが押し止めている大怪獣の足元から、Mt.レディの最大サイズと同等の怪獣が、次々と生み出され、周囲に拡がっている。

 

「Mt.レディ!!シンリンカムイ!!応援に来ました!!武器を受け取って下さい!!ルール!!」

「ん!!」

「ああもう!!一昔前の光の巨人にでもなった気分ね!!踏み潰されんじゃないわよ!!エミリー、ルール!!」

 

 

「バニシングフィスト!!」

「急げ!!早く避難させるんだ!!!」

「エンデヴァーさん!!」

「遅いぞホークス!!何をやっていた!!」

「頼もしい仲間達を連れてきたに決まってるじゃないですか!!!Mr.!!」

「ハイよ!!!」

 

 救出民を背に、何とか怪獣の侵攻を妨げているエンデヴァー達。有効打を与えられるヒーローが少なく、度重なる個性の使用で、オーバーヒート寸前なエンデヴァーの元に、Mr.コンプレスを抱えたホークスが降り立った。

 

「行くぞダークシャドウ!!深淵闇駆·バルドル!!!」

 

 コンプレスの圧縮玉から常闇が飛び出し、貯め込んでいた闇を解き放つ。怪獣より一回りも巨大になったダークシャドウが、怪獣達を薙ぎ払っていく。

 

「今の内に、体冷やしといて下さい、エンデヴァーさん」

「そんな暇は無い。他の場所はどうなっている?」

「大丈夫っすよ。そっちにも、応援送ってありますって」

 

 

「「おおおおおお!!!!」」

「「「どっせい!!!!」」」

 

 切島と鉄哲、それぞれを力自慢で支えて、怪獣の攻撃を防ぐ。戦い続け、疲労の溜まった体に鞭を打って、懸命に遅滞行動を加わっているヒーロー科。

 

「アレ、アンタの専売特許じゃないか?キャップ」

「専売特許ではないよ。でも、お手本てのは見せてあげないとねっ!!!」

「流石、キャップ。こっちもお返しだ、マーベリック·タックル!!」

 

 盾一枚で、身動ぎする事なく怪獣の拳を受け止めるキャプテン·アメリカ。そして、ミス·マーベリックが光の粒子を散らしながら、怪獣に突撃して胴体や頭部を吹き飛ばしていく。

 

「うげっ!!コイツら、分裂まですんのかよ!!」

「融合してでかくなれるんなら、分裂して小さくなるのも出来て当然でしょう!!A組はそんな事も分からないのかなぁ!!」

「だから!!こんな時まで張り合うなって言ってんでしょうが!!!」

 

 飛び散った破片が勝手に纏まって、さっきまで相手をしていた錬金兵に姿を変える。

 

「くっ!!手が足りない!!」

「ヒーローが泣き言を言ってどうする」

「ハッハァ!!早く殴らせろや!!」

「あ、貴方達は!!」

「公安委員会からのお達しだ、好きに暴れろってよぉお!!ヴィラン連合!俺についてこい!!」

「おいおい、アンタは事務員だろうが」

「ギャハハ!!それは剣なのか鈍器なのかどっちだよ!!」

「うるさい!!今の俺は事務員じゃねぇ!!トムラ事務所のスピナーだ!!!それと、コイツはスーパーナイフナイフソードだ!!!」

 

 無数の刃物をベルトや鎖で束ねた、奇妙な剣(?)を振り上げ、どう見ても破落戸にしか見えない連中を引き連れて走る伊口秀一。八斎會の面々もそれに続く。

 

「お前ら、あんま建物やらを壊すなよ」

「無駄に暴れた奴は、ヴィランごと撃ち抜く」

「「「ういっす!!若頭、姐さん!!」」」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

『オオオオオ!!』

 

 顔の横まで裂けたのっぺらぼうの笑顔、オールマイトを模した様な体色、最早V字ですらない頭部の触覚。アレがオールマイトに憧れた者の末路と思うと情けなくなる。

 

「ト、トムラさん···」

「大人しくしていろ、デク」

 

 アンナとか言った女の個性の余波で、体が麻痺している緑谷。俺もアレにやられかけたが、変容させようとしてくる因子の解析が間に合って、何とか崩壊させる事が出来た。流石に、鈍重な動きとはいえ、Mt.レディに匹敵する巨大さで迫ってくるダークマイトを前に、緑谷の方もってのは余裕がねぇ。

 

『コレガショウチョウノチカラ!!!』

「舌噛むなよ」「うわっ!!」

 

 緑谷の首根っこを掴んで、振り下ろされる拳を跳んで避ける。そして、叩きつけられた拳に触れて崩壊させようとしたが、

 

「なっ!!」

 

 崩壊が発動しなかった。いや、発動はしている。崩れた側から修復してやがるんだ。

 

『FUHAHAHAHAHA!!!』

「しまっ!ぐおっ!!!」

 

 俺とした事が、個性が効かなかった事で呆気に取られちまった。咄嗟に防御して致命傷は避けられたが、薙ぎ払う様に放たれた裏拳をモロに食らっちまった。

 何度か地面をバウンドして、壁に叩きつけられる形で止まった。

 

「ぐっ!!しゃらくせぇ真似を!!」

 

 叩きつけられた壁が蠢き、緑谷と共に拘束される。御丁寧に、緑谷と手を合わせた形で。抜け出す為に個性使おうにも、緑谷の手を崩壊させねぇといけない。

 

『シネ!ヒーロー!!』

 

 不味い、このままじゃ、緑谷もろとも。

 迫りくる巨体に、流石に死を覚悟したその時、地面が爆ぜた。

 

「見ぃつぅけぇたぁああ!!!爆ぜろやぁぁあああ!!!!」

 

 強大な爆発がダークマイトを襲い、俺達もその余波を食らう。

 

「その声、爆豪か!」

「爆心地ヒーロー"ダイナマイト"だ!!!」

 

 特徴的なツンツン頭。少々ボロボロになっているが、まだまだ元気そうだ。ここでコイツが援軍に来てくれたのはありがたい。

 

「つか何しとんじゃ!!さっさとんな拘束抜け出せや雑魚共が!!」

「相変わらず口が「かっちゃん!!少しだけ時間を稼いで!!!」デク?」

 

 唐突に、緑谷が叫ぶ。そして、決意に満ちた目で俺を見る。

 

「トムラさん、OFAを使って下さい」

「···はっ?」

「あくまで、アンナさんに適合しなかったのは僕です。OFAは関係ない。だから、トムラさんがOFAを使って、かっちゃんと一緒に戦えれば、アイツに勝てます」

「···お前は良いのか?夢、諦めるのか?」

「···オールマイトも、残り火で活動出来てました。それに、無個性だからってヒーローになれない訳じゃないですから。受け取って下さい」

「···借りるだけだ」

「え?」

「四代目みたいに、体に皹入って早死にしたくねぇ。父さんと約束してんだ、親として死ぬってな。だから、これが終わったら直ぐに返す」

「···OFAの使い方は、七代目に教わってください」

「ハッ、分かったよ。で、どうやって受け取れば良いんだ?」

「僕の髪、食べてください」

「はっ?」

 

 

 

「よくも!俺の女を!狙ってくれたなぁああ!!!」

『コザカシイーー!!!』

 

 再び雪花を拐いにきた傀儡から、雪花を守って逃がすのに結構力使っちまった。手が痛ぇ。体のアチコチも悲鳴をあげてやがる。集中を切らすな。今は、アドレナリンで動けてるだけだ。

 大分時間稼いでやってんだろうが、さっさとしろやクソデク。

 

「ィッ!!しまっ!!」

 

 痛みで一瞬動きが止まっちまった。避けきれねぇ!

 迫りくる拳に、一か八かの爆発を放とうと構える。しかし、爆発を放つ前に、黒い筋が後ろから伸びてきて俺を引っ張った。

 

「···黒鞭、便利だな。大丈夫か?ダイナマイト」

「ぁあ!!誰に向かって言っとんだ!!···それ、ちゃんと使いこなせんのかよ」

「口煩い先代達が、今も喧しくレクチャーしてくれてるよ。俺が道を切り開く、トドメは任せたぞ」

「言われるまでもねぇよ!!」

 

 黒鞭を操るのは、デクじゃねぇ。何となく、アイツが何をしようとしてるのかは察した。折角個性手に入れたってのに、自分から手放すなんて、やっぱアイツは気に入らねぇ!!

 

「行くぞ、ダイナマイト。ついてこいよ」

「テメェの方こそ、遅れんじゃねぇぞ十代目!!」

 

 出久の様に、緑の光を纏って駆け出すトムラ。その背を追って、俺も駆け出す。

 

『オオオオ!!!』

「こんな感じだったか?DETROIT SMASH!!」

 

 トムラの拳が、気色悪い怪物の拳を完膚なきまでに打ち砕いた。

 

「痛ってええええ!!!!んだコリャ!!ぁあ!!先に言えや先代共!!!」

「調子乗るからだクソが!!」

「うっせぇ!!ファンなら一度はやりてぇだろうが!!!」

 

 紫色に変色した右腕をダランとさせて、今度は左手で払う様に迎撃する。払われた怪物の拳が塵と化した。

 

「俺の個性もOFAで強化されてるのか、こりゃあいい。じゃあ、もう一回化けの皮剥いでやるか」

 

 両腕を失った怪物の頭部に黒鞭を伸ばして引っかけ、左手を翳しながら飛ぶトムラ。その動きに合わせ、俺は兎に角高く飛ぶ。

 

「テメェが今、笑えてんのか見せてみろや!!」

 

 トムラの手が怪獣の額に触れた瞬間、クソッタレを覆っていたのが全て剥がれ、クソッタレのなんとも情けないクソッタレな面が露になった。漸く、その面ぶっ叩ける。

 

「行け!!ダイナマイト!!!」

「ハウザーインパクト·SMAAAASH!!!!!」

 

 俺の拳が奴の頬にぶちこまれ、物凄い勢いでぶっ飛び、何故か形を残していた、奴自身が作ったオールマイト像にぶつかる。

 

「···お前も、やっぱやりたかったんじゃないか」

「違うわ!!俺のオリジナルに決まっとろうが!!」

「いや、SMASH って思いっきり」

「雪花ネーミングじゃボケェ!!!」

 

 

 

 




力尽きた。エピローグまで行けんかった。
今までで一番、書いては消してを繰り返した気がする。バトルはコリゴリや。

評価と感想をよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。