八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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「童○じゃなくても●される」

 

 

 

 

「···なぁ、徹鐵」

「···なんだ、鋭児郎」

「···これ、どうする?」

「···どうするってお前······どうする?」

 

 その日、切島鋭児郎と鉄哲徹鐵は、近付いてきたクリスマスに向けて、恋人へのプレゼントの選定をしにショッピングモールを訪れていた。

 ファッション等にそこまで明るくなくとも、恋人が好むブランドは把握しており、それらを扱っている店に入っては、臆することなく店員さんに聞いて、アドバイスやオススメを紹介されながら、色々と物色した。そして、自分としては良い買い物が出来たと思える物を入手出来た。

 そこまでは良かったのだが、とある女性向けファッションブランドの店で、一回千円の福引きをやっているのを目にし、ラインナップも悪くは無いなと思い、試しに一回位やってみるかとなった。

 そして、クジを引いて入手した物というのが、···。

 

 

「「···捨てるのもったいねぇよなぁ」」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「え?切島君と鉄哲君の様子がおかしい?」

 

 放課後、三奈と茨ちゃんから"ちょっと相談が"と言われ、私·透·希乃子·切奈の四人は、ファミレスに寄って二人から話を聞く事に。

 んで、その内容というのが、最近各々の彼氏が変なのだそうだ。

 

「具体的には?」

「なんというか、不自然にソワソワされている···でしょうか」

「うん、恥ずかしがってるというか、挙動不審?かな」

「別に、そんな風には見えなかったけど、切島君」

「鉄哲も、普段通りだと思うけど?」

「そうなんだよ、だからモヤモヤすんの!」

「具体的に、どういう時に挙動不審ノコ?」

「「鋭児/徹鐵さんの部屋で、二人っきりの時」」

「どうしたの?って聞いても、目を反らして何でもないの一点張り」

「気のせいだとばかり仰られて、奇妙な顔をしながら口を噤んでしまうのです」

「···二人って、最近彼氏とご無沙汰?」

「「はっ??!?」」

 

 予想外の質問だったのか、驚いて頬を染める二人。

 

「いやぁ、それだけ聞くと、彼女とHするのに、どうやってそういう雰囲気に持っていこうか悩む男子っぽくて」

「あ~、確かに」

「で、どうなの?お二人さん」

「別に、ご無沙汰って事は···。普通に誘ってくれるし、してるし」

「そ、そうですね。それが、例の挙動不審の原因ではありません」

「いつから、その挙動不審が見られる様になったノコ?」

「あっと~、」

「お二人が、買い物に行かれた後···辺りからでしょうか」

「うん、確かにそん位から。クリスマスパーティーのプレゼントを買いに行ったんだっけ?」

「その筈です」

「···原因ソレじゃん」

「ソレ以外無くない?」

「100%でしょ」

「大人しく待ってれば良いノコ」

「「え???」」

「いやいや、どう考えても彼女へのプレゼントで、自分好みなエッチィ衣装とかそういうのを買ったは良いが、二人っきりになると、買ったのが今さら恥ずかしくなって、でもそれを着てる?着けてる?彼女を想像してソワソワしてるんだよ!!ファイナルアンサー!!!」

「え~~??鋭児だよ?そもそも、そんなの買えないでしょ」

「て、徹鐵さんが、そ、そ、その様な破廉恥な事するとは思えません!!」

「去年思い出してみなよ。彼女に好きなコスプレさせたいが為に、コスプレ衣装を購入した彼氏が何人居たことか。その者らに唆されて、その場のノリで買っちゃったかもしれないじゃん」

「うんうん」

「納得しかないね」

「他に思い付かないノコね」

 

 ウンウンと頷きあう私達を、ちょっと納得いかな気な顔で見る二人。

 

「まぁ、真実は当人が明かしてくれるか、自分らで暴く以外知りようが無いから、後は二人次第だよ」

「うん···」「はい···」

 

 そうして、その場はお開きとなった。はてさて、切島君と鉄哲君は何を買ったのかねぇ。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「徹鐵さん」

「な、なんだ、茨、そんな改まって」

 

 皆さんにご相談にのって頂いてから一週間。相変わらず、部家で二人になれば、徹鐵さん達はソワソワと挙動不審なままでてした。

 流石に、三奈さんも私も痺れが切れたので、二人でしっかりと問い詰める事にしました。

 

「私に、何か隠していませんか?」

「き、気のせいだって···「隠していませんか!?」

 

 はぐらかそうと顔を反らす徹鐵さんに、蔦を伸ばして無理矢理視線を合わさせる。

 ジッと、あっちやこっちへ行く徹鐵さんの目を真っ直ぐ射貫く事数分、漸く、観念したかの様に大きく息をつかれました。

 

「······これだ」

 

 そして、押入れを開けて、とあるブランドショップの袋を手に戻ってこられました。

 

「中を確認しても?」

「···ああ」

 

 徹鐵さんの了承を確認し、恐る恐るその袋の中を覗き込む。そこにあったのは、ニットのセーターらしきものだった。何故、これを隠していたのか怪訝に思っていると、徹鐵さんが「広げてみろ」と言うので、袋から取り出してみた。

 

「っ!!!!」

 

 思わず、顔が熱くなる。

 前から見ると、何の変哲もないノースリーブなニットのセーターにしか見えません。しかし、背面は見事に布が面積が少なく、首下からお尻の上辺りまでガッツリと空いていたのです。恐らく、これを着用すれば、脇どころか、む、胸の横部分も見えてしまうでしょう。

 例えるなら、八百万さんのヒーローコスチュームを後ろ前にした感じです。

 

「こ、こ、こ、こ、」

「···福引きで当たったんだよ」

「あ、あ、あ、あ、」

「茨が、こういうのを着ないって分かってっから、お前に見られる前に捨てようとはしたんだ。でもよ、これ着てる茨を見てみてぇって思っちまって···」

「ほえっ?!?!」

 

 こ、こ、こ、これを、私が着る?!??!こんな破廉恥な服を????!?

 

「なぁ、茨」

「ひゃ、ひゃいっ!!」

「···一回だけ、着てくんねぇか?その後は、茨の好きにしていいからよ」

「い、一回だけ?」

「ああ、一回だけ」

「一回···」

 

 

 この後、どうなったのかは、私の口からは何も申せません。一つ言える事は、あのセーターがまだ、私の衣装箪笥の奥底にしまわれているという事だけです。

 

 

 

「あ、茨ちゃん!!こんなの見つけたんだけど、一緒に着てアイツら驚かせてみない?」

「三奈さん??!?!」

 

 

 

 




童貞を殺すセーター。作者は実物を見たことがない。アレ、実際に店頭に並んで売ってんの?
因みに、三奈ちゃんは普通に着た。つか、うちの女子達の八割は、彼氏から渡されて、何の躊躇いもなく着そう。なんなら、自分で調達して御披露目してそうな子もチラホラ。


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