八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第三十一話「八木雪花と穴と期末試験」

 

 

 

「いや~、久し振りの訓練楽しかったね~」

「飛べる雪花や常闇達が羨ましいよ。ああいう訓練だと、どうしてもウチとか透は活躍し辛い」

「響香ちゃんも透ちゃんも、個性を生かして移動は出来ないものね」

「響香ちゃんは、主な役割が索敵だから、まだそこまで機動力を求められないからいいよ。私なんて、現場に着かなきゃ隠密出来ても意味がないもん」

「私も、溶かして滑るの出来る所と出来ない所あるから、色々考えないとな~」

「私も、もっと創造する時間を短縮しなければ。それ以上に、瞬時に創造する物の選択が出来る様にならなければなりませんわ」

 

 今日のヒーロー基礎学で行われた救助リレー、その感想やら反省点を話し合いながら、更衣室でヒーローコスチュームから制服に着替えているウチ達。

 

『おい上鳴!!やべぇ事が発覚した!!こっちゃ来い!!』

 

 突然、男子更衣室いる筈の峰田の声が聞こえた。ジャックを壁に差してないのに、こんなにハッキリ聞こえるなんておかしい。

 

『見ろよこの穴ショーシャンク!!恐らく先輩方ががんばったんだろう!!隣はそうさ!分かるだろう!?女子更衣室!!』

「なっ!!皆こっち側に!!」

 

 全員に男子更衣室側に寄るよう指示をして、ロッカーの扉を盾に、何もない壁を探る。あった、壁一ヶ所に奇妙な円形の穴。まさか、雄英に入ってまでこんな事をする輩が居たとは。皆も、ウチの後ろから顔を出して穴の存在を認識した。

 

『峰田君、やめたまえ!ノゾキは立派な犯罪行為だ!』

『うるせぇ!オイラのリトルミネタはもう立派なバンザイ行為なんだよォォ!!』

 

 峰田の最低な言葉を聞きつつ、穴の真横まで移動してジャックを構える。一度後ろに目をやると、皆左手の親指を立てて下に向けて、首を切るように横にスライドさせる。

 

『八百万のヤオヨロッパイ!!芦戸の腰つき!!八木のプリッ尻!!葉隠の浮かぶ下着!!麗日のうららかボディに蛙吹の以外おっぱァアアア』

『『『おい』』』

 

 クソ最低な事言って、穴を覗き込もうとしているだろう峰田に向けて、ジャックを穴の中に走らせようとした瞬間、背筋の凍る三つの声が聞こえた。

 

「ひっ!!」

「響香(ちゃん·さん)!!?」

 

 反射的に猛スピードで後ろに下がった。結構大きめな音を出しながらロッカーにぶつかって止まり、恐怖で力の入らない体がズルズルと崩れ落ちる。

 

「大丈夫ですか?!響香さん」

「いったい、何が聞こえたの?」

「取り敢えず雪で塞いだから、もう大丈夫だよ」

 

 肩で息をするウチを、皆が心配そうに覗き込んでくる。

 

「こ、殺されると思った」

「へ?誰に?!」

「た、多分、緑谷と轟と爆豪の声だった」

「···だ、大丈夫だよ、響香ちゃん!それは峰田君に向けてで響香ちゃんにじゃないから!!」

「···グスッ、ほんとう?」

「うん!本当!!絶対!!!」

「ええ、何かがあっても私達皆で守るわ。だから、もう安心して」

 

 梅雨ちゃんの大きな手が、ウチの頭を包んで優しく撫でてくれる。峰田、後で絶対コロス。

 

 

「(ガクガクブルブル)」

「ねぇ、今自分が何しようとしてたのか分かってるかな、峰田君」

「お前、冷たい炎って知ってるか?」

「···クソブドウが」

 

「緑谷と轟はともかく、爆豪は何で怒ってんのか分かって無さそうだな」ヒソヒソ

「無自覚って奴か?似合わねえ~」ヒソヒソ

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「えー···そろそろ夏休みも近いが、勿論君らが30日間1ヶ月休める道理はない」

「まさか···」

「夏休み、林間合宿をやるぞ」

「知ってたよーーやったーーー!!!」

 

 相澤先生の宣言に、皆のテンションが爆上がりする。まぁ、肝試しや花火を楽しめる余裕がある合宿になるか分からないけど、皆で一緒に過ごすのはスッゴい楽しそうだもんね。

 

「ただし、期末試験で赤点を取った者は、学校に残って地獄の補習授業だ。全員、気を抜くんじゃないぞ」

「みんなー!頑張ろうぜ!!」

「お前らが一番頑張るんだよ!!」

 

 

 そして時が過ぎ、期末テスト。

 ヤオモモが、勉強してないと叫んでた上鳴君や不安科目のある響香達の勉強を見たり、私が三奈のついでに切島君の勉強を見るのに何故かかっくんが付き合ってくれたり、B組の物間に緑谷君達が煽られたり一佳が演習試験の内容を教えてくれたりと色々ありましたよ。

 取り敢えず、筆記試験で赤点になる人はいないっぽい。後は、演習試験の結果次第なんだけど、

 

「本当に、ロボットなのかな」

「どうしましたの?雪花さん」

「いや、私も先輩方に話を聞きに行ったりして、期末試験の演習はロボだったって情報は仕入れたんだけどさ···」

「何か、引っ掛かる事でもあるのかしら?」

「ん~、正直0点ロボですら、もう私達の相手にならないと思ってさ。あの相澤先生が、そんなイージーゲームな試験用意するかなと思ってさ。それに、お母さんが学年主任だし。お母さん、割りと我が子を谷に突き落とすタイプだから」

 

 それこそ、私·かっくん·焦凍·緑谷君のA組四天王なら、二桁は用意して貰わないと肩慣らしにもならない。ヒーローコスチュームに着替えながらそんな事を考えていると、三奈とかが不安そうにこちらを見てくる。

 

「大丈夫···とは言えないけど、少なくとも生徒が越えられない内容は用意されないだろうから、最後まで諦めずに立ち向かえばなんとかなるって」

 

 三奈の頭を軽くポンポンして、更衣室を出て集合場所に向かう。そして、バス乗場に整列する多くの先生方の姿というか、ヒーローコスチューム姿のお母さんを見て、私の予感が当たっていた事を悟った。

 

「諸君なら、事前に情報を仕入れて何するか薄々と分かってるとは思うが···残念ながら、試験内容を変更させて貰った」

「···変更······とは」

「ハッキリ言って、従来のロボットを使用した試験では、貴方達には軽すぎると判断しました。ですので、今年の演習試験は、二人一組でここにいる教師一人と戦闘を行って貰います」

「ペアや組み合わせは、諸々を踏まえて独断で組ませて貰ったから、発表していくぞ」

 

 そうして、自分達が誰と協力して誰に立ち向かわなければならないのかが発表されていく。

 

 イレイザーヘッドvs轟·八百万

 校長vs芦戸·上鳴  

 プレゼントマイクvs口田·耳郞  

 エクトプラズムvs蛙吹·常闇  

 ミッドナイトvs瀬呂·峰田  

 スナイプvs葉隠·障子  

 セメントスvs砂藤·切島  

 パワーローダーvs飯田·尾白

 

 ここまでは、まぁ分からんでもない組み合わせではあった。問題は、私を含めた二つの組み合わせ。

 

「ウソやろ···」

「僕が、オールマイトと···」

「何でまたこいつと何だよ」

「いや、確かに相性悪いけどさ···」

 

 アイスメイカーvs爆豪·八木

 オールマイトvs緑谷·麗日

 

 

 まさか、試験で実の親と相対するとは思いもしませんでしたよ。

 

 




さて、また戦闘描写頑張らねば。

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