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25位:八木雪花とほのぼの轟一家ヒーロー録
「( ゚д゚)ポカーン」
皆様、これからもどうか本作をよろしくお願いします。
「プッ!コレとか上鳴っぽくない?」
「いやいや、俺もっと格好いいって、響香さんよぉ」
何となく足を向けたフリマエリアで、変な顔した猿の人形を俺の前に掲げて笑う耳朗。
「いやいや、ウェイした時のアンタそっくりだってwww」
「いやいや笑いすぎだから」
まだ、バンドの興奮が冷めないのか、いつもよりハイテンションで、いつも以上に可愛く見える。
「あ~おっかし、おじさんコレ幾らですか?」
「ソイツは500円だな。まいど」
「はい、今日まで頑張ったご褒美に、ウチからのプレゼント」
店の人に五百円玉を支払い、その猿の人形をポンと俺の手に乗っけてきた。
「俺の頑張りは五百円ですか」
「調子に乗って、本番で変なアドリブ入れた分減額」
「耳朗だって、アレンジ入れてたじゃんか」
「ウチは、皆に影響が出ない様にやったから」
「何だよそれ~」
「ほら、次どこ行く?ウチ、何か甘い物が食べたい気分なんだけど」
「···はいはい、分かりましたよ。指導やらなんやら頑張った耳朗様に、私めから甘味をご馳走させていただきます」
「やった」
「あ、言っとくけど、一個までだかんな!」
「え~、ケチ臭い」
「ケチで結構。売り切れで店畳み始める前に、さっさと行こうぜ」
「あ、ちょっ、手ぇ!」
「気にしない気にしない」
「若いっていいねぇ。帰りに、母ちゃんに何か旨いもんでも買って帰るか」
手を繋いで去っていく二人の背中を見ながら、家にいる妻の事を思い浮かべる店主であった。
「あ、びっくりハウス行こうぜ」
「絶対ヤダ!!!」
「いや、行こう!響香ちゃん!!」
「うわ!どっから出てきたの透!!」
「上鳴君、ジャックは私が持っとくから、響香ちゃん抱えてレッツゴーだよ!!」
「おっしゃ任せろ!!」
「ヤダヤダヤダーー!!!尾白!見てないで止めてよ!!」
「えぇっと、うん、ごめん。俺、今日は葉隠さんの言いなりだから」
「いやだーーーー!!!」
「「うおおおおお!!!!」」
「頑張れ、切島ー!!」
「負けないでください!徹鐵さん!!」
『さあ!試合も大詰め!!相手より先に風船を破裂させ、愛する彼女を守れるのはどっちだーー!!』
檻の中で声援を送る芦戸三奈と塩崎茨。その頭上で、大きく膨らむ巨大風船。膨らますのは、切島鋭次郎(茨風船)と鉄哲徹鐵(三奈風船)。
「茨ーー!!お前が大好きだーーー!!!」
パァン!!
『勝者、鉄哲徹鐵ぅぅうう!!!!』
「茨、待たせたな」
「徹鐵さん、勝つと信じておりました」
「茨!」
「徹鐵さん!」
「ちくしょう!またアイツに負けた!!俺とアイツの差はなんなんだ!!」
「守りたい誰か、それが明確な俺と、曖昧なお前の差だよ」
「俺が···曖昧」
「誰かを守れるヒーローになる。それと同時に、茨を守れる俺でありてぇ。これが、俺の芯だ。テメェはまだ、守りたい誰かが見えてねぇんだよ!立てよ、お前は俺のライバルだろうが!!」
「鉄哲!!」
「意味分かんないやり取りで盛り上がってないで、私助けろーー!!!」
「常闇兄上、いつ姉上と交際を始められるので?」
「ブッ!···突然何を言う、五月雨」
俺は、梅雨と文化祭に来ていた梅雨の弟妹、五月雨とさつきと共に回っている。丁度、梅雨がさつきのトイレに付き添って離れ、五月雨と二人きりになった時に、唐突に先の言葉を言われた。リンゴジュースを、思い切り吹き出してしまった。
「常闇兄上、姉上は僕達にとって姉であり親です。仕事で忙しい両親の代わりに、昔から僕達の面倒をみてくれていました。その所為で、友達と遊ぶ処か、友達すら殆どいませんでした。そんな姉上が、雄英に入学してから、嬉しそうに友達の話を聞かせてくれるのです。特に、常闇兄上、貴方の事を」
「···そうなのか」
「はい、そうなのです。ですので、是非常闇兄上には、姉上と添い遂げていただきたいと、妹共々願っているのです。常闇兄上は、姉上をどう思っておいでですか?」
「俺は······」
「おまたせしたわ、常闇ちゃん。五月雨、常闇ちゃんに迷惑かけてないかしら?」
「いえ姉上、常闇兄上と楽しくお話しておりました、ねぇ」
「ああ、安心しろ、梅雨。お前の弟なだけはあったぞ」
「そう、それは良かったわ。じゃあ行きましょうか」
嬉しそうに微笑んで、さつきの手を引いて歩き出す梅雨。あんな話をされた直後だったからか、その笑顔がいつも以上に輝いて見えた。
「次まみえる時は、姉上の恋人としてお会い出来る事を、願っております」
「···努力はしよう。未熟な俺には、それ以外の言葉は紡げん」
「それで、僕達は満足です、兄上。今は、ですけど」
「おにいちゃんたちは、なにおはなししてるのでしょう」
「さあ、後で聞いてみましょうか、ケロケロ」
『ふむ、つまり、"ヒーロー"という制度を撤廃し、新たな仕組みを作りたい。議員はそうお考えでよろしいかな?』
『大枠はその様なものです。まずは、都市部に一極集中化している現状を打破するため、都市で手持ちぶさたなヒーロー達を、手の足りていない地方へ、政府の権限で配置出来るようにしたい。
次に、ヒーローという個人事業主ではなく、各々特性や希望で、警察官や消防士等の公的機関の職員に。これで、歩合制の格差ある収入と無用な縄張り争い、落ちぶれてヴィランになる事をなくしたい。
そして、最終的には、ヒーローという物を職業ではなく偶像に戻してしまいたい。
個性黎明期の動乱期において、貴方はまさしく希望でした。貴方のご活躍のお陰で、今日の平和があります。貴方でなければどうしようもない事件が多々あったでしょう。しかし、昨今のヴィラン犯罪や災害救助等、貴方でなければならない事象は殆どありません』
『平和の象徴は、もう不要という事かい?』
『象徴に依存する社会からは、卒業しなければならない時が来ている、そう思っています。それは、貴方がこの世を去るという強制ではなく、我々の意思でしなければならないとも』
『私からの卒業···か』
『我々は、貴方に言わなければならないのです。"もう頑張らなくていい、休んでいい"と。貴方が築きあげ、支えてきた物を、我々皆で支えるから、と』
『···なるほど。私の立場では、支持も不支持も示す事は出来ない。だが、良い話を聞かせて貰ったよ。今日はありがとう、赤黒議員』
『いえ、貴方が居たからこそ、私はここに居るのです』
壇上で握手をする二人を、大きな拍手が包んだ。この日、人々の意識は微かにでも、確かに変化したのだった。
「オールマイトからの卒業か~、柔造はどう思う?」
「···遅かれ早かれ、そういう日が来るんだろうなってのは思ってたよ。でも、議員の話を聞いて、やっぱり"もう大丈夫、何故って?俺達が居るから!"って送り出してあげたいよな」
「···そうだね」
「いっそ、全世界に呼び掛けて、オールマイトの卒業式でもやってしまうか?なぁ、切奈」
「それ、すっごい良いと思う」
ステインじゃない赤黒さんのキャラは難しい。自分の表現力の限界ががが。
評価と感想をよろしくお願いします。