八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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閑話「お茶子、緑谷家での日常~夏休み編~」

 

 

 

 

   AM5:00

 

「んん~、今日も良い天気」

 

 麗日お茶子の一日は、部屋のカーテンを開ける所から始まる。その後、歯磨き·洗顔·寝癖治しと身嗜みを整える。お米を三合研いで炊飯器にセット、炊飯のスイッチを押す。

 

「おはよ~、おちゃこさん」

「おはよ、デク君」

 

 そうしていると、緑谷出久が目を擦りながら起きてくる。コップに水を入れ、出久に手渡し共に飲む。出久が歯磨きに行っている間に、部屋に戻って寝間着からジャージに着替える。

 そして、歯磨き等を終えた出久と共に、朝のランニングへと出発する。仲良く走るその姿を微笑ましく見守るのが、近所の奥さまやご年配の方々の日課なのだそうだ。

 

 

   AM6:30

 

 

「おかえりなさい、二人とも」

「ただいま、母さん」「おはようございます、引子さん」

 

 家に帰ると引子さんが起きて朝食の準備をしている。今日はスクランブルエッグに茹でウインナー、ワカメと豆腐のお味噌汁である。

 

「「「いただきます」」」

 

 最初の頃は遠慮していたが、引子さんの圧力に負けて、きちんとシャワーで汗を流した後に、皆で朝食を頂く。因みに、出久は濡らしたタオルを渡されるだけである。

 引子さんが洗い物をしている間に、お茶子が洗濯物を干す。何時ものように出久が干そうとして、お茶子の下着を手にするという事件があって以降、洗濯物は出久関与禁止令が出されている。まぁ、お茶子も出久のパンツを手に取るのは毎回緊張しているのだが。

 

 

   AM8:00

 

 

「ここの答え、これで合ってる?」

「うん、それで合ってるよ。でも、こっちの計算が間違ってるよ」

「あ、ホントだ。ありがと、デク君」

 

 午前中は、宿題や予習復習を出久に教えて貰いながらこなす。

 

 

   AM11:00

 

 

「にじゅう···さん!にじゅう···よん!」

「後一回、引子さん頑張や」

 

 腹筋をする引子さんの足を押さえ、声援を送るお茶子。筋トレで体を鍛えるお茶子を見て、自身の昔と今を見比べ、一念発起した引子さんはお茶子と共に体を鍛える事に。

 いつも三日坊主で続かない引子さんであったが、息子の嫁(予定)となら、見栄もあって頑張れている。

 

 

   PM12:30

 

 

「デク君、こんくらいでいい?」

「うん、大丈夫だよ」

 

 出久と共に昼食を作るお茶子。今日の昼食は冷やし中華の様だ。二人で楽しく料理をする様を、リビングでぐったりしながら微笑ましく見守る引子さん。早く、本当にお嫁さんに来ないかしらなんて思ったり。

 

 

   PM14:30

 

 

「フッ!やあ!!」

「せい!はぁ!」

 

 かつて、出久がオールマイトと共に体を鍛えた海浜公園で、今度はお茶子と個性不使用の組手を行っている。OFAが無ければ、テレフォンパンチでしかない出久の拳は、GMAを体得したお茶子にとって対処しやすい相手だった。

 しかし、日を追う毎にどんどん修正していく出久に、当初の余裕はお茶子には無い。10回やって6本取れてた物が、今では3本取るのがやっとである。それでも、出久に置いていかれないよう歯を食いしばって、出久の攻撃を捌いていく。

 

「そこ!」

「あっ!」

 

 今日の所は、出久のパワーに押されて体勢を崩した所を押し倒されて終わりとなった。砂浜に倒れこみ、荒い息で見つめ合う二人。上気した頬に、汗で体に張り付いた服とうっすら透けているピンクの下着、鼻腔を擽るお茶子の匂い。

 

「デ、デク君?」

「っ!!先帰っててーー!!上着着てーー!!!」

「デクくーーん!!!」

 

 体全身を真っ赤にした出久が、海に向かって全力疾走していく。そんな彼を、仕方ないなぁという顔で見送るお茶子。家で待つ引子さんに少し遅くなると連絡して、出久が落ち着いて戻ってくるまで、上着を着て待つお茶子であった。

 

 

   PM5:00

 

 

「服着たまま海に入るとか、何してるのよ出久は」

「あ、あははは···急に泳ぎたい気分になったんだと思います」

 

 引子さんと一緒に、近所のスーパーに来ているお茶子。鍛えた体と根性で、タイムセール戦争に挑んでいく。今日の一番の戦果は、半額の豚バラ肉。キャベツも良いのが買えたので、生姜焼きにする事に。

 尚、引子さんは筋肉痛で、専ら指揮官として指示を出すだけである。共同戦線を張るのは、まだ先になりそうだ。

 

 

   PM6:30

 

 

「とっても美味しいよ、お茶子さん」

「い、引子さんの教え方が上手やから」

「お茶子ちゃん、とっても筋が良いもの。今度、私の行ってるお料理教室に参加してみる?」

「よ、よろしくお願いします」

 

 引子さん監修の下、お茶子が一から作った豚バラの生姜焼きを、美味しそうに頬張る出久。気恥ずかしいけど、とても嬉しい気持ちになるお茶子。もっと色んな料理を作れるようになろうと決意を新たにするのであった。

 

 

   PM8:00

 

 

「お茶子さん、お風呂空いたよ」

「うん、ありがと、デク君」

 

 お風呂の順番は、お茶子の入浴や脱衣着衣シーンに、出久が出会さないよう、基本的に出久→お茶子→引子となっている。お陰で、風呂上がりのお茶子にドキドキする事はあっても、ラッキースケベな事は今の所起きてはいない。引子さんも目を光らせている。

 脱衣場に携帯を忘れて、うっかり取りに行こうとした時なんて、グラントリノもかくやというスピードで、出久を取り押さえたのである。

 

 

   PM11:00

 

 

「あ、もうこんな時間だね。じゃあ、おやすみ、デク君」

「うん、おやすみ、お茶子さん」

 

 夜は大抵、出久の部屋でお喋りしたり、テレビや映画を見たり、ゲームをしたりとまったり過ごしている。おやすみの挨拶をして部屋を後にするお茶子。さっきまで、お茶子が座っていたベッドに残るぬくもりに興奮して、今日も中々寝付けない出久が居る等知らず、さっさと夢の住人になるお茶子。

 

 

 こうして、お茶子の緑谷家での一日がまた過ぎていく。明日は何が待っているのやら。

 

 

 




次から二学期。仮免試験、従来の試験てどんな内容だったろうか。

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