八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第二十四話「八木雪花とドンマイコールと祝福」

 

 

 

「や、やりすぎだろ」

「すまねぇ、ちょっと気合い入れすぎた」

 

 かっくんがボロボロにしたステージを、ささっとセメントス先生が修復してから始まったBグループの試合。

 一戦目の焦凍と瀬呂君の戦いは、ステージの半分以上を氷結させた凍凍の攻撃で、上鳴君並みに瞬殺された瀬呂君に、観客からどんまいコールが起こった。

 二戦目は、飯田君も協力?して、発明品を時間一杯までプレゼンを行った発目さんが降伏して終了。飯田君、もちっと人を疑いましょうや。

 三戦目は、百が何かする前に速攻で押し出した常闇君の勝利。流石に、ダークシャドウ相手に真っ向から対抗しようとしちゃ駄目だよ百。君はそういうタイプじゃないでしょ。

 てな感じで、最終戦。私と三奈の番を迎えました。いや~、もう体が訛っちゃいそうだったよ。

 

 

『トップ4の紅一点!予選一位の雪ん子は何を見せてくれる?!ヒーロー科八木雪花!!

    

    対

 

 溶かして溶かして溶かしまくる!!ピンキーアシッドガール!!ヒーロー科芦戸三奈!』

 

「雪花が相手でも、私負けないからね!!」

「手加減はしないから、少しは楽しませてね」

 

『一回戦最後の組だ!二人共気張れよ!START!!!』

 

 開始と同時に三奈を場外へ出そうと、三奈の体に雪を纏わせ浮かせようとしたけど、雪が三奈の肌に触れた瞬間消えた。

 

「私だって、いい加減学習したもんね!」

 

 なるほど、全身から出した酸を纏ってるんだね。やるじゃん、三奈。

 

「良かった、あれで終わったらつまんないしね」

「次はこっちの番だよ、雪花!!」

 

 三奈が、私に向かって滑りながら酸を放ってくる。ほう、私に接近戦を挑んでくるか、それも良かろう。

 

「てえーい!!」

「フンッ!温いわぁ!」

「どわーー!まだまだー!」

「踏み込みが甘い!」

「こんにゃろー!!」

「効かぬわぁ!」

 

『芦戸の怒涛の攻撃を、ちぎっては投げちぎっては投げる八木!これが、予選一位の実力かー!!逆に芦戸は息が上がってきてるぞ、頑張れ芦戸!!』

『切島同様、騎馬戦での消耗が響いてるな』

 

「ぜぇぜぇぜえ···」

「もう終わり?三奈」

「ま、まだ···まだ···」

 

 膝に手をついて、肩で息をする三奈。激しい動きと、常に酸を出し続けてる影響で脱水状態になりかけてる。次があったら、万全の状態で戦いたかったね。

 

「もっと鍛えて、また挑戦しにきなさいな。てっぺんで待ってるから」

「んぐあっ!次は絶対勝つんだからねーーーー!!!」

 

 雪で作った大きな右手で、三奈の体を丸ごと掴んで場外へぺいっとする。

 

『芦戸さん場外!勝者、八木さん!!』

『終わってみれば、完全な横綱相撲!!まだまだ底は見えねぇぞ、八木雪花!!次から二回戦だ、勝てば準決勝進出!勝ち上がってくるのはいったい誰だ!!』

『分析、対策された上で、どう立ち回るかが鍵だな』

 

 

 

 ▼▼▼

 

 

『お待たせしました、二回戦!!勝つ事も大事だが、次の事も考えて戦えよ!!

 顔に似合わず熱いぜ!!やっぱ青春て最高だよな!!大事な人が見守ってるぜ!!A組緑谷出久

 

   対

 

 B組のイバラ姫!塩崎茨!!』

『紹介に温度差ありすぎだろ』

 

「緑谷さん、貴方とこうして合間見える事が出来て嬉しく思います。障害物競走、騎馬戦、どちらも真っ向から正々堂々と挑む貴方の姿に、私は心から尊敬致します」

「あ、ありがとうございます」

「そして、先戦いで見せた、洗脳を自力で解く程の純粋な思い。私は、貴方と麗日さんの幸せを心より祝福致します」

「え?!?えと、あの、それは···」

「だからこそ、私は正々堂々貴方に勝ちます。後で、麗日さんに慰めていただいて下さい」

 

『じゃあ始めるぜ!!START!!!』

 

 塩崎さんの茨状の髪が、一斉に緑谷君に襲いかかる。上鳴君の時と違って、しっかりと相手を見据えて。

 

「OFAフルカウル5%!」

「っつ!やはり、二三本程度では拘束になりませんか。ならば、これならどうですか!」

 

 腕や足に絡み付いたツルを、力だけで引きちぎる緑谷君。あんな芸当、OFA持ちの緑谷君位しか出来ないでしょうて。それを見た塩崎さんは、ツルを編んで鞭の様に緑谷君へ振るう。

 しかし、フルカウル状態の緑谷君を捉えられない。響き渡るのは、アスファルトを打つ音だけ。更に鞭の数を増やすも、そのどれもが空を切る。完全に見切られてるね。

 

「デク君···」

「ほれほれ、もっとしっかり応援したげなよ、お茶子」

「···うん」

「おろ?」

 

 何か何時もと反応が違う?何だろう、正式にお付き合い開始したから余裕が出来ましたって感じじゃないし、何か悟りを開いたような。これは、後で三奈や透と作戦会議だね。

 

「くっ、仕方ありません。守る事を考えていては、貴方を捉える事は不可能の様ですから」

「見えた!ここだ!!」

「なっ!!!速い!!!」

 

 緑谷君に接近された時用に、自身の回りで待機させていたツルも総動員して攻撃する塩崎さん。その怒涛のラッシュを掻い潜り、一気に塩崎さんへ肉薄する緑谷君。勝負を焦ったね、塩崎さん。

 

「DETROIT SMAAASH!!」

「くううっ!!!」

 

 何とか数本、緑谷君のパンチに割り込ませる事は出来た。攻撃に使ってたツルの何本かも、地面に突き刺す事で飛ばされないようにしている。残りは緑谷君の背中を狙って動いているけど、それじゃ間に合わないし足りない。

 

「きゃあ!!」

『塩崎さん場外!勝者、緑谷君!!』

 

 緑谷君の力に耐えきれず、楔にしていたツルも引きちぎれ場外へと殴り飛ばされた。塩崎さんは、初手で全部のツルを使って緑谷君を拘束するべきだったよ。一緒に戦ったが故に、緑谷君のパワーを見誤ったね。

 

 さて、次は君の番だよ、かっくん。

 

 

 

「はっ!硬かろうが何だろうが、ぶっ飛ばしゃ関係ねぇんだよ!!」

「クソッ!!誘い込まれたって事かよ!!」

 

 防戦一方でステージ端まで追い詰められた様に見せて、隙をついて背中に回ってボカン。あっさりと鉄哲君を場外に出したかっくん。緑谷君があんな圧勝劇を見せたんだもん、負けてられないよね。

 

 その後は、炎の光でダークシャドウを弱らせて常闇君を凍らせた焦凍が勝利。私も、飯田君のエンジンを雪で詰まらせて、止まった所を雪の巨大拳でぶん殴って勝利。

 大方の予想通り、緑谷君vsかっくん、焦凍vs私の準決勝を迎えるのであった。

 




すまん、鉄哲君飯田君常闇君。
これも全部、体育祭早く終わらせてラブコメさせたい作者が悪いんや。

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