では、良いお年を。
「勝己の母の光己です。この度は、ウチの息子がお宅の娘さんに大変な事をしてしまい、誠に申し訳ありませんでした」
「雪花の母の冬花です。どうぞ顔を上げて下さい、光己さん。お互い、全力で勝ちを目指した上での事故ですから。娘も、気にしていませんし」
迎えの車に乗って、勝己と共に案内された場所は大きな日本屋敷でした。何でも、八木雪花さんの家は今落ち着かないと言うことで、奥さんの姉と結婚されているNo.2ヒーローエンデヴァーのお屋敷にお世話になっているとの事。
屋敷に足を踏み入れた直後、息子はNo.1ヒーローとNo.2ヒーローに両脇を抱えられてどこかへ連れていかれ、私は客間に案内されて、八木雪花さんのお母さんと一対一で向かい合っていた。
「今、雪花さんは···」
「ふふっ、娘はあの人や義兄さんがやり過ぎないように、見張っておくんですって。ついでに、一発ビンタかましてチャラにしてくるからと」
「···勝己は強い個性に産まれて、他所様から薄っぺらいとこ誉められて、周りからチヤホヤされてこれまで育って来ました。そんな勝己が、雄英に入って立派なヒーローになれるか不安に思っていました。でも、一昨日の体育祭を見て、ちょっとホッとしたんです。勝己、本当に楽しそうで。本人は認めないでしょうけど」
雪花さん、緑谷出久君、轟焦凍君。一位を取る為に、彼らと必死になって競い合う勝己は、今まで見た事がない位生き生きしていて、テレビの前で年甲斐もなく泣いてしまった。
「私は、漸く勝己の夢を素直に応援出来る様になりました。皆と一緒なら、勝己は立派なヒーローになれると。まぁ、勝己が雪花さんにやった事は、親としても女としても許すつもりはありませんけど」
「雪花がいつも言っていますよ。私達みたいに、トッププロに鍛えて貰ってる訳じゃないのに、独力であそこまで鍛えられるのは凄いと。ただ、気に入ったのは分かるんですけど、もうちょっとスキンシップの仕方を考えて欲しいというか、慎みを持って欲しいというか」
「うちも、あの口の悪さだけはなんとかしてくれないと。あんなだから、物怖じせずに仲良くしてくれる女の子なんて初めてなのに」
「···ウチの子、貰ってくれます?」
「···逆に、勝己の所に来てくれます?」
「あの子にとって、爆豪君が最初で最後のチャンスでしょうから。義理の父親がオールマイトなんて、ねぇ」
「確かに。じゃあ、勝己が愛想尽かされなければ是非」
お互い目線を合わせて笑い合う。勝己、絶対逃がしちゃ駄目よ。
▼▼▼
「出久君、君はお茶子の事をどう思っとるのかね?」
「お、お茶子さんのお父さん?!」
「君にお父さんと言われる筋合いはない!!」
「お父ちゃん···何言っとるんよ」
「ウチの人がすみません」
「いえいえ、男親なんてああいうものですから。それに、出久には勿体ない位可愛いらしいんですもの、仕方ないですよ」
「あらあら、良かったわねお茶子」
「うえっ!!そ、そんな···ウチなんて···」
「···お茶子ちゃん、真剣な提案なんだけど、家に来る?」
「えっ??!?!」
「体育祭で、貴女が普通の子よりも自己防衛出来る力があるのは分かってるわ。でも、女の子の一人暮らしって、危険な事には代わりないと思うの。こうして出会えたのも何かの縁だし、良ければ家で下宿するっていうのはどうかしら?お茶子さんの御両親も、遠い所で一人で居るよりも安心出来ると思うの。どうかしら?」
「······お母ちゃん···」
「引子さん、ありがとうございます。詳しい事は夫も交えて、前向きにお話出来ればと思います。お茶子、これを機に家事を鍛えて貰いなさい。貴女、余り料理してないでしょ。出久君、優しそうだから失敗料理でも気を遣って美味しいって言ってくれるかもしれないけど、それに甘えてちゃ駄目よ」
「···だから、デク君とはまだそういう関係とちゃうって言っとるのに」
「ウフフ、まだですって」「ええ、息子もまだなんですって」
「お母ちゃん!デク君のお母さんも!!」
▼▼▼
「ねえ、百。今、いいかしら?」
「はい、大丈夫ですわ。なんのご用でしょうか、お母様」
「次のお休みの日、お見合い写真を撮りに行きましょう」
「えっ??お母様?···因みに、どなたにお送りするのですか?そう言ったお話は、近頃聞いていなかったのですが···」
「フフフ、貴女も良く知っている方よ」
「私のよく知る···?」
「さぁ、今日からしっかりとお手入れしなくちゃね。さぁ、貴方達、やっておしまいなさい!!」
「「「「「ハイ、奥様!!」」」」」
磨きに磨かれてバッチリ決められた八百万百のお見合い写真を前に、どうするべきかと悩むNo.2ヒーローとその奥様の姿があったとかなかったとか。
お茶子の両親、公式で名前出てないからどうしましょ。個性も分からないし勝手につけるのもなぁ。
来年からは、メイン三人以外のCPにフォーカスを当てて行きたいなと思っております。
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