『それではこれより!!表彰式に移ります!』
PomPonと花火の上がる中、ミッドナイト先生の挨拶で始まった表彰式。
多くのフラッシュが焚かれる中、私達は表彰台へ上がる。というか焦凍よ、顔を茹蛸にした百とその右頬に咲いた紅葉の因果関係を説明してもらいたんだが。
『メダル授与よ!!今年メダルを贈呈するのは、もちろんこの人!!!我らがヒーロー、オールマイトォ!!』
「HAHAHA!!私達が!メダルを持って来た!!」
お母さんを肩に乗せて、お父さんが私達の前に降り立ってきた。お母さんがメダルの入った箱を持っている事から、受け渡し役としているんだろうけど、本当はこの後私が言う事に対応する為なんだろうね。いやー、緊張してきた。
「三位おめでとう、緑谷少年、轟少年。君達にとっては不本意な結果かもしれないが、この経験を糧に更なる成長を期待しているよ」
「はい!!」「ああ」
「二位おめでとう、爆豪少年。伏線回収とはいかなかったが準優勝だ、立派な成績だ。と言っても、君が納得しないのは分かっているよ。これは、栄光の証じゃなく、傷として持っていなさい」
「···うっす、オールマイト」
「後、競技中の事は事故として見逃すが、着替えを覗いた事は、父親として許す訳にはいかないからね」
「っ!はい」
緑谷君と焦凍に銅メダルを、かっくんに銀メダルを巻いて抱きしめていくお父さん。かっくんの耳元で、ボソっと何か呟いていたけど、何言ったんだろ。そんな事を思っていると、お父さんがお母さんから金メダルを受け取って私の前に立った。いつも見上げてたお父さんを、こうやって見下ろすのは凄い新鮮。
「一位···おめでとう、雪花。本当に、立派になった。私は、私達は、君を誇りに思うよ。さぁ、ここからは君の時間だ」
「うん。ミッドナイト先生、マイク貸して」
「お二人から聞いてるわ。しっかりね」
お父さんに掛けて貰った金メダルをギュッと握って、ミッドナイト先生からマイクを受け取る。会場全体から困惑の空気が漂う。
『あーあー···どうも、八木雪花です。今から皆さんに、一言言いたい事があります!私は、オールマイトの娘です!!」
そして、世界が激震した。
▼▼▼
轟宅
『では、これよりオールマイト氏とアイスメイカー氏の臨時記者会見を行います』
「お前、もうちょっと何かなかったのか?」
「いや、私も考えてはいたんだよ。でも、疲れて長々語る気力が無かった」
「要するに、面倒臭かっただけか」
「焦凍も雪花さんも、頑張っていたものね」
体育祭が終わって翌日、学校は今日明日が休校。筋肉痛やら打撲痛やら倦怠感やら色んな物が押し寄せて、だらけにだらけきっている私は、轟家で焦凍と冷さんと一緒に両親の記者会見をぼんやり見ている。流石に、私が発表して終わりって訳にはいかないし、各社マスコミに突撃されてそれぞれに同じ説明するのも面倒だから、皆集めて一回で終わらせる予定らしい。
「ただいま戻りましたー!!」
「あ、お帰りバーニンさん。どうでした?」
「あっはっはっはっ!!予想通り、パパラッチやら何やらが沢山張り込んでたよ。こっちにも何人か居たけど、あくまでも見張ってるだけのようね」
私の護衛という名目で、轟家に常駐しているバーニンさん。あっちの家に、偵察兼ねて教科書やら着替えやらを取ってきて貰いました。
「あ、記者会見始まった?終わったら、二人もこっちに来るんだっけ?」
「らしいよ。取り敢えず、ある程度一段落するまではこっちで生活するんだって」
「一位と二位が揃ってれば、よっぽどの事は起こらないだろ」
「フフフ、当分は賑やかになるわね」
麗日宅
「お茶子ォーーーー!!!」
「ほぎゃー!!!」
買い物から帰ってきて、扉の鍵が開いていた事に警戒して、恐る恐る玄関に足を踏み入れたら、ホラー映画に出てくるバケモノみたいな動きで、奥から二つの影が迫ってきた。て、よく見たら、
「父ちゃん母ちゃん!!?え~~~何でここに!?」
「来ちゃった」
「あんな奮闘した娘を見て、駆けつけずにはおれやんわ」
「おつかれ会しにきた」
「えー!仕事は?!新幹線で来たん!?えーーー?!言ってよ~~~」
「お茶子を驚かせよう思ってな。それに、親としては彼に会っておかなきゃならないからな」
「彼?」
「緑谷出久君。お茶子に相応しいか俺が見極めるんだってそればっかなんよ」
「はあっ!??」
緑谷宅
「体は大丈夫?出久」
「うん、疲れとかはあるけど、全然大丈夫だよ」
「競技も凄かったけど、まさかオールマイトに奥さんと子供が居たなんて、驚きすぎて涙も引っ込んじゃったわ」
「え、あ、うん、そうだね」
「······一番驚いたのは、出久に彼女が居た事だけど」
「え?!!!」
「麗日さんだっけ?恥ずかしいのも分かるけど、お母さんには教えて欲しかったわ」
「え?あ!いや?!お茶子さんとはまだそういう関係じゃなくてなんていうかそのお互いヒーローを目指す者として未熟だからえとその···」
「まだ···ねぇ?ウフフ、今度夕飯にご招待しなさいよ、お母さんも麗日さんとお話したいわ」
「かあさん!!!」
爆豪宅
「オイ、クソババア!いつまで悩んでんだ!!晩飯冷めんだろうが!!」
「うるさいわね!!あんたが仕出かした事の詫びに行くんだよ。しかも、あのオールマイト相手に!下手な格好出来ないでしょうが!!これ、どっちが良い?」
「どっちも変わんねぇよ!!クソオヤジも見てねぇで何か言えや!!」
「勝己、情けない僕が言うのもあれだけど、責任だけはしっかり取ろうね」
「何の話だ!!!」
最後、すっごい駈け足でしたが体育祭終了です。
次からは、他のカップリングも色々進めて行きたいですね。
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