八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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「王子様にはご褒美を」

 

 

 

 

「···あの~、かっくんや、そろそろ離して貰えませんか?」

「断る。クソヴィランにまんまと拐われた罰だ」

「うにゅ~、それを言われたら何も言い返せませんのだわ」

 

 かっくんの膝の上に座らされ、がっしり後ろから抱き締められていられている私。

 ダークマイト事件から三日。私達雄英高校ヒーロー科三年の面々は、先生やらプロヒーローやらが、都内の超高級ホテルを貸し切ってくれての"事件解決お疲れ様パーティー"の真っ最中。まぁ、大人達は復興作業とか後始末で、準備とお膳立てだけしてどっか行っちゃったけど。ヒーロー科以外で参加してるのは、発目さんと赤外さんと不破先輩の恋人組かな。

 

「スゥーハァースゥーハァー」

「いや、流石に皆が居る所で、私の髪に顔を埋めて思いっきり深呼吸されると恥ずかしいんですけど。息くすぐったいし」

「知らん」

「知らんてグエッ」

 

 お腹をギュッとされてうめき声が漏れる。

 かっくんは治療があったし、私も色々と検査されたりで、事件以降だとガチで今日久しぶりに顔を合わせたから、こんな感じになるだろうとは予想してたけど。うん、これは大分色々溜まってらっしゃる。

 

『オマタセシマシタ』

「ん、食わせろ」

「···何このラインナップ」

 

 さっき、ロボに料理を取ってくるよう頼んでたけど、皿の上に盛られた料理に少々胡乱な目になる。辛い系の料理はともかく、牡蠣とか鰻とかレバーとか、只でさえ三日も溜まってるだろうに、わざわざそれらを食べると申すか旦那様。

 

「···明日から、私達も復興作業に加わるんだからね?」

「だからなんだ」

「いや、今回の事件は不甲斐なさ過ぎたから、せめて復興作業で挽回したいなぁと」

「おお、頑張れや」

「だから、出来れば、体力を残しておきたいなぁと」

「安心しろや、事件解決の功労者って事で、明後日まで完全休暇をもぎ取ってあっからよぉ。その間、テメェが俺の世話をするって事になってっからよぉ」

「何それ!!?初耳なんですけど!!!!!」

「今言ったからな。俺以外の男を"旦那様"なんて呼んだ罰だ。これまで以上に、しっかりたっぷり可愛がってやるよ」

「今までも大分アレでアレだったのに、まだ上があると申すでござるか?!!!」

「(ニィッ)」

「ヒイッ!!!」

 

 

 

 ダレカタスケテー!!

「···相変わらずやね、雪花ちゃんは」

「まぁ、かっちゃんすっごく頑張ったし、ご褒美が無いとね」

「デク君も、ご褒美欲しいん?」

「えっ!?ええっと···まぁ、はい」

「素直でよろしい。それで、OFAは馴染んだん?」

「···うん。何でか、トムラさんの個性は譲渡されなかったけど、OFA自体のパワーは上乗せされてたから、コントロールするのにちょっと戸惑ったけど、もう使いこなせるよ」

「そっか。でもびっくりしたなぁ、デク君が無個性やったなんて」

 

 事件が終わって、治療が終わったからって聞いて、お見舞いに行った時に聞かされた、デク君の個性の秘密。

 ダークマイトを倒す為に、トムラに個性を譲渡して個性を失ってしまったから、今までみたいな事が出来なくなるかもって。一応、またトムラから譲渡して貰えるって事になってるけど、うまくいかなかったら無個性に戻るって。

 大事な話言うから、もしかして、卒業を前にプ、プ、プ、プロポーズ?とか思ったら、予想外すぎる話で頭が追い付かんかった。

 

「いつか、話さないとって思ってたんだけど、中々勇気がでなくて」

「···」

「もし、無個性って話したら、お茶子さんに幻滅されるかもって、フラれるかもって、そういう事ばっかり考えて。OFAを手放さなかったら、一生言えなかったかも」

「馬鹿やねぇ。別に、デク君が無個性やったとしても、私はデク君を好きになったよ。私は、凄い力を持ってる君じゃなくて、頑張れって感じのデク君を好きになったんやもん」

「お茶子さん」

「ああ、でも、OFAないデク君やと、こうして出会えとらんかったかも。OFAは、私らのキューピッドかもしれんね」

「そうだね。···お茶子さん、僕はお茶子さんが大好きです。一生、僕の隣に居てくれますか?」

「······そのセリフ、今度は指輪を添えてな、出久君」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「···父さん」

「なんだ、転孤」

「詳細は話せないんだけどさ······婆さん、父さんの母さんと話をしたよ」

「え?」

「婆さん、父さんに謝ってたよ。迎えに行けなくてゴメンって、一人にしちゃってゴメンって、一緒に居てあげられなくてゴメンって。父さんの事、空から見守ってるって、ずっとずっと愛してるって」

「······そう、か·········そっか···」

「···今度、一緒に墓参り行こう、父さん」

「···そうだな」

「婆さんに、二人目が出来たって報告もしないと。あん時は、言う時間無かったから」

「何!!?!?」

「アレ?姉さんから聞いてない?」

「聞いていない!!華ー!!!!」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

   翌日

 

「あ~、朝から露天風呂サイコー」

「あれ?雪花は?」

「まだ降りてきてないよ」

「···やっぱり」

「可視子ちゃん、大丈夫かしら?その様子だと、瀬呂ちゃんとうまく行ったみたいだけど」

「は、はい、梅雨ちゃん。えと、その、はい」プシュー

「真綿先輩も、大丈夫ですか?」

「私よりも、あっちの死屍累々気にせんと?」

「こういう時、いつもああノコ。気にしなくて良いノコ」

「ねぇねぇ、不破先輩」

「何?葉隠さん」

「廻原君って、下のアレも回転するの?」

「···秘密ったい」

 

 

 

 




Your Next編終了!!
因みに、トムラがデクにOFA返す時は、勿論髪を食わせました。

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