八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

32 / 244
第二十七話「爆豪VS八木 LSの名の元に」

 

 

 

「たく、まさか体育祭で二回も下着替える事になるとは思わなかったよ」

 

 リカバリーガールによる治療を終え、決勝戦出場の許可が出たので、焦凍戦でチリチリになった部分の髪を切ったり、ボロボロになった服を着替えたりしている私。流石に、左肩部分がギリ繋がってるだけで右胸がポロンしそうな服で皆の前に出たくはない。念の為に、下着の替えを余分に取ってきて貰って正解だったねぇ。

 そう思いながら、ブラのホックを外してストラップから手を抜こうとしている所で、ガァーン!!という音と共に控室の扉が乱暴に開け放たれた。

 

「······あ?」

 

 そこに居たのは、両手をポケットに突っ込んで、脚を振り上げた状態で此方を凝視するかっくんであった。

 

「な、な、な、な、な、」

「ぁぁぁああきゃあーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

『毎度迅速な復旧サンキューな、セメントス。さぁ、待たせたなぁあ!!泣いても笑ってもこれが最後の一戦!!長きに渡る戦いもこれで終いだ!!!

 宣言通り一位をその手に出来るか?!爆豪勝己!!

    

     対

 

 ずっと俯いてっけど大丈夫か?無理だけはすんなよ、後ちょっとだから頑張れ!!八木雪花!!』

 

「Let's Go Let's Go BakuGo!!Go Go Let's Go BakuGo!!!」

「テメェら、最後まで気合い入れて応援すっぞ!!せぇの!!フレー!フレー!せぇーえっか!!!!!」

 

『おおっし!観客も暖まってきたな!!そいじゃ、二人の健闘を祈ってるぜ!!決勝戦START!!』

 

 

 

「けきゃきゃきゃきゃ!!死ねぇ!!!」

「チッ!」

「くけけけけけけけ!!な~に避けてくれちゃってんのかなぁ?かなぁ?爆豪勝己く~ん」

「···」

「顔を差し出せ、なぁ!顔差し出せよ!!一思いにはやってあげないからさぁあ~」

 

 

「八木さん、何かあったの?ヒィッ!!」

 

 一心不乱にかっちゃんへ殴りかかっている八木さん。モニターに映る顔には、顔が真っ赤で、羞恥と怒りでぐるぐるになった目の端には涙のような物がキラキラと反射している。あの奇妙な笑い声もどうしたの?そう思い、隣に座るお茶子さんに訪ねると、お茶子さん含む女子全員からギンっと睨まれた。僕も何かした???

 

「デク君、ウチら雪花ちゃんの様子見に行ったやろ」

「え、う、うん。着替えもあるだろうから、女子だけでって」

「そ、私達は控室向かった訳。で、なんでか知らないけど爆豪が雪花の控室を蹴り開けてたんだよね」

「そして、雪花ちゃんの悲鳴が聞こえてきたわ」

「緑谷君も見たよね!轟君戦後の雪花の姿。服はインナーまでボロボロで下着所か大事な場所まで見えそうだったの」

「そう、雪花は決勝戦に出る為に着替えをしなくちゃいけなかった訳!!」

「······なっ!まさか···爆豪の奴······見たのか?」

 

 峰田君が、顎をガクガク手をワナワナさせて女子陣に問う。その目は、どうか当たっていないでくれと言っている。

 

「うん、ウチらが駆け付けた時、雪花ちゃんは上半身裸やった、下半身も下着のみ。脱いだ服とかこれから着る服の位置とかから、恐らく真正面でバッチリくっきり見られとるやろな。雪花ちゃん、爆豪をヤるまで止まらんと思うよ」

 

「オラァ!!」

「キャハハハハ!!」

「んなろぅが!!」

「ヌヒヒヒヒヒ!!」

「クソッタレ!!」

「ケタケタケタケタケタケタ!!!」

 

 お茶子さんが言った通り、かっちゃんの反撃の爆破を食らおうとも、一切怯むことなく、奇妙な笑いと共に攻撃を続けている。

 

「しつけぇ!!「ほにゃっ!!」ぐおっ!!!」

 

 右の大振りを躱して、かっちゃんの背後に回った八木さんが、かっちゃんの両手取って背中側でホールドし、右足をかっちゃんの首に絡ませ左足と組んで首を締める。完璧に入った。爆破対策なのか、かっちゃんの手は体操服の中。不規則に膨れたりしてるから、あの中で手当たり次第に爆破してるんだと思う。

 

「あっはっはっはっ!!大人しく、私の胸とお尻と太腿の感触味わいながら落ちろ爆発エロ小僧!!」

「爆豪君、ギブ?!」

「まだ、ま、だ···」

 

 何とか、首と腹筋の力で八木さんの脚から脱出しようとしてる。手も何とかホールドを解こうと爆発させてるけど、どんどん音が小さくなっていく。

 

「さっさと、沈め!!」

「お···れが······いち······」

 

 トドメとばかりに足に力を入れる八木さん。ついに、かっちゃんの膝が崩れた。

 

『ストップ!!これ以上は危険と判断します!!』

 

 それを見たミッドナイト先生が介入して、八木さんの足とかっちゃんの首の間に手を入れる。という事は、

 

『爆豪君戦闘不能!勝者、八木さん!!』

 

「くそ···ったれ」

「ぐへっ···へへ、どんなもんだい」

 

 ミッドナイト先生による宣言に、二人とも張り詰めていた物が切れたのか、一緒に崩れ落ちる。手は服の中でホールドされたままなので、かっちゃんが仰向けで八木さんの上に倒れる形で。

 そんな二人を、会場のカメラがズームして撮ってモニターに映し出している。

 

「「「「あっ!」」」」

 

 気付いたのは、会場に居る何割の人間だっただろうか。丁度、八木さんの頭側から撮っている映像のとある部分に、爆破の余波で破けたインナーと肌色の丘しかない事に。そして、その二つの丘を包み込む様に、かっちゃんの掌が置かれている事に。直ぐにその映像は消えたけど、しっかりと映っていた。

 

「今日のかっちゃんと八木さんは、こういう風になる運命だったんだね」

「爆豪おどれぇええええ!!!!」

 

 峰田君の慟哭を聞きながら、心の中でかっちゃんと八木さんに合掌する僕でした。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「ええ、マスコミの対応はこっちで進めておくから、そう、貴方はあの子の思いをしっかり受け止めてあげて。ええ、分かってるわ。じゃあ、最後しっかりね」

「奴か」

「ええ。せめて、今日の夜位は静かにお祝いしたいわね」

「手を貸すか?」

「大丈夫よ、私達の事だもの。それに、義兄さんとあの人は義兄弟なのよ。絶対に、義兄さん達にも群がって来るわ。義兄さんは大丈夫でも、姉さんや冬美ちゃん、夏夫君達まで迷惑かけるのが心苦しいわ」

「その程度の事で、このエンデヴァーは揺るがん。お前の義兄を信じろ」

「そうよ、私達の事は心配しないで。冬花は、雪花さんの事をしっかり見てあげなさい」

「義兄さん、姉さん。ありがとうございます」

 

「それはそれとして、俺達の娘を辱しめてくれた、あの爆豪とかいう奴はどうする?」

「焼くなら手ぇ貸すぜ、親父」

「顧問弁護士に連絡しますか?所長」

「義兄さん達は何もしないで!!」

「あらあらまあまあ」

 

 

  ▼▼▼

 

 

「起きてください、焦凍さん!表彰式が始まりますわ!どなたかが呼びに来てこの状況を見られる前に、どうか起きてください!焦凍さん!!」

「スゥ···スゥ···スゥ···」

 

 




LS=ラッキースケベ。
最初は、ガチガチの戦闘させるつもりだったんですが、書いてて何か違うと思って、色々試行錯誤した結果こうなりました。言い訳するなら、爆豪君も主人公もリカバリーガールがDrストップ出すギリギリで、碌に個性も使えない位消耗してたって事で一つ。

評価と感想を、よろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。