八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第六十五話「八木雪花と二学期と留学生」

 

 

 

 

「皆~、久しぶり~!!」

 

 仮免試験から二週間。夏休みも終わり、新学期が始まった。

 久しぶりに顔を合わせる面子も多く、明らかに体が一回りゴツくなった男子とか、試験後もしっかり鍛えてたのが見て取れる。

 

「雪花···あんた、大きくなってない?」

「うん、明らかに大きくなってるよね?」

「やっぱり?私負けちゃった?」

「確実に、二回りは大きくなっとるな」

「言われてみれば、本当ですわね」

「急成長ね、夏休み中に何をしたのかしら」

「ちょっ、そんな見られると流石に恥ずかしいって」

 

 女子皆が、私の胸をじっと凝視してくる。いや、確かにBよりのCからD+位までなっておりましたけども。下着全取っ替えするハメになりましたけども。

 皆が騒ぐ所為で、男子もチラチラ見てくるし。つか、峰田君の目が普通に怖い。

 

「響香、好きな人に揉まれると大きくなるのは本当かもよ」ボソッ

「んなっ!!!」

 

 取り敢えず、思い当たる原因を思い出して響香に耳打ちする。だって、あれの最中ずっと揉んだり何だりしてくんだもん。1/3飛び出してたのが、先っちょはみ出る位まで挟めた時にはビックリしたもんだよ。

 

「百だって、キツくなったとか言ってなかった?」

「え、ええ、まぁ、多少、そんな気がするという位で···」

 

 矛先を少しでも反らす目的で、電話でそんな事を溢してた百に振る。ちょっと恥ずかしそうに、チラッと焦凍の方を見ながら返事をする百。

 

「ほれ、やっぱ効果あるんだってば、響香。早く、上鳴君に揉んで貰いなって」ボソッ

「は、はあっ!!!か、か、か、上鳴は関係ないじゃん!!」

「ん?呼んだか?」

「呼んでない!!」「ぎゃあああ、何で!!!」

 

 照れ隠しのイヤホンジャックが上鳴君を襲う。もう、世話が焼けるじゃないか。そう、三奈と透にアイコンタクトしながら、自分の胸に手を当てて葛藤している響香に生暖かい視線を送る。

 

「皆!そろそろ始業式の時間だ。出席番号順に、列を乱さず第一大講堂へ向かうんだ!!」

「オメェが一番列乱してんじゃねぇか」

「くっ!!委員長としてのジレンマ!!」

 

 夏休みにやった事や行った所など、他愛の無い話に花を咲かせていると、飯田君の号令がかかる。

 始業式で何やら重大な発表があるらしく、今回ばかりは、流石の相澤先生も「そんな事をしている暇はない」とは言えなかった様子。しかし、相澤先生の合理主義を封じる程の重大発表とは一体何かねぇ。

 皆と、あ~じゃないかこ~じゃないかと他愛の無い予想を立てながら、大講堂へと向かう。

 

 

 

「皆さん初めまして。I·アイランドアカデミーより雄英高校サポート科に留学して来ました、メリッサ·シールドです」

「皆さん初めまして。同じく、I·アイランドよりサポート科特別講師として参りました、デヴィッド·シールドです」

 

 まさかまさかのシールド親子再登場。

 チラッとお父さん達の方を見ると、グッと小さくサムズアップしてくる。わざと黙ってたな。つか、よくI·アイランドからの出国が許されたもんだ。ヴィラン侵入事件が関係してるのかな?

 科学的なセキュリティは負けてるけど、お父さん、オールマイトが在籍·常駐しているという物理的セキュリティの安心感は抜群だからねぇ、今の雄英は。

 

「メリッサさーーん!!!!早く研究しましょう!実験しましょう!!開発しましょう!!!」

「止まらないか明君!!まだ式は終わっていないぞ!!!」

 

 突如、始業式サボってた発目さんが扉を開け放って登場し、メリ姉に向かって突進して行こうとする。それを、いち早く動いた飯田君を筆頭に、サポート科一年総出で止めているのに、それすら引き摺ってジリジリ進んで行くバサカっぷりは驚きだ。発目さん、増強系の個性じゃなかったよね。それと飯田君、いつの間に発目さんを名前呼びするようになったんだい?

 

「後で一杯しましょ。だから、ちょっと待っててね。じゃないと、約束してた新素材渡してあげませんよ?」

「はい!待ちます!!···おや、天哉さん、何をしてらっしゃるので?」

「君って奴は···はぁ~」

 

 メリ姉の一言で、すんと大人しくなる発目さん。流石、同じ開発馬鹿の気がある者同士、扱いを心得てらっしゃる。つか、発目さんも飯田君の事名前呼びなのかい。この夏休みで、一体どこまで進んだのやら。飯田君への事情聴取が尋問へとランクアップしましたぞい。

 その後は、恙無く式が進行し、サポート科の人達を残して、私達は各々の教室へと返された。二学期も、楽しい事になりそうだ。

 

 

 

  ▼▼▼

 

 

 

「トシ、色々動いてくれてありがとう」

「他ならぬデイヴの為だ、幾らでも力になるさ」

「あら、上の方への根回しや説得に動いたのは私ですよ。貴方は、後ろで笑顔浮かべていただけでしょう?」

「そ、それは、君がそれ以外するなと言ったんじゃないか」

「フフッ、冗談ですよ。お久しぶりです、デイヴさん」

「相変わらずだね、君達は。久しぶり、また会えて嬉しいよ、冬花さん」

 

 式が終わり、招かれた校長室で、再会を喜びあう私とトシに冬花さん。I·アイランド職員によるヴィラン誘引は、I·アイランドに大きな波紋を引き起こした。特に、ヴィランの標的となった私と唯一の肉親であるメリッサをどうするか、上層部でも揉めに揉めた。最初は、トシに頼んでメリッサだけでもと思っていたんだが、冬花さんの尽力で親子共々雄英···オールマイトの庇護下に置いてもらえる事になった。

 勿論、沢山守秘義務の書類にサインさせられたけどね。それでも、昔の様にトシとまた一緒に居られるならどうという事はなかった。

 

「改めて、雄英にようこそなのさ、デヴィッド博士」

「こちらこそ、快く受け入れて下さり、ありがとうございます、根津校長」

「なぁ~に、こんな書類にサインするだけで、優秀な講師と生徒が手に入るなら幾らでもするさ。それに、滅多にないオールマイトからの頼みだしね」

 

 そう言って、自身の身長と同じ位の高さまで積まれた書類を叩きながら笑う根津校長。この人の頭脳、冬花さんの交渉力、そしてトシの、オールマイトの威光が無ければ、今回の事は実現しなかっただろう。感謝してもしきれない。

 

「我々から君に要求するのはただ一つ。少しでも、生徒の力になってあげてほしい、それだけなのさ」

「はい、私も、これまで蓄えてきた知識を少しでも、彼らに伝えていきたいと思っています」

「うん、よろしく頼むのさ。じゃあ、後はゆっくり旧交を温めるのがいいさ。そして、明日からビシビシ働いて貰うよ」

「はい、根津校長」

 

 部屋を後にする根津校長を見送る。そして、トシ達と昔話に花を咲かせるのだった。

 

 

 

「それでは、飯田君。君と発目さんの関係について、洗いざらい吐いてもらおうか」

「素直にゲロっちまった方が、痛い思いしなくてすむよ~」

「ほれほれ~、赤裸々に語って語って~」

「いつから、名前で呼びあうようになったのかしら?」

「もう、お付き合いされてますの?」

「どんな方法で、あの人落としたのさ」

「飯田ぁあ!!さっき、あの発目っパイに触れてだだろ!!感触とかその他諸々教えやがれぇぇえええ!!!」

「「「「「「「峰田(君·さん)は黙ってて!!」」」」」」」

「ぼ、僕は何もしていなーーい!!」

 

「お前ら、いい加減席につけ」

 

 

 




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