八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第二話「八木雪花と雄英高校一般入試、爆発小僧を添えて」

 

 

 

「自信を持って受けてこい、雪花」

「雪花さんなら大丈夫」

「どっかのバカみたいに、解答欄ズレるなんてヘマするなよ」

「あっはっはっはっ!五分前までに気付けば大丈夫だよ!雪花ちゃん」

「今日が夢への第一歩、頑張ってきなよ」

「落ち着いてね、雪花なら絶対大丈夫だから」

「頑張れ」

 

「はい!八木雪花、行ってきまーす!!」

「「「「「「「行ってらっしゃい」」」」」」」

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

「俺の獲物を盗るんじゃねぇ!!このクソ雪女!!!」

「あっはっはっはっ!使えるものは何でも使えってバーニンさんが言ってた。ほら、次呼んで、爆発君」

「ふざけんな、クソがぁああ!!!!」

 

 時が飛んで実技試験。筆記試験は会心の出来だった。

 複数の会場に分かれて、仮想ヴィランを破壊もしくは行動不能にしてポイントを稼ぐという内容。

 最初の方は、仮想ヴィランを見つけては雪玉作ってぶつけてたんだけど、途中で仮想ヴィラン達がとある方向に向かってるのに気付いて、倒しながらそっちに行ってみると、ツンツン髪の男子が手から大きな爆発をさせて周囲の仮想ヴィランを呼んでいた。結構な量が彼に向かって来てるみたいなので、私も便乗させてもらう事にした。

 近付くと、彼の爆破に巻き込まれそうだから、個性で体を浮かして空中固定砲台。向かってくる仮想ヴィランの三~四割位を横取り。今まで稼いだ分を含めれば、十分合格ラインには到達したと思う。まぁ、最後まで手は止めないけども。

 

「ん?おーい、爆発君。このwaveで品切れっぽいよ、次の場所行こ」

「指図すんな、何着いてこようとしてんだ、殺すぞ盗人野郎が!!」

「野郎じゃなくて女郎だよ。というか、ヒーロー目指してるんだったら殺すとか言っちゃダメでしょうが」

「うるせぇんだよ!俺はNo.1を越えるヒーローになるんだ、こんな所で躓く訳にはいかねぇんだよ!!」

 

 そう言って、最後の一体をぶっ飛ばす爆発君。口は乱暴だし、見た目はヴィランっぽいけど、ただ個性という名の暴力を振るいたいだけの愚者じゃなくて、ちゃんと彼なりの目指すヒーロー像というか信念があるんだねぇ。うん、カッコいいじゃん。

 

「いいか、二度と俺の邪魔すんじゃねぇぞ、クソ雪女······どこ見てやがる」

「···流石にあれは、下手すれば死人が出ない?」

「あ?」

 

 視線の先には、崩れ去り土埃を上げるビル郡とそれらを薙ぎ倒しながら進む巨大仮想ヴィラン。アレが、0ポイントのお邪魔キャラって奴か~。

 

「さて、爆発君。私の夢はトップヒーローになる事なの。だから、私はアレを倒しに行こうと思ってる。ポイントは0だけど、ここで逃げたらトップヒーローになんてなれないって思うから。No.1を越える君はどうする?町を破壊するヴィランを前にして、利益にならないからと無視するかい?」

「チッ、だぁぁああクソッタレ!!舐めんじゃねえよ!あんなの、俺がさっさとぶっ壊してやるわ!!」

「そうこなくっちゃ」

 

 両手を後ろに向けて、爆発でかっ飛んでいく背中を追いかけながら、ニヤニヤが止まんない。

 

「弱点は頭部で変わりないだろうね。足止めは私に任せて、君は思いっきしやっちゃって頂戴な」

「要らねぇって言ってんだろうが、クソ雪女!!」

「勝手にやっちゃうもんね~。"雪やこんこん、霰やこんこん"」

 

 周囲に大量の雪を生み出し、巨大ヴィランの手足に向かって放つ。生み出しては送り生み出しては送る。猛吹雪に晒された巨大ヴィランの体は、瞬く間に雪まみれ。そうなってしまえば、後は付着した雪を操作して押さえ込むだけ。お父さんを押さえ込むのと比べたら、お前程度なんて事はないよ。

 

「さぁ、出番だよ。やっちゃえ、爆発君!」

「爆発君爆発君言うんじゃねえ!!」

 

 首元に放った高威力の爆発によって、巨大ヴィランの頭がもぎ取れる。ちゃんと、一番効果的な場所を狙って撃つとか、我流の動きっぽいのに、ここまで出来るなんて凄いセンスだ。ますます、気に入っちゃった。

 

「お疲れ~、ナイス一撃!」

「話しかけてくんじゃねぇよ、クソ雪女。今度こそ、着いていくんじゃねぇぞ」

「クソ雪女じゃなくて、八木雪花!あ~、行っちゃった」

 

 爆発君は、あっという間にかっ飛んで見えなくなった。まぁ彼なら普通に合格だろうし、またすぐ会えるか。

 こうして、私の入試は終わったのだった。チャンチャン。

 

 

 

  ▼▼▼

 

 

 

「いいですか、あなた。絶対に他の合格者と同じようにするんですよ、分かりましたね」

「HAHAHA、当然さぁ。······ホントに大丈夫?お父さん冷たいって嫌われたりしないかな?」

「しません、あの子はそんな子じゃありません。それに、恐らく姉さん達と一緒に見るでしょうから、ちゃんとしてないと、また義兄さんに小言を言われますよ」

「うむむむ」

「何がうむむむですか。ほら、後がつかえてるんですから、早く終わらせて帰りますよ」

「···はい」

 

 




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