「···暇だ~~」
「もう、雪花さん。その台詞は聞き飽きましたわ」
「まぁ、気持ちは分かるんやけどね」
はいど~も~、名字が爆豪に変わった雪花で~す。
私は今、轟邸にてぐうたらしております。百やお茶子と一緒に。
「何か、とても誤解を招くモノローグをされた気がしますわ」
「私もや」
ジト目を二人から向けられる。いやだって、当社比で考えればぐうたらしてんじゃん。必要最低限の運動と家事のみで、後は駄弁るかテレビ見るか本読むかで、1日を終わらせてんだから。
「仕方ないじゃありませんの。私達は、もうすぐ母親になるのですから」
「そうだよ、私ら産休中かつ予定日間近なんだから」
「ブー、分かって言ってますよ~。でも、暇なものは暇なの~」
そう、私達三人とも、お腹に愛する旦那との子供がいるのである。もう大きく膨らんで、健康に順調に成長してくれてる様で何より。うん、重い。
え?何で轟邸に居るのかって?そりゃ、防犯やら何やらの諸事情があるからに決まってるでしょうが。言うて、私達結構有名なヒーローですの事よ?当然、ヴィランから多数の怨みを買ってますわ。百の所はともかく、爆豪家も緑谷家も一般家庭。もし何かあった時に対処が難しい、という観点から、鉄壁を誇る轟邸にてお世話になっているのである。あ、百は、一人だけ仲間外れは嫌ですわって、やってきた。
お父さんとお母さんもこっちで生活してるし、八百万家の護衛も居るし、ヴィラン連合の人達が定期的に見回ってもくれている。うん、今この日本で、ここより厳重なのはタルタロス位じゃないかな?
「全く、やっぱりウダウダやってんじゃん」
「お茶子ちゃーん!!産まれました!!?」
「静かによ、被身子ちゃん。元気そうね、お茶子ちゃん」
「響香さん、いらっしゃいませ」
「まだお腹ん中や、被身子ちゃん。梅雨ちゃんも、遠いのにありがとう」
顔見に来ると言っていた、子供を背負った響香と被身子さんに、只今妊娠二ヶ月目な梅雨ちゃんが到着した。
私達より少し早くお産まれになった、上鳴迅雷君と分倍河原異余(イヨ)ちゃんである。他に、私ら周りで今年誕生されたのは、三奈と切島君の所の鋭奈ちゃんと、レイ子と心操君の所のユウ斗君だね。
因みに、同期の中で一番早かったのは、二十歳で飯田君との間に天視(テンシ)ちゃんを産んだ明ちゃん。結婚の約束はしてたけど、出来てしまって慌てて結婚式やったんだよね。飯田君が失敗なんてする訳ないから、明ちゃんが暗躍したのは間違いない。メリ姉が何か入れ知恵したっぽいし。
砂藤甘奈(カンナ)ちゃんと回原モココちゃんは2才になったし、鉄哲鋼(ハガネ)君と黒色マッシュ君は1才になるんだったか。透と切奈は、この前妊娠したって言ってて、可視子ちゃんは私達の一ヶ月遅れで予定日だったと思う。
一佳もさっさと物間君とくっつけばいいのに。ポニーちゃんは···本当に峰田君で良いのだろうかと、未だに応援するべきなのかどうか悩んでいる。このままいけば、ポニーちゃんが押し切って結婚する運びになるだろうけども。
あ、相澤先生もお父さんになってるよ、名前は相澤無亜(ムア)ちゃん。13号先生が、あの人に服は選ばさせません!もし離婚するとしたら、理由はセンスの不一致です!!とか溢してたなぁ。まだ、ガンリキネコのTシャツとか買うんだろうか。
「梅雨ちゃん、調子はどうなん?つわりとか、しんどくあらへん?」
「大丈夫よ、お茶子ちゃん。私、余りキツくないみたいなの」
「梅雨ちゃんも、同い年が良かったのです」
「こればっかりは、仕方ないわ。狙っても、確実にとはいかないもの」
「そうだよ、被身子ちゃん。それより、異余ちゃんよう寝とるね」
「ん~、もうすぐおっぱいの時間なので、そろそろ起きると思うのです」
「被身子ちゃんも、すっかりお母ちゃんやね。私、ちゃんとお母ちゃん出来るかなぁ」
「お茶子ちゃんなら大丈夫よ。それに、緑谷ちゃんが側にいるもの」
「そうなのです!!被身子も出来ているのです、お茶子ちゃんならもっと良いお母さんになるのです!!」
「響香さんにそっくりですわね」
「今だけ、大きくなれば電気そっくりになるって、きっと」
「そうでしょうか、目元など瓜二つですわ」
「そ、そう?ま、まぁ、子供が似てようが似てなかろうが、私と電気の子供には変わりないし、元気に育ってくれればいいよ」
「そうですわね」
「そう言えば、名前とか考えてあんの?」
「ええ、焦凍さんと話し合いまして、決めておりますわ」
「どんなの?教えてよ」
「それは、産まれてからのお楽しみですわ」
「おおい!!私を放置すんなーー!!!私にも構えーー!!」
「こら雪花、何を大騒ぎしているの。貴女も母親になるのだから、少しは落ち着きを覚えなさい」
「そうよ、産む前よりも、産んだ後の方が忍耐を使うのだから」
「あのダイナマイトとアンタの子供なんだから、今の内からお淑やかになるよう教育しないと」
「義姉さんの言う通り。それに雪花、旦那さんに本当に何もさせて貰えなくなるわよ?」
「分かってますからお母さんs。私と勝己の子がお淑やかになる訳ないでしょ、萌姉。お願いします冬美姉、どうか勝己にだけはチクらないで下さい」
「ん~、そうしてあげたいけど、無理かな?」
「え?」
「だって、そこにいるんだもの」
「雪花!あんま騒ぐなって言ってるよなぁ?!」
「ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!!!」
こうして、今日も、そしてこれからも、愉快な日々を過ごしていくのでした。
八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録 完
約一年、私の拙作にお付き合いいただき、ありがとうございました。
元々書いていた作品に行き詰まり、気分転換にノリで書き始めた今作でしたが、ここまで長く、そして完結まで書けたのも、読んで下さった皆さんのお陰です。
このまま読み専に戻るか、また何か作品を投稿するのかは分かりませんが、もしまた見かけましたら、その時はまたよろしくお願いします。
評価と感想をよろしくお願いします。