「あ゛あ゛~、まだお腹痛い」
「ゴメンなんだよね。でも、去年雪の中で窒息死させられそうになったんだから、おあいこなんだよね」
「くっ、メリ姉に失敗とか失敗とか言いふらしてやる」
「それはやめて欲しいんだよね」
インターンの説明なのに腹パンされた私は、その元凶を連れて校舎を歩いている。
授業は、私が痛みに呻いている間に、皆はミリオ先輩から、三コマですむ話を一話半使う位の長さ語られた、インターンに行くべきという言葉に感銘を受けて盛り上がっていた。かっくんは、ミリオ先輩と戦いたそうにしていた。らしいけども、薄情な彼氏だ事で。
んで、何でミリオ先輩と一緒に歩いているのかというと、お母さんに、メリ姉とミリオ先輩の顔繋ぎをしてくれと頼まれたから。元パートナーの娘と元サイドキックの弟子として、今後も色々あるだろうからって。
「メリ姉、お待たせ~」
「待ってたわ、雪花。パパやマイトおじさまから話は聞いてるわ。それで、紹介したい人っていうのは···どこかしら?」
「え?」
待ち合わせ場所に指定された、お父さん専用控え室に入ると、メリ姉がもう来ていた。ミリオ先輩が、さっきまで後ろに居た筈なのに、メリ姉の言葉で振り返ると何処にも居なかった。あるのは、ミリオ先輩の物とおぼしき制服が床に落ちてるのみ。
「初めましてなんだよね!!」
「きゃあっ!···キャーーーー!!!!」
「ああ!!ゴメンなんだよね!!」
「···何やってんですか」
メリ姉の座るソファーの背凭れ部分から、顔だけ出したミリオ先輩。つかみのつもりなんだろうけど、驚いたメリ姉が飛び退いた拍子に、ソファーが倒れたもんだから、ソファーに隠れてたミリオ先輩の体が丸見えになってしまった。当然、ミリオ先輩は全裸である。
そういうのに耐性が低かったのか、メリ姉がフラァっと倒れてしまった。慌ててメリ姉を抱き止めるミリオ先輩。先輩が全裸じゃなければ、絵になってるんだけどなぁ。
「ん······あれ、ここは?」
「あ、目が覚めた?メリ姉」
「雪花···?」
「さっきは申し訳なかったんだよね。改めて、通形ミリオです。どうぞよろしくなんだよね、メリッサ·シールドさん」
「え···あ、はい、こちら···こそ······っ!!」
ミリオ先輩の顔を見上げて、ボッと顔が真っ赤になるメリ姉。因みに、メリ姉はミリオ先輩に膝枕されながら、ソファーに横になっています。私がさせました。ソワッソワするミリオ先輩が、とても面白かったです。
「え···あ···え······?」
「はいはい、取り敢えず起きて、メリ姉」
「あ、うん。あの、膝をお借りしてありがとうございました?」
「これ位、お安いご用なんだよね」
「元凶が何をほざく。ナイトアイさんに、もう一回ユーモアという物を学び直させて貰え。
じゃあ、キチンと紹介するね。こちら、雄英高校三年生の通形ミリオ先輩。オールマイトのサイドキックを務めたヒーロー"サーナイトアイ"の一番弟子"ルミリオン"。
で、え~こちら、オールマイトの専任サポーターをやっておられた、デヴィット·シールド博士の一人娘、メリッサ·シールドさんです。こう見えて、結構な研究バカなんだけど、現在彼氏募集中との事。因みに、恋愛経験は皆無だそうです。どうでしょうか、ミリオ先輩」
「せ、雪花!!何を言ってるのよ!!」
「アハハハ、とても光栄なんだよね。でも、そういうのは、もうちょっとお互いを知ってからだと思うんだよね」
「ふむ、脈はありそうですぜ、メリッサの姉貴」
「もう、雪花は黙ってて!!」
メリ姉をからかうのはここまでにしときますか。ぼちぼち、自衛用のアイテムか何かを取り出してきそうだし。いや、この二人がくっついてくれたら嬉しいのは本心ですよ。色んな意味で好都合だし。
「よし、じゃあちょっと真面目な話をするんだよね。シールドさん、俺は君の護衛係の代表として選ばれたんだよね。あくまで生徒の中でって話で、本職の護衛は別に居るけど。でも、大人に囲まれてじゃ息が詰まるだろうし、本校舎内は俺か俺が選抜した生徒が、貴女の身を守る。何かあったら、すぐに相談して欲しいんだよね」
「分かりました、何があるか分かりませんものね。どうぞ、よろしくお願いします。でも、決して無理はしないで下さいね、通形さん」
「大船に乗ったつもりで、任せて欲しいんだよね!シールドさん」
「むー、二人とも固い。ここは、お互い渾名で呼びあおう!ミリオ先輩は、メリ姉の事をメル。メリ姉は、ミリオ先輩の事をミルって呼び会うこと!!はい、決定!!」
「雪花、本気で怒るわよ」
「いや、結構真面目な提案。ミリオ先輩から見ても、メリ姉って顔も良くてスタイルも良くて超絶美人だと思うよね」
「うん、当然だよね」
「と、通形さん」
「そう、故に恋愛目的で群がってくる猿共が絶対出てくる。そういう輩に、研究とか開発する時間を削られるの嫌でしょ?だから、二人がそういう関係だと周囲に思わせれば、そういうのが湧いてくる確率を減らせる訳。それに、ミリオ先輩も護衛する上で、しつこくアプローチしてくる奴らを止める大義名分を得られる。気になる子にモーションかけてるって言われれば、止められないでしょ?例え、明らかにハニトラ目的だったとしても、確固とした証拠が無いと」
「···まぁ、一理あるんだよね」
「私としても、そういう人は遠慮したいけど···」
「別に、本当に交際しろって言ってる訳じゃないし、周りを誤解させればいいだけだから、ね!渾名で呼びあおうよ!!」
「俺は、護衛対象であるシールドさんの意志に任せるんだよね」
「···雪花の口車に乗せられた感はあるけど、お願いしてもいいかしら、通形さん、いえ、ミル」
「任せるんだよね。あ、でも、気になる人ならちゃんと言って欲しいんだよね。邪魔するのはあくまで、君から見て迷惑な人か、悪意を持った人だけだから」
「ええ、分かったわ」
「それじゃ、よろしくなんだよね、メル」
「っ!!ええ、よろしくお願いします、ミル」
そう言って、お互い握手をする二人。ぬっふっふっふっ、我ながらいい仕事をしたぜい。後は、色々と外堀埋めていけば。
翌日、通形ミリオとメリッサ·シールドの熱愛情報が、生徒の間を駆け巡る事態になることを、当の二人はまだ知る由もない。
という訳で、ミリオ×メリッサです。
無理矢理?細けぇ事はいいんだよ!!
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