八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録   作:あならなあ

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第六十六話「八木雪花とインターンとサポートアイテム」+小話

 

 

 

「今日から普通の授業再開だが、その前に、皆無事仮免を取得したという事で、インターンについて説明しようと思う」

 

 そう言って、プリント片手に説明を始める相澤先生。

 インターンシップ。職場体験と違い、こっちから働かせて下さいと頼んで、事務所所属のヒーローとしてヒーロー活動をする、職場体験の一歩先に進んだ物。

 このインターンで、どれだけ横の繋がりや実績を積めるかで、デビューした時に差が出るというのは耳にした事がある。

 

「やるかやらないかは、お前達の任意だ。ヒーロー側が、受け入れるかどうかもある。それに、仮免を取ったからと言っても、お前達はまだ一年生だ。学ばなければならない事が、まだまだ沢山ある。二年や三年の様に、インターン優先という訳にはいかない、という事も理解しておけ」

「それでは、何か制約があるという事でしょうか?」

「ああ、そういう事だ。まず、依頼できるヒーロー事務所は、一定のインターン実績を持つ事務所である事。平日のインターンは、原則その週で一日のみ。インターンに行った者は、中間期末とは別に、定期的にテストを受けて貰い、赤点を取ればその学期中はインターン禁止となる」

 

 あくまで、学業優先て事ですな。インターン受けたいなら、自身の責任において学業との両立をしろと。

 

「より詳しい事は、今日のヒーロー基礎学でまた話す。待たせたな、マイク。ああ、日々の授業態度もインターンの可否に繋がるからな」

 

 そう言い残して、プレゼントマイク先生と入れ替わりで、教室を後にする相澤先生。さて、私はどうしましょうかねぇ。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

「改めて、久しぶりね、雪花、緑谷君、麗日さん。仮免合格、おめでとう」

「ありがと、メリ姉。しっかし、まさかこっちで再会するとは思ってもみなかったよ」

「私もよ。まさか、パパと一緒に島の外へ出られるとは思ってなかったわ」

 

 お昼休み、大勢で押し掛けてもアレなので、クラスを代表して私·お茶子·緑谷君の三人で、メリ姉の所に、ランチラッシュのお弁当待ってやってきた。

 まぁ、サポート科を中心に沢山の人が来てたけど、そこは、メリ姉がやんわり断ってくれた。因みに、発目さんは飯田君が回収してった。

 

「ああそうだわ!雪花から聞いたんだけど、緑谷君と麗日さん、お付き合いする事になったのよね!」

「え?!え、あ、えと···」

「はい、デク君と恋人になりました」

「お、お茶子さん!!」

 

 緑谷君の左腕に、ガシッと抱きつくお茶子。皆に、キスシーンまで見られて吹っ切れたのか、周りの目を気にせず、公序良俗を守った上でイチャイチャする様になって、純真だった頃のお茶子を返せーー!!

 

「ふふ、末永くお幸せにね。雪花も、島で一緒に居た子がボーイフレンドになったのよね?皆に、先を越されちゃったわ」

「メリ姉だって、好い人が現れるよ。こう、ビビっとくる人がさ」

「期待しておくわ。で、お祝いって訳じゃないんだけど、これを緑谷君に使って欲しいの。私が開発中のサポートアイテムなんだけど」

 

 そう言って、机に置いてあるケースから、右手用のグローブを取り出して、緑谷君に差し出すメリ姉。

 

「着けてみて」

「あ、はい」

 

 緑谷君がグローブを嵌めると、バンテージみたいなのが出てきて、肘上辺りまでをピッチリ覆う。

 

「おお~、カッチョいい!」

「仮名でフルガントレットって呼んでるの。マイトおじさまの全力を、五回まで耐えうる代物よ」

「オールマイトの全力を···。そんな物を、僕が使っても良いんですか!?」

「まだ、詳細を明かせない技術も使ってるから、信頼出来る人じゃないと頼めないの。その上で、それの限界を超えるパワーを出せる人って言ったら、緑谷君しか居ないから。因みに、マイトおじさまからの推薦よ、緑谷少年に是非って」

「オールマイトが···、僕、頑張ります!!」

「はい、じゃあ契約書。守秘義務にも関わるから、よく読んでサインしてね。使用したら、レポートもお願いね。壊れても構わないから、ドンドン使ってあげて」

「はい!!」

 

 いいなぁ~、私もメリ姉に何か作って貰おうかな~。

 

「そういえば、メリ姉やデイヴさんは、いつまでこっちにいるの?」

「ん~、あっち次第何だけど、長くても今年度一杯かしら。もしかしたら、こっちで卒業式するかもしれないわ。だから、休みの日は、色んな所を案内して欲しいわ」

「OKOK、この雪花ちゃんにお任せあれ!」

 

 その後は、休憩終わりギリギリまで、他愛ない話で盛り上がったのでした。

 

 

 

   ▼▼▼

 

 

 

  「自棄酒猫、雲を掴む」

 

 

「んぐっんぐっんぐっ、うがあああああ!!!おかわり!!!」

「···今日は、いつも以上に荒れてるね。何かあったの?流子ちゃん」

「マスターだって回ってきたんでしょ、あの写真」

「写真?···ああ、消太が担任してるクラスの子が、無事に告白を成功させた奴の事?」

「そうよ!!しかも、ご丁寧に"貴女にも、幸せが訪れます様に"って煽り文句まで添えてぇ~、今度という今度は許さないからね、雪花ぁああ!!」

「明日は仕事?」

「オフだからこうやって自棄酒してんでしょうが!ほら、次のお酒持ってこーい!!」

「悪いけど、今日はもう店仕舞い」

「ええ~、何でよ~~!!!」

「この前、流子ちゃんがしこたま飲んだ所為で、お店のお酒在庫はすっからかんだから」

「まだ飲み足りないーー!!信乃は洸汰んとこだし、柔と知子は旅行だし、帰っても一人なのーー!!寂しいのーー!!」

「はぁ···家に、消太達から貰った結構良いワインで、そろそろ飲み頃の奴があるから、それ飲みに来なよ」

「···え?」

「どうせ、またぶっ倒れるまで飲むんだろ?せめて、酔い潰れるなら俺の前だけにしてよ。被害者は俺一人で十分」

「どういう意味よーー!!」

「分かんないならそれでいい。ほら、片付けだけしてくるから、外で待ってて」

「早くこないと、他所行っちゃうからね」

「はいはい、分かってますよ」

 

 

 翌日。

 二日酔いによる頭痛と、下腹部の鈍い痛みによって目が覚めた土川流子が、自分が一糸纏わぬ姿で、これまた何もその身に纏っていない白雲朧と抱き合って、ベッドの上で横になっているのに気付いて悲鳴をあげるまで、後17分である。

 

 

 

 




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