八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第三十八話「I·アイランド Ⅲ~I·アイランドの片隅でアイを···~」

 

 

 

「いったいどこまで行っちゃったのかねぇ、百」

「腹減りに我慢できねぇで、帰ったとかじゃねぇだろうな」

「それだったら、こっちに連絡があるはずだ」

 

『違法機械の反応を検知!!違法機械の反応を検知!!』

 

「あん?」

「なんだぁ?!?」

 

 響香上鳴君ペアが出会った場所と逃げた方向から割り出して、追い込み漁の如く分かれて捜索している私達。何度か見つけた報告はあっても、あの手この手で逃げられて、最後に見かけたのが30分も前。ちょいと途方にくれかけていた時、近くの一般者立ち入り禁止区域になっている物資搬入倉庫から、警報音の鳴り響く音が聞こえた。

 

「···雪花」

「···もしかして、何か気になる感じ?」

「···ああ」

 

 こういう時の焦凍の勘って、馬鹿になんないんだよね~。

 

「オーケーオーケー。まぁ何かあったら、お父さんの威光とかコネとか何でも使って切り抜けるとしますか。かっくんは引き続き捜索よろしく」

「俺も行くに決まってんだろうが。ヴィランだったらどうすんだ、バーカ」

 

 そうして、私·かっくん·焦凍の三人で、警報に対応しに動いているヒーローを装って、倉庫の方に向かっていく。ヒーローコス着てる利点がこんな所に出るとはねぇ。

 あ、皆にもちゃんとメールで知らせときます。お父さんにも、一応送っとこ。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「くっ、もう何も出ませんわ」

「ちっ、手間かけさせやがって」

 

 侵入者は、年端も行かねえ小娘だった。どっから取り出したのか、フラッシュバンやトリモチで捕獲を妨害してきやがったが、それも尽きたのだろう。部屋に追い込み取り押さえる事に成功した。

 

「副隊長、見たことがあります。雄英ヒーロー科の学生ですよ、コイツ」

「あ?つーことは、オールマイトが教えてる学生の一人か」

「どうしますか?」

「···あの男には煮え湯を飲まされ続けてきたんだ、大事な生徒が無惨にボロボロにされた様を見た奴の顔は、どんなだろうなぁ。よし、連れてくぞ」

 

 ガキにしちゃ良い体してやがるし、部下のガス抜きにももってこいだ。ヴォルフラム隊長が捕まってから、まともな女なんてありつけなくなっちまったからな。

 

「誰かが来る前に、待機場所に向かう。お楽しみはそこに着いてからだ。その間は、目で楽しませて貰うかね」

「ひっ!いやっ!!」

「動くなよ、ケガしたくなかったらなっ!!」

 

 拘束させたまま立たせ、襟元を掴んで、ナイフで上から下まで一気に切り裂く。決め細やかな白い肌と、旨そうな二つのモノが外気に晒され、悔しげに羞恥に染まる顔がそそらせやがる。

 

「んっ!!っっ!っ!っっ!!」

「おお、おお、たまらねぇ感触だな。これは、本番が楽しみだ。よし、行くぞ」

 

 掌から溢れそうなモノに右手を這わせ感触を楽しみながら、左手で口を塞いで俺の個性"空気遮断"で女を気絶させ、事前に言われた潜伏場所への移動を開始する。

 どんな声で啼いてくれるか、今から涎が止まらないな。

 

(焦凍さん···皆さん···助けて······)

 

 

 

 

 雪花と爆豪は、セントラルタワーに繋がる物資輸送用通路を確認すると言って分かれ、俺は自身の勘に従って施設を歩いた。

 施設の扉は開いていた、なのに人の姿が見当たら無い。警報も鳴っていたのに、警備員はおろか警備ロボすら見かけない。

 

「流石に、不自然だよな」

 

 警戒度を上げながら通路進んでいると、曲がり角の向こうに人の気配を感じた。角から覗き込むと、小銃を装備したフルフェイスの集団が部屋から出る所だった。

 

「うっひょ!コイツ、尻まで極上だぜ」

「ちぇっ!この役得め!!」

「早くぶちこんでやりてぇぜ」

「やり過ぎて壊すなよ、お前は加減が効かねぇからな」

 

 一人の男が肩に女性らしき人を担いで、回りの男達と下品な会話している。俺は、チラッと見えた女性の顔に、個性も使ってないのに体温が下がった気がした。

 

(八百万···だよな。やっぱり、あの予感はお前だったのか)

 

 どうする?八百万が居なければ、さっさと氷で動けなくすればいいだけだが、もしあの銃が本物で、八百万に向けられたりしたら。

 

「···雪花は引っ張ってくるべきだったな」

 

 急いで全員にメールを送り、八百万を直ぐに助けに入れるよう準備をしておきながら、追跡を開始する。

 

「辛抱しててくれ、八百万。必ず俺が助けるから」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「何!本当かい!?緑谷少年!!」

『はい、今轟君からメールがあって、フルフェイスに小銃らしき物を装備した人間6人をB-7搬入倉庫で発見、追跡中との事です。追加で、八百万さんが気絶状態で集団の一人に運ばれていると』

「···分かった、私もすぐに急行する。そして、八百万少女か自身の身に危害が及びそうになった時に限り、戦闘を許可する。そう、轟少年に伝えてくれ。君達は、立ち入り禁止区域への道を警戒のみで、区域内には入らない様に」

『はい!分かりました!!』

「(prrr)···エンデヴァー、ヒーローの時間だ」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

「やっぱ、焦凍のヒーロー的勘は抜群だねぇ~。今回は、百の危機も合わさってってのもありそうだけど」

「なんだっていい、そのヴィラン共はこっちに向かって来てんだろ。テメェはクソ副委員長を助けろ。ヴィラン共は俺が全員ぶっ飛ばしてやる」

 

 期待を裏切らない発言して、手をバチバチさせるかっくん。焦凍からの連絡を受けて、推定ヴィランをコントロールタワーへ続く通路のゲート裏に隠れて待ってる私達。

 奴ら、百の体を撫で回しながら、どう楽しむか話し合ってるらしい。I·アイランドに侵入したって割には、そこら辺のチンピラとしか思えない。

 

「時間が押してるな。ここを抜ければ、お楽しみの時間だ、急いでいくぞ」

 

 来た来た。うん、実銃だねぇ。取り敢えず、セーフティを動かせないようにして、銃口も埋めて、一応引き金も引けないようにっと。

 

『ダイナマイト、リーダーらしき奴を先頭に1:3:2で進行中、人質は中央』ボソッ

「銃は対処済み、全部使用不能」ボソッ

「後ろ2をショート、中央1と人質をルミナイネン、他は俺が」ボソッ

『了解、先頭が通路に侵入する瞬間仕掛ける』

「了解」「やり過ぎて人質までやるんじゃねぇぞ」

 

 携帯越しに焦凍とやり取りをし、その時を待つ。このまま行かせたら、百の貞操が超危険なので、お父さんの言う危害が加えられそうになったらを拡大解釈じゃい。

 

「ヒーローだ!銃刀法違反の疑いで拘束する!!」

「「うがっ!!」」「「「「なっ!!」」」」

「全員ぶっ倒れろ!!」

「人質解放!受け取れショート!!」

 

 ショートの氷が後ろ二人を首まで覆い、前四人が後ろを振り返った瞬間、ダイナマイトと同時に飛び出て百に向かってまっしぐら。

 無防備な背中にドロップキック、宙に浮いた百をそのままショートに向かって放り投げる。やっぱ、囚われのお姫様は王子様にお姫様抱っこされてないとね。

 ショートがしっかり受け止めて、膝を着いて愛おしそうに頬を撫でるのを横目に、ダイナマイトが伸した奴らを纏めて雪達磨にしてやる。

 

「うぅぅ···焦凍···さ···ん···」

「目が覚めたか、八百万。痛む所は無いか?」

「···っ!!焦凍さん!ヴィランがここに!!!」

「安心しろ、お前が見つけた奴らはそこに拘束してる」

 

 百が目を覚ましたみたい。視線向けて来たので、ヴィラン印の雪達磨を横にVサインを返しておく。こっちはいから、その厄介な従兄弟の相手してて下さい。

 

「申し訳ありません、色々とご迷惑をおか「八百万!」キャッ!!焦凍さん?!?」

 

 おいおい、そういうのは二人っきりになってからにしてくれい、従兄弟よ。百を力一杯搔き抱く焦凍を見て、武士の情けで視線から外してやる。まぁ、声は聞こえてしまうがな。かっくんも、うんざりした表情をしている。

 

「···無事で良かった。お前が居なくなったって聞いて、何も考えられなくなって。俺との見合いから逃げる位、俺の事が嫌いなのは分かってる、でも、もう俺の前から居なくならないでくれ」

「···えっ?焦凍さんとのお見合い??」

「俺との見合い、嫌だったから、ホテルから出ていったんだろ?俺、すげぇショックだった」

「···私が······焦凍さんと···お見合い」

「知らなかったのか?」

 

 いや、冷さん達がそう言ってたじゃん!!

 

「それが、本当なら···私のしてきた事はいったい······」

「俺が嫌いで逃げたんじゃ」

「そんな筈はありませんわ!むしろ逆で···」

「逆···」

「······焦凍さん、私······焦凍さんの事が」

 

「焦凍ぉぉおおお!!!!」「轟少年!!!」

 

 セントラルタワー方面から、恐らく先行部隊とおぼしき奴らを縛り上げて担いで来た、エンデヴァーとオールマイト。

 うん、お父さん、炎司おじさん、空気読んで。

 

 

 




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